HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「理系大学の工学部って何を学ぶ学部なの?」
「工学部以外にも理学部や理工学部もあるけど、どんな違いがあるの?」
「どういった資格取得ができる?」
理系学部への進学を考えている人の中には工学部に興味があるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では工学部で学ぶ内容や取得できる資格だけでなく、工学部で選べる専門の学科についても紹介しています。工学部と似ている名前の理学部や理工学部の特徴や取得できる資格なども知っていると選択肢の幅が広がるでしょう。
また、工学部にはどのような人が向いているのかを紹介しているため、将来の進学先や就職へのイメージを掴むことができるでしょう。
この記事を読むことで、工学部や他の理系学部について理解を深め、自分の学びたいことがどういった分野なのかを考えてみましょう。
理系大学の工学部ってどんな学部?
理系大学の工学部とは生活する上で必要となる、あらゆる「モノ」の仕組みや「モノ」を作るために必要となる知識や技術について学ぶ学部です。
便利さや環境を考え、時代や生活に合わせたモノづくりをするためには、あらゆる角度から考えて、モノづくりをしなければいけません。
工学部には機械系や電気系など、いくつかの分野があり、大学によって専門的に学ぶ学科や複合的に学ぶ学科など様々な種類があります。
理系大学の学部の種類
理系大学と一口に言っても大学によって、いくつもの学部があります。理系の学部は自然科学系統に属しており、数学や化学、物理学、生物学などについて学ぶ学部です。
主な理系学部には理学部や工学部、理工学部の他にも、医学部や歯学部、農学部などがあります。この記事ではモノづくりや自然科学について学ぶ工学部や理学部、理工学部について詳しく紹介します。
工学部
身の回りにある、あらゆるモノが工学部で学ぶ専門的な知識を使って作られています。
何かを作ろうとする時は、どういった機能が必要なのか、材料に何を使うとよいのかなど、様々な知識が必要になります。
工学部は専門的な学科に分かれているため、どういったことに興味があるのか、学びたいのかなどで選ぶとよいでしょう。
理学部
理学部は人類や地球において解明されていない科学的な謎を研究する学部で、数学や物理、化学など高校で学習した内容をさらに深く突き詰めて研究します。
宇宙の謎に迫る研究や、目に見えないサイズのものを研究、実験するなど、理学部で扱われるテーマは多岐に渡ります。
理工学部
理学部の数学や物理的な知識と工学部のモノづくりの技術を合わせて学べるのが理工学部です。
理学の基本的な知識を勉強し、その知識を利用した技術を学んでいきます。理学と工学のどちらも学べびたいという人に向いている学部と言えるでしょう。
【理系】工学部の学習内容
工学部はモノづくりの知識と技術を学ぶ学部ですが、さらに専門的な技術を学べる学科に分かれています。
自動車や家電などの機械やその設計について学ぶ機械系学科、情報通信技術や半導体技術など電気について学ぶ電気系学科、建物の設計や建物に関する設備などについて学ぶ建築系学科、人工知能や自動運転などのITについて学ぶIT系学科などが主流です。
その他にも自動車などの輸送機器系や遺伝子工学などの生物系、目的にあわせた複合的な学科もあります。
【理系】工学部で取得できる資格
工学部以外の学部であれば、資格取得のために勉強しなければならないこともありますが、工学部の場合、学んでいる学習内容から資格を取得できる傾向があります。
資格取得は就職や転職する時に有利になる場合があるため、取得できそうな資格は挑戦しておきましょう。
毒物劇物取扱者試験
毒物及び劇物取締法(第七条)により、毒物(水銀やヒ素など)や劇物(アンモニアや硫酸など)を取り扱う場合は、働く人やその企業の周辺の人の健康が損なわれないように管理をしなければいけません。
また、毒物劇物を製造や販売などする場合は毒物劇物取扱責任者を登録する義務があります。
この管理をできる人というのが毒物劇物取扱責任者です。工学部で応用化学について学んでいると卒業証書等で資格を得られます。
出典:毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000303
出典:毒物劇物取扱責任者の資格とは|東京都福祉保健局
参照:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/sonota/d_g/shikaku/index.html
電気主任技術者試験
発電所や変電所、工場などでの電気設備の仕事をする場合に必要なのが電気主任技術者という資格です。
電気主任技術者には第一種から第三種まであり、扱える電圧が違います。この資格を取得するには電気主任技術者試験に合格するか、経済産業省の認定校で所定の単位を修得しており、実務経験が5年あれば取得できます。
出典:電気主任技術者 |経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/information/license/c_text25.html
一級建築士試験
一級建築士は家屋や商業施設、学校などあらゆる建造物の設計と工事の管理業務をするための国家資格です。
受験資格に指定科目の単位数が必要となるため、事前に調べておくとよいでしょう。試験には学科と製図があり、学科試験に合格した人が製図試験を受験できます。
出典:一級建築士試験|公益財団法人建築技術教育普及センター
参照:https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/index.html
出典:一級建築士について - 国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/architect.html
自動車整備士資格試験
自動車整備士は自動車の点検業務や故障や整備をする分解整備業務、車検などの検査業務をする仕事です。
自動車整備士には1級から3級まであり、携われる業務の範囲が違ってきます。工学部で学んでいる場合は級によって、実務経験や実技試験が免除される場合があります。
出典:自動車:自動車整備士になるには - 国土交通省
参照:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-gaiyo.html
弁理士試験
特許や意匠、著作権などの知的財産に関する法律を扱うのが弁理士の仕事です。特に新しい技術を発明した企業や人の権利を守るために特許権を申請するのが主な仕事となります。
試験には短答式筆記試験、論文式筆記試験(必須科目と選択科目)、口述試験があり、論文式筆記試験の選択科目は大学院で修士課程を修了している場合は免除されます。
そのため、理系の大学院を卒業している人にはとても有利な試験と言えるでしょう。
出典:弁理士試験の概要 | 経済産業省 特許庁
参照:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-gaiyo.html
【理系】理学部の学習内容
理学部は、高校で学んだ数学や理科についてさらに深く学び、自然の仕組みを理論的に解明し、証明する学部です。
学科には宇宙や素粒子などについて学ぶ物理学科、生命の多様性や進化などについて学ぶ生物学科、代数・幾何などを学ぶ数学科、その他にも化学科や地質学科などがあります。
【理系】理学部で取得できる資格
理学部で得られる資格はいくつかあり、在学中に所定の単位を取得すれば得られる資格や、卒業することで受験資格などが得られる試験があります。
どの資格が将来、役に立つかはすぐにはわからなくても、就職や転職、仕事のスキルアップにつながることもあるため、資格取得できるものは早めに取っておくとよいでしょう。
理学部で取得できる資格について紹介します。
測量士補
測量士補は器具を使って角度や距離を測って、面積や形状を測るために必要な国家資格です。
大学で測量に関する科目を学び、卒業した人は測量士補の資格が得られます。さらに、その後に測量の実務経験を1年以上積めば測量士の資格が得られます。
測量士補の資格を取得したい場合は必要な単位を事前に調べておきましょう。
出典:測量士及び測量士補登録に関する案内|国土交通省国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN-sikentoroku.html#toroku1
学芸員
学芸員とは博物館資料の収集や整理、調査研究、保管などをし、保管されている資料の説明や案内などを行う仕事です。
学芸員になるための認定試験に合格すれば取得できますが、大学で必要な科目の単位を取得していれば、学芸員の資格を取得できます。
学芸員の資格取得後に博物館の採用試験に合格すれば、学芸員として働くことができますが、欠員が出た時のみのことが多いため、就職するのは狭き門となるでしょう。
出典:学芸員になるには|文化庁
参照:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/about/gakugeiin/
教育職員免許状
学校で先生として働くには教職課程のある大学で必要な単位を取得し、卒業後に各都道府県の教育委員会で教育職員免許状の申請をしなければいけません。
教員になりたい人はまず、この教職課程があるかどうかを調べなければいけません。大学入学後に教職課程で必要な単位を取得しますが、理系の大学であれば理科と数学の教員免許を取得する人が多いでしょう。
免許状を取得したら、教育委員会が実施する教員採用試験を受け、合格すれば教員として働くことができます。
出典:教員免許状に関するQ&A|文部科学省
参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/main13_a2.htm
【理系】工学部と理工学部の違い
モノづくりを学ぶ工学部と、自然科学を学ぶ理学部、工学部の内容が両方学べる理工学部には似ている部分も多々ありますが、就職する場合や大学院に進む場合に少し違いが出てきます。
しかし、どちらかに入学してしまったため、就職や大学院進学が出来ないということはありません。理学部と工学部で別れていても学ぶ内容は大学によってそれぞれです。焦らずに卒業後の進路を決めましょう。
就職先の場合
工学部を卒業した場合、機械メーカーでの開発業務や設計業務に携わる仕事や、土木系学科や建築系学科であれば、住宅メーカーでの設計業務などの仕事に就くという人が多いでしょう。
理工学部を卒業した場合、工学部卒と同じように機械メーカーなどに就職する人もいますが、薬の研究などの研究職に就くという人も多いとされています。
工学部卒であればモノづくりができる就職先、理工学部であればモノづくりや研究職を就職先に選ぶ傾向があります。
大学院進学の場合
最近では大学院へ進学するという人が増えていますが、工学部や理工学部でも大学院へ進学する人は多く、あるデータでは工学部と理学部ともに40%程度で、理工学部も同じ程度いる傾向にあるとされています。
大学の4年間で基礎的なことを学び、より深い専門知識を学びたい場合は大学院へ進学するとよいでしょう。専門知識を得て、さらに就職に結びつけていくことも考えておきましょう。
【理系】工学部・理学部・理工学部・に共通すること
モノづくりを学ぶ工学部、自然科学などを学ぶ理学部、その2つを学べる理工学部はそれぞれ違った専門性がありますが、一方で共通することもあります。
それぞれの学部で基本的に必要となる知識は共通しており、お互いの知識がお互いに必要となる学部でもあります。
また、理系の就職先は時代に左右されにくいため、就職に強いことも共通しているでしょう。
【理系】工学部に進学すべき人の特徴
工学部はモノづくりという実践的なことを学ぶことが多いため、モノの仕組みに興味がある人やパソコン、自動車などの精密機械が好きな人、実験が好きな人は工学部に進学するとよいでしょう。
また、数学や物理が苦手な人は大学によっては理工学部の方が難しいことがあるため、そういった場合も工学部がおすすめです。
技術系の職種に就きたいと考えている人は工学部に進学し、就職に有利となる資格を取っておきましょう。
【理系】理工学部に進学すべき人の特徴
実験も好きだけれど、集中して研究に取り組むのも好きだという人は理工学部への進学がおすすめです。
理工学部は化学や物理、数学について深く学ぶため、化学・物理・数学が得意であれば、理工学部に向いているでしょう。
物事に対してあらゆる角度から研究したい人、工夫した人は理工学部を検討してみましょう。
理系大学の工学部に進学しよう!
私たちの生活を便利にしてくれるたくさんのモノの仕組みや作り方を学ぶ工学部には様々な専門学科があり、モノづくりをあらゆる面から学ぶことができます。
機械や自動車、構造物などあらゆる場面で工学の知識が必要となります。機械系学科や電気系学科など、専門的な学科で学び、それぞれの専門性からよりよいものを作るための知識や技術を学ぶ学部と言えるでしょう。
モノづくりをしたい、モノの仕組みを知りたいという人は理系大学の工学部に進学しましょう。