HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
要約
JR東海は理系の就活生から高い人気がありますが、その理由は運輸業の売上高が高いJR3社の中にあり、ネームバリューと超電導リニアモーターカーという最先端の技術要素があるためです。
実際に理系学生が活躍できるプロフェッショナル職が用意されており、採用区分には「運輸」「車両・機械」「施設」「電気・システム」の4系統があります。
入社後はそれぞれの部門に配属され、適正に応じて専門性や技術を培い、将来的には各現場のリーダー的存在に成長できる期待があります。
コロナ禍で鉄道業界自体も大打撃を受け、超電導リニアモーターカーによる期待のリニア新幹線の開業も、当初予定の2027年からは延期が濃厚です。
ただポストコロナを見据え、企業向けに新たなサービスの提案などがすでに企画されはじめており、ニューノーマル下において企業ニーズに対応し、ビジネスをより多様化させる取り組みに期待できます。
【理系人気企業!】はじめに
JR東海は、就活でも非常に高い人気があります。
とくに理系学生からの志望度は高く、内定を獲得するには、例年たくさんのライバルの中から勝ち抜かなければなりません。
コロナ禍でダメージは受けていますが、鉄道は生活に欠かせないインフラであり、とても身近な事業であることに変わりはありません。
鉄道会社も電子マネー事業をはじめさまざまな事業に新規参入を果たしていますが、理系学生が就職を目指す上では、どこに主眼を定めればよいのでしょうか。
【理系人気企業!】なぜ理系に人気なの?
なぜJR東海は、理系学生から人気を博しているのでしょうか。
鉄道会社は全国にあるものの、中でも人気が高いのは、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社です。
もちろんこの3社は最大手であり、純粋に運輸業の売上高が非常に高いということも魅力です。
ただ、とくにJR東海が理系学生の心を惹くのは、技術的要素があることも挙げられます。
いずれも最難関企業と呼ばれるほど、就活においては勝利するのが難しい企業ですが、その魅力をまとめてみましょう。
ネームバリューがある
学生が就職を志望する企業の傾向に、ネームバリューがあるかどうかが条件のひとつになっていることは否めません。
やはり国内外に名の通った企業の社員になるということは、人生の成功者のようなステータスを感じられる優越感があるのは事実です。
また、ネームバリューがあるということは、社会的信用が得られていることにもつながりやすいため、「この企業なら安泰だ」と感じやすいこともあります。
そうした企業の社員であれば、社会的地位も得やすいですし、長く安心して働けそうな期待もあるでしょう。
事実、JR東海は安定した高収益を獲得しており、永らく着実に売上高を伸ばしています。
最先端の技術
理系学生の心を惹く技術的要素というのが、最先端の技術を用いた運輸事業に乗り出している点です。
JR東海は超電導リニアモーターカーの開通が決まっており、他のJRに比べて、技術的な先端性をもっていることが大きな理由といえます。
JR東海が建設を進めているのはリニア中央新幹線で、開業すれば品川~名古屋間は東海道新幹線「のぞみ」より約50分も短い40分、大阪までは約70分も短い67分になる予定です。
最高速度500kmという超高速鉄道の事業に関わりたいと考える理系学生が多いのは、当然納得できることでしょう。
歴史に残る鉄道の大仕事に携わることができれば、間違いなく人生を豊かにしてくれる貴重な経験になります。
【理系人気企業!】理系はどの様に活躍できる?
鉄道業界各社がさまざまな新規事業に参入していることは、冒頭でも少々触れました。
大手を中心に駅ビル事業や駅ナカ事業に参入したり、電子マネー事業に力を注いだりと、さまざま展開で成功しています。
つまり、運輸業という本業以外にも事業は多数あり、就職したとしても、場合によっては本業以外の部署に配属される懸念があることは否めません。
理系学生としては、学んで来た専門分野を活かした仕事に就きたいと考えるのが当然ですから、理系出身者がJR東海でどのように活躍できるかは気になるところです。
プロフェッショナル職
理系学生がその本分を活かしてJR東海に就職するなら、運輸業の本業に関わる「プロフェッショナル職」を目指したいと考えるのではないでしょうか。
新幹線や在来線の現業機関、中央新幹線などの大規模建設工事などに関わり、第一線の業務経験を積むことができる現場です。
採用区分は「運輸」「車両・機械」「施設」「電気・システム」の4系統にわかれていますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
運輸
運輸系統の区分には、鉄道の運行に直接携わる駅係員や車掌、運転士などが所属します。
まさに鉄道輸送業務に携わるスペシャリストであり、一般の利用者にとっても身近な存在であるため、子供の頃から憧れていた人も多いのではないでしょうか。
役割は、鉄道事業の安全とサービスをレベルアップすることです。
入社後に各配属先で経験を積み、将来的には、最前線でリーダー的存在になることが期待される職種です。
また、培った知識や技術は後続の教育にも活かされますし、運行管理や運輸計画部門での中心的存在として活躍する道もあります。
ほかにも中央新幹線計画や広報、財務など主要部門に関わるキャリアもあるため、やりがいのある職種といえるでしょう。
車両・機械
車両・機械系統は、鉄道に関するあらゆる技術を支えるエキスパートが所属する区分です。
高い専門性を発揮する職種のため、まさに理系学生が志望する就職先といえるでしょう。
JR東海の車両分野ですので、この部署に配属されれば、新幹線や在来線の車両はもちろん、超電導リニア車両も担当することになります。
メンテナンスや走行試験業務などに携わることで、あらゆる専門技術を習得し、将来的に現業機関の中心的存在になることが期待されます。
また、適性があれば設計開発などを担当する部署への道も拓けるため、いつか自分の設計した車両が路線を走るかもしれません。
機械分野では、各種機械設備のメンテナンス業務、超電導リニア関連の設備メンテナンス業務などのほか、設計や施工業務に従事することで専門性を身につけることになります。
施設
鉄道会社で施設系統といえば、もちろん鉄道インフラに関連するあらゆる業務全般に携わる職種です。
業務範囲は非常に広く、システムの基盤となる線路の企画はもちろん、土木構造物や駅などの建築物をはじめ、橋りょう、高架などの大規模建設にわたり、プロジェクトに関わることになります。
新幹線も在来線も各種構造物・設備を必要としますし、その企画から保守まですべて担当するのは、大変大きな仕事です。
実務を通じて鉄道事業を支える専門技術や知識を身につけ、高い専門性を発揮できる技術者になる道です。
保守か建設工事のいずれかがメインになりますが、まさに鉄道のフィールドで活躍する職種といえます。
電気・システム
電気・システム系統は、技術分野の専門家です。
鉄道を安全に安定的に輸送すること、利用者へのサービスを向上させることを目指し、巨大な鉄道電気システムのインテグレーターとなる職種です。
設備開発や仕様検討をはじめ、正確で高密度な鉄道オペレーションに携わることになります。
運行に必要な電力を供給する電気鉄道のトータルシステム、信号通信や集中制御に関するオペレーションのトータルシステム、旅客サービスを提供するトータルシステムなどがあり、適正に応じて企画や運営、管理といったフィールドで活躍が期待されます。
また、超電導リニアの電気設備の運用には、まさに電気・システム系統の人員がなくてはならない存在です。
培った専門性を活かし、最先端の技術に携われる理系向きの職種といえるでしょう。
【理系人気企業!】今後のJR東海はどうなる?
鉄道業界は非常に安定した業界であり、2019年までは好調を維持してきましたが、新型コロナウイルスの影響で状況が一転したことは、いうまでもないことでしょう。
とくにインバウンド需要がなくなり、外出自粛やテレワークにより利用率が激減したダメージは、決して小さくはありません。
多くの就職生も、その点は気になっているところではないでしょうか。
コロナで大打撃を受けたが…?
JR東海に限らず、鉄道業界各社はコロナにより大打撃を受け、今後の業績はどうなるかいまだ不安定なところを脱せていないのは事実です。
JR東海に関しては、期待のリニア新幹線の開業が当初予定の2027年から延期が決定的となっています。
もちろん工事が頓挫するわけではありませんが、厳しい状況になっていることは否めません。
ポストコロナでは、感染終息に伴い、一定程度鉄道の需要が回復することは予測できます。
すぐにコロナ前の水準にまで回復することは困難と想定されますが、企業向けに考えられる新たなサービスなどを企画し、ニューノーマル下で企業ニーズに対応することは可能です。
すでに鉄道アセットを活用したサービスや鉄道輸送に付加価値を付けたサービス、鉄道を補完する移動サービスなどの案も出ており、企業側の意向をリサーチした新たな取り組みが登場するでしょう。
ポストコロナに対応した制度設計は容易ではないものの、画一的な従来のサービスではなく、より多様化するライフスタイルに合わせた取り組みが期待できます。
【理系人気企業!】まとめ
JR東海は、理系学生からの就活で人気が高く、ネームバリューや最先端の技術性などに例年注目が集まります。
それだけライバルが多い狭き門ですが、やりがいを求めてチャレンジするのであれば、どのような働き方をしたいのか、どのような鉄道サービスを提供したいのか、自分なりにしっかりビジョンを描いて臨みましょう。
コロナ禍で鉄道業界もダメージを受けてはいますが、人の生活に必要な社会インフラであることは変わりありません。
厳しい状況下であるからこそ、より強い意欲と志望度をアピールして内定を勝ち取ってください。