【理系必見!】医薬品業界ってどんなところ?理系はどのように活躍できるのか!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【理系向け医薬品業界の解説】はじめに

医薬品業界に興味があるけれどまだ詳しく知らない、どんな職種や仕事があるのか知りたい方、薬学部や薬学科でない理系生でも活躍できるフィールドはあるのか知りたい方に、医薬品業界ってどんなところかをご紹介します。

医薬品業界のポジティブな面だけでなく、不安点も明らかにし、就職にあたって将来性が気になる方にも情報を提供します。

医薬品業界で理系生がどのように活躍できるのかを知り、就活の業界選びの参考にしてください。

【理系向け医薬品業界の解説】医薬品業界とは

医薬品業界は 治療薬や予防薬などの開発や製造を行う業界です。

病気やケガの治療や感染症予防のワクチン開発など医療現場で用いる高度な医薬品開発や製造をメインとし、世界の医療を支えるメーカーから、ドラッグストアで買えるような一般消費者向けの第二次医薬品や医薬部外品などをメインに製造するメーカー、両方を手がけるメーカーなどがあります。

主な販売先は病院やクリニックなどの医療機関や医師、調剤薬局やドラッグストアなどの医薬品を販売できる小売店です。

医薬品業界のポジティブな面

就活の志望先にするか決めるにあたっては、仕事をしていくことで満足度を感じられるか、メリットがあるか、将来性はあるかも気になります。

医薬品業界のポジティブな面を確認していきましょう。

高い社会性を持つ

医薬品業界のポジティブな面の一番の醍醐味は、 高い社会性を持つことです。

人の命を救うためには医療が欠かせず、医師などの専門職や医療技術が必要です。

ですが、医師がいて、技術が進化しても、病気を治すための薬やケガの出血を止める止血薬、化膿を防ぐ薬がなくては救えない人命もあります。

難病を治すための薬の開発、まだ治療薬がない病気の創薬をはじめ、病気を予防し、人々の健康を守っていくためのワクチンなどの予防薬などを開発していくのが医薬品業界に求められる使命となります。

そのため、これまでにない薬を開発できると、世界中をニュースが駆け巡るほどです。

高い社会性を持つ業界で、責任感と使命感を持った仕事ができるのが魅力です。

世界的にも市場が大きい

医薬品業界のポジティブな面は 市場規模が大きく、グローバル化されていることです。

世界的に見ても医薬品業界は、世界トップクラスの市場の大きさを誇ります。

なぜなら、治療に用いる薬や予防薬など、世界中の人や医師に求められているからです。

どの国の企業が開発したかを問わず、新薬が登場すると世界中をニュースが駆け巡り、世界的な需要が発生します。

上場している医薬品メーカーであれば、そのニュースだけで株価も上がるほどです。

世界に求められ、世界に注目される新薬の開発に携わるなど、グローバルな成果をあげらます。

新薬の共同開発をはじめ、世界の医療機関や企業、時に政府へと売り込みをするので、グローバルに活躍できるのも魅力です。

ほかの業界に劣らない年収

医薬品業界のポジティブな面として、 年収が高めの傾向にあることが挙げられます。

特に専門性の高い理系生が、専門的な職種で成果をあげた場合や能力や働きぶりを評価されれば、高収入が期待できるのがポジティブなメリットです。

医学部・薬学部で学んだ知識は、より専門性に富んでいるため、知識がスキルとなり、企業から評価されます。

中でも、大学院卒の初任給は、大卒よりも高く、専門性が高い職種ほど、高卒や短大卒より圧倒的に高くなるのが一般的です。

こうした面からも、極自然な流れで他業種よりも平均年収が高くなる傾向が見られます。

そのため、理系生が医薬品業界を目指す場合には大卒で就職するか、大学院へ進学して、さらに専門性を極めてから就職するかも検討が必要です。

医薬品業界の不安点

では、医薬品業界の不安点はどんなところでしょうか。

どんな業界でもメリットだけでなく、デメリットもあります。

就職するにあたっては業界の将来性も気になるため、不安点についても確認しておきましょう。

業界全体の赤字傾向

医薬品業界の不安点としては、 業界全体が赤字傾向にあることです。

先進国の中でも、業界の成長率は低い傾向が見られます。

これは創薬にあたって莫大な費用が必要なうえ、薬として承認されて世に出るまでの期間が長いこと、開発コストを回収するまでに長い時間を要することから、赤字になりやすい傾向があるのは否定しきれません。

もっとも、社会性のある企業でもあることから、お互いの生き残りをかけ、かつ、求められる新薬の開発を共同で行うために、資本提携や業務提携、M&Aなども加速し、赤字を埋める対策も採られています。

また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、治療薬やワクチン開発への期待が高まっており、業界全体の持ち直しも期待されます。

結果が出るまで長期間かかる

医薬品業界の不安点としては、新薬の開発をスタートさせてから、 結果が出るまで10年ほどの時間がかかる点が挙げられます。

さらに長い時間と莫大なコストをかけても、研究開発したものが新薬となる可能性は3万分の1という、低い確率です。

治療に有効かつ安全に活用できなくてはなりませんので、失敗もつきものであり、製品化ができないリスクも織り込み済みです。

何としても求められる薬を生み出したいという高い使命感と途切れることない集中力、持久力や精神力がないと務まらない職種もあります。

研究開発職などの場合、すぐに飽きてしまう、すぐに結果が出ないとやりがいが感じられないといった性格の人には向いていません。

【理系向け医薬品業界の解説】理系卒学生に求められていること

医薬品業界に就職したい理系生には、どのようなことが求められるでしょうか。

採用されて活躍していくためには、求められることを前提に知識を得たるスキルを習得することや必要な資格などを学生時代に取得しておくことも必要です。

そのため、早い段階で理系生に求められていることを知っておく必要があります。

主なものとして 「医学系、薬学系、化学系、バイオ系を学んでいること」、「機械・電気・電子系を学んでいること」、「AI開発の知識」が必要です。

医学系、薬学系、化学系、バイオ系を学んでいること

医薬品業界に就職したい理系生に求められる、代表的な能力が、 医学系、薬学系、化学系、バイオ系の知識や技術、専門資格です。

医薬品業界は薬学部をはじめ、医学部出身者の志望割合が多い業界の一つですが、医薬品の開発にあたっては、当然ながら医薬品や医療の知識は不可欠です。

そのため、医学、薬学、開発するための化学の知識や技術、培養などを行うためのバイオの知識や技術が必要となります。

近年は成分として天然由来の成分を使用することや、予防薬や療養のために漢方薬を用いるケースも増えています。

漢方薬の開発や製造に力を入れている企業では、農学部や生物学部などでの植物の知識や植物研究の知識や育てるノウハウを持つ学生も需要が高いです。

機械・電気・電子系を学んでいること

医薬品業界に就職したい理系生に求められることとして、職種により、 機械・電気・電子系を学んでいることが挙げられます。

医薬品メーカーでは独自のプラント建設や設備や機器を開発している企業もあるほか、他社で製造してもらった機械や設備を使う場合であっても、常に製造ラインが安定して動くよう、保守点検や設備メンテナンス、トラブルが起きたときの緊急対応などが欠かせません。

そのため、自社で設備エンジニアなどを抱えている企業も多いのです。

設備のメンテナンスや、開発などのプラントエンジニアなども、新薬開発には欠かせない存在となっています。

機械・電気・電子系の学部や学科の理系生は、医薬の知識がないから医薬品業界とは縁遠いと思っているかもしれません。

ですが、製造設備を担う役割で、社会から求められる薬づくりに貢献できます。

AI開発の知識

医薬品業界に就職したい理系生に求められることとして、 AI開発の知識も挙げられます。

医薬品業界とAI開発は結びつかないかもしれません。

ですが、創薬においてもAIを用いて研究開発を行うことや分析を行うなど、AIの知能を役立てるケースが増えてきました。

過去の症例やさまざまな治療薬や成分、副作用などの記録といった世界的なビッグデータを分析するなど、人間の知能を補ってくれるAI開発が求められています。

創薬AI開発が現在の医薬品メーカーの競争力を担っているといっても、過言ではありません。

そのため、医薬品業界とは無関係と感じていた、情報処理系の理系生やITが得意な理系生も就職先として視野に入れてみてはいかがでしょうか。

【理系向け医薬品業界の解説】営業(MR)でも理系が求められている

営業職は一般的には業界を問わず、理系、文系問わず、中には学歴も問わずに採用されるケースもあり、専門知識や技術より、営業センスやプレゼン力、交渉力などが重視される傾向にあります。

もっとも、 医薬品業界における営業職である、MRは少し違います。

営業(MR)は患者の目線に立ち、医薬品の適正な利用に必要な情報活動を行う専門家という位置づけで、単に自社の医薬品を医療機関や医師に売り込めば良いわけではありません。

営業(MR)は必ずしも、専門知識や資格が求められるわけではなく、文系生でも活躍している人は少なくありません。

ですが、薬剤師や看護師資格を持つ人が志望するケースも多く、専門性を活かした活躍ができる分、就活でも有利に働きます。

【理系向け医薬品業界の解説】活発なM&A

医薬品業界は莫大な新薬開発コストをはじめ、開発までに長期間がかかり、ようやく承認されてもコストを回収するまでに多くの時間がかかります。

莫大なコストの必要性と回収期間の長さ、ジェネリック医薬品のシェア拡大や、特許切れによる収益低下といった問題を背景に、医薬品業界ではM&Aが活発化しています。

国内の製薬メーカーにおいても、その動きは顕著であり、これまでも合併再編を繰り返しながら規模を拡大してきました。

さらに市場のグローバル化をはじめ、技術や開発力を持つ企業との提携が有利に働くことから、海外の製薬メーカーとのM&Aも増えてきました。

海外企業から日本の製薬メーカーが買収される例もあります。

【理系向け医薬品業界の解説】まとめ

医薬品業界のポジティブな面は 「高い社会性を持つ」、「世界的にも市場が大きい」、「他の業界に劣らない年収」です。

医薬品業界の不安点は 「業界全体の赤字傾向」、「結果が出るまで長期間かかる」ことです。

医薬品業界志望の理系生に求められていることは「医学系、薬学系、化学系、バイオ系を学んでいること」、「機械・電気・電子系を学んでいること」、「AI開発の知識」などが挙げられ、営業(MR)でも理系が求められています。

医薬品業界ではM&Aも活発です。

要約

医薬品業界とは治療薬や予防薬などの開発や製造をする企業をメインにしており、主な販売先は病院やクリニックなどの医療機関や医師、医薬品の種類によっては調剤薬局やドラッグストアなどの小売店です。

海外の政府などに販売を行うケースもあります。

医薬品業界のポジティブな面は病気やケガの治療や感染症予防など人類の生命を守り、維持する医薬品の開発製造という「高い社会性を持つ」こと、「世界的にも市場が大きい」、「他の業界に劣らない年収」が挙げられます。

医薬品業界の不安点は「業界全体の赤字傾向」、「結果が出るまで長期間かかる」ため、莫大なコストが必要なことです。

医薬品業界志望の理系生に求められているのは「医学系、薬学系、化学系、バイオ系を学んでいること」、「機械・電気・電子系を学んでいること」、「AI開発の知識」などが挙げられ、営業(MR)でも理系が求められる傾向にあります。

医薬品業界ではM&Aも活発で、国外企業との合併や吸収も多く、世界に役立つ創薬やワクチン開発のためにグローバル化が進んでいます。

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