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はじめに
GPSというwebテストを初めて聞いたという人は多いでしょう。
SPIなどの有名なテストに比べ、GPSはマイナーであまりなじみのないものなので、どんなものかわからないと疑問に思う方も少なくありません。
そこで今回は、GPSテストとは何なのか、問題構成や特徴を踏まえながら詳しく解説していきます。
事前に理解しておけば、志望している企業の選考に通過できる可能性がぐっと高まるので、お困りの方はぜひ参考にしてみてください。
【GPSとは】GPSとは?
GPSは、ベネッセコーポレーションが作成するwebテストです。
一般的な紙で行うテストと違い、web上で解答をするテストとなります。
そのため、web形式のテストに慣れていないと、いざ本番で解こうと思っても理解に時間がかかり、最後の問題までたどり着けないというトラブルが発生する可能性があります。
また、他のwebテストと比較すると問題形式がやや特殊なため、事前の対策は欠かせません。
事前の対策が可能なwebテストで落ちてしまうのは非常にもったいないことなので、しっかり準備して本番の試験に臨みましょう。
ここからは、GPSの問題構成、特徴といった項目に分けて、GPSテストの概要について細かく解説していきます。
【GPSとは】GPSの問題構成
まずは、GPSがどんな問題構成になっているかを把握しましょう。
GPSは、基礎能力・パーソナリティ・思考力の3つのテーマから出題されます。
このとき、思考力・基礎力・パーソナリティの3つが出題されることもあれば、思考力・パーソナリティの2つだけ、あるいは思考力のみ問われることも少なくありません。
どの組み合わせにも、等しく思考力が出題されていることに注目してください。
GPSでは特に思考力が重視されており、これが他のwebテストと比べて特殊な問題形式になっている理由です。
テスト対策をするためには、それぞれがどんな内容となっているのかを理解することが重要でしょう。
ここからは、それぞれの項目がどんなことを見るためのものなのかを、一つひとつ見ていきます。
基礎能力
基礎能力では、言語処理能力と非言語処理能力の2つを評価します。
問題は全部で35問あるので、25分間で解くためには迅速に解答していく必要があるでしょう。
言語処理能力は、語句や文の理解、推論など文章から読み取る力や、自身の考えていることを言語化する力が求められます。
非言語処理能力は、数の計算を行う文章題や表・グラフの読み取りなど、主に計算問題が出題されます。
濃度を求める問題など、なかには解き方が複雑なものもあるので事前の復習は必須です。
しかし、難易度的にはそれほど難しいものではないため、中学レベルの数学を中心に見直していれば十分対処することが可能です。
SPIテストと同じような問題形式となっているので、こちらの対策が十分にできている人はすんなりと解くことが可能でしょう。
思考力
特に重要となる思考力では、批判的思考力・創造的思考力・協同的思考力の3つが評価されます。
全部で35問あり、制限時間は45分です。
それぞれの思考力についてはのちほど詳しく解説しますが、いずれもビジネスパーソンとして仕事をするうえで重要となる考え方とされています。
Global-Proficiency-Skillという名前のとおり、総合的な問題解決能力が試されます。
そのため、どれか1つでも大きく欠けている部分があると、選考に影響してくる場合があるでしょう。
どれも対策が難しいものですが、それだけ対策している就活生も少ないので、周りに差をつけられるところなのです。
また、思考力はすぐに高められるというものではないので、日々の努力が問われるところでもあります。
パーソナリティ
パーソナリティでは、レジリエンス・リーダーシップ・コラボレーションの3つが問われます。
23問を10分以内に解答するので、1つの問題に時間をかけすぎないようにしましょう。
この項目では、主に受験生の人柄や個性などがチェックされます。
レジリエンスではストレスに対応する力が、リーダーシップでは自主性やチャレンジ精神などが、コラボレーションでは他人と協力して物事に対処していく力が試されるのです。
テストを実施している企業が理想とする人物像を把握し、それに合わせて選択肢を選ぶと良いでしょう。
難易度はそれほど高くはありませんが、それぞれがテキスト問題なので、制限時間内にすべて解き切るためには文章を速く読む必要があるでしょう。
【GPSとは】GPSの特徴
ここまでGPSの問題構成について解説しました。
どれも社会人として働いていくうえで必要となる力が試されることがわかります。
このGPSは、全体的な難易度としてはそれほど高くない傾向にあります。
しかし、制限時間が短いうえに問題数が多く設定されているので、サクサクと解いていかなければいけないことには注意しておきましょう。
それほど大きな特徴はありませんが、思考力を問われる問題に苦労する方も少なくありませんので、こちらの対策に力を入れることをおすすめします。
思考力を測る問題がある
GPSの大きな特徴として、玉手箱やSPIなどのメジャーなwebテストにはない思考力を測る問題があることが挙げられます。
他のwebテストにはない問題なので、問題集などの対策本がなく、そのため対策が難しい項目と言われることも珍しくありません。
また、先ほども軽く触れましたが、思考力を高めるにはある程度時間がかかります。
一朝一夕で身につくものではなく、テストのためだけに勉強して乗り切るということが難しい点にも注意が必要です。
GPSで高得点を出すには、この思考力を問う問題をどれだけ解けるかが重要と言えます。
なお、思考力は以下の3つに分類されます。
ここからは、それぞれの問題例と特徴を解説していきますので、お困りの方はぜひチェックしてみてください。
批判的思考力
批判的思考力では、「なぜ?」や「本当にそうか?」といった問いかけをしながら、物事を判断する力が求められます。
本当にそれが正しいのかという、物事の本質を見抜くためには、批判的思考力が重要です。
物事を判断する際に盲目的にならず、常にこのような思考で考えることは、リスクを考慮するときや問題の根拠を提示する際などに役立ちます。
インターネットやSNSなど、さまざまな情報が溢れている現代においては、その情報が本当に信用できるものかを見抜く力は必須と言えるでしょう。
具体的な問題例としては、主張を支える「暗黙の前提」の選択肢から正しいものを選択するといったものがあります。
問題を精読することと、事実と主張を分けて考えることが重要になるでしょう。
創造的思考力
創造的思考力では、多角的な視点を持って現状の課題を解決する力や、既存の枠組みにとらわれず今までにはないアイディアを出すといった力が試されます。
発想力は単なる思いつきではなく、ある事柄から着想を得たり、違う事例から自分の課題に結びつけたりといった創造的思考力が必要になります。
この力は、事業を立ち上げるときに他のビジネスモデルを参考にするときや、企画やアイディアを出すときなどに活かすことができるでしょう。
創造的思考力の問題例として、複数の文章に共通する趣旨と類似した趣旨を選択するというものが挙げられます。
文章が複雑で理解するのに時間がかかることが予想されるため、速く正確に読む必要があるでしょう。
協同的思考力
協同的思考力とは、自分と相手の共通点や違いを意識し、物事をわかりやすく伝えるときに必要になる力です。
入社して、社会人として活動していくにあたり、さまざまな立場や価値観を持った人と関わっていかなければいけません。
そのような人に何かを伝えたいと思ったときは、相手にとって伝わりやすいか、相手の立場になり伝わるかを意識することが大切です。
そのためには、一つひとつの意見に共通することや異なる点を明確にし、最適な課題解決をしていく協同思考力が求められます。
協同的思考力の問題例としては、対話の中から問題解決を妨げる要因を特定し、選択肢の中から解答するといったものが挙げられます。
日常会話を構造的に捉え、一つひとつの要因を分解して論理的に分析する考え方が必要と言えるでしょう。
音声や映像の問題がある
GPSにはテキスト問題だけでなく、音声のみ、または音声と映像を用いた問題が出題されるのが特徴です。
長い音声や映像は流れませんが、その分無駄な情報がないので、なるべく聞き漏らさないよう頭の中を整理しながら聞くことが大事です。
ほとんどの場合、音声やアニメ映像が流れ、それについて解答していくことになります。
出題される問題は複雑で難しいものではなく、大学生3人組みが会話しているのを聞いたり、野球のドラフト中継を見ている場面が流れたりと、日常的な風景を切り取ったテーマで出題される場合が多いです。
ただし、テキスト問題からいきなり音声問題や映像問題に切り替わることもあるため、頭の切り替えが難しいという点に注意しましょう。
【GPSとは】GPSの対策
ここまでで、GPSの特徴や出題される思考力の種類について解説しました。
しかし、問題形式や特徴について理解しても、どうやって対策を行えば良いかわからないと悩んでいる人もいるでしょう。
実際、GPSは他のwebテストより対策が難しい傾向にあります。
また、対策に余計な時間をかけたくない、効率良く進めたいと思っている人も多いでしょう。
ここからは、そのような方に向けて、GPSの対策について紹介します。
具体的な対策法が知りたい人や、効果的な練習が気になる人は参考にしてみてください。
SPIや玉手箱で練習をする
GPSテストになじみがないような人でも、SPIや玉手箱といったテストなら受けたことがあるという人は少なくありません。
GPSの基礎能力テストに関しては、玉手箱やSPIのテストと大差がないと言われています。
そのため、玉手箱やSPIの参考書などを利用して対策することをおすすめします。
この2つのwebテストは採用している企業が多いので、教材や問題集が充実しているのがメリットです。
また、最近はwebテストの練習ができる無料のアプリや、例題が載っているwebサイトも多く存在しており、これらを活用して対策をしているという方も珍しくありません。
このように、基礎能力に関しては事前の対策が可能なので、GPSテストが不安な人は一度やっておくようにしましょう。
問題のイメージを固めておく
思考力問題の対策として、まずはどのような問題が出るかのイメージを固めておくことが大切です。
もし事前のイメージが固まっていない状態でテストに臨んだ場合、人によってはうまく解答できない場合があります。
事前に問題形式や出題内容が把握できていれば、本番でも慌てることなく対処できるでしょう。
問題のイメージを固めるためには、GPSの公式ホームページに目を通しておくと良いでしょう。
思考力テストの概要や、音声やテキスト問題の例題が載っているため、予備知識をつけるには最適です。
問題の例文を知っておけば時間配分のしやすさもかなり違ってくるので、テストを受ける方は下記の公式サイトを一度チェックしておくようにしましょう。
GPSを採用している企業の選考に参加する
先述したとおり、GPSはややマイナーなwebテストのため参考書といった類のものはありません。
問題集を解いて数をこなすといった方法が実践しづらいため、実際にGPSを練習するために、一度GPSテストを行っている企業の選考に参加してみましょう。
これにより、時間配分や問題の傾向などを掴むことができ、さらに自分の弱点がどこにあるのかを把握することもできます。
もし狙っている企業がGPSテストを実施しているならば、GPSテストを実施している別の企業で練習することをおすすめします。
また、スケジュールの調整が難しいかもしれませんが、2~3社受けていくとそのうち慣れてくるので、場合によっては高得点を出せるかもしれません。
【GPSとは】GPSを採用している企業
繰り返しにはなりますが、GPSはそれほどメジャーな試験ではないため、採用している企業が少ない傾向にあります。
そのため、実際に受けて見たい方は事前にどんな企業がGPSを採用しているのかを調べる必要があります。
また、GPSなどのwebテストが行われているかどうかは、受験手続きの案内に使われているURLで見分けることが可能です。
たとえば、URLに「gps-cbt」が含まれているとGPSのwebテストがあると判断できます。
例として、ベネッセなどの人材・教育系の企業や、関西電力株式会社で出題されているため、練習しておきたい人はこのような企業の選考に参加してみると良いでしょう。
その他のwebテストにもURLで法則性があるので、気になった人は調べてみてください。
おわりに
今回は、webテストの1つであるGPSについて詳しく解説しました。
GPSは主に思考力に重きを置いたテストになっており、受験者の問題解決能力を測るためにさまざまな問題が出題されます。
対策としては、基礎能力についてはSPIや玉手箱の問題集を解く、また思考力の問題についてはGPSの公式サイトを見ると問題のイメージが掴めます。
また、不安に感じている人や高得点を狙っている人は、GPSを採用している企業の選考を一度受けてみると良い練習になるでしょう。