HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
建設業界でトップを走り続け、就活生が就職を希望する企業としてもTOP3に入る清水建設ですが、その企業理念や仕事内容・待遇などを詳しくご存知でしょうか。
清水建設は、スーパーゼネコンと呼ばれる建設業界の大手5社に含まれるだけあり、建設に関してはなんでもできるといえるでしょう。
国や不動産会社が作成した企画書に基づき、関連会社を巻き込みながら完成へ向けて管理運営に関する役割を担っているのです。
また、清水建設は創業から200年以上経っており、手がけた建造物は日本だけでなく、世界各地に存在します。
今回は、そんな清水建設への就職を希望している就活生の方々へ、企業のご紹介と就職状況についてお伝えいたしましょう。
【清水建設就職の実態】清水建設の就職実績は?
2020年の情報ですが、清水建設への大学別就職者数を見ると、多い順に日本大学・早稲田大学・東京理科大学・京都大学・東京大学といった大学名が並んでいます。
そのあとも、東京工業大学・芝浦工業大学などと工業系の大学も並んでいましたが、とりわけ理系の大学が多いわけではありません。
しかし、どの大学からも大学院修了者がほぼ必ず含まれています。
また2021年の採用総数は、総合職が320名・地域職が30名となっており、総合職については2020年よりも15名以上増えています。
男女比においては、大卒だとおおよそ2:1、院卒だとおおよそ10:3といった具合です。
清水建設は理系大学生が選ぶ就職先で3位!
理系大学生の希望就職先ランキングで3位になるほどの人気を誇る清水建設は、大手ゼネコンのなかでも特に人気が高いといえるでしょう。
ちなみに、ランキングの1位と2位はトヨタ自動車とソニーで、こちらも世界的に有名な企業です。
清水建設は新卒だけでなく、キャリア採用(中途採用)や障がい者採用にも力を入れています。
ダイバーシティ推進を公言し、2016年度には「新・ダイバーシティ経営企業100選」(経済産業大臣表彰)に選ばれています。
施工実績は国内外に多くあり、技術力の高さも理系大学生にとってはあこがれる点だといえるでしょう。
大手ゼネコンなだけあり、ダムや山岳トンネル、空港、高速道路、そのほか環境技術など、実績の種類も幅広いのが特長です。
2021年には、5回目となる原爆ドームの保存工事も終えています。
研究してきた分野で自身の力を試したい、と思う理系大学生も多いでしょう。
理系生の倍率は高くはない!
清水建設の採用倍率は、総合職で約24倍・技術職で約3倍となっており、理系生で技術職をねらう場合、倍率はそこまで高くありません。
しかし、代わりに旧帝大など高学歴大学からの志願者が多く、激しい競争となっています。
ある意味で狭き門とはいえ、トータルで100校以上の大学から採用している様子からも、学歴フィルターはないように思えます。
ただ、選考に応募してくる就活生の質が高いことは、技術職において間違いないでしょう。
この選考をくぐり抜けるには、自分の考えをしっかりとわかりやすく伝えることができ、かつ専門的な能力の高さが必要となります。
つぎに紹介する企業理念からもわかるように、専門的能力の高さだけでなく、人間性の高さも重要視されるでしょう。
【清水建設就職の実態】なぜ清水建設は人気なのか?
「子どもたちに誇れるしごとを。」というコーポレートメッセージの掲げられたCMを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
社会人として誠実であり強い責任感のもと、専門家としても誇れるような仕事をし、次世代へ財産となるものを残していくという理念は、何よりも施工実績から実現しているとわかります。
女性活躍の推進はもちろん、仕事と私生活のバランス調整の推進をしている点も魅力的です。
さらに広がる多様性のなかで、個々人が能力や特性を最大限に発揮できる環境を実現しようとする動きは、就活生へ非常に安心感を与え、期待を寄せる一因となるでしょう。
ものづくりへのこだわり
ゼネコン業界での他者牽制力ランキングで圧倒的1位となっている清水建設は、先行技術を多く保有する先進的な企業です。
技術開発における権利化は、競合する多くの他社も希望しますが、そのなかにはすでに清水建設が開発し、保有している技術が多数あります。
2020年には「造成工事における重機の施工ナビゲーションシステム」に関する技術が計7件引用されるなど、400件以上の特許を保有している点は、理系生にとって最高の就職先といえる要因の1つです。
生産性の向上や研究開発投資にも、5年で1000億円の予算が投じられ、技術者への投資が圧倒的に多い点も特長でしょう。
このように、他社にはないものづくりに対する強い思いが、清水建設からはくみ取れます。
安定した経営
創業から200年以上続く清水建設は、日本建設業界の代表格として、大手スーパーゼネコン5社のなかでも安定の経営力を誇ります。
有名な現代建築や社寺、大規模建設なども数多く手がけるほか、SDGsへの取り組みやエネルギーインフラ運営事業など、世の動きに合わせて事業を拡大維持していく姿勢が、留まることのない将来性の高さにつながっているのでしょう。
これだけの企業であることから、ある程度一定の需要が見込まれ続けていることも安定した経営状況を生み出しています。
また、2030年度までに連結経常利益2000億円以上を目指して、非建設事業や海外事業の収益拡大を構想していることは、現在の就活生にとって非常に希望あふれる点でしょう。
【清水建設就職の実態】求められている人材とは?
それでは、清水建設はどのような人材を求めているのでしょうか。
大きく分けて、2つの点があげられます。
1つ目に、チームで「ものづくり」をするにあたり、周囲の人と目標を共有し、協調性をもって成果を出せる人材です。
2つ目には、顧客からのヒアリングをもとに課題を見つけ出し、解決策までを考えられる人材です。
清水建設が提示する、4つの「人財開発の目標」という観点から、それぞれの特徴について深掘りしていきましょう。
課題をもとに解決策までを考えられる人
清水建設の提示している新卒キャリアステップの1つとして、「自覚と情熱を持って、自分が何をやるか、自分には何ができるかを真剣に考え、行動に移せる人」というものがあります。
入社後にこのような人財育成をしていくという企業の目標であるため、実際には入社前からできていない部分があってももちろん問題はありません。
ただ、このように何事にも、やる気と自身の課題発見力と行動力をもつように、学生のうちから意識しておくのは大切でしょう。
同様に、「豊かな発想を持ち、夢に向かって積極果敢にチャレンジできる人」という人財開発も目標に掲げられています。
困難に直面しても諦めず、新しい視点で、課題解決に向けて粘り強く計画的に行動するくせをつけることも大切でしょう。
チームで協力できる人
ダイバーシティを推進していることもあり、清水建設では、専攻分野や国籍・性別・障害の有無を超えた多様な人財がチームとなって「ものづくり」をしています。
そのため、自身のバイアスにとらわれず、協調性をもって柔軟に物事を進める力が必要です。
また、チーム内での自身の役割を正しく把握し、完遂する力も求められます。
学生のうちにできることとして、サークル活動やボランティアへの参加など、なんらかの団体で活動する経験を多く積むことが、将来の役に立つでしょう。
ゼミにおいて行われるグループでの取り組みなども、そのような訓練の場になります。
そこになんとなく参加するのではなく、自分なりの考えをもって取り組み、なおかつ結果を出すという経験を積むことが、求められる人材へ近づく一歩といえるでしょう。
【清水建設就職の実態】理系生の仕事内容は?
清水建設に理系生が就職した際の仕事内容は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
募集形態としては、グローバル職(総合職)とエリア職(地域職)の2つです。
総合職は、国内外でのいくつかの職種に分けられます。
具体的には、以下の7つがあります。
・意匠設計系
・設備技術系
・土木技術系
・エンジニアリング系(新エネルギー、土木環境などのエンジニアリング)
・情報システム系
・開発計画系
地域職の場合は、勤務地域が限定されたうえで、専門分野の仕事をします。
このなかで理系生が就職する職種は、つぎに紹介するものが主になるでしょう。
職種紹介
主に理系生が就職する職種としては、やはり技術系やエンジニアリング系などが多いでしょう。
技術系のなかでも、建築技術系や設備技術系、土木技術系、または構造設計系など、さまざま種類があります。
さらに土木技術系のなかでも施工や設計・電気など、エンジニアリング系であれば土壌関係エンジニアリングや新エネルギーエンジニアリング・情報エンジニアリングなど、細分化されています。
おおまかな仕事内容としては下記の通りです。
建築技術系
→設計図をもとに建物をつくる仕事
意匠設計系
→ヒアリング内容を取りまとめて設計全体を統括する仕事
設備系
→空調など建物の設備全般の設計や施工管理
エンジニアリング系
→太陽光発電や風力発電の計画から施工・メンテナンス
そのほか、情報システム系や開発計画系の職種につく場合もあるでしょう。
【清水建設就職の実態】清水建設の事業展開
清水建設では建設事業を中心に、不動産開発・エンジニアリング・LCV(ライフサイクル・バリュエーション)・フロンティアの4分野で事業を展開しています。
建設事業では、国内外のさまざまな建物の企画提案から施工・維持管理までを行っています。
その建設事業で蓄積した技術やノウハウを活かしているのが、ビルや施設などの不動産開発です。
また、LCVとは何かというと、エネルギーやインフラなどにおいてサステナブルな未来を築くための事業です。
なお、フロンティア事業は新設されて日が浅く、自然共生・海洋開発・宇宙開発・事業投資といった分野で早期事業化に取り組んでいます。
持続可能な社会への参画
持続可能な開発目標であるSDGsの実現へ向けて、清水建設も積極的に取り組みを開始しています。
自然災害から生活を守る安心・安全な社会、少子化や高齢化が進むなかで健康・快適に暮らせる社会、地球温暖化などに向けて環境への負荷を減らした社会、この3つの実現が清水建設としての指針です。
時代を先取りする価値を創造する「スマートイノベーションカンパニー」という名前を掲げ、長年培ってきた技術とノウハウに、デジタル技術を融合させ、事業を通して17の目標へ貢献するとしています。
特にSDGsの7つ目の目標である「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に対しては、グリーンインフラ+(PLUS)という取り組みを行っています。
これは、自然のもつ力を活かしながらインフラを整備し、清水建設がもつ技術をプラスすることで、自然の恵みを地域社会によりよい形で還元する事業です。
3つのイノベーション
清水建設は、スマートイノベーションカンパニーの実現に向けて、3つのイノベーションを融合させるとしています。
1つ目に、事業構造のイノベーションとして、ビジネスモデルの多様化と海外事業展開の加速化・グループ会社を含めての経営力向上を目指しています。
2つ目に、技術のイノベーションとして、建設事業強化をするための生産技術の革新と先端技術の開発です。
3つ目には、人財のイノベーションとして、多様な人財が活躍できる働き方改革の推進、社外人財と協力することによって”知”を集積するとしています。
このようなことができるのも、大手スーパーゼネコンの代表格だからこそでしょう。
これら3つの分野においての技術革新を目指し、新たな価値を創造する企業へと成長し続けているのが清水建設です。
【清水建設就職の実態】まとめ
建設業界の老舗ともいえる、スーパーゼネコンのトップを走り続ける清水建設は、理系大学生の希望就職先としても高い人気を誇ります。
その選考へ挑む理系生の質は高く、倍率はさほど高くありませんが、高学歴出身者の激しい競争となります。
他社牽制力ランキングで1位になるほど保有している特許数も多く、高い技術力をもち続ける清水建設の事業は、国内だけでなく海外まで進出しており、技術職を志望する学生にとっては最高の環境といえるのです。
また多様な個性を活かし、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるような取り組みも、実際にダイバーシティ推進が進んでいる証しでしょう。
2030年へ向けてSDGsの17の目標達成にも貢献するとし、3つのイノベーションを融合して、新しい価値を提供する企業へと事業拡大を続けています。