【理系から事務職はアリ?】理系事務職の需要をメリットから将来性まで徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

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はじめに

理系大学生のあなた!

「事務職」と聞いた時にどんな仕事を思い浮かべますか?

「毎日同じ仕事の繰り返しでラクそう」、「人としゃべらなくていいから気楽」などという偏ったイメージを持っている方もいるかもしれません。

本記事では、事務職について、その仕事内容から将来性まで解説します! 理系のあなたが事務職として働く際にオススメの業界や、事務職として働くメリット・デメリットなどもお伝えします。

本記事を読むことで、理系のあなたが事務職を目指す上で知っておきたい情報を全て手に入れることができると思うので、ぜひ最後までお読みください!

【理系から事務職】事務職とは?

事務職とは、企業や組織の運営を円滑に進めるために、裏方として重要な役割を担う職種です。

売上に直接関与しないものの、各部署が本来の業務に専念できるよう、情報の整理や環境整備を通じて組織全体の生産性を支える点で欠かせない存在です。

具体的な業務としては、書類作成、データの入力等といった情報管理、社内外との連絡調整、来客・電話対応などのコミュニケーション業務、出張手配や備品発注などの手続き業務、会議資料作成補助や経費精算などの業務支援、さらに郵便物の仕分けやオフィス整備などの庶務的作業まで多岐にわたります。

求められるスキルは、正確に物事を処理する力、効率的に業務を進める工夫、社内外と円滑にやり取りするコミュニケーション能力、そして突発的な事態に対応する柔軟性です。

理系で培った論理的思考やデータ処理能力、慎重に物事を進める姿勢は、事務職においても大きな強みになります。

種類

事務職には多くの種類があります。

一般事務は書類作成や電話・来客対応を中心とし、営業事務は営業のサポートを担当します。

経理事務は経理・会計・財務業務を担当し、人事事務は人事採用や給与管理を行います。

総務事務は社内環境の整備や備品管理を行い、秘書はスケジュール管理や上司のサポートを担当します。

これらの役割により、組織内のさまざまな業務が円滑に進行するので、事務職は企業や組織において非常に重要な職種です。

事務職の種類

一般事務:幅広い事務業務を担う

営業事務:営業部門のサポートとして、見積書・請求書作成、受発注処理、顧客対応などを行う

経理事務:経費処理、会計ソフトへの入力、決算業務の補助など、財務に関する事務処理を行う

人事事務:採用、給与計算、社会保険手続き、労務管理など人事部門のサポートを行う

総務事務:備品管理、オフィス環境整備、組織全体の庶務的な業務を行う

医療事務:病院やクリニックなどで受付、会計、診療報酬請求などを行う。医療に関する知識や資格が役立つ

学校事務:大学や専門学校などで、学生対応、教員サポート、学費管理などを行う

法務事務:契約書作成・管理、法律相談対応の補助など、法務部門のサポートを行います、法律に関する知識が役立つ

貿易事務:輸出入に関する書類作成、通関手続き、海外との連絡など、貿易に関する事務処理を行う。語学力が求められる

IT事務:社内SEのサポート、ヘルプデスク、システム管理の補助など、IT関連の事務処理を行う。ITに関する知識が役立ちます

どの仕事もあまり表には出てきませんが、気持ちよく仕事ができるような環境を作るためには必要不可欠であると言えます。

書類がバラバラで必要な書類が全然見つからなかったり、

締め切りギリギリの重要書類が山積みの郵便物の中から発掘されるような職場では働きたくないですよね!

理系と事務職の意外な共通点とは

理系と事務職は一見まったく違う世界に見えますが、実は根底で求められる力に多くの共通点があります。

理系は研究や実験を通して、仮説を立てて検証し、結果を整理するという流れを繰り返し学んでいます。

この考え方は事務職で業務フローを改善したり、作業効率を上げたりする際にそのまま役立ちます。

また、膨大なデータからパターンを見つけ出したり、物事を体系的に整理したりする力も、資料作成やデータ分析を行う事務職では大きな強みとなります。

理系で培った論理的思考力や正確性、計画的に仕事を進める姿勢は、事務職が求める基本能力と高い親和性があり、異なる分野に見えても実は共通のスキルが多いのです。

【理系から事務職】事務職の仕事内容を解説

事務職は会社の運営を支える重要な存在であり、社員が安心して業務に集中できるよう環境を整える役割を担います。

理系出身者は、研究や実験で培った論理的思考力や正確性、データ管理能力を強みとして活かしやすく、特に数字や情報を扱う場面で高く評価されます。

ここでは、理系人材が特に力を発揮しやすい代表的な4つの事務職について、その仕事内容と魅力を解説します。

一般事務の仕事内容

一般事務は、会社全体の基盤を支える幅広い業務を担当します。

来客応対、電話対応、備品や資料の管理、書類作成、データ入力など、会社運営に必要な日常業務を幅広くカバーする仕事です。

一見ルーティンワークが中心に見えますが、急な依頼や部署間の調整、突発的なトラブルへの対応など、臨機応変な判断力や柔軟性も求められます。

また、複数の業務を同時に進める場面も多く、優先順位をつけて効率よく進める計画性や正確性が必要です。

理系出身者が持つデータ処理能力や分析力は、書類作成や数値管理、業務改善の提案などで大きな強みとなり、社内の信頼を得やすい傾向があります。

業務を通じて会社全体の仕組みを理解できるため、将来的に総務や経理、人事など他部門にキャリアを広げやすい点も魅力です。

営業事務の仕事内容

営業事務は営業担当者を支え、売上活動を円滑に進める役割を担います。

具体的には、見積書や請求書の作成、受発注管理、納期調整、顧客データの管理などが中心で、社内外とのやり取りが頻繁に発生します。

営業の最前線を支えるポジションであるため、正確な事務処理能力と円滑なコミュニケーション能力が同時に求められます。

理系出身者の論理的な整理力や数値管理スキルは、複雑なデータを扱う顧客管理やトラブル対応で大きな力を発揮します。

また、営業部門からの急な依頼にも対応する柔軟性が必要なため、研究や実験で培った計画変更への適応力も評価されます。

業務を通じて顧客情報や商品知識が自然と身につき、将来的には営業企画やマーケティングなどのキャリアへ発展するチャンスもあります。

経理事務の仕事内容

経理事務は会社のお金の流れを管理する専門性の高い職種です。

日々の伝票整理、売掛金や買掛金の管理、給与計算、月次や年次決算などを通じて、会社の財務状況を正確に把握し、経営を支える役割を果たします。

数字を扱うため、簿記や会計知識が役立ち、資格取得がキャリアアップの大きな武器となります。

理系出身者は数値に強く、正確な計算やデータ分析に慣れているため、経理業務との相性が非常に良いと言えます。

また、経理は企業規模に関わらず必要不可欠な部門であるため、転職市場でも安定した需要があります。

業務を通じて財務や会計の知識を習得でき、将来的には経営企画や財務戦略などより高度なポジションへと成長する可能性もあります。

研究で培った分析力や問題解決力を活かして、会社の数字から経営を支えるやりがいを感じられる職種です。

人事・総務事務の仕事内容

人事事務は採用活動、社員教育、労務管理、給与計算など「人」に関わる幅広い業務を担当します。

総務事務は備品管理、社内イベントの運営、施設や環境の維持管理など、会社全体の運営を支える役割を担います。

どちらも社員が安心して働ける環境を整えることが目的であり、幅広い業務をバランス良く進める調整力やサポート力が求められます。

理系出身者が持つ計画性や改善思考は、業務フローの効率化や制度運用に役立ち、職場環境をより良くする提案力として評価されやすい分野です。

また、採用活動を通じて多くの人と接するため、社内外での調整力や信頼関係を築く力も身につきます。

理系の論理的な問題解決力を活かして、社員一人ひとりが働きやすい環境を作り上げるやりがいを実感できる職種です。

【理系から事務職】働くメリット・デメリット

理系大学生として学業・研究に励んできたあなたの中には、周りの友人がIT系などの専門的な仕事や工学系の技術的な仕事に就いているという人も多いと思います。

そんな中で、理系のあなたが事務職として働くことにどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

理系ならではの特徴が、事務職という仕事にどのように影響するのかについてご紹介します。

理系が事務職として働くメリット

まずは、理系のあなたが事務職として働く上で、考えられるメリットについてご紹介します。

理系のあなたの中には、数字や統計に強かったり、システム系の知識を持っていたり、物事を論理的に考えることができるといった強みを持っている方が多いと思います。

そういった強みを活かすことができると知ることで、事務職として働くことへの興味や自信がより大きくなることでしょう。

論理的思考力と問題解決能力

理系の学生は、研究や実験を通じて「仮説→検証→考察」というプロセスを繰り返し経験しています。

この過程で身につく論理的な思考力は、事務職で直面する業務の優先順位づけ、原因分析、業務改善などに役立ちます。

また、想定外のトラブルが発生した際にも、冷静に状況を整理し、根拠に基づいて解決策を立案・実行できるため、業務の効率化やトラブル対応において高い評価を得られる傾向があります。

複雑な業務フローの構造理解や改善にも理系的な視点が強みになります。

分析力とデータ処理能力

理系の学問では、実験や統計解析などを通じて大量のデータを扱う場面が多くあります。

その中で養われた「データを客観的に読み解く力」や「正確に処理するスキル」は、事務職でも即戦力となります。

例えば、売上データの集計や経費管理、顧客動向の分析など、数字を扱う業務においてミスを防ぎながらスピーディに処理する力は重宝されます。

Excelや各種システムを用いた作業にも抵抗が少なく、論理的な視点から業務効率化を提案できる点も大きなメリットです。

専門知識の活用

理系出身者は、化学、物理、情報、機械など特定分野における深い専門知識を持っています。

これらの知識は、特定の業界での事務職において強みとなります。

たとえば、医薬品業界では成分に関する知識、IT業界ではシステムやデータ構造への理解が役立ち、単なる事務作業にとどまらず、業務の本質的な理解に基づくサポートが可能になります。

専門性をもった事務職は部署間の橋渡し役としても貴重な存在となり、業務の質向上に大きく貢献できます。

精密さと正確性

理系の実験や研究においては、ミスが結果に直結するため、細部に注意を払いながら精密で正確な作業を繰り返す習慣が身についています。

この習慣は、ミスの許されない事務業務においても大きな強みとなります。

たとえば、経費精算や契約書類の作成、在庫管理などでは、わずかな入力ミスが大きなトラブルに発展する可能性があり、正確な作業が強く求められます。

理系出身者はこの点において高い信頼性を発揮し、ミスを防ぎつつ丁寧に業務を遂行できます。

新しい知識・技術への対応力

理系の学びは常に進化する科学技術に触れることが多く、新しい知識や技術を柔軟に吸収する姿勢が自然と身についています。

そのため、事務職で使用される新しい業務システムやITツール(たとえばERPやクラウドサービスなど)にも抵抗が少なく、短期間での習得が可能です。

また、業務改善の視点から新しいツール導入を提案したり、マニュアルを整備したりといった場面でも活躍が期待できます。

変化に対応できる柔軟性は、現代の事務職において重要な資質のひとつです。

理系が事務職として働くデメリット

次に、理系のあなたが事務職として働く上で、考えられるデメリットについてご紹介します。

デメリットの存在を知って終わってしまうのではなく、どうやったら改善することができるのかについても考えられると良いでしょう。

メリット・デメリット双方をしっかりと理解した上で事務職として働くかどうかを判断することで、後悔のない選択をすることができるはずです。

専門知識を直接活かせいない

理系出身者が大学や大学院で学んできた高度な専門知識や研究成果は、事務職の業務内容と直接的に結びつかないことが多くあります。

例えば、化学反応式やプログラミング、解析手法といったスキルは、書類作成や経費処理、電話応対といった業務ではあまり活用する場面がありません。

そのため、自身の学びや努力が活かされていないと感じ、仕事へのモチベーションが下がってしまう可能性もあります。

自分の専門性をどう間接的に活用していくかを考える必要がある点が、理系にとっての課題です。

ルーティンワークが多い

事務職の業務には、書類作成、データ入力、スケジュール管理などの定型的な作業が多く含まれます。

これらは日々の業務を支える上で不可欠ではあるものの、理系出身者にとっては「新しい知見を探究する」「仮説を立てて検証する」といった探求的・創造的な活動に比べ、刺激が少なく感じることがあります。

また、業務の幅が狭くなりやすく、自身の成長や達成感が感じにくいという声もあります。

創意工夫や改善提案の余地を見出すことで、やりがいを見出す必要があります。

キャリアパスのイメージがつきにくい

理系分野の専門職では、研究職、技術職、開発職など比較的明確なキャリアパスが描ける傾向がありますが、事務職では業務内容が多岐にわたり、昇進・異動の基準も職場によって異なるため、将来の姿をイメージしにくい場合があります。

特に、専門職としての経験を積むことに重きを置いていた理系出身者にとっては、業務の中で自分の市場価値がどう高まるのか見えにくく、不安を感じやすい傾向があります。

中長期的なキャリア設計には、自ら成長機会を掴みにいく姿勢が求められます。

給与水準が専門職と比べて低い

一般的に、事務職は営業職や専門技術職などと比較して給与水準がやや低く設定されていることが多く、特に専門性を活かして高収入を目指したいと考えていた理系出身者にとっては、ギャップを感じやすいポイントです。

大学院まで進学した場合、その学費や時間の投資に対するリターンが少ないと感じる可能性もあります。

また、評価制度が曖昧な職場では成果が給与に反映されにくいこともあるため、給与面での納得感を得るには、評価の仕組みやキャリア制度の整った企業を選ぶことが重要です。

周囲とのコミュニケーションの違いがある

理系出身者は論理的に物事を捉える傾向が強く、事実や根拠に基づいて話すことが多いため、感覚的・経験則的な判断が多い文系出身者との間で、意見のすれ違いや認識のズレが生じることがあります。

例えば、曖昧な指示に対して明確な根拠を求めすぎると、周囲から「融通が利かない」と受け取られる場合もあります。

一方で、チームとして業務を進める場面では、共通認識の形成や柔軟な対応が求められるため、コミュニケーションのスタイルに適応する意識が必要です。

多様な考え方を尊重し、調整力を磨くことが課題となります。

【理系から事務職】事務職の給料は?将来性はある?

理系から事務職を目指す場合「やっぱり理系の道に進んでおけばよかったかも」と後悔するようにならないか不安に思う方も多くいます。

そこで、実際の事務職の年収や将来性について解説するので、参考にしてください。

平均年収は約300万円

事務職の平均年収は約300万円とされていますが、これは業界、企業規模、地域、経験年数などによって大きく異なります。

新卒や未経験で就職する場合は、年収250万〜280万円程度からスタートすることが多く、経験を積むことで徐々に昇給していく傾向があります。

また、経理・人事・法務・IT事務など専門性の高い事務職は、スキルによっては年収400万円以上も可能です。

理系出身者の場合、データ分析スキルやITスキルを活かすことで、一般的な事務職よりも高い給与水準を目指せる可能性があります。

事務職の仕事はなくならない?

AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の普及により、データ入力や定型業務は自動化が進んでいます。

しかし、すべての事務作業が機械やAIになってしまうわけではありません。

業務の全体像を理解し、複数の関係者と調整を行いながらタスクを進めるといった人間的な対応が求められる場面は今後も残ります。

理系出身者の場合は、論理的思考力や分析力、業務の最適化を図る力を活かして、業務効率の改善や新たな仕組みの導入といった上流工程に関わるチャンスもあります。

さらに、ITや語学といった分野のスキルを組み合わせることで、汎用的な事務職からより専門的なポジションへのステップアップも可能です。

今後も残る事務とは

自動化が進む中でも、すべての事務業務が機械に置き換えられるわけではありません。

今後も人間による判断や対話が求められる領域は多く存在します。

たとえば、クレーム対応や重要な来客応対など対人関係を伴う業務、複数部門と連携しながら進める調整業務、あるいは法務・経理・システム導入など、専門的な知識を要する業務は今後も継続して求められます。

理系出身者であれば、システム理解や業務プロセスの設計力を活かして、ITやDXに関わる事務業務に携わることもできます。

日常的なルーチンだけでなく、仕組みそのものを作り出す・改善する視点を持つことが、今後の事務職において重要です。

【理系から事務職】理系ならではの強みと活かせるスキル

理系出身者は、研究や実験を通じて培った論理的思考力や正確な作業力、計画性を持ち合わせており、これらは事務職においても非常に価値の高い能力です。

事務職は一見、理系とは無関係に見えるかもしれませんが、膨大なデータ処理や業務フローの改善、資料作成など、理系で培ったスキルを活かせる場面が数多くあります。

ここでは、理系が持つ代表的な強みを解説し、事務職でどのように発揮できるのかを紹介します。

論理的思考力と問題解決能力

理系は、研究や実験を通して複雑な課題を論理的に分解し、最適な解決策を導き出す訓練を日常的に行っています。

事務職では、業務の効率化やトラブル発生時の対応など、原因を整理し改善策を見つける場面が多く、この能力が大いに役立ちます。

例えば、業務マニュアルを作成する際には、手順を体系的に整理して誰が見ても分かる形にまとめる必要があります。

また、急なトラブルが起きたときに冷静に状況を分析し、優先順位をつけて対応する力も重要です。

理系で身につけた論理的な思考力は、日常業務の改善提案や新しいシステム導入の際にも大きな武器となり、職場全体の生産性向上に貢献します。

データ分析力と正確性

理系出身者は、研究で大量の実験データを扱い、統計的に分析して結論を導く経験を重ねてきました。

この訓練によって養われたデータ分析力や正確性は、事務職におけるデータ入力や資料作成、売上や在庫の管理業務などで非常に役立ちます。

数字を扱う業務ではわずかなミスが大きな影響を及ぼすため、細部まで注意を払って作業できる理系人材は重宝されます。

さらに、データから傾向を読み取り業務改善に活かす力も、理系の強みとして評価されやすいポイントです。

Excelや社内システムを使った集計作業でも、理系ならではの正確な計算力と分析力がスピーディーな業務遂行を支えます。

計画性・スケジュール管理能力

研究や実験を進める際には、限られた期間の中で計画を立て、必要なデータを集め、結果をまとめることが求められます。

この経験を通して培われた計画性やスケジュール管理能力は、複数のタスクを並行して進める事務職において大きな強みになります。

例えば、書類作成、会議準備、社内調整など異なる期限の業務を効率よくこなすためには、優先順位を見極めた計画立案が欠かせません。

理系で培った段取り力や進捗管理力は、締め切りが重なる繁忙期でもミスを減らし、安定した成果を出すために高く評価されます。

また、進捗に合わせて柔軟に計画を修正する力も研究で養われたものであり、事務職の現場で即戦力として活かせます。

新しい知識を習得する探究心

理系出身者は、未知の課題に取り組む姿勢や新しい知識を積極的に学ぶ習慣が身についています。

事務職では、業界の最新情報や新しい業務ツールを自ら学び取り入れることで、作業効率の向上や業務改善に貢献できます。

例えば、最新の表計算ソフトや社内システムを積極的に活用したり、業務フローの改善案を提案したりすることで、職場の生産性を高めることが可能です。

自ら学び続ける姿勢を持つ理系人材は、変化する業務環境や新しいシステムにも柔軟に対応できるため、職場にとって欠かせない存在となります。

探究心を活かして知識を深め続ければ、未経験からの挑戦であっても短期間で即戦力として成長できる点が理系ならではの強みです。

【理系から事務職】事務職を目指すための具体的なステップ

理系から事務職への転職や就職は、専門分野が大きく異なるため不安を感じる人も多いでしょう。

しかし、理系で培った論理的思考力、データ処理力、計画性は事務職においても非常に高く評価されます。

この強みを効果的に伝えるには、早い段階から計画的な準備を進めることが不可欠です。

ここでは理系出身者が事務職を目指す際に取り組むべき具体的なステップを、順を追って詳しく紹介します。

自己分析で「なぜ事務職か」を明確にする

最初のステップは、自分がなぜ理系の専門職ではなく事務職を選ぶのかを明確に言葉にすることです。

研究や実験を通じて得たスキルや経験を振り返り、その中で事務職に活かせる要素を具体的に整理しましょう。

例えば、研究計画の立案で培った計画性や、データ整理を通じて磨かれた正確性は、事務職の業務改善や業務効率化に直結します。

また、研究室での共同作業を通して得た調整力や協調性は、社内外との連携が欠かせない事務職において大きな武器となります。

過去の経験を掘り下げながら、自分がどのような価値を企業に提供できるのかを具体的に書き出すことで、志望動機や自己PRに説得力が生まれ、面接で自信を持って話せる土台が整います。

業界・企業研究のポイント

次に、事務職として働きたい業界や企業を絞り込むための研究を進めます。

事務職は医療、IT、メーカー、金融など業界によって仕事内容や必要な知識が大きく異なり、求められるスキルやキャリアパスも変わります。

理系出身者の場合、自分が学んだ専門知識を少しでも活かせる業界を選ぶことで強みを発揮しやすくなります。

たとえば医療業界ではデータ管理や分析業務、IT業界ではシステム運用補助、メーカーでは生産データの管理や品質管理など、理系の経験を活かせる分野は多岐にわたります。

企業研究では、公式サイトや求人票の情報だけに頼らず、OB訪問や説明会、口コミサイトなどを活用して職場環境や異動制度を調べましょう。

勤務地限定職やエリア総合職など転勤を抑えた制度の有無を確認することで、理系スキルを生かしながら安定した働き方ができる企業を見極められます。

事務職に必要なスキルを取得する

未経験から事務職を目指す場合、早めに必要なスキルを身につけておくことが選考で大きな強みになります。

特に重要なのはPCスキルです。

WordやPowerPointによる資料作成に加え、Excelの関数やピボットテーブルなどデータ集計や分析に役立つ機能を習得しておくと、入社後に即戦力として活躍しやすくなります。

また、電話応対やビジネスメール作成など基本的なビジネスマナーも学んでおくと安心です。

資格は必須ではありませんが、簿記やMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、秘書検定などの資格を取得すればスキルの裏付けとして選考で評価されやすくなります。

さらに、オンライン講座や職業訓練を活用して効率的に学べば、限られた時間でも実務に直結するスキルを身につけられます。

明確な志望動機と自己PRの作り方

理系から事務職を目指す場合、志望動機では「なぜ事務職なのか」と「理系として何を活かせるのか」を結びつけて伝えることが重要です。

大学や大学院で培った論理的思考力、データ分析力、計画性などを具体的な業務に落とし込みながら説明しましょう。

例えば、研究で磨いたデータ整理力を経理業務に活かしたい、実験計画で培った段取り力を営業事務で発揮したいなど、実務との関連性を示すと説得力が高まります。

応募書類では、自分の強みを裏付けるエピソードや成果を数字で示すと、より印象に残る自己PRになります。

また、理系ならではの分析力や改善提案力を活かして、事務業務の効率化に貢献できるという視点を加えると、採用担当者に強い興味を持ってもらえるでしょう。

理系の専門性を活かした志望動機の例文

例文1

大学院で培った緻密なデータ分析力を活かし、営業事務として部門の売上管理や資料作成を正確かつ効率的に行い、営業活動を支えることで会社全体の成長に貢献したいと考えています。

研究で培った数値処理の正確性を活かして、社内データの整理や改善提案にも積極的に取り組みたいです。

例文2

研究計画の立案や実験管理を通じて磨いた計画性と粘り強さを活かし、経理事務として正確な会計処理と効率的な業務運営に貢献したいと考えています。

複数のタスクを同時に管理しながら、ミスなく業務を進める力を発揮し、会社の財務基盤を支える役割を担いたいです。

【理系から事務職】面接・ESで差をつけるアピール方法

理系から事務職を目指す際は、専門分野が異なるため自己PRや志望動機の作り方が重要なポイントになります。

理系の強みを活かした具体的な経験やスキルを、誰が読んでもわかる言葉で伝えることが書類選考や面接突破のカギです。

書類選考を突破するESの書き方

エントリーシートでは、研究テーマや専門用語を長々と書くよりも、どのようなスキルを身につけ、それが事務職でどう役立つかを明確に伝えることが大切です。

例えば、論理的思考力や計画性、データ分析力など、研究活動で得た汎用的な能力を中心にアピールします。

研究内容を記載する場合は、「何を学び」「どのような課題に取り組んだか」を簡潔にまとめ、数字や成果を入れて説得力を高めると効果的です。

文章構成は結論を先に書き、その後にエピソードや学びを補足する形にすると、読み手が理解しやすく印象に残ります。

また、事務職を希望する理由として、研究で培った正確性や地道に作業を続ける粘り強さなどを交えることで、理系ならではの強みを自然に伝えることができます。

志望企業ごとに仕事内容を調べ、応募先の求める人物像に合わせて内容を調整すると、選考を通過できる可能性がさらに高まります。

面接で必ず聞かれる質問と回答例

面接では「なぜ理系なのに事務職を希望するのか」という質問が非常に多く聞かれます。

この質問に対しては、理系で学んだ知識を活かしながらも、より幅広い業務や会社全体を支える仕事に挑戦したいという前向きな理由を伝えることが重要です。

例えば以下のような回答が参考になります。

回答例:

研究で培った論理的思考力や緻密な作業への適性を、より多くの人や部署を支える仕事で活かしたいと考えました。

実験やデータ整理で得た計画性を生かし、事務職として正確かつ効率的に業務を進め、組織全体の成長に貢献したいです。

このように、理系スキルを事務職の仕事内容に結びつけながら回答すると、納得感のある志望理由として面接官に好印象を与えられます。

理系の強みを事務職の仕事に結びつける方法

理系学生は研究や実験を通して、データ整理や計画立案、問題解決の経験を積んでいます。

これらは事務職のデータ入力、資料作成、業務効率化などに直結するスキルです。

例えば「研究で実験データをExcelで集計し、誤差を分析して改善策を提案した経験から、データ処理の正確性には自信があります」と具体的に伝えると、単なる自己評価ではなく実績として評価されます。

また、研究室でのチーム作業や学会発表で培った調整力やプレゼン力も、社内外との連携が欠かせない事務職で大きな強みとなります。

こうした経験を数字や成果を交えて話すことで、理系出身ならではの実務力を明確に示すことができ、採用担当者に強い印象を残せます。

【理系から事務職】理系から事務職を目指すときの注意点

ここからは理系から事務職を志望する場合に気を付けておいたほうがいいことについて解説します。

以下の注意点は最低限全て網羅していないと、内定をもらえる可能性がかなり低くなってしまうので

よく意識しておいてください。

明確な志望動機

理系から事務職を目指す場合、特に重要なのは明確な志望動機です。

単に研究職が合わない、技術職が合わないという理由だけではなく、事務職のどのような点に魅力を感じるのか、どのような貢献をしたいのかを明確にすることが重要です。

なぜ事務職を選びたいのか」「事務職でどんな成果を得たいのか」「企業にどう貢献できるか」を明確に伝えることが求められます。

理系のバックグラウンドを持つことで、問題解決能力や分析力を活かせる点を強調し、他の応募者との差別化を図ることがポイントです。

採用担当者が納得できるような具体的な志望動機を用意することが大切です。

志望動機の書き方は以下の記事を参考にしてみてください。

事務職に必要なスキルを習得する

事務職を目指す上では、まず基本的なパソコンスキルの習得が欠かせません。

具体的には、Wordでの文書作成、Excelでのデータ整理や関数活用、PowerPointでの資料作成といった実務的なスキルが求められます。

さらに、業務の正確さや効率性を高めるためには、簿記の知識やTOEICなどの語学資格があると評価が上がりやすいです。

また、社内外との連携をスムーズに行うために、ビジネスの場で必用な報連相の習慣を身につけておくことが非常に重要です。

自己分析を行う

理系から事務職を目指す際は、自己分析が欠かせません。

自分が得意とするスキルや適性を把握し、それを事務職でどう活かすかを考えることが重要です。

理系の強みである分析力、コンピュータースキル、注意深さ、ストレス耐性、課題解決力を

どのように事務職に活かすかを明確することを心掛けてください。

自己分析を通じて自分に合った仕事を見つけることで、モチベーションを維持し、仕事に対する満足度を高めることができます。

自己分析のやり方は以下の記事を参考にしてみてください。

業界・企業研究を行う

事務職はほぼすべての業界・企業に存在する職種であるため、自分に合った就職先を見極めるには、徹底した業界・企業研究が必要です。

例えば、製造業の事務では生産管理や在庫管理が多く、商社では貿易事務などの専門性が求められる場合があります。

また、企業によって事務職の役割やキャリア形成の支援体制、残業の有無、働き方(在宅勤務の可否など)が異なるため、自身の価値観やライフスタイルに合った企業選びが大切です。

キャリアパスを意識する

事務職は「サポート業務」として見られがちですが、長期的に見れば多様なキャリアパスが存在します。

入社後はまず業務の正確な遂行を通じて信頼を築き、その後はリーダー職や総務・経理・人事などの専門部門への異動、あるいは業務改善や企画への関与など、ステップアップのチャンスがあります。

また、業務フローの改善やITツールの導入などを通じて、社内での重要な役割を担うことも可能です。

将来的にどのような事務職を目指すのか、専門性を高めていきたいのか、管理職としてマネジメントに関わりたいのかなど、具体的な目標を持つことがキャリアの指針となります。

【理系から事務職】事務職として働く理系にオススメの業界

先ほどお話したように、業界によっては扱う情報が科学的な場合があり、理系の知識を持っている人の方が、そうでない人よりも効率的に仕事をこなすことができます。

事務職の全容がわかってきたところで、もしかすると、事務職として働きたいという気持ちが強くなってきた人もいるかもしれません。

そこで、事務職として理系出身者を求めている業界をいくつかご紹介します。

医薬品・化粧品メーカー

医薬品や化粧品は、製品を一つ作るのにも、生物学や化学の知識、人体に与える影響を判断する医学や薬学の知識など、幅広い分野の知識が使用されています。

これらは人体に直接影響を与える製品であるため、その成分が本当に有効なのか、危険性はないのか、といった部分の科学的根拠がかなり厳格に規定されています。

そのため、国に提出しなければならない基礎研究および臨床試験のデータは膨大で、そのデータの収集、精査・分析には同じく幅広い分野の知識が必要とされます。

そのため、理系のあなたの高度な知識を活かすことができます。

大学・研究機関

研究者が研究のみに注力できる環境を整えることを目的として、事務作業や情報収集など研究に関する業務全般を請け負う、URA(University Research Administrator)という職種があります。

例えば、論文投稿の手続き、研究に関する広報活動、研究室の安全管理、共同研究者等との情報共有・会議資料の作成などの業務を行っています。

この職種は、研究室に所属した経験のある理系のあなたがまさに力を発揮できる職種といえるでしょう。

化学メーカー

製品を製造する段階で、人体に有害な化学物質を使用する際には、その物質の詳細情報を国に提出しなければならないと定められています。

国に書類を提出する際には、必要項目を漏れなく正確に記入しなければなりません。

そのため、大学で化学を専攻していたり、専攻していなくてもある程度の化学に関する知見のある理系のあなたであれば、活躍できるチャンスがあるでしょう。

食品メーカー

私たちが普段目にする食品のパッケージには、原材料や栄養成分などが必ず表示されていると思います。

食品表示は、法律で定められた要件を満たすように表示する必要がありますが、何よりも重要なのは、表示する内容が正確であることです。

商品名などの基本情報をはじめ、原産国やアレルギー、遺伝子組み換えに関する情報、栄養表示・添加物や調味料など情報が必要とされており、

表示する情報を精査するために、栄養学や化学の知識を活かすことができます。

【理系から事務職】よくある質問

理系から事務職を目指す際には、資格や選考での評価など、気になる疑問が多くあります。

事務職は業界や職種によって求められるスキルが異なるため、資格取得や選考対策に迷う学生も少なくありません。

ここでは、特に質問されることが多い「簿記やMOSは必要か」「文系出身者との採用の違い」について、理系ならではの視点も交えて詳しく解説します。

簿記やMOSは必須ですか?

簿記やMOS(Microsoft Office Specialist)は必須ではありませんが、持っていると選考で有利に働きます。

特に経理事務を希望する場合は、簿記3級や2級の資格を取得しておくことで、入社後に即戦力として期待されやすくなります。

また、MOSはExcelやWordなどの操作スキルを客観的に証明できるため、データ入力や資料作成が多い事務職では高い評価を得やすい資格です。

理系出身者の場合、研究でExcelを使ったデータ集計や分析の経験がある人も多く、これを資格として形にしておくことで自分のスキルをわかりやすく示すことができます。

資格を持っていなくても応募は可能ですが、学習過程で得られる知識や操作方法は入社後にも役立つため、時間に余裕があれば取得を目指すと良いでしょう。

文系出身者との採用の違いは?

理系出身だからといって不利になることはありません。

むしろ、理系特有の論理的思考力やデータ分析力、正確性は事務職において大きな強みとして評価されます。

文系出身者が多い事務職の中で、理系ならではの強みを具体的にアピールできれば差別化が可能です。

例えば「研究で数千件のデータを整理し、誤差の要因を分析して改善策を提案した経験」や「実験計画を立てて期限内に結果をまとめた経験」などは、事務職のデータ管理やスケジュール調整に直結するエピソードとして説得力があります。

採用担当者は、実務に活かせるスキルや姿勢を重視するため、学部や専攻にとらわれず、どれだけ業務に貢献できるかを示すことが重要です。

理系の強みを言葉にして伝える準備をしっかり整えれば、文系との差をむしろプラスに変えることができるでしょう。

まとめ

事務職という働き方は、理系のあなたも存分にその強みを発揮できるということを理解していただけたかと思います。

今後は、事務職に限らず、従来は文系の仕事と思われていた領域に理系出身者が進出し、その専門性を武器に成功を掴み取る機会がさらに増えるのではないかと考えています。

そんな社会の中で最も重要なのは、自分に合う職種・働き方を見つけることです。

自己分析や業界・企業研究に力を入れ、ベストな就職先を見つけましょう。

理系の就活についてさらに知識を深めたい方は「digmedia」の他の記事をご覧ください。

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