HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「今、就活中なんだけど、理系職を目指していても英語力が必要になるってホント?」
「理系で英語力を活用したいと考えているけど、そもそも理系職に英語が必要な理由って何?」
このように、英語力と理系の仕事の関連性に疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そうした疑問への答えとなる、理系で英語が必要になる理由や英語力を付けておくメリットに加え、英語力がない場合のリスクなどを紹介していきます。
その他、英語力が必要となる仕事と活用シーン、目指す仕事によって異なるTOEICレベルの目安や学習方法など、より具体的で詳細な情報にも触れているため、「なぜ理系職での英語力が必要になるのか」が明確になるでしょう。
さらには、高い英語力が就活で有利になる理由も理解できるため、理系で英語力を活用できる仕事を目指そうと考えている方は、ぜひご一読下さい。
目次[目次を全て表示する]
英語力を付けると就職に有利になる理由
就職について調べている方や、実際に就職活動に取り組んでいる方は、英語力の必要性を見聞きする機会が多いのではないでしょうか。
就職活動において、職種によっては英語力があることが有利に働く可能性があります。また、業務で英語を使わない会社であっても、英語関連の資格などがあれば、就職活動におけるアピールになるでしょう。
もちろん、語学力があることが一概に就職に有利とは言えませんが、「資格を取るために長期間努力できる人物」として評価される可能性はあるでしょう。
ここでは、英語力を付けることで就職に有利になる理由を3つ紹介します。
そもそも英語ができるエンジニアが少ないため
エンジニアは、主に開発や技術的な部分に携わっているため、理系のイメージを持たれることが多いのではないでしょうか。
実際のエンジニアの仕事では、英語力が求められることも多く、特にシステムエンジニアの仕事では、最先端の技術や知識を持つ人材が求められます。また、その知識は英語で表現されることが多いため、エンジニアには英語を理解する力が必要と言われています。
さらに、グローバルに展開している企業であれば、カンファレンスで英語でのプレゼンや会話が求められるケースもあるでしょう。
現在は英語ができるエンジニアが少ないとも言われているため、ある程度の英語力があれば、就職活動で有利になると言えるでしょう。
採用に英語力を基準としているため
企業によっては、英語力を基準に人材を採用する会社も見られます。
グローバル化が進み、日本の企業でも海外展開を考える会社が多くなっていることから、英語力があると就職に有利になる場面が増えてきています。
そのため、就職後の仕事に英語力を活かす場合は、英語力のレベルによって就くことができる仕事も違ってくると言えるでしょう。
外資系企業へ就職しやすくなるため
外資系の企業では、英語力がある方が圧倒的に有利になることが多いと言われています。
現在、英語力は世界共通の標準スキルとして認識されているため、特に海外とのやり取りが多い外資系企業で就職しやすくなるでしょう。
企業が英語を重要視している理由
企業が英語を重要視していることには、いくつかの理由があります。英語力が必要になっている背景を知ることで、ますます英語力の大切さを実感できるでしょう。
ここでは、企業が英語を重要視する理由について5つ紹介していきます。グローバルな時代を生き抜くためにも、英語力を付けておくことに無駄はないと言えるため、ぜひ参考にして下さい。
日系企業の海外拠点数の増加によるもの
海外在留邦人数調査統計によると、日系企業の海外拠点数はここ数十年の間、年々増加傾向にあり、2019年時点では統計を取り始めた昭和43年以降、在留邦人数は最多の増加数になっています。
この数は、日系企業の海外拠点数の増加に比例していると言えるでしょう。
また、2017年度統計によれば、海外在留邦人は民間企業関係者が最も多く、長期滞在者の約53%で、中でも自由業関係者が多くなっています。
上記のような数値からも、世界の共通語としての英語の必要性がわかるのではないでしょうか。実際、日本の企業の80%以上が、ビジネスパーソンに必要なスキルとして「英語力」を挙げています。
出典:統計表一覧(令和3年(2021年)以前)|外務省
参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_003338.html
出典:海外在留邦人数調査統計 平成30年要約版|外務省領事局政策課
参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf
IT技術の最新トレンドを知るため
最新の情報や技術が常に更新されていくIT業界では、グローバルな最新トレンドを知るためにも英語力が必要とされます。
IT業界では、多くの最新製品や技術が海外から入ってくるため、必然的に得る情報は英語になります。
また、インターネットで得られる質の高い情報も英語で書かれていることが多く、グローバルな展開をしている企業への就活では、英語力が求められる機会が増えると言えるでしょう。
優秀な外国人を受け入れる体制にするため
将来的に国内だけで優秀な人材を採用しようと考えても、少子高齢化の影響で人材不足に拍車が掛かる可能性が高まっています。そのため、日本は優秀な外国人を受け入れる体制づくりの必要性に迫られているとも言えるでしょう。
現在では、最先端のIT人材としての外国人の受け入れは既に進んでおり、今後も高まり続けることでしょう。
また、企業の海外進出に伴う外国人の採用数の高まりから、英語力を使ってさまざまな取り組みをしている企業も見られるため、就職活動の時点で、ある程度の英語力を付けておくことをおすすめします。
翻訳作業を減らすため
外資系企業では、英語力が基本スキルになると言われています。そのため、電話やメールを使った海外との取引でもハイレベルの英語を使うことになるでしょう。
社内文書が英語で書かれている企業もあるため、翻訳作業を減らすためにも、英語力の高さが求められる可能性があります。
いずれにせよ、外資系企業を目指す場合は、常に英語を使う機会があると考えておきましょう。
会社全体で英語を使う環境にして英語力を養うため
海外進出を進めている企業は、新しい消費市場を求めています。インターネットや流通システムの進化とともに、その流れはますます高まっていると言えるでしょう。
また、昨今のリモートワークの普及に伴って、英語で行われる会議などの内容を、自分一人で理解できる力が求められる状況も出てきています。
そのため、会社全体で英語を使う環境にし、英会話を身近なものとすることでを英語力を養い、自社内のグローバル化を進めている企業も見られます。
英語力を活用できる理系職
TOEICなどの英語力をアピールできる資格の中には、理系ならではの資格もあります。そのため、英語力のある理系の人材を求める企業では、特に高評価が得られるでしょう。
ここでは、英語力を活用できる理系の仕事と、英語力が必要になる理由を紹介していきます。
MR
医薬品の専門家として、医療従事者に医薬品情報を提供するのがMRです。新薬開発の治験は海外の方が進んでいるため、最新情報は海外から取り入れます。
そのため、医学論文などの英文読解や、医療系専門用語解読において英語力が試されるでしょう。
また、外国人の従業員が多い外資系企業などを志望する場合も、日常会話で英語が必要とされる場面が多くなるでしょう。
CRA
臨床開発モニターと呼ばれる、薬の開発における治験を監視する仕事がCRA(臨床開発モニター)です。CRAの仕事で英語力が必要になるかどうかは、環境によって変わってきます。
たとえば、世界各国で同時に行う「グローバル試験」を担当するのであれば、共通言語は英語です。この場合は、英文の書類を読み、報告書も英語で書き、電話会議も英語を使うことになるでしょう。
また、外資系企業では日常的に英語が使われることが多く、モニタリング業務を主に行う仕事の担当であれば、英語の読み書きが必要になります。
メディカルライター
医療に関する文書を専門的に作成するのがメディカルライターです。たとえば、世界レベルで発表される医療情報を扱う場合などに高度な英語力が必要になります。
また、治験総括報告書の作成や医療文書の翻訳などを担当する場合は、さらに高度な医療英語やライティング力、読解力が必要になるでしょう。
場合によっては、医療翻訳の専門スキルを身に付ける必要が出てくることもあるでしょう。
建築系エンジニア・プラントエンジニア
食品や化学系、水力、電力など、幅広い分野の工場設備一式の設計や開発などを手掛けるプラントエンジニアや、大型ビルの建設などにかかわる建築系エンジニアのような職種も、英語力が求められることが多い仕事と言えるでしょう。
特に、海外に工場がある会社で、海外の顧客と取引をしたり、現地スタッフの指導をしたりする場合など、英語を使ったコミュニケーションは必要不可欠になります。
日常的な英会話の他にも、ビジネス英文の読解や英文メールのやり取り、さらには図面や資料でも英語を使うなど、多くの場面で英語力が試されることになるでしょう。
ITエンジニア
IT業界のニュースや技術関連のニュースは英語が多く、最新情報を知るためには英語での読解力が必要になります。また、エンジニアが必要とする最新情報は、大半が英語で書かれているとも言われています。
海外企業とのやり取りも多くなった昨今では、英語でのコミュニケーションが必要な場面も増えていますが、その都度通訳を付けていたのでは費用が掛かってしまうでしょう。
また、IT業界用語には専門的な用語が多いことから、技術者自身が英語でやり取りした方が都合が良いと言えるでしょう。
航空整備士
航空機の点検や整備、修理をする航空整備士の整備マニュアルは、英語で書かれています。
その他にも、航空機の不具合や、管理システムやパイロットからの報告、空港での対応などを英語でやり取りする必要があるため、航空整備士には英語力が求められます。
ただし、マニュアルに使われる英語はわかりやすいものになっているため、それほど高い英語力は必要ないでしょう。
それでも、最低限のコミュニケーションが取れる英会話力を身に付けておくことをおすすめします。
海外に拠点を持つメーカーの技術職
海外に拠点を持つメーカーの技術職の場合、海外工場とのやり取りや、海外支店への出張なども考えられるため、英語力が問われます。
また、近年では製造業の海外進出も増え、多国籍の人々とともに仕事する機会も多くなっていることから、英語でのコミュニケーションの必要性が高まっていると言えるでしょう。
理系職が英語を活用するシーン
文系が英語を仕事で活用することに比べ、理系職で英語を活用するシーンはなかなか想像しにくいのではないでしょうか。
ここでは、理系職はどのような場合に英語を活用するのか、具体的に見て行きましょう。以下に挙げるシーン例を参考に、自分に不足している英語力を見付ける参考にして下さい。
顧客との会議や交渉で活用する
外資系の会社や海外に拠点を持つ会社であれば、顧客との会議や交渉で英語を使う機会が多くなるでしょう。そんなときに英語の語彙が少ないと、結果的に生産性まで下がってしまうと言われています。
特に会議や交渉では、議論を深めるために英語力の高さが必要となるでしょう。英語を使いこなせるようになるためには、英文法の基礎をしっかりと学び、意識的に英語を使うような勉強法を取り入れることが大切です。
社内でのコミュニケーションで活用する
顧客だけでなく、外国人の社員とのコミュニケーションでも英語が必要になる場合があります。具体的には、会議などで議論をするとき、メールやテレビ電話でのやり取りが必要なとき、海外からの訪問者とのやり取りが必要なときなどが考えられるでしょう。
外資系企業であれば、報告、連絡、相談においても英語によるコミュニケーションが必要になるため、基本レベルの英語力を身に付けておくことをおすすめします。
なお、外資系企業でも日本に拠点を置いてからの歴史が長い会社では、英語を使わない環境の会社もあります。入社前にどんな体制の会社なのかを確認しておくのも良いでしょう。
理系の仕事へ転職するためのTOEICレベル
日本で一般的に普及しているTOEICは、ビジネス英語での表現が多く使われているため、英語力の計測ができる試験と言われています。
TOEICは、点数ごとに英語力のレベルが確認できるため、取得した点数によって英語を使う仕事への転職先を決めるときの指標になるでしょう。
ここでは、それぞれの理系の仕事へ転職するために必要なTOEICレベルについて、点数ごとに紹介します。理系での就職が有利になるためのスコアは800点以上と言われていますが、現在の自分のレベルに合う職種は何かなど、参考にして下さい。
900点から990点の場合
TOEICレベルが900点から990点の場合、高度な英語力を持っているレベルと言えるでしょう。高度な英文の理解と、的確な英文の記述ができることの証明になるため、英語を活かした専門職にも就けるでしょう。
ネイティブスピーカー並みの英語力に匹敵するため、ディスカッションや専門書の読解も可能とみなされます。
考えられる理系の職業としては、メディカルライターの翻訳業務の他、英語での公式文書の作成などが挙げられるでしょう。
800点から895点の場合
TOEICレベルが800点から895点の場合、スムーズに意思疎通ができるレベルであると判断されるため、海外勤務も可能とされるスコアです。ビジネスでは問題なく英語が使えるとみなされるでしょう。
プラントや建築系エンジニアとして、海外駐在が目指せるレベルと言われています。
700点から795点の場合
TOEICレベルが700点から795点の場合、英語力はあると判断されますが、会話を広げるためにはもう少し学ぶ必要があるとみなされるでしょう。
目安としては、上場企業の国際部門に就職できる可能性が高いとされるスコアです。
企業にもよりますが、ビジネスで英語を使うのであれば、最低ラインとして700点は必要と言われています。就職活動で有利なアピールになるのは、750点以上と覚えておきましょう。
600点から695点の場合
TOEICレベルが600点から695点の場合、就活での履歴書でアピールできるレベルと言えます。日常会話が成立する程度で、海外旅行などで使える英語力とみなされるでしょう。
このレベルの場合、複雑な会話では困難が生じるケースも考えられますが、上場企業が一般社員に求めるレベルと言われています。それでも、英語で仕事を行うためにはあと少し努力が必要と言えるでしょう。
そのため、このレベルが履歴書に書ける最低ラインと考えましょう。ITエンジニアやMRであれば、このレベルを目安として下さい。
500点から595点の場合
TOEICレベルが500点から595点の場合、基礎的な英語力を保持しているとみなされるでしょう。簡単な日常会話ができて、基本的な読み書きが可能なレベルと判断されます。
このレベルは、英語を使った仕事に就くのには難しいスコアと認識しておきましょう。
500点未満の場合
TOEICレベルが500点未満の場合、履歴書等に書くのはおすすめしません。特にアピールになる部分はなく、英語力がないことが露呈してしまうため、記載を控えた方が無難なレベルと言えるでしょう。
最低限のコミュニケーションが可能なレベルとみなされるスコアです。
英語力を活用できる理系職へ就職するためのポイント
英語力を活用して理系職へ就職するためには、TOEICの他にもアピールポイントがあります。ここでは、英語力を活用できる理系職へ就職するためのポイントを2つ紹介しましょう。
それぞれのポイントを参考に、効率的に能力を高めておくと良いでしょう。
- TOEICだけでなく英会話もできるようにする
- それぞれの理系職の専門知識も付ける
TOEICだけでなく英会話もできるようにする
理系職でも、英会話ができるメリットは大きいと言えるでしょう。たとえば、海外の企業と合同プロジェクトを進めるときなど、英会話ができないことで相手にうまく説明できなければ、プロジェクトの成功も危ぶまれる場合があります。
このようなデメリットをなくすためにも、TOEICだけでなく、英会話もできるようにしておくと良いでしょう。
それぞれの理系職の専門知識も付ける
理系としては当たり前のことでしょうが、理系専門知識を付けておくことは必要不可欠です。特に、自分の強みになるような理系の専門知識を付けておくことは、基本的なポイントでしょう。
大学で学んだ専門分野は、一見関係なさそうな業界でも役立ち、自分の力を発揮できることが多いため、幅広い業界を対象に考えてみることをおすすめします。
理系職で英語ができないことのリスク
インターネットで世界中がつながっている現代において、世界の公用語である英語ができれば世界中のどこにいても仕事ができると言えるでしょう。
理系職でも英語力が問われる仕事が多く、ネット社会の流れに乗れなければ、キャリアアップを考えるうえで大きなリスクになる可能性もあります。
どのような仕事を選ぶ場合でも、英語の重要性が高まっていることを念頭に置いておきましょう。
理系職へ就職するための英語の勉強方法
理系職を目指す人の英語の勉強方法には、いろいろなものがあります。たとえば、英語コーチングスクールで英語力を付けるのもおすすめの方法でしょう。
このスクールは、英会話を短期習得できるのがメリットです。完全オンラインが可能なため、コロナ禍でもおすすめでしょう。
生徒一人に専属コーチがつくマンツーマン指導のほか、効率的に学習できるカリキュラムに沿って指導してもらえます。
さらに、メールやLINEでのサポートもあるため、効果的に学べるでしょう。
理系職へ就職するためのTOEIC勉強時間目安
理系職へ就職するためのTOEICの勉強では、スピーキング、ライティング、リーディング、リスニングという4技能の向上が求められます。
TOEICの勉強時間については、その人の現時点でのレベルと目指すレベルに応じて違ってくるため、以下はあくまでも目安と捉えて下さい。
たとえば、400点台の初心者レベルの人が600点台を目指すのであれば、500時間の勉強が必要でしょう。また、600点レベルの人がビジネスで英語を使える最低ラインの700点を目指すなら250時間が目安で、1日3時間の学習であれば約3か月掛かると言われています。
さらに、700点から800点を目指すためは500時間が目安で、1日3時間の学習で約半年掛かるでしょう。
英語力を活用できる理系職を目指そう
海外拠点を持つ企業や外資系企業で理系職として働くことを目指すなら、英語力を上げておくことには大きなメリットがあるでしょう。
会社に就職してからでも英語力を上げることはできますが、英語力の大切さを知った時点から少しずつでも始めれば、TOEICの点数を上げて履歴書で英語力をアピールできるようになります。
この機会に英語力を上げて、理系職での就職に有利にしておきましょう。