HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
研究室訪問をしたい場合、教授へアポイントを取ることは必須です。
教授あてのメールを送ってアポ取りを行うのが一般的ですが、どのように書けば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、研究室訪問の際のアポイントメールの書き方についてご紹介します。
訪問までの流れ、アポイントメールの構成、送るべき時間帯など一から丁寧に解説するので、さまざまな不安点を解消できるでしょう。
また、訪問の際にどのような点に注意するべきかなどの情報も解説するので、ぜひ役立ててください。
【研究室訪問のメールの書き方】研究室訪問とは
研究室訪問とは、大学院への進学を考える学生が、進学の参考として研究室の見学に行くことです。
大学院には、大学などでの学びをさらに専門性を高めて研究するため、各分野や研究対象ごとに研究室が存在します。
オープンキャンパスなどでも大学院の雰囲気を知ることはできますが、研究室の詳しい設備や研究内容などを知りたい場合には、研究室訪問を行うと効果的です。
研究室訪問は、個人で研究室の教授に事前にアポイントを取り、訪問することになります。
研究室訪問を行う時期
では、研究室訪問を行う場合は、一体どのタイミングが良いのでしょうか。
結論からいうと、基本的にアポイントさえ取れればいつ研究室に伺っても問題ありません。
ただし、学会などのイベント付近には、研究室全体が忙しくなることが予想されます。
見学を予定している研究室が、毎年出ている学会の開催時期などをあらかじめ調べておき、その時期はなるべく避けるようにしましょう。
また、卒論、修論などの執筆時期なども忙しいことが予想されます。
目安として、12~2月は避けるのが無難といえるでしょう。
研究室訪問で見るべきポイント
研究室訪問には、いくつか押さえるべきポイントがあります。
教授や先生とコンタクトを取っておくこと、研究室の雰囲気を知ること、研究室の設備などを確認すること、以上の3点はとくに重要です。
研究室の先生とのコンタクトがあれば、実際に研究室に配属されたときもスムーズなやり取りが可能です。
また雰囲気や設備などの確認では、自分に向いている場所か、自分の研究が満足に行えそうかなども冷静に判断しましょう。
さらに、教授へ研究に関する質問や大学院の様子について質問することで、進学した後の生活のイメージもつきます。
無礼にならない範囲で、積極的に質問をしましょう。
【研究室訪問のメールの書き方】アポイントを取る流れ
研究室訪問に至るまでには、「研究室訪問を依頼するメール」「日程調節のメール」「返信への感謝のメール」の3回のメールを送ることになります。
もし参加後にお礼メールを送る場合、「研究室訪問のお礼のメール」「返信への感謝のメール」も追加して、合計で5回、教授あてのメールを作成することになるでしょう。
とくに「研究室訪問を依頼するメール」は、教授とのファーストコンタクトとなる重要なメールです。
基本的には面識のない相手に送ることになるので、文面を丁寧にすることを心がけましょう。
【研究室訪問のメールの書き方】メールの書き方
では、ここからはメールの基本構成について解説していきます。
学生生活などでは、面識のない相手にいきなりメールを送る機会は少ないため、不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、ここで解説する構成を見本にし、状況に合わせて文面を整えれば基本的に問題ないでしょう。
逆にフォーマットに沿わない文面は、教授からの印象に悪影響を及ぼす可能性もあります。
どのような書き方が良いのか、確認しつつ読み進めてみてください。
メールの構成
まず、メールの構成について改めて解説します。
この構成要素は、研究室訪問の場合に限らず、すべてのメールに共通するものです。
メールというものは、「件名」「宛名」「挨拶」「本文」「結び」「署名」の6つが必須となります。
これらが一つでも欠けていると、場合によっては相手からの印象を悪くしかねません。
また、初めてコンタクトを取る相手の場合と、二回目以降のやり取りをする場合でも、必要となる書き方が異なるので注意しましょう。
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
件名
教授陣には、常に大量のメールが届いています。
忙しい中でメールチェックをする中で、ぱっと目に入ったときに、どういった要件のメールなのかがわかることが重要です。
件名には、メールを送る本旨を一文でまとめたものを書きましょう。
研究室訪問の場合は、ストレートに「研究室訪問のご依頼」などにすると無難です。
さらに、要件を書いた後にスペースを空けて、所属する大学名と自分の氏名を書きましょう。
誰からのメールなのか、件名の時点で確認できると、メールをチェックする側の負担が減ります。
例:研究室訪問のご依頼 ○○大学○○(氏名)
宛名
次は、本文の書き方です。
内容に入る前に必ず、研究室訪問を依頼する教授の宛名を書きましょう。
この際、名前だけではなく、大学名、研究室名、教授の氏名の順に記載することが一般的です。
また、教授の氏名の後につける敬称は「様」ではなく「先生」としましょう。
初めてメールを送る際は、教授の氏名をフルネームで書くようにすると丁寧な印象を与えられます。
大学名や氏名を間違えると、非常に印象が下がります。
送信前に必ず確認するようにしましょう。
例:○○大学 ○○研究室 ○○先生
挨拶
宛名を書いたらすぐに内容に入るのではなく、簡単な挨拶文を書きましょう。
とくに初めてメールを送る際は、自己紹介をし、「突然のご連絡失礼いたします」という一文を入れることがマナーです。
件名の時点で名乗っていたとしても、大学名、研究室名(すでにあれば)、自分の氏名の順で、改めて本文にも書いておきましょう。
もし学部生なら、学部、学科、学年も氏名の前に記載してください。
例:○○大学 ○○研究室 ○○(氏名)
また、挨拶文とはいえ、長々とした時候の挨拶などはメールの場合不要です。
必要最低限の文章に留めましょう。
お礼のメールなどの場合は、この部分に相手への感謝の意を示す一文などが入ります。
詳しい内容は例文にて解説します。
本文
いよいよ本文を書く段階になります。
ここでは、伝えたいことを簡潔にわかりやすく書くことを意識しましょう。
長いメールは読みづらく、内容がわかりにくくなってしまいます。
メールの目的を示したうえで、本題に入りましょう。
たとえばアポイントを取る場合、研究室訪問をしたいという旨を伝えなくてはなりません。
その際、ただ「研究室を訪問したい」と書くだけでは、なぜ訪問したいのかが相手に伝わりません。
どうしてその研究室に興味を持ったのか、自分はどんな研究をしたいのかを明示することで、相手に「研究室訪問の目的」が伝わるでしょう。
結び
目的や熱意などを書いたら、最後に一度、結びとして本文の結論を繰り返しましょう。
たとえば、アポイントを取るメールを送る場合、再度「研究室訪問をしたい」という意思を伝えるのです。
そのうえで、「お忙しいところとは存じますが、ご検討いただけましたら幸甚です」など、形式的なものでかまいませんので、締めの一文を書きます。
これはマナー的な面が大きく、相手への配慮を示すものです。
無難な内容で問題ありませんが、書いておくと印象が良いでしょう。
署名
署名は、差出人の連絡先を示すものです。
最後に、自分の氏名、大学名、研究室などを改めて書いた後に、メールアドレス、電話番号などの連絡先を署名として書きます。
メールアドレスはなるべく大学のメールアドレスにしておくと、余計な混乱を招くことがないので良いでしょう。
またメールの機能の中には、自分で作成した署名を登録しておけるものや、送信するメールの末尾に自動で署名を付与してくれるものもあります。
場合によっては、こうした機能を使うと便利でしょう。
【研究室訪問のメールの書き方】例文
ここまでで、研究室訪問のメールがどのような構成になっているか、理解できたと思います。
ビジネスメールなどと基本は一緒ですが、個人として初めての相手にメールを送る場合に、気をつけるべきことは少なくありません。
ここからは、「研究室訪問を依頼するメール」「日程調節のメール」「研究室訪問のお礼のメール」「返信のお礼メール」の4つの例文を紹介していきます。
どれも、研究室訪問をする際に必要となるメールです。
例文を参考にしながら、自分の状況に合わせて文面を作成してみましょう。
研究室訪問を依頼するメールの構成
まず、研究室訪問の依頼メールの構成を紹介します。
構成は、【件名】【宛名】【挨拶(自己紹介)】【本文(研究室訪問をさせていただきたい)】 【結び】【署名】 という内容です。
今まで紹介してきた構成と基本は同じですが、挨拶や本文などは目的が「研究室訪問の依頼」のため、それに合わせた内容になっています。
本文には、あなたの行う研究の内容、研究室訪問の目的、研究室訪問の依頼、日程の確認など、重要な項目が複数含まれるためもれなく書きましょう。
研究室訪問を依頼するメールの例文
件名:研究室訪問のご依頼 ○○大学○○(自分の氏名)
宛名:○○大学 ○○研究室 ○○先生
自己紹介:突然のご連絡失礼します。
○○大学○○学部○○学科○○研究室所属の○○と申します。
本文:私は○○の研究に取り組んでおり、将来的に○○への活用を目指しています。
大学院にて○○に関する研究をより深めたいと考えており、進学後の研究室を探していたところ、○○先生のホームページを拝見し、○○研究室が最適であると判断しました。
私の研究している○○には、先生の専門分野である○○を取り入れることにより、一層の成果が上げられると考えております。
そのため、ぜひ研究室に伺いたく、ご連絡を差し上げた次第です。
恐れ入りますが、○月中に訪問の時間をいただけますでしょうか。
先生のご都合のよろしい日時をいくつか挙げていただけますと、ありがたく存じます。
結び:お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただければ幸いです。
署名:○○(氏名)
○○大学
○○研究室
研究室所在地:○○県○○市○○ 〇丁目〇 〇棟〇階
○○@○○.com(メールアドレス)
○○○-○○○○‐○○○○(電話番号)
日程調節のメールの構成
次に、日程調節のメール構成を紹介します。
依頼のメールを送った後、おそらく数日から一週間以内に、教授からの返信で研究室訪問に都合の良い日が提示してもらえるはずです。
その中から、自分の都合の良い日を選びましょう。
構成は、【件名】【宛名】【挨拶(返事をもらったことに対してのお礼)】【本文(日程調節の依頼)】 【結び(研究室訪問に対する意気込み)】【署名】となります。
一つ前のメールと違い、自己紹介などはとくに必要ありません。
また、返信をいただいたことへのお礼は必ず示しましょう。
日程調節のメールの例文
件名:日程調節のご依頼 ○○大学○○(自分の氏名)
宛名:○○大学 ○○研究室 ○○先生
挨拶:研究室の訪問依頼に対し、丁寧にお返事をいただき、誠にありがとうございます。
お忙しい中、研究室の訪問をさせていただけるとのことで大変うれしく思います。
本文:それでは、下記の日程で貴研究室にお伺いいたしますので、お目通しいただければと思います。
訪問日:〇月〇〇日
訪問時間:〇時〇分
もし上記日程のご都合が悪くなってしまった場合は、恐縮ですが下記日程でご都合のよろしい日時をお教えいただければと思います。
〇月 〇、〇、〇日 いずれも〇~〇時
〇、〇、〇日 〇~〇時
お忙しい中大変恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
また、最初に提示いたしました日程でよろしければ、ご返信は不要です。
結び:お会いできることを大変楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
署名:○○(氏名)
○○大学
○○研究室
研究室所在地:○○県○○市○○ 〇丁目〇 〇棟〇階
○○@○○.com(メールアドレス)
○○○-○○○○‐○○○○(電話番号)
提示された日が都合が悪い場合
どうしても提示された日程での訪問が難しいこともあります。
教授から提示された日程で都合が悪い場合は、謝罪の意を示すと同時に、あなたが確実に行ける日を提示しましょう。
例:大変申し訳ございませんが、提示いただいだ日は都合がつかず、貴研究室へ伺うことができません。
○月の○日~○日の間でしたら確実にお伺いできるのですが、〇〇教授のご都合はいかがでしょうか。
お手数をおかけして誠に申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
研究室訪問のお礼のメールの構成
研究室訪問後のお礼メールの構成についても、お伝えいたします。
必ずしも送る必要はありませんが、お礼メールを送ることで、相手に良い印象や丁寧な印象を与えられるでしょう。
送る場合は、研究室訪問をした当日中がおすすめです。
構成は、【件名】【宛名】【挨拶(研究室訪問の感想)】【本文(今後の抱負)】 【結び(研究室訪問をさせていただいたことへの感謝)】【署名】 といった内容です。
研究室訪問の感想は、ポジティブな表現を意識しましょう。
訪問先の研究室を志望する場合は、入試を頑張るという意思を述べると相手に熱意が伝わります。
まだほかの研究室を見たい場合は、ほかの研究室を見学するという旨を述べることが一般的です。
研究室訪問のお礼のメールの例文
件名:研究室訪問のお礼 ○○大学○○(自分の氏名)
宛名:○○大学 ○○研究室 ○○先生
挨拶:本日はお忙しい中、研究室訪問をさせていただきありがとうございました。
丁寧にお話いただいたことで、研究について詳しく知ることができ、大変勉強になりました。
本文:とくに、○○の研究に深く感銘を受けました。
先生のお話を伺い、貴研究室が私の進路に最適だという思いが強くなりました。
また、研究内容以外にも、研究設備や入学関連の情報などもお話いただき、非常に充実した時間だったと感じております。
今後は、試験対策に力を入れていく所存です。
改めてお礼申し上げます。
また気になる点があればご連絡させていただくかもしれませんが、そのときはまた改めてよろしくお願いいたします。
結び:重ねてになりますが、この度はお忙しい中、貴研究室にお伺いさせていただきありがとうございました。
署名:○○(氏名)
○○大学
○○研究室
研究室所在地:○○県○○市○○ 〇丁目〇 〇棟〇階
○○@○○.com(メールアドレス)
○○○-○○○○‐○○○○(電話番号)
返信のお礼メールの構成
最後に、返信のお礼の際に送るメールについて紹介します。
教授からの返信があれば、返信に対する感謝のメールを送りましょう。
ビジネスメールにおいては、自分でメールを終わらせるのがマナーとされています。
これは、仮に研究室に所属することになった際も同様です。
構成は、【件名】【宛名】【挨拶(返信をもらったことへの感謝)】【本文】 【結び】【署名】 と、簡潔でかまいません。
本文は、研究室訪問の感想、また院試後や配属後などであれば今後の抱負など、場合に応じて適宜内容を変更しましょう。
返信のお礼メールの例文
件名:返信へのお礼 ○○大学○○(自分の氏名)
宛名:○○大学 ○○研究室 ○○先生
挨拶:お忙しい中、ご丁寧にお返事をいただきありがとうございます。
本文:いただいた資料や解説から、さらに研究室訪問への意欲が高まりました。
また、研究室のお写真などからも、研究室の方々の雰囲気の良さや人柄の良さが感じ取れました。
今から、当日にお伺いしたい質問が増えていき、訪問の日を待ち遠しく思います。
入試関連の資料や論文などのアドバイスについても、すべて拝読させていただきました。
大変有益な情報ばかりでありがたく存じます。
無駄にしないよう、一層勉学に励む所存です。
当日、先生や皆様にお会いできることを大変楽しみにしております。
結び:未熟故、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
署名:○○(氏名)
○○大学
○○研究室
研究室所在地:○○県○○市○○ 〇丁目〇 〇棟〇階
○○@○○.com(メールアドレス)
○○○-○○○○‐○○○○(電話番号)
【研究室訪問のメールの書き方】メールを送る際の注意点
メールの書き方については、ここまでの記事である程度理解できたかと思います。
最後に、メールを送る際に気をつけるべきポイントを紹介するので、今一度自分のメールに問題はないか、確認してみてください。
ビジネスメールなどを送り慣れていない学生の場合は、マナーを知らず知らずのうちに破ってしまっていることがあります。
内容だけではなく、慣習にも気を回すことで先方からの印象を良くしましょう。
注意するべきは「時間帯」と「件名」です。
メールを送るべき時間帯
メールは、基本的にいつ送っても問題ないとされています。
しかし、心配な場合は大学が開講している時間帯に送るようにしましょう。
朝9時から夜6時までの時間帯が、一般的に大学窓口が開室している時間ですので、目安にすると良いでしょう。
また、研究室などの場合はコアタイムが設定されており、勤務時間の間にメールを確認する教授であれば、その時間帯までに届いたメールは早めに返信をくれる可能性があります。
また、土日は勤務外の場合が多くあるので、平日に送る方が無難です。
件名は必ずつける
教授には、日々多くのメールが届いています。
件名がないメールは、一目見ただけでは内容がわからず、無数のメールを抱える教授に対して不親切といえるでしょう。
また、件名に自分の氏名を書いておくことも重要です。
一度でもやり取りをしていれば、氏名から教授はメールの内容を確認することができます。
件名は、いわば検索の役割を果たすため、忘れずに記載しましょう。
氏名を件名に入れることは、社会人や研究者になってからも必要になります。
学生の時点で癖づけておけば、将来的にも役に立つマナーです。
まとめ
研究室訪問の流れや、アポイントメールの作成方法について解説してきました。
アポイントメールは、将来的に所属することになる研究室の先輩や、教授とのファーストコンタクトであることが多いでしょう。
文章が適切か、敬語などに問題はないかを確認し、失礼のない文面にすることが重要です。
不安がある場合は、大学窓口や知人などに内容を確認してもらうのも良いかもしれません。
ぜひこの記事を参考にして、メールを作成してみてください。