HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系大学生は文系など他学部の学生に比べると、忙しくて時間がないと言われることが多いです。
大学の授業や実験、研究、課題の提出などに追われ、アルバイトをする時間さえ取れないと言われることが少なくありません。
そのため、就活のために企業研究などをする時間も限らる場合や文系学生に比べて就活の準備が十分にできないと心配される向きもあります。
理系大学生は本当に忙しいのか、忙しい理由と時間の作り出し方をご紹介していきます。
【理系大学生は忙しい?】本当に理系大学生は忙しいの?
理系大学生が文系学部に比べて忙しいと言われる、1つの理由は 履修科目が多い点です。
また、文系学部の大学生の場合、授業はもっぱら聴講メインで、教授の一方的な講義を聴いていれば済みます。
語学など一部の授業や出席重視の教授を除けば、授業に出ず、テストだけ受ければ単位が取れるケースも少なくありません。
これに対して、理系の授業は実験も多く、自ら行わないと知識や技術も身につきません。
しかも、実験を行うたびに事前の予想レポートを出すことや実験後のまとめレポートの提出が必要になり、朝から夕方まで実験に追われ、授業終了後はレポート作成に追われる毎日が続きます。
そのため、自由に使える時間が少ない傾向にあるのです。
理系大学生がやるべきことついては、こちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
入学前の高校生の方への注意点
理系は忙しいから、 理系志望なのに文系に変更するというのはナンセンスです。
就活の準備時間が少なくなるおそれはあっても、文系で身につけられる知識に比べて、理系で身につく力や技術は就職にも有利に働きます。
ただ、気を付けたいのは理系の学部や学科選びです。
学部や学科の名称だけで、どんなことを学び、どんな授業スタイルなのかを確かめもせずに受験して進学した結果、実際にはあまり興味もない分野だったのに、日々手間のかかる実験に追われる場合やレポートの作成に追われて忙しくなる学生も少なくありません。
その結果、アルバイトができず、自由になるおこづかいが少ない、サークルも楽しめない、といった弊害も起きるため、よく調べてから志望学部や学科を決めるようにしましょう。
【理系大学生は忙しい?】なぜ理系大学生は忙しいの?
なぜ、理系大学生は忙しくなってしまうのか、より詳しく見ていきましょう。
主な要因としては、 「学習内容の難易度が高い」、「研究室・実験が大変」、「卒業に必要な単位数が多い」といった点が挙げられます。
文系学部は授業を聞くだけ、ノートを取るだけ、出席しなくてもカバーできるなど受動的な側面が多いです。
これに対して、理系は実験や研究が多く、より能動的に取り組んでいく必要があるため、忙しくなりやすいのです。
学習内容の難易度が高い
教養科目や基礎科目が中心の大学1年時は、そこまで難しくはありませんが、学年が上がるにつれて 専門性が高くなり、授業やテストの難易度も増していきます。
文系学生の場合、日頃の授業はさぼって、試験前に指定されたテキストを読み込むことやゼミやサークルの先輩から受け継いだ試験対策資料をチェックするだけで単位が取れるというケースも実際にあります。
ですが、理系は内容そのものが難しく、理論や数式の理解をすることや動かない原理から最新の技術の知識習得まで求められるので、積極的に授業に出て学習していかないと追い付けません。
授業を受けるだけでは理解ができず、自分で調べる時間や独学する時間も必要となるので、文系学生に比べて自由時間が少なくなります。
研究室・実験が大変
理系学部では専攻や授業の選択にもよりますが、 授業内でも実験を行うケースが多いです。
実験を行うにあたっては、実験の結果どうなるかを予想する事前レポートの作成と提出が求められたりすることもあります。
また、実験後には実験のプロセスや結果をまとめたレポートを作成して提出するのが一般的です。
提出しないと単位がもらえない場合もあるので、授業が終わった後も、課題に取り組まなくてはなりません。
実験を行う授業が重なれば、日々、いくつものレポート作成に追われることになり、バイトをする余裕もなくなるほどです。
3年次など学年が上がって研究室に所属するようになると、研究内容によっては朝から晩まで研究や実験を繰り返すケースもあり、時間が制約されます。
卒業に必要な単位数が多い
文系の学部や学科にもよりますが、理系の学生は文系に比べて、 年間で5単位ほど必要な単位数が多くなります。
単純に計算して、週に5時限ほど多く授業に出席しなくてはなりません。
夕方遅くまで授業に出ているか、5時限分、1日を当てなくてはならない理屈です。
もしくは、文系の学生が週に4日に授業をまとめて取り、1日はアルバイトや自由時間に充てられるところを、週5日で授業に出なくてはならないなど、スケジュールが詰まってしまう傾向にあります。
しかも、それぞれの授業が難しい場合や実験があってレポートの提出が求められれば、時間がなくなるのは当然のことと言えるかもしれません。
【理系大学生は忙しい?】理系大学生のメリット
理系学生は忙しくてアルバイトもできず、サークルも十分に楽しめず、就活の準備もままならないと言われれば、文系にしたほうがいいのかと思う高校生もいれば、大学に入ってから文系に転向しようと考える方もいるかもしれません。
ですが、理系学生は大学生活での忙しさと引き換えに、さまざまなアドバンテージを手に入れることができます。
頑張った分、将来の仕事に役立つ専門知識や技術が習得でき、就活に有利に働きますから、やりたいことがあるなら、方向性を変えるべきではありません。
就職が有利になる
大学生活では授業に毎回出なくてはならない、実験や研究に時間を割かなくてはならない、レポートや課題に取り組まなくてはならないなど、時間が取られ、就活のための企業研究やOB、OG訪問をする余裕がない、リクルートスーツを買いに行く時間も思うように取れないといった方もいます。
ですが、いざ就活が始まれば、志望企業や仕事内容にもよりますが、有利に働くことが多いです。
研究内容によっては就職先から良い評価を受けて、アピールになる可能性があります。
さらに技術力や能力が評価されると、企業のほうからオファーが入る場合やぜひうちの企業にと熱望されるくらいの実力を付けることも可能です。
学校推薦がある
理系学部は大学のレベル、学部や学科内容にもよりますが、 学校推薦が入ることも少なくありません。
学校推薦は学校が勝手に学生を企業に推薦するのではなく、まず、企業側から学校にオファーが入ります。
たとえば、ある企業において特定の技術や専門知識を持つ学生が欲しいので、こういった条件に当てはまる学生がいれば推薦してほしいというオファーです。
これに基づき、学校側は教授会や教授との打ち合わせなどを通じて、最適な学生の選考を行ったり、希望する学生がいるか調査をしたりします。
学校推薦があるかどうかや、学校推薦が来たときに、どのように学生を選ぶかは大学ごとに方針が決められており、理系だから全員が推薦されるわけではありません。
【理系大学生は忙しい?】どの時期が忙しい?
理系大学生は全般的に文系学生に比べると忙しいですが、特にどの時期が最も忙しくなるのでしょうか。
大学に進学して大学院に進んで博士号を取得し、研究者や講師として実績を積みたいという方は別ですが、就職が目的にある場合、就活の準備もしなくてはなりません。
インターンに参加したいなどの希望もあることでしょう。
インターンや就活との関係でも、忙しい時期をあらかじめ把握しておく必要があります。
長期休暇前
春休みや夏休み前、冬休み明けなど長期休暇の前や後は 文系、理系を問わず、テストの時期です。
レポートをいくら提出しても、授業に毎回出席していても、テストを受験しなかった場合や点数が異常に悪ければ、単位がもらえません。
単位がもらえないと留年のおそれや就職が決まったのに卒業できなくなるおそれがあります。
また、就活が忙しくなる前に単位をできるだけ多く取得しておきたいと考えていても、予定が狂ってしまいます。
一つひとつの授業ごとの試験内容が難易度が高い場合や複雑なケースも多く、しっかり勉強して臨まないと、合格点が取れません。
そのため、テストがある時期は忙しさが増します。
研究室
研究室に入るのは3年後期~4年生にかけての時期ですが、ちょうど就活とも重なってくる時期です。
そのため、 理系の大学4年生は大学生活でも最も忙しい時期と言えるのではないでしょうか。
就活が気になっている人は、それなら研究室に入らない方がいいのかと思われるかもしれません。
ですが、理系で研究室に入らない人はほとんどいないとともに、研究室に入っているからこそ、学校推薦がもらえたりします。
学校推薦の中には特定の研究室目当てのものがある場合や研究室の教授の推薦があった学生を候補にするケースも少なくありません。
忙しい代償として、努力が就活にも有利に働きますので、頑張ることも大切です。
【理系大学生は忙しい?】余暇時間の増やし方は?
とはいえ、楽しいはずの学生生活が自宅と大学との往復や実験や研究に明け暮れるだけではつまらないかもしれません。
学生時代でないとできない経験がしたい、アルバイトをして少し生活の余裕を作りたい、就活のための準備がしたい、短期でもいいからインターンをしたいなど、いろいろな希望もあることでしょう。
忙しい理系大学生でも工夫することで時間を作り出すことができますので、その方法をご案内します。
受ける授業を工夫する
大学や学部にもよりますが、各自が取得した資格を利用して、 授業に出席しなくても単位がもらえる場合や持っている資格の授業を受けることで楽に単位をもらえるケースがあります。
また、学年ごとに授業を取る際、シラバスをしっかりと読み込んで、自分の将来にとって必要な科目や授業を受けたい教授をしっかりと絞り込んでいきましょう。
同時に授業日程の確認と調整も重要なポイントになります。
週に1日休日が取れるよう、週4日に集中して取れる授業を選ぶことや逆に授業と授業の合間に図書館でレポートや課題に取り組む時間が作れるように授業を取るなど、自分がやりたいことや作り出したい時間を踏まえて、カリキュラムを工夫するのも一つの方法です。
移動時間・授業の合間で遊ぶ
自宅から大学までの通学時間がかかる方は、電車やバスでの移動時間の間にスマホで情報をチェックしたり、勉強をしたり、好きな音楽を聴いたり、ゲームをしたりと自分時間を作ることが可能です。
授業の取り方によっては、 授業と授業の合間時間が多くなることがあるので、その時間を無駄にせず、自分の好きなことに取り組める時間にするのがおすすめです。
アルバイトをしている方は、アルバイトの休憩時間なども活用しましょう。
実験や研究が忙しくても、基本的には土日祝日、長期休暇中は休みなので、その時間を利用して単発のアルバイトをすることや休暇中に短期インターンに参加することも可能です。
せっかくの休日は無駄にしないように事前に計画を立てましょう。
【理系大学生は忙しい?】まとめ
なぜ理系大学生は文系学生より忙しいのかというと、「学習内容の難易度が高い」、「研究室・実験が大変」、「卒業に必要な単位数が多い」といった点が主な理由です。
ですが、忙しい代わりに「就職が有利になる」、「学校推薦が得られる場合がある」など、将来の就職に有利になるため、忙しいからと志望した学部や学科を変更するのはおすすめできません。
忙しさの代償として専門性や技術が身につくので、自分なりの工夫をしながら時間を作って、大学生活を充実させるようにしましょう。