HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
秋を目前に、ひとまず就活が落ち着き、卒論にそろそろ取り組み始めようかと考えている大学4年生も多いでしょう。
卒業論文、いわゆる「卒論」は理系の場合、ほぼ100%に近い割合で必要です。
ちなみに、文系の一部では卒論が必要ないケースもあります。
しかし、理系の場合は自分で実験したデータをもとに卒論を制作・発表し、合格しなければ卒業できません。
いつまでに卒論を完成させればよいのか、またいつからスタートさせれば間に合うのか、といった大まかな流れを事前に把握することが大切です。
本記事では、主に理系の卒論に取り組む方々を応援すべく、期限内に終えられる計画の立て方などをご紹介いたします。
【理系の卒論はいつまでに終わらせる?】卒論完成とは?
理系の卒論提出期日は、学部や研究室にもよりますが、学部4年生の2月中旬〜3月上旬と考えるとよいでしょう。
また卒業認定を受けるには、単に卒業研究を論文にまとめて終了ではなく、卒論提出と審査員前でのプレゼンという2段階が待ち構えています。
これらを3月の決められた期日までに終わらせ、審査に合格してはじめて卒業できるのです。
それでは、具体的にはどのような工程を踏むのでしょうか。
大まかには、「テーマを決める」→「目的や背景、目標などを明確化する」→「実験の準備、実践」を進めながら、並行して論文を書き始めるのが一般的でしょう。
具体的な計画の立て方は、同じ研究室の先輩のアドバイスを受けるのが1番です。
なお、論文は先生の添削を受けて修正しながら完成させるため、その手間を考慮する必要もあります。
そして、プレゼンに向けてスライド作成や製本化をして、プレゼン本番・論文提出をむかえるのです。
卒論を完成させるまでの流れは以下の記事で詳しく解説しているので確認してみてください!
卒業研究を製本化する
卒論は論文を書いて終わりではありません。
仕上げにA4用紙、20ページ程度にまとめ、製本して提出することが多くの大学で必要とされます。
卒論は研究結果として大学に長年所蔵されるため、レポート用紙へ簡単にまとめたようなものでは受け取ってもらえません。
しかし、製本に時間を取られてはもったいないので、予算があれば業者に依頼するのがクオリティも高く、間違いないでしょう。
また、ハードカバーでの提出を指定する大学も多く、自前の製本では不可となる可能性もあります。
製本のルールが提示されるので事前に必ずチェックして、製本に関することで再提出にならないように注意する必要があります。
修士の先輩などに質問できる場合は、どのように製本したか、どの業者がおすすめか、といったアドバイスをもらうとよいでしょう。
審査員の前でプレゼンする
合格認定をもらうための必要なステップとしてもう1つ、審査員前でのプレゼン(発表)があります。
その際、資料として必須になるのがスライドです。
プレゼンはストーリー性を意識することで伝わりやすくなり、どんなスライドが必要かも想像しやすくなります。
スライドは、「1枚に対して内容は1つ」と決め、文字数もできるだけ減らし、簡素な見た目を意識しましょう。
また、俯瞰して見たときに、「目的と結論が一致しているか」「プレゼンに対して視覚的な補助となるようなスライドであるか」などを考えながら作成することが重要です。
社会に出てからもプレゼンの機会はたびたび訪れます。
卒論発表は、「どうすれば相手により伝わるか」「どうすれば相手に納得してもらえるか」といったプレゼン力を養う絶好のチャンスです。
苦手意識のある方もいるかもしれませんが、この機会を成長のために有効活用しましょう。
【理系の卒論はいつまでに終わらせる?】卒論はいつまでに終わらせるの?
前述の通り、理系の卒論提出期日は早くて2月下旬〜3月上旬、ゼミによって異なりますが、一般的には3月下旬までとされています。
理系の場合、自分で実験したデータをもとに論文を制作するため、実験が失敗するなどして遅れると、最後は期日に追われて大変な状況になる可能性も否めません。
研究は、事前研究や本研究・分析を合わせても3〜4ヶ月かかると見て、遅くとも夏休み明けに始めるのが理想です。
そして、冬休みに入るころから執筆を始めて、2ヶ月ほどで完成を目指していきます。
終盤にはスライド作成の時間も必要になります。
場合によっては計画にそって見切りをつけ、そのときまでに得た成果を綺麗にまとめることも必要です。
人によって違いはあると思いますが、4年生のスタート時点で大まかな計画を立てることと、冬休み期間にできるだけ執筆を進めておくことがポイントになるでしょう。
卒論の発表会は2月下旬!
一般的には2月下旬に、「卒論発表会」というプレゼンの場が開かれます。
自分が研究した内容を、指導教官の先生方やゼミの同級生などの前でプレゼンし、質疑応答をするものです。
もしかしたら、別の研究室の方々が参加する場合もあるかもしれません。
このとき、資料としてスクリーンに映すスライドが必要なため、2月下旬前までにそれらも完成させます。
スライドの内容はプレゼンの伝わりやすさに直結するため、手を抜けません。
直前にバタバタと急いで作ることにならないよう、十分な時間が確保できる見通しを立てておきたいものです。
また、発表会の前には必ずプレゼンの練習をしましょう。
原稿を用意し、スライドごとに伝えたいことが明確であるか、確認しながら練習するのがおすすめです。
発表本番では原稿を見ずに話せるよう、とにかく繰り返し練習して、自然な発表を目指しましょう。
卒論完成までの流れは?
卒論完成までの一連の流れは、ここまでも大まかにご説明してきましたが、より具体的に確認していきましょう。
今回は、余裕をもった理想のスケジュールをご紹介いたします。
早い方だと、学部4年生の春から研究テーマを考え始め、夏休み前から研究準備に取りかかります。
ちなみに、院試を受ける場合は7〜8月が試験本番のため、試験勉強とテーマ決めを並行しながら、試験終了後すぐに研究準備へ取りかかるのが理想でしょう。
そして、夏休み明けから論文の執筆と本研究を開始します。
研究室などによって異なりますが、中間発表が10月〜12月ころにあるかもしれません。
ここで進捗状況を客観的に確認できます。
その後は実験と執筆、スライド作成をできるだけ並行して進めていきます。
前述の通り、冬休み期間に作業を止めないことが、最後まで余裕をもったスケジュールで進めるためのポイントです。
後半には「先生の添削を受けて修正をする」という自分以外の都合を考慮した作業も発生します。
なお、実験データが消えてしまったり、機材トラブルで実験が遅れたりするといったアクシデントが起きる可能性もゼロではありません。
したがって、執筆開始は早ければ早いほうが安心でしょう。
【理系の卒論はいつまでに終わらせる?】卒論完成にはどのくらいの時間がかかるの?
一口に卒論の完成と言っても、論文の執筆だけでなく、スライドの作成や発表に向けての原稿作成、練習も必要だとわかりました。
それでは、実際に多くの学部4年生は、完成までにどのくらいの時間がかかっているのでしょうか。
もちろん、1年間を卒論のためだけに当てることはできません。
就職活動や院試、アルバイトなどと並行しながら忙しく取り組むのが実情です。
執筆だけでいえば、平均で2〜3ヶ月というケースが多いようです。
一見短く感じますが、どのような工夫をすればこの見込み通りに進められるのでしょうか。
卒論完成には2ヶ月ほどかかる!
研究室などによって違いはあると思いますが、先生や先輩が計画を立てる際に親身にサポートしてくれたことで、短期間で完成できたケースが多いようです。
また、実験のデータを早いうちから集めていたことが、短期間での完成につながったという声もあります。
理系の卒論は、文系と比べても作業量が多く、時間がかかることは歴然でしょう。
提出期限が2月中旬として、本提出前の添削指導を見越して、遅くとも12月下旬までには執筆を開始するのがおすすめです。
約2万字を書くことになるので、データがそろっていなくても、序論など書けるところから早めに着手しておくに越したことはありません。
実験に失敗するなどのアクシデントによって、1ヶ月以上計画が後ろ倒しになる可能性があるのも理系の特徴です。
執筆開始前にさまざまな論文を読んでおく、指定の書式を頭に入れておくだけでも、そのあとの作業スピードに差が出るでしょう。
日頃の考察で効率的に書ける!
研究のタイプは大きく分けて2種類あり、論証型と報告型があります。
論証型は、予想の結果を先に立てて仮説の検証や立証をします。
それに対し報告型は、調査が進んでいない未知の部分を研究し、結果を報告するスタイルです。
論証型で実験をする場合は、手法を正確に使って完成度の高い結果をコツコツと集めておけば、執筆はスムーズに進みます。
報告型の場合、論証型よりも手法やデータ解釈の自由度は高くなります。
しかし、研究準備の段階からコツコツと多くのデータを集め、納得度の高い考察をしなければ説得力がない論文となってしまうのです。
当然、執筆も進めにくくなるでしょう。
どちらにせよ、こまめに研究や実験の結果をまとめておくことが、効率的な執筆につながるといえます。
そして、些細に感じるデータも取りこぼさず記録しておけば、予想外の展開となった場合も執筆が止まってしまうリスクを減らせるでしょう。
【理系の卒論はいつまでに終わらせる?】理系の卒論は大変!
理系の卒論は大変です。
提出期日までに計画通り余裕をもって終えるのは、それなりにハードルの高い話でしょう。
たとえば、仮説を立てて実験をしても、思ったような結果が出ない場合もあります。
また、必要なデータを得るためには実験の厳密な事前準備や、質疑応答に対応するための準備もしなければなりません。
これらは想像以上に大変で、予定通りにいかない場合も多いでしょう。
臨機応変に、仮説と違う結果が出てもその新規性に価値を見出せれば問題ありませんが、戸惑って行き詰まる可能性もあります。
順調に執筆が進んだとしても、先生の添削によって何度も修正が必要となり、後れを取ることも考えられます。
このように理系の卒論は文系よりもハードなので、提出期日直前に徹夜が続くという体験談も多くあるのです。
理系の卒論の書き方のコツを知ろう!
ここまで聞くと大変なことばかりの理系の卒論ですが、少しでもコツをつかんでスムーズに進めていただきたいものです。
まず、基本事項として、「壮大すぎるテーマは避け、実験を含めてできる範囲の内容にする」ことが重要です。
既存の資料をもとに実験、執筆するのが一般的でしょう。
その先行研究を参考にしつつ、自分なりの新規性のある結論にまとめます。
書式も指定のルールがある場合も多いですが、卒論は大まかに「はじめに」「序論」「本論」「事例」「結論」という5つの構成から成ることを頭に入れておきましょう。
この構成を意識して、自分の意図と実験で得たデータをもとに、導きたい結論へ向かって論じていけばよいのです。
この2点を押さえておくだけでも、見通しが立てやすくなります。
【理系の卒論はいつまでに終わらせる?】まとめ
理系の卒論完成までの流れや、必要な作業、制作のコツについて一通り把握できたと思います。
これらをふまえつつ、身近な先輩や先生にアドバイスを受けながら1人で抱えこまず、完成へ向けて頑張りましょう。
また、体調管理は何よりも大切です。
せっかく立てた計画も、体調を崩してしまえば否応無しに後ろ倒しとなってしまいます。
睡眠不足で風邪を引くなど、もってのほかです。
しっかり休息を取りながら、期日より余裕をもって卒論提出ができるよう気をつけていきましょう。