ガクチカという言葉を、就活用語で聞いたことがある大学院生も多いのではないでしょうか。これは企業の選考で用いられるものです。少しでも高い評価を得たいと考える就活生なら完璧にしておきたいですね。
ここでは、そもそもガクチカの意味とは何か、面接ではどうしてガクチカを聞くのかなど、ガクチカに関する疑問を解決していきます。ガクチカに関することを深く知ることで、就活に役立てることができます。
また、就活がまだまだ先の大学院生は、ガクチカを意識した学生生活を送ると就活が有利になるでしょう。志望企業がある程度決まっている方ならガクチカのテーマを早めに決めて取り組むことをおすすめします。
この記事を参考にガクチカの評価基準をしっかりマスターして、就活に役立てましょう。
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そもそもガクチカとは?
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」「学生時代に頑張ったこと」を省略して表した言葉です。学生時代はサークル活動や研究、アルバイトなど、力を入れたものがあるでしょう。就活では、志望動機や自己PRと並んで面接時に聞かれます。
実際は「学生時代に力を入れたことの結果を教えてください」や「学生時代にどのようなことに力を入れましたか」などと質問されることが多いので、しっかりと受け答えできるように準備しておきましょう。
面接でガクチカを聞く理由とは?
就活の面接では、学生時代に力を入れたことや頑張ったことを聞かれます。なぜこのようなことを聞くのか学生の皆さんは疑問に思うでしょう。しかし、企業がガクチカを聞くには理由があります。
ここでは、面接でなぜガクチカを聞くのか、ガクチカがわかると企業はどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
ガクチカで得た経験値をチェックするため
ガクチカを聞く理由に、どのようなレベルの経験をしているかを知ることができるというものがあります。
例えば、野球やサッカーなどの運動系サークルで活躍した人は、「チームワークを大切にして試合で勝つことに達成感を感じたこと」が、集団で何かを作成する仕事に向いていると判断されます。
また、大きな大会で優勝をした経験は、輝かしい実績として評価されレベルの高い経験をしているとアピールできます。このように学生時代に真剣に取り組んだことは、目標に向かって進み素晴らしい結果が残せると評価がアップします。
最大限にアピールして就活を有利にしましょう。
自社に合う人材かを見極めるため
ガクチカは、この人を採用したら活躍できる人材なのかを見極めるためにも質問されます。
人によって努力の仕方は異なり、就職後も人それぞれのやり方で仕事に打ち込んでいきます。そのやり方が企業にフィットすれば、成果となって現れるのです。
ガクチカによって得た経験が自社の仕事内容にどのように現れるかを見極め、活躍してくれるのかを判断しているといえるでしょう。
人間性や性格など内面を知るため
ガクチカは具体的なエピソードで伝えることで、自分の性格や内面をアピールすることもできます。
目標をもって何かに取り組む時に困難にぶつかる時があるでしょう。目標を達成することが難しく感じた時、どのようにして乗り越えたかを具体的にすることで個性をアピールすることができるのです。
しっかりと自己分析をして努力した結果を伝えることで、自分の内面を知ってもらえるでしょう。
ガクチカの評価基準
ガクチカは学生時代の経験を伝えますが、企業側はさまざまな方向で評価をしています。評価基準は企業ごとに異なり、確実な評価基準はわかりません。ガクチカは取り組むプロセスも大切なことがわかっています。
ある程度の評価基準は想定できるためしっかりと押さえておきましょう。
ガクチカにどのような意識をもって取り組んだのか
ガクチカにどのような意識で取り組んだのかをアピールすることで、自分の行動力や情熱をもって取り組む姿勢などを読み取ってもらえるでしょう。そのため、企業側はどのような姿勢で仕事に向き合うのかを知ることができ、イメージしやすくなります。
また、自分のモチベーションを上げるきっかけは何か、目標達成まで意欲的に取り組めた経緯などを盛り込むと伝わりやすいでしょう。
ガクチカによってどのような学びを得たのか
ガクチカによって応募者の思考力もチェックすることができます。志望する会社の業務に求められている学びや、業務に活かせそうなものを選んでアピールすると良いでしょう。
例えば「ファミリーレストランでアルバイトをしていた時、新人教育を任されていました。最初の頃は、すぐに辞めてしまう新人が多く悩みましたが、一人でも長く続けてもらえるように、丁寧に教える教育方法を取り入れました。
営業中に作業しながら新人に教えるのは簡単ではありませんでしたが、研修期間中に一人前のスタッフに育てることができ、10人のアルバイトスタッフを増やせました」
このように具体的に伝えることで、コミュニケーション能力や問題解決能力などをアピールできるでしょう。
ガクチカの経験を志望企業でどのように活かせるのか
多くの企業では、皆で目標を達成するために業務に取り組みます。学歴や資格は書類上でわかりますが、内面はすぐにはわかりません。そのため、ミスマッチな採用にならないように企業側は選んでいます。
そのためにも、自分が入りたい企業がどのような人材を求めているのかを確認し、経験してきたエピソードを伝えましょう。就職後にガクチカで得た能力がどのように活かせるのかをアピールできると、より良いでしょう。
まずは、受けたい企業のことをよく知ることから始めましょう。
大学院生と学部生の違い
大学には大学学部と大学院があるため、その違いがわからない人も多いでしょう。大きな違いは、大学院の方が学歴として上位にあることです。
ここでは、大学院生と学部生でどのような違いがあるのかを、詳しく見ていきましょう。
研究の成果や難易度が異なる
学部は学問を学ぶためにあり、大学院は研究することで未知の知識を深めることができる場です。また、大学の学部は勉強が目的で、講義を中心にした学生生活になります。
一方、大学院生になると研究が主な目的になり、研究室に所属して研究することが中心の学生生活になるでしょう。
共同研究ができる可能性がある
大学院での研究は、企業とタッグを組んで行う「共同研究」ができる可能性があります。企業と研究する時は短期決戦になるため、ハードな研究になるでしょう。ですが、共同研究を行うとレベルの高い研究ができるため、就活を有利に進めることができる可能性もあります。
また、企業の研究職に就いて理解を深めることができるため、とても多くのことを学べます。研究に成功すれば、内容次第では成果が世に出るなどの実績を残すことも可能でしょう。
大学院生のガクチカテーマ例
ある程度ガクチカのことは理解できても、実際にどのようなテーマにすれば良いか迷うのではないでしょうか。ガクチカは、エントリーシートや面接で聞かれることになります。
大学院生での学生生活を思い出して、ガクチカのテーマを探してみましょう。
研究
大学院では主に研究をして過ごすことが多いため、研究がテーマのガクチカは一番書きやすいでしょう。研究活動を書く時にはどのような研究に取り組み、成果を上げたのかがポイントになります。
志望する職種と研究のテーマが合っているケースなら、研究での学びを活かして働けることをアピールできるでしょう。また、志望する職種を伝える時も説得力があります。
アルバイト
アルバイトでの経験は、実際に働いた時のイメージがしやすいため自分をよく理解してもらえます。気をつけたいのは、他の人と同じ内容にならないことです。
アルバイトをテーマにしたガクチカは、長く続けたことによって継続力がついたことや、リーダーをしていた経験によるリーダーシップ能力をアピールできます。
接客業でアルバイトをしていた方は、コミュニケーション能力やホスピタリティの精神が高く営業職やマーケティングに役立ちます。アルバイト経験から自分らしいガクチカのエピソードを作ってみましょう。
TOEIC
TOEICをガクチカに用いるとストーリーを構成しやすく、継続力や粘り強さをアピールできます。志望動機とも紐づけしやすく、多くの方が知っているテストであることから基準もイメージしやすいでしょう。その結果、成果をアピールしやすいガクチカになります。
趣味の創作活動
大学院生の頃、サークルに入っていなかったりアルバイト経験もなかったりする人は、ガクチカのテーマに悩むでしょう。その場合は、もし継続している趣味があるなら、趣味の創作活動もガクチカのテーマにできます。趣味のガクチカは個性を出しやすく、他の人とは違った仕上がりになります。
大学院時代に打ち込んできた趣味を、最大限に活用しましょう。趣味の話を通して、人柄や継続力など自然とアピールできます。
研究活動をガクチカとして活かす際のポイント
大学院生の時に行った研究は、ガクチカのテーマに最適ですが、研究活動を伝える時には押さえておきたいポイントがあります。
専門的な内容をしっかりと伝えて内容を理解してもらうためにも、頭に入れておきましょう。ここでは、研究活動をテーマにしたガクチカの書き方をご紹介します。
1:5W1Hに沿って述べる
5W1Hとは日本語にすると「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」のことで、ガクチカのテーマを考える時は5W1Hを意識することが重要だと言われています。
これはビジネスでも役立つ書き方で、正しい順序を覚えていると就職後も役立つでしょう。
2:成果実績よりもそこに至るまでのプロセスを重視する
ガクチカテーマは、なぜそれに取り組んだのかを伝えることが重要です。採用者は就活生がどのようなことに熱意をもっているのかを見ています。なぜそのことに取り組んだのか動機をしっかり示しましょう。
興味をもつきっかけになったことや、どのような目標や困難があったかを伝えることで、仕事を取り組む上でのモチベーションや仕事で高い目標をもてるかをアピールできるでしょう。
3:その分野についての知識が全くない人にもわかるように述べる
特に研究をテーマにしたガクチカは専門用語が多く、知識のない人は理解しにくいです。
また、研究概要については、企業によっては文系でもわかりやすい内容を求めてくるケースや、専門的な内容で求めてくるケースにわかれます。何を求めてきているかを把握して対応しましょう。
研究が進んでいない場合は学部時代の経験をガクチカにしよう
大学院生時代に取り組んだ研究があっても、ほとんど進んでいなくてガクチカにできないケースもあります。そのような時は、学部時代に積んだ経験をガクチカにしても良いでしょう。
ガクチカの目的は、何に意欲を燃やせるのか、情熱をもって取り組む姿勢をアピールすることです。学部時代のエピソードでもガクチカにすることもできます。今回紹介した就活でアピールできるガクチカを知って、役立てましょう。