
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「理系学部の卒業論文は大変って聞くけど本当?」 「理系の卒業研究の進め方が知りたい」 「卒業研究がうまく進まないときはどうしたら良い?」 このように、理系学部の卒業研究は大変なイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実際に時間の使い方を誤ると、思った以上に苦労する場合があります。この記事では、理系学生の卒業研究の進め方や研究がスムーズに進まない原因、その対処法などを紹介していきます。
この記事を読むことで、卒業研究を行う理系学生が事前に備えておくべき知識や情報を得られ、卒業研究に関する不安が軽減されるでしょう。
今後、卒業研究に挑む予定のある方や理系の卒業論文に関して大きな不安を抱いている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
【卒業研究の進め方】理系の卒業研究はスケジュール組みが大切
理系の卒業研究の進め方は文系の卒論と異なり、自分自身の手で実験を行いデータ収集をしたうえで、それらを考察してまとめる必要があります。そのため、余裕のあるスケジュールを組み立てておくことが大切です。
実験は時間がかかることが多く、想定外の結果になる場合も多々あります。また、卒業研究に長い期間を与えない大学もあるため、綿密にスケジュールを組み立て、効率的に研究を進めましょう。
【卒業研究の進め方】理系の卒業研究の進め方とは?
卒業研究の進め方や期間は大学や学部、研究室によって異なりますが、概ね速やかに研究および論文の作成を終えることが求められるでしょう。実験の進め方を誤ると、締め切りに間に合わなくなってしまう可能性もあります。
ここからは、理系の卒業研究の進め方や流れを解説します。
研究テーマの決定と文献調査
卒業研究の出発点となるのが、この研究テーマの決定とそれに関連する文献調査です。
指導教員との議論を通じて、あなたが興味を持っている分野と研究室で実施している研究内容をすり合わせて、取り組む研究テーマを絞り込んでいきます。
この段階では自分の好奇心を大切にしつつも、現実的に研究を進められるテーマを見つける事が重要です。
研究テーマが一旦決まったら、徹底的な文献調査をします。
決定したテーマに関する論文、専門書、学会発表資料などを幅広く集めて、これまでどのような研究が行われてきたのか(先行研究の状況)、まだ明らかにされていない点、自分の研究がどのような意義を持つのかを深く理解することが求められます。
その後の研究の方向性を大きく左右するため、疑問点や不明な点は積極的に指導教員に質問しましょう。
研究計画の立案
文献調査で得られた知識や理解を土台として、具体的な研究計画を立てていきます。
この計画で、自分の研究の最終的な目的、それを達成するための具体的な仮説、実験や調査をどのように行うかという方法、そしていつまでに何を完了させるかという詳細なスケジュールを決めましょう。
現実的で明確な計画を立てることが重要です。
無理な計画は途中で頓挫する可能性を高め、曖昧な計画では研究の方向性を見失ってしまいます。
必ず指導教員に相談して、フィードバックをもらいながら計画を練り上げていきましょう。
実験に必要な器具や試薬の手配、データの収集方法、解析の手法など、具体的な手順についても検討しましょう。
実験・調査の実施
立案した研究計画に基づいて、実験・シミュレーション・データ収集などの実際の研究活動を実行していきます。
研究にこもり、試行錯誤を繰り返しながらデータを得ていくことになります。
予期せぬ結果が出たり、実験がうまくいかず様々な問題が生じることは日常茶飯事です。
決して一人で悩まずに、すぐに指導教員に報告して、どのように対応するべきか競技しましょう。
早期に問題を共有して、適切なアドバイスを受けることが研究を円滑に進めるための鍵となります。
実験の進捗状況や得られたデータをこまめに記録しておくことも重要です。
データの解析と考察
実験や超竿を通して収集したデータを統計処理やグラフ化などの適切な手法を用いて解析します。
得られた結果を注意深く考察していきます。
この段階では客観的な視点と論理的な思考が強く求められます。
得られたデータが何を意味するのか、先行研究の結果と比べてどのような違いがあるのか、そして最初に立てた仮説と照らし合わせてどのような結論が得られるのかを深く掘り下げて考えることが重要です。
結果の背景にあるメカニズムや理由を考察し、もし予想外の結果が得られた場合には、その原因についても検討する事が重要です。
考察が不十分だと、せっかく得られたデータもその価値を十分に発揮できません。
卒業論文の作成
これまでの研究の背景、目的、方法、結果、考察、そして最終的な結論を論理的に構成し、1つのまとまった文章として卒業論文にまとめます。
正確な記述と参考文献の適切な引用は非常に重要です。
また、読み手が理解しやすいように平易でわかりやすい表現を心がけることも大切です。
指導教員の指示に従い、できるだけ早めの段階から執筆に取り掛かりましょう。
何度も添削を受けて、良い質の高い論文を目指しましょう。
発表準備と発表
完成した卒業論文の内容に基づいて、研究発表会で使用するスライドなどの発表資料を作成して、何度も発表練習をしましょう。
発表時間は限られているため、要点を絞り、わかりやすく伝えるための工夫が必要です。
また、発表後には質疑応答の時間が設けられます。
自分の研究内容について様々な角度から質問が飛んでくることを想定して、事前に回答を準備しておくことが重要です。
落ち着いて、自分の研究内容を相手にわかりやすく伝えられるようにしっかりと練習しましょう。
本番では、自信を持って堂々と発表することが大切です。
【卒業研究の進め方】研究の年間スケジュール
卒業研究について、何から始めればいいか、どのように進めていけばいいのか、不安に感じる方もいるかも知れません。
皆さんが充実した卒業研究をすることができるように、研究室選びから論文提出、そして創業準備までの一連の流れを段階的に解説します。
このロードマップを参考にして、主体的に研究活動に取り組みましょう。
4月:研究室配属とテーマ決定
各研究室のウェブサイトや研究紹介資料を熟読して、過去の卒論テーマ、研究内容、雰囲気を把握しましょう。
そして、興味のある研究室の教員に連絡を取り、研究内容や進め方について質問しましょう。
自身の興味や将来の展望を伝え、研究室の雰囲気を感じることが重要です。
研究室が決定したら、テーマ決定の段階に入ります。
指導教員となる先生と興味のある分野や研究室のテーマについて深く話し合い、先生の研究分野や成果を参考に、自身の関心と合致するテーマを探しましょう。
指導教員との議論に基づき最終的な卒論テーマを決定したあと、研究の目的、方法、スケジュールなどを記述した研究計画書を作成して提出しましょう。
積極的に情報収集を行い、公開のない研究室選びを心がけましょう。
大学院進学を希望する場合は、将来の進路を見据えた選択が重要です。
指導教員とのコミュニケーションを密にして、研究テーマについて深く理解することが大切です。
5月〜7月:研究に慣れる
この時期は、本格的な研究活動に入るための準備期間として、実験・調査の基礎学習、実験器具・設備の理解、文献調査の深化、研究ノートの作成、そして中間報告の準備に重点を置きましょう。
自身の研究テーマに必要な実験手法や分析手法、調査手法などを先輩や教員から丁寧に指導を受けながら学び、基本的な操作を確実に習得しましょう。
研究を進めるうえで不可欠となるのが文献調査です。
自身のテーマに関連する重要な論文を精読して、研究の背景、理論、そして先行研究の結果などを深く理解していきましょう。
参考文献リストを整理しながら読み進めることで、効率的に知識を吸収できます。
日々の研究活動の記録として、研究ノートの作成を習慣にしましょう。
実験や調査のデータ、文献調査のメモ、そして考察などを詳細に記録することで、後々の卒業論文作成において非常に重要になります。
加えて、この時期から中間報告会に向けての準備を意識しましょう。
これまでの研究の進捗状況や現時点での考察について、指導教員や研究室のメンバーに報告する機会に備えましょう。
焦らず丁寧に基礎を習得することです。
ひとつひとつの操作や知識を確実に身につけることが、今後の研究活動の土台となります。
また、疑問点があれば積極的に質問し、その都度解消していく事が重要です。
そして、研究ノートは詳細に記録する習慣を身に着けましょう。
8月〜9月:大学院入試
大学院進学を希望する学生にとっては入試準備が本格化する一方、学部卒業のみを考えている学生にとっては卒論研究に集中する重要な機関となります。
また、共通してテーマに基づいた本格的な実験や調査を開始する時期でもあります。
大学院進学を希望する場合は、志望する大学院の入試情報を丁寧に収集し、試験対策を効率的に進める必要があります。
研究室の先輩や教員からのアドバイスは貴重な情報源となるため、積極的に活用しましょう。
ただし入試準備と並行して、卒業論文の研究活動も決して疎かにできません。
時間管理を意識して、どちらにも支障ができないように計画的に取り組むことが求められます。
大学院進学希望者は、大学院入試と卒業論文研究のバランスを意識することが大切です。
学部卒業の場合は、研究内容に集中して取り組むことです。
自身の進路目標に合わせて、時間とエネルギーを効率的に配分することが、この時期を充実させる鍵となります。
9月〜10月:繁忙期
いよいよ研究の中核となるデータ収集と解析、考察、そして卒業論文の構成検討が本格化する、まさに繁忙期と言える時期です。
実験や調査によって得られた貴重なデータをこの時期に丁寧に整理して、統計ソフトウェアなどを活用して解析を進めます。
データの扱いや解析方法に迷う場合は、遠慮せずに指導教員や研究室のメンバーに相談して、的確なアドバイスを得ることが重要です。
解析されたデータや得られた結果に基づいて考察を深めます。
先行研究の結果と比較したり、今回の研究で明らかになった点、そして今後の研究に残された課題などを、論理的に記述できるように整理していきましょう。
研究室によっては、この時期に中間発表会が開催される場合があります。
これまでの研究成果や現時点での考察、そして今後の研究計画について、明確かつわかりやすく説明できるようにしてしっかりと準備しましょう。
データの正確な記録と適切な解析を徹底することが重要です。
考察は客観的なデータに基づいて論理的に展開するように意識しましょう。
早めに論文の構成を検討し始めることで、後の執筆作業に余裕が生まれ、質の高い論文作成に繋がります。
11月〜1月:卒論完成と発表準備
いよいよ卒業研究の集大成となる11月から1月にかけては、論文執筆、遂行と修正、発表準備、そして論文提出というゴールに向けてラストスパートを掛ける重要な時期です。
これまで検討してきた論文構成に基づき、卒業論文の本文を丁寧に執筆します。
研究の目的、実験方法、結果、考察、結論などを、図や表、そして正確な参考文献リストとともに分かりやすく記述することを心がけましょう。
論文を書き終えたら、何度も読み返し、徹底的に推敲と修正を行います。
誤字脱字はもちろんのこと、表現の曖昧さや論理の矛盾など、客観的な視点で見直すことが重要です。
指導教員や研究室のメンバーに読んでもらい、第三者からの意見をもらうことも、論文の質を高める上で非常に有効です。
並行して、卒業論文発表会に向けての準備も進めます。
発表資料(スライド)を作成し、内容が分かりやすく伝わるように工夫しましょう。
また、発表練習を繰り返し行い、時間配分や話すスピードなどを調整して、自信を持って発表に臨めるように準備を整えます。
質疑応答に備えて想定される質問とその回答を事前に検討しておくことも重要です。
計画的に執筆を進め、締切に余裕を持って提出できるようにすることが重要です。
早めの着手が室の高い論文作成と精神的な余裕に繋がります。
客観的な視点を取り入れ、第三者の意見も参考にしながら、より質の高い論文を目指しましょう。
そして、発表練習をしっかりと行い、自信を持って発表に臨むことで、自身の研究成果を最大限に伝えることができるでしょう。
2月〜3月:研究の引き継ぎ
卒業を間近に控えたこの時期は、自身の研究活動の成果を次世代へと引き継ぐ時期となります。
主な活動は、後輩への指導、実験器具・データの整理、研究室への貢献、そして自身の卒業準備です。
新たに研究室に配属される後輩に対して、自身の研究内容はもちろん、実験の手順や注意点などを丁寧に教え、スムーズに研究取り組めるようにサポートします。
自身の経験に基づいた具体的なアドバイスは、後輩にとって非常に貴重な学びとなるでしょう。
また、これまで使用してきた実験器具や装置を丁寧に整理整頓し、後任者がすぐに研究を始められるように準備します。
実験データや関連資料も整理して、必要な情報が適切に引き継がれるように努めましょう。
後輩への丁寧な指導が、研究室全体の円滑な運営に繋がるという意識を持つことが重要です。
最後まで責任を持って研究室の活動に貢献する姿勢を貫きましょう。
【卒業研究の進め方】卒業研究が進まない主な原因
卒業研究がうまく進まないと、「研究室に行きたくない」「卒業研究から逃げたい」と思う場面も出てくるでしょう。しかし、事前にその原因を把握しておくことで予防できます。
ここからは、卒業研究がスムーズに進まない主な原因を見ていきましょう。
研究テーマの難易度が高い
研究テーマの難易度が高すぎると、研究活動は必然的に行き詰まってしまいます。
研究テーマが自身の持つ専門知識に対して高度すぎる場合、テーマの核心部分を理解するのに苦労して、表面的な情報に留まってしまう可能性があります。
土台となる基礎知識が不足しているため、いくら文献を読んでも、その内容を理解できないという状況に陥ります。
実験技術が高度すぎるという側面も、研究の大きな障壁となります。
これまで触れたことのない複雑な実験機器の操作や、熟練を要する特殊な技術が不可欠なテーマである場合、その習得に多くの時間と労力を費やすことになります。
要求される成果レベルが、卒業研究といった限られた範囲を超えている場合も、研究の停滞につながるでしょう。
そして、研究期間に対してテーマが広すぎる場合、一つ一つの課題に十分な時間をかけられず、結果として研究全体が浅いものになってしまう可能性があります。
興味深いテーマであっても、時間的な制約の中でどこまで深く掘り下げられるかは重要な検討事項です。
実験がうまくいかない
実験のトラブルは日常茶飯事と言えるでしょう。
高価な実験装置が突然故障したり、長期間保存していた試薬が変質してしまったり、ほんの些細な実験手順のミスがその後の結果に大きな影響を与えてしまうこともあります。
また、実験の再現性の低さは、研究の信頼性を揺るがす深刻な問題です。
同じ条件で実験を繰り返しているはずなのに、毎回異なる結果が出てしまう場合、その原因を特定して安定した結果を得るための条件を見つけ出す必要があります。
目的となるデータがなかなか得られないという状況も考えられます。
設定した実験条件では期待する反応が起こらなかったり、周囲のノイズが大きすぎて、信号を検出できなかったりすることは少なくありません。
データの解析方法がわからない
実験や調査を通して貴重なデータを手に入れたとしても、それを適切に分析し、意味のある洞察を引き出せなければ、研究の意味を見出すことができません。
このデータ解析という段階でつまずいてしまうケースは少なくありません。
適切な統計手法を選択できないという問題があります。
一口にデータと言っても、。その種類や性質は様々であり、研究の目的によって用いるべき解析手法は異なります。
また、統計ソフトの操作に不慣れであるという点も、データ解析の大きな障壁となります。
ソフトウェアの基本的な使い方や、目的にあった機能を使いこなす一定の習熟が必要です。
加えて、解析結果を正しく解釈できないという問題やデータの可視化が不十分であることも、研究の理解や伝達を妨げる原因となります。
論文の構成や書き方がわからない
論理的な文章構成ができないと、あなたの主張が読者にうまく伝わりません。
論文は、単なる事実の羅列ではなく、論理的なつながりを持った文書で構成されるべきです。
主張に対して明確な根拠が示されていなかったり、段落間のつながりが曖昧で文章の流れがスムーズでなかったりすると、読者はあなたの議論を追うことが難しく、論文の説得力が大きく損なわれてしまいます。
論文の構成や書き方がわからないということは、研究の成果を効果的に伝えるための基礎的なスキルが不足している状態です。
各構成要素の役割を理解し、論理的な文章構成を心がけ、専門用語や学術的な表現を適切に用いて、正しい方法で参考文献を引用することが、質の高い卒業論文を作成するための重要な要素です。
モチベーションの低下
卒業研究という長い道のりの中で、モチベーションが常に高い状態を維持するのは決して用意ではありません。
研究の進捗が遅かったり、なかなか結果が出なかったりすると、先に進むのが億劫になってしまいがちです。
研究内容に興味を持てないという状況も、モチベーションを大きく左右します。
研究を進めていくうちに当初抱いていた興味が薄れてしまったりすると、日々の研究活動がつまらなく感じられ、主体的に取り組む意欲が湧かなくなってしまうでしょう。
さらに、実験の失敗が続いたり、複雑なデータ解析二苦労したり、締切が迫る中で論文執筆のプレッシャーを感じたりと、精神的な披露の蓄積も、モチベーション低下の大きな要因となります。
そして、研究を進めるうちに、何のためにこの研究をしているのか、その意義や目的を見失ってしまうこともあります。
時間管理ができていない
大学生が卒業研究を進める上で、時間管理は重要な課題となります。
多くの活動と並行して研究を進める必要があるため、計画的に時間配分を行わないと、研究に必要な時間を確保できず、遅延に繋がります。
研究以外の活動に時間を過度に費やしている場合、研究に充てるべき時間が不足します。
活動のバランスが悪く、優先順位付けができていないことが原因と考えられます。
計画を立てずにその場しのぎで行動したり、計画を立てても実行に移せなかったりする場合も、研究は遅延してしまいます。
締切を意識せず、見通しの甘さから計画倒れになることが原因です。
指導教員とのコミュニケーション不足
卒業研究における指導教員とのコミュニケーションは、研究を円滑に進める上で不可欠です。
指導教員への報告や相談が不足すると、以下のような問題が生じ、研究の遅延や質の低下に繋がります。
研究の進捗状況を報告しない場合、指導教員はあなたの研究が現在どのような段階にあり、どのような課題に直面しているのかを把握できません。
その結果、適切なタイミングでのアドバイスやサポートが遅れ、問題が深刻化するかもしれません。
定期的な報告は、指導教員が研究全体を俯瞰して、適切な指導を行うための基礎となります。
指導教員が忙しそうに見えたり、質問することに抵抗を感じたりするかもしれませんが、指導教員もあなたの研究を成功させるために協力したいと考えているはずです。
勇気を出して相談することで、新たな視点や解決策が見つかることがあります。
【卒業研究の進め方】卒業研究が進まないときの対処方法
卒業研究が進まない、進め方が分からなくなってしまったときは感情のまますぐに対応するのではなく、その原因をしっかりと考えそれに応じて対処法を講じましょう。
ここからは、卒業研究が進まないときの対処方法について解説します。
指導教員との相談
研究がスムーズに進まないときは指導教員に現状を包み隠さず話してみることが大切です。
漠然と「うまくいきません」と伝えるのではなく、「〇〇の実験で、△△という結果が出て、その原因が特定できません」のように、具体的に状況を説明することで、指導教員も的確なアドバイスをしやすくなります。
実験データや考察の過程を整理して見せるのも良いでしょう。
積極的に質問する姿勢も大切です。
指導教員からの指示やアドバイスに対して、「多分こういうことだろう」と自己解釈で終わらせず、少しでも疑問に感じたら、遠慮せずに質問することが理解を深めるための近道です。
「〇〇という点について、もう少し詳しく教えていただけますか」「△△という考え方で進めても良いでしょうか」など、具体的な質問を心がけましょう。
基礎知識・スキルの再確認
研究が思うように進まないと感じたときには、どこで躓いているのかを分析し、必要な知識やスキルを明確にすることが大切です。
この実験の意味がそもそも理解できていない、このデータ解析の手法がよくわからない、など具体的な課題を特定することで、対策を立てやすくなります。
そして、特定した知識やスキルを体系的に学び直すことが重要です。
大学の講義資料や教科書は、基礎をしっかりと学ぶ上で重要なリソースです。
改めて読み返してみると、以前は気づかなかった発見があるかもしれません。
特に実験スキルなどは実際に手を動かすことで確実に身についていきます。
先輩に教えてもらいながら、一つ一つの操作を丁寧に習得していくことが大切です。
実験ノートや記録の整理
実験ノートや調査記録は、研究活動の生命線と言えます。
これがきちんと記録されているかどうかで、研究の効率性や質が大きく左右されると言っても過言ではありません。
正確かつ詳細に記録することは、後々の自分自身のためにも、そして第三者への説明責任を果たすためにも重要です。
単に結果を羅列するだけではなく、実験に至った背景や目的、具体的な手順、使用した試薬や機器の情報、そして実験中に気づいた些細な点や考察のヒントまで記録しておくことで、時間が経ってから見返したときに、当時の思考プロセスを鮮明に蘇らせることができます。
そして、定期的に見返す習慣をつけることも大事です。
実験直後やデータ収集の区切りごとにノートを読み返すことで、その時点での結果の傾向を早期に把握したり、実験の矛盾点やデータの異常値に気づいたりすることができます。
また、過去の記録と照らし合わせることで、研究の進捗状況を客観的に把握することも可能になります。
加えて、わかりやすく整理する工夫や、データのバックアップを取ることも研究の効率を高める上で非常に大切です。
実験ノートや記録の整理は一見地味な作業に思えるかもしれませんが、研究を成功させるために不可欠な要素です。
類似研究の論文を参考にする
信頼できる情報源から質の高い情報を得ることが研究を成功させる鍵となります。
学術データベースは専門家によって査読された信頼性の高い論文が豊富に収録されています。
そして、論文を読む際には、批判的な視点を持つことが重要です。
論文に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、「この実験方法は本当に適切なのか」「データの解釈は論理的か」「結論はデータから妥当に導き出せるか」といった疑問を持ちながら読み進めることで、研究の本質を見抜く力が養われます。
自分の研究との関連性を意識しながら論文を読むことも重要です。
「この研究の問いは自分の研究テーマとどう関連するのか」「この研究で用いられている手法は、自分の研究に応用できるか」「この研究の結果は自分の研究の考察にどう活かせるか」といった問いを常に持ちながら読むことで、論文から得られる学びを最大限に引き出すことができます。
タスク管理の徹底
タスク管理の徹底はゴールまで辿り着くために重要です。
行き当たりばったりに進めてしまうと、途中で息切れしたり、方向を見失ったりしてしまう可能性があります。
タスクを細分化することは、大きな目標も小さなステップに分解することで、ぐっと取り組みやすくなります。
例えば、「論文の考察を書く」という大きなタスクを、「先行研究との比較」「実験結果の解釈」「今後の課題の検討」といった具体的なタスクに分類することで、今何をするべきかが明確になり、着実に前進することができます。
そして優先順位をつけることが大切です。
すべてのタスクが同じ重要度や研究度を持つわけではありません。
締切が近いタスクや研究の根幹に関わる重要な実験など、優先度の高いタスクから取り組むことで、効率的に研究を進めることができます。
スケジュールを作成することで、研究全体の流れを把握し、逆算して各タスクの期日を設定することができます。
「◯日までに論文の草稿を完成させる」といった具体的な期日を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。
進捗状況を可視化することは、自分の頑張りを実感することもできるため、おすすめな方法です。
タスク管理ツールを使えば、タスクの完了状況が人目でわかることに加え、ガントチャートを使えば全体のスケジュールの中でどの程度進んでいるのかを視覚的に把握することができます。
進捗が見えると、モチベーション維持にもなります。
積極的に質問する
疑問点を曖昧にしたまま進めることは、誤った方向に研究を進行させてしまったり、研究が停滞する原因になります。
指導教員に積極的に質問することで疑問を解消し、より深く理解することができます。
質問することは決して恥ずかしいことではありません。
むしろ積極的に質問する姿勢は、研究を効率的に進める上で非常に重要です。
また、質問する内容を整理することが大切です。
自分が何に困っているのか、どこが理解できていないのかを具体的に伝えることで、相手は的確なアドバイスをしやすくなります。
「〇〇について、〇〇という理解で合っていますか」「△△の実験で、△△という結果が出たのですが、考えられる原因はありますか」のように具体的な質問を心がけましょう。
【卒業研究の進め方】卒業論文の執筆時期は?
卒業論文を書き始めるのは、提出期限のおよそ2ヶ月前を目標にすると良いでしょう。それまでに実験結果をまとめられるようなスケジュールで、研究全体を進める必要があります。
卒業論文は指導教官などにチェックしてもらった後の修正も必要になるため、締め切り間近に慌てないよう、余裕をもって執筆し始めることも大切です。
また、卒業論文を提出する前にプレゼンが求められる大学もあります。自分が所属する研究室の先輩に、執筆開始時期を尋ねてみると良いでしょう。
【卒業研究の進め方】理系の卒業研究の進め方を把握し質の高い論文作成を目指そう
理系の卒業研究の進め方や卒業論文の書き方は独特です。また、大学や研究室によっても異なり、独自のルールがある場合もあります。
情報収集を積極的に行いながら、そのルールに応じた進め方を事前に把握し、質の高い論文の作成を目指しましょう。