HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
ガクチカという言葉を、就活用語で聞いたことがある大学院生も多いのではないでしょうか。これは企業の選考で用いられるものです。少しでも高い評価を得たいと考える就活生なら完璧にしておきたいですね。
ここでは、そもそもガクチカの意味とは何か、面接ではどうしてガクチカを聞くのかなど、ガクチカに関する疑問を解決していきます。ガクチカに関することを深く知ることで、就活に役立てることができます。
また、就活がまだまだ先の大学院生は、ガクチカを意識した学生生活を送ると就活が有利になるでしょう。志望企業がある程度決まっている方ならガクチカのテーマを早めに決めて取り組むことをおすすめします。
この記事を参考にガクチカの評価基準をしっかりマスターして、就活に役立てましょう。
目次[目次を全て表示する]
【研究で院生ならではのガクチカを】そもそもガクチカとは?
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」「学生時代に頑張ったこと」を省略して表した言葉です。学生時代はサークル活動や研究、アルバイトなど、力を入れたものがあるでしょう。就活では、志望動機や自己PRと並んで面接時に聞かれます。
実際は「学生時代に力を入れたことの結果を教えてください」や「学生時代にどのようなことに力を入れましたか」などと質問されることが多いので、しっかりと受け答えできるように準備しておきましょう。
面接でガクチカを聞く理由とは?
就活の面接では、学生時代に力を入れたことや頑張ったことを聞かれます。なぜこのようなことを聞くのか学生の皆さんは疑問に思うでしょう。しかし、企業がガクチカを聞くには理由があります。
ここでは、面接でなぜガクチカを聞くのか、ガクチカがわかると企業はどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
ガクチカで得た経験値をチェックするため
ガクチカを聞く理由に、どのようなレベルの経験をしているかを知ることができるというものがあります。
例えば、野球やサッカーなどの運動系サークルで活躍した人は、「チームワークを大切にして試合で勝つことに達成感を感じたこと」が、集団で何かを作成する仕事に向いていると判断されます。
また、大きな大会で優勝をした経験は、輝かしい実績として評価されレベルの高い経験をしているとアピールできます。このように学生時代に真剣に取り組んだことは、目標に向かって進み素晴らしい結果が残せると評価がアップします。
最大限にアピールして就活を有利にしましょう。
自社に合う人材かを見極めるため
ガクチカは、この人を採用したら活躍できる人材なのかを見極めるためにも質問されます。
人によって努力の仕方は異なり、就職後も人それぞれのやり方で仕事に打ち込んでいきます。そのやり方が企業にフィットすれば、成果となって現れるのです。
ガクチカによって得た経験が自社の仕事内容にどのように現れるかを見極め、活躍してくれるのかを判断しているといえるでしょう。
人間性や性格など内面を知るため
ガクチカは具体的なエピソードで伝えることで、自分の性格や内面をアピールすることもできます。
目標をもって何かに取り組む時に困難にぶつかる時があるでしょう。目標を達成することが難しく感じた時、どのようにして乗り越えたかを具体的にすることで個性をアピールすることができるのです。
しっかりと自己分析をして努力した結果を伝えることで、自分の内面を知ってもらえるでしょう。
ガクチカの評価基準
ガクチカは学生時代の経験を伝えますが、企業側はさまざまな方向で評価をしています。評価基準は企業ごとに異なり、確実な評価基準はわかりません。ガクチカは取り組むプロセスも大切なことがわかっています。
ある程度の評価基準は想定できるためしっかりと押さえておきましょう。
ガクチカにどのような意識をもって取り組んだのか
ガクチカにどのような意識で取り組んだのかをアピールすることで、自分の行動力や情熱をもって取り組む姿勢などを読み取ってもらえるでしょう。そのため、企業側はどのような姿勢で仕事に向き合うのかを知ることができ、イメージしやすくなります。
また、自分のモチベーションを上げるきっかけは何か、目標達成まで意欲的に取り組めた経緯などを盛り込むと伝わりやすいでしょう。
ガクチカによってどのような学びを得たのか
ガクチカによって応募者の思考力もチェックすることができます。志望する会社の業務に求められている学びや、業務に活かせそうなものを選んでアピールすると良いでしょう。
例えば「ファミリーレストランでアルバイトをしていた時、新人教育を任されていました。最初の頃は、すぐに辞めてしまう新人が多く悩みましたが、一人でも長く続けてもらえるように、丁寧に教える教育方法を取り入れました。
営業中に作業しながら新人に教えるのは簡単ではありませんでしたが、研修期間中に一人前のスタッフに育てることができ、10人のアルバイトスタッフを増やせました」
このように具体的に伝えることで、コミュニケーション能力や問題解決能力などをアピールできるでしょう。
ガクチカの経験を志望企業でどのように活かせるのか
多くの企業では、皆で目標を達成するために業務に取り組みます。学歴や資格は書類上でわかりますが、内面はすぐにはわかりません。そのため、ミスマッチな採用にならないように企業側は選んでいます。
そのためにも、自分が入りたい企業がどのような人材を求めているのかを確認し、経験してきたエピソードを伝えましょう。就職後にガクチカで得た能力がどのように活かせるのかをアピールできると、より良いでしょう。
まずは、受けたい企業のことをよく知ることから始めましょう。
大学院生と学部生の違い
大学には大学学部と大学院があるため、その違いがわからない人も多いでしょう。大きな違いは、大学院の方が学歴として上位にあることです。
ここでは、大学院生と学部生でどのような違いがあるのかを、詳しく見ていきましょう。
研究の成果や難易度が異なる
学部は学問を学ぶためにあり、大学院は研究することで未知の知識を深めることができる場です。また、大学の学部は勉強が目的で、講義を中心にした学生生活になります。
一方、大学院生になると研究が主な目的になり、研究室に所属して研究することが中心の学生生活になるでしょう。
共同研究ができる可能性がある
大学院での研究は、企業とタッグを組んで行う「共同研究」ができる可能性があります。企業と研究する時は短期決戦になるため、ハードな研究になるでしょう。ですが、共同研究を行うとレベルの高い研究ができるため、就活を有利に進めることができる可能性もあります。
また、企業の研究職について理解を深めることができるため、とても多くのことを学べます。研究に成功すれば、内容次第では成果が世に出るなどの実績を残すことも可能でしょう。
<h3>ガクチカで院生が学部生に差をつけることはできる?
長く学生をやっている分、院生は学生時代の経験が学部生に比べて豊富です。
なかでも、研究の質がとくに差を生みます。
大学院に進んだことによって得た経験をアピールすると、差をつけられるでしょう。
大学院へ進学する人の多くは、専門知識を身につけることを動機としています。
また、大学院の発表の際には、社会で求められるプレゼン力が必要となります。
学部生のうちでは学べなかったことや、受け身ではなく自主的に行った研究などをふり返り、強みとして伝えられるものを探してみてください。
大学院生のガクチカテーマ例
ある程度ガクチカのことは理解できても、実際にどのようなテーマにすれば良いか迷うのではないでしょうか。ガクチカは、エントリーシートや面接で聞かれることになります。
大学院生での学生生活を思い出して、ガクチカのテーマを探してみましょう。
研究
大学院では主に研究をして過ごすことが多いため、研究がテーマのガクチカは一番書きやすいでしょう。研究活動を書く時にはどのような研究に取り組み、成果を上げたのかがポイントになります。
志望する職種と研究のテーマが合っているケースなら、研究での学びを活かして働けることをアピールできるでしょう。また、志望する職種を伝える時も説得力があります。
アルバイト
アルバイトでの経験は、実際に働いた時のイメージがしやすいため自分をよく理解してもらえます。気をつけたいのは、他の人と同じ内容にならないことです。
アルバイトをテーマにしたガクチカは、長く続けたことによって継続力がついたことや、リーダーをしていた経験によるリーダーシップ能力をアピールできます。
接客業でアルバイトをしていた方は、コミュニケーション能力やホスピタリティの精神が高く営業職やマーケティングに役立ちます。アルバイト経験から自分らしいガクチカのエピソードを作ってみましょう。
サークル
サークルに所属していた人は、サークルのことを書くのも良いでしょう。
リーダーや会計など役職を持っていた場合は、そのことについてでも構いません。
あるいは役職がなかったとしても、目標を持って取り組んだことがあるのなら、ガクチカとして書けます。
企業は役職についているかどうかよりも、目標を達成するためにどのように行動する人物なのかを知ろうとしています。
問題が発生したときや、困難に直面したときの乗り越え方なども述べられると、仕事の姿勢がイメージされやすくなるでしょう。
TOEIC
TOEICをガクチカに用いるとストーリーを構成しやすく、継続力や粘り強さをアピールできます。志望動機とも紐づけしやすく、多くの方が知っているテストであることから基準もイメージしやすいでしょう。その結果、成果をアピールしやすいガクチカになります。
趣味の創作活動
大学院生の頃、サークルに入っていなかったりアルバイト経験もなかったりする人は、ガクチカのテーマに悩むでしょう。その場合は、もし継続している趣味があるなら、趣味の創作活動もガクチカのテーマにできます。趣味のガクチカは個性を出しやすく、他の人とは違った仕上がりになります。
大学院時代に打ち込んできた趣味を、最大限に活用しましょう。趣味の話を通して、人柄や継続力など自然とアピールできます。
【研究で院生ならではのガクチカを】院生におすすめのガクチカは研究!メリットは?
前述したとおり、学部生と院生では、研究にかける時間も研究の規模も異なるものです。
大学院に進む目的は研究と言っても過言ではないので、研究は院生の大きな武器でしょう。
研究を行っていくうちに、論理的に考えられ、調査能力や文章力が培われていきます。
大学院では、学部生のときよりも研究内容が重要視されています。
学部生と差をつけるには、研究をガクチカに使うのがおすすめです。
次に、研究をガクチカにすることでアピールできるポイントを紹介します。
目的や行動が明確
ガクチカでは、目標を持ったうえでどう行動したのかが見られているので、題材には目的が必要になります。
研究をするには、必ず目的が存在するため、ガクチカの題材として使いやすいでしょう。
なぜその研究をすることにしたのか、その研究をしたことでどのような発見があり、そしてどう成長することができたのか、自分に問いかけてみてください。
研究の結果そのものには成果が出ていなかったとしても、成果を出すための過程が大切なので問題はありません。
過程を書きやすい
人事が重視しているのは、結果ではなく過程です。
研究の場合、過程における行動意図なども記録として残していることがあります。
したがって、バイトやサークルをガクチカとして書くときよりも、過程について書きやすいでしょう。
ガクチカで使用するエピソードは、具体的なほうが好ましいです。
研究内容は専門的なものになるため、説明をするのは難しいかもしれません。
しかし、興味を持つ面接官は珍しくなく、似たガクチカになりがちな経験と比べてアピールに向いています。
【研究で院生ならではのガクチカを】研究活動をガクチカとして活かす際のポイント
大学院生の時に行った研究は、ガクチカのテーマに最適ですが、研究活動を伝える時には押さえておきたいポイントがあります。
専門的な内容をしっかりと伝えて内容を理解してもらうためにも、頭に入れておきましょう。ここでは、研究活動をテーマにしたガクチカの書き方をご紹介します。
1:5W1Hに沿って述べる
5W1Hとは日本語にすると「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」のことで、ガクチカのテーマを考える時は5W1Hを意識することが重要だと言われています。
これはビジネスでも役立つ書き方で、正しい順序を覚えていると就職後も役立つでしょう。
2:成果実績よりもそこに至るまでのプロセスを重視する
ガクチカテーマは、なぜそれに取り組んだのかを伝えることが重要です。採用者は就活生がどのようなことに熱意をもっているのかを見ています。なぜそのことに取り組んだのか動機をしっかり示しましょう。
興味をもつきっかけになったことや、どのような目標や困難があったかを伝えることで、仕事を取り組む上でのモチベーションや仕事で高い目標をもてるかをアピールできるでしょう。
3:その分野についての知識が全くない人にもわかるように述べる
特に研究をテーマにしたガクチカは専門用語が多く、知識のない人は理解しにくいです。
また、研究概要については、企業によっては文系でもわかりやすい内容を求めてくるケースや、専門的な内容で求めてくるケースにわかれます。何を求めてきているかを把握して対応しましょう。
4:企業によってガクチカの重点を置く内容を書き分ける
研究内容が企業の仕事内容に直結するものならば、研究内容を掘り下げましょう。
仕事に生かせられる研究は、強みになります。
直結しないのであれば、研究課程を中心に書くことをおすすめします。
面接官が知識のない分野では、研究内容を詳しく述べても、自分の魅力は伝わりにくいものです。
企業がガクチカの項目を設けるのは、研究内容を知るためではありません。
このように、ガクチカで何をアピールするのかは、志望する企業に合わせて変えると良いです。
【研究で院生ならではのガクチカを】ガクチカの構成
ガクチカを書く際には、文章の構成を意識してみましょう。
PREP法を使って書くと、説得力のある文章になります。
読み方は、プレップ法です。
PREP法とは、Point(要点)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(要点)の順で、文章を構成する方法のことを意味します。
読み方はプレップ法です。
では、それぞれ解説していきますので、ぜひ確認してください。
P:Point(要点)
ガクチカの導入部分では、要点から述べましょう。
たとえば「大学で〜をして〜が身についた」とすると良いです。
最初に要点が分かると、相手はその後の話の内容が頭に入りやすくなります。
Pointは要点であり結論でもあるので、文章の最初に述べることは、最後につながるようにしなければいけません。
簡潔に伝え、まとまりのあるガクチカを目指しましょう。
R::Reason(理由)
次に、要点で伝えたことを裏付けられるような理由を述べます。
なぜそれに力を入れたのかを、説明していきましょう。
「〜といったことがあって、〜をしたいと思ったから」というような文章を考えてみると、作成しやすくなるかもしれません。
しっかりした理由が、論理的な文章にするためには大切です。
理由から、就活生が何に興味、関心を抱くのかがわかります。
E:Example(具体例)
次に、具体的にどのような考えを持って、どう力を入れたのかを説明します。
これまでに述べたことが納得できるような例を、ここで挙げてください。
なかなか例がまとまらない場合は、たとえば「〜を実現するために、〜をした」といった内容の文章にしてみると良いでしょう。
具体例を提示する箇所は、自分の経験を最もアピールできる場です。
P:Point(要点)
最後に、もう一度要点を述べることで、主張が伝わりやすくなります。
相手に大切なポイントを二回伝えられるため、印象に残せるでしょう。
そして、ガクチカをどう活かしたいのかにも触れてください。
PREP法は、書くとき以外に話すときも使える方法なので、覚えると便利です。
Point、Reason、Example、Pointとなる箇所を、一つずつ当てはめながら作ることにより、ガクチカが完成します。
【研究で院生ならではのガクチカを】研究を題材にしたガクチカの例文
私が学生時代に力を入れたことは、大学院での研究です。
その研究を通して、問題解決能力を得ました。
学部時代では、発生した課題をうまく解決できず、研究に支障が出てしまっていたので、院では、課題が小さいうちに解決していきたいと思いました。
少しでも気になる点があったら、ほかの人と考えを共有したり、教授や仲間に相談したりしています。
そして、参考文献を読んだり、似た研究について調べたりすることで、問題が大きくならないように努めました。
小さなことでも一つずつ解決していき、PDCAを回すようにしています。
私はPDCAを回して、課題を小さいうちに解決する大切さを学びました。
この学びで身についた力を、入社後の業務にも活かしていきたいです。
【研究で院生ならではのガクチカを】こんな場合もOK?
ガクチカに研究を使いたくても、まだ途中の人や、期待していたような成果が出なかった人は、研究について述べていいのか迷ってしまうかもしれません。
ただ、研究を題材にする就活生のなかで、そのような状態の人は珍しくありません。
ガクチカでは過程が重視されており、研究が途中でも、成果が出ていなくても、ガクチカとして使用することは可能です。
したがって、それらを理由に、あまり力を入れていない経験について述べることを選ぶのは、もったいないでしょう。
研究が途中の場合
就活の時期によっては、まだ研究が終わっていない人もいるでしょう。
研究が途中であっても、過程を詳しく書いていけば問題はありません。
加えて、研究の方向性が明確に見えている人は、言及できると良いでしょう。
自分の研究が、最終的にどのような方向に進むものなのかを伝えてください。
一方、あまりにも進んでおらず、経過も書けない状態ならば、学部時代の完了している研究を用いることをおすすめします。
過程がないと、力を入れたというアピールができないからです。
大きな成果を出せなかった研究の場合
人事が重視しているのは、研究結果ではなく過程から見える内面や性質です。
大きな成果が出せたとしても、苦労や努力が伴わなかった場合は、エピソードとして何を話せばいいのかが思い浮かばないかもしれません。
目標のために、どのように頑張ったのかが伝えられないと、魅力的なガクチカにすることは難しいでしょう。
ガクチカでは、過程を重視して書くようにしてください。
研究結果を述べるうえで、嘘をついたり話を盛ったりする必要はありません。
まとめ
この記事では、研究に力を入れた大学院生のガクチカについて取り上げました。
紹介した構成方法や作成する際のポイント、例文などをぜひ参考にしてください。
ガクチカの題材に研究を選ぶことは、院生ならではと言えます。
研究の内容は、学部生だけではなく、ほかの就活生との差別化も図れるものです。
具体的なエピソードに基づいて、論理的にガクチカを述べると、自分の強みや内面が伝わりやすくなります。
ガクチカで何を評価されているのかを意識し、作成に取りかかりましょう。