【エンジニア未経験】文系未経験でもSIerになれるの?詳しい業務内容や向いている人を徹底解説

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

今回はSIer企業の詳しい業務内容や立ち位置の違いによる特徴などから、SIer業界の将来性や課題まで解説します。

SIer業界ではITエンジニア不足が課題で、その対策として多くの企業はポテンシャル採用枠を広げ採用後のIT人材の育成に注力しています。

さらに、SIer企業では業務が細分化されており、高いIT技術を要求されない業務もあります。

このように文系でもSIerを目指し活躍する環境は整っています。

【SIer文系未経験】文系でもSIerになれる

実態は文系でもSIer企業に就職することは可能ですが、SIerでシステムエンジニア(SE)として働くのは理系や情報系の学部卒しかできないと考えている人が多いです。

確かにSEの主な仕事は、クライアントからニーズを聞き出してシステム設計しプログラムすることです。

しかし、現実の業務はもっと多様で、クライアントとの関係性のマネジメントやプロジェクトのチームビルディングなどを担当する場合もあります。

このような対人スキルが重要な業務では、文系出身者の活躍の場となることが多いです。

実際に大手SIerの新卒採用人数の内、文系が5割を超えていたときもあり、その他のSIerでも3〜4割は文系と言われています。

勉強は必須

SIerもIT業界の一部門なので、就職し活躍するにはIT知識が必須です。

そのため、文系の人は従来からある基礎的な技術に加えて、日々生まれる新しい技術も勉強することになります。

内定を獲得するまでの努力はもちろん、就職後も常に新しい技術を学び続ける必要があり、勉強が苦手な人は苦労することになります。

就活の際は、オンラインなどのプログラミングスクールで学び、ITパスポートなどの資格取得を検討しましょう。

【SIer文系未経験】SIerとは

SIerとはSystem Integrator(システムインテグレーター)の略称です。

主に非IT企業であるクライアントの要望を汲み取り、システムの開発を行います。

システム開発は、最適な製品やサービスを選び、情報機器のシステムを構築するだけには止まりません。

システムを納品した後は、初期の立ち上げや運用のサポートと保守やセキュリティー対応といったアフターフォローも行います。

また、大規模なプロジェクトでは納品するまで数年に渡ることもあり、必要なエンジニアも多くなります。

そのため1社では対応しきれないため、協力企業に開発の一部を委託するピラミッド構造が広く採用されている特徴があります。

主な業務

SIerは、ITシステムを活用し事業の効率化をするコンサルタントやプロジェクト全体のマネジメント、システム納品後の運用など幅広い役割を担います。

プロジェクトを進める際は「ウォーターフォールモデル」を用いることが多く、上流から下流に一方方向に業務を進めることが特徴です。

その長所は、各工程が明確に区切られているため全体の進捗管理がしやすく、また各工程の完了時点で品質を確認しやすいという点にあります。

上流工程

主にクライアントが要求したシステムを実現するための設計図を作成する工程です。

具体的には、クライアントの要求を把握するための打ち合わせや実現する内容を明確にする要件定義書の作成、システム設計などを行います。

クライアントのビジネスを理解して、要求されたことを具体的なシステムのコードに変換する力が求められます。

そのためには、コミュニケーション能力や抽象的なことを具体的なシステム設計に翻訳する力が重要です。

下流工程

主にシステム設計図をもとにしてプログラミングを行い、実際のシステムを構築する工程です。

まず、プログラミングを行い作成したプログラムコードが正しく動作するか検証します。

次に、情報機器を導入した環境でシステムテストを行い、問題がなければクライアントへ納品します。

その後はシステムの運用や保守のサポートを提供します。

設計されたシステムを具現化して実装するプログラミング能力や問題解決能力が必要となります。

将来性

IT関連のシステム開発は今後も需要が旺盛で、SIer業界は将来性のある業種と言えます。

例えば、多くの企業が効率的で高付加価値な経営を目指すためにDX化(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。

このDX需要の増加を受けて、顧客管理システムやマーケティング支援システムなどのパッケージ型ソフトが普及してきました。

このような企業向けツールを導入する際には、SIerが重要な役割を果たします。

現状の課題

SIer業界では、優秀なエンジニアの人手不足が深刻な問題となっています。

DX化やAI、IoTなど最新技術を組み合わせたプロジェクトのシステム設計が複雑化していることもあり、エンジニアの需要は増えてこの課題は当面続くと考えられます。

そのため、文系・未経験でも素質のある人材を採用して社内教育プログラムなどを積極的に行い、自らエンジニアの育成に力を入れている企業が多くあります。

また、フリーランスエンジニアの増加による優秀人材の確保に不安を感じることも、企業が自社でエンジニア育成に注力する背景にあります。

このような状況は、文系でもSIer業界に就職し活躍するチャンスがあることを示しています。

【SIer文系未経験】SIerの種類

SIer業界は親会社やグループ企業の存在に着目すると、ユーザー系やメーカー系、独立系の3つに分類できます。

それぞれにクライアントや手がける業界に特徴があり、求められるスキルも異なります。

一般的に、メーカー系は求めるIT知識のレベルが高くなり、ユーザー系では最低限のIT知識で対応可能な場合が多いです。

独立系は、その企業により専門性が高く求められるIT知識もバラツキが大きいです。

ユーザー系のSIer

クライアントとの打ち合わせを通じて、システムの要件定義や基本設計を行ったりシステムの総合テストを行ったりする業務が中心です。

そのため、直接プログラミングを行うことは少なく、下請け先の協力会社の管理やプロジェクト全体のスケジュール管理などマネジメント業務が多くなります。

このような業務内容なので文系学部卒が多く活躍する傾向があります。

ユーザー系は金融機関や保険会社など大手企業の情報システム部門を分社化してできた企業が多く、クライアントは親会社やグループ会社であることが多いです。

そのため、同業他社との競合が起きづらく業務は安定しています。

代表的な企業は、NTTデータやSCSKなどです。

メーカー系のSIer

自社でハードウェアやソフトウェアの開発業務を行うため、エンジニアに求められるITに関する技術や知識のレベルは高くなります。

しかし、昨今のIT人材不足の課題に直面した結果、優秀なエンジニア育成に積極的な企業も多いです。

そのため、研修制度が整っている企業を選び継続的な勉強をすれば文系でも活躍のチャンスはあります。

コンピューターや通信機器など、ハードウェアの大手企業の系列企業や分社化した企業が多いです。

主に自社製品を軸にしたシステム構築を行い、親会社や系列企業の他にも官公庁などの大規模案件を得意とする特徴があります。

代表的な企業には、富士通やNEC、日立製作所などの総合電機の企業があります。

独立系SIer

多種多様な幅広い分野の業務を請け負うため企業により特徴があり、それに応じて求められるIT知識が異なります。

大企業であればシステム設計を総合的に対応することが多い一方で、中小企業では特定の分野に特化したプログラミング業務を請け負うこともあります。

そのため、大企業ではマネジメント業務が多く、中小企業では専門的なIT知識を求められる傾向があります。

独立系SIerは、親会社や特定のグループに属さない企業でSIer業界の多くを占めています。

採用に関しては文理不問で募集している企業が多いため、文系学部卒でも入社可能といえます。

代表的な企業には、大塚商会やエクシオグループ、TISなどがあります。

【SIer文系未経験】Sierに向いている人

一概に文系だからSIerに向かないと決めつけないでください。

就活時は未経験でも入社後に活躍する場面は大いにあります。

クライアントのニーズを汲み取りそれを解決するコミュニケーション能力があることが重要です。

また、大規模な開発に参加して達成感を味わいたい人にもSIerに向いているといえます。

ただし、IT技術の進歩は早いので常に新しい技術を学ぶ勉強意欲を持ち続けることも大切です。

コミュニケーション能力がある人

SIerの業務はクライアントとの打ち合わせやシステムの要件定義、プロジェクトの管理など人とのコミュニケーションが成果に大いに関与します。

なぜなら、クライアントのビジネスニーズを正確に把握し、それを具体的なシステム要件に落とし込むためには、理解力とコミュニケーション能力が不可欠だからです。

また、大規模なシステム開発ともなれば、自社のエンジニアやプロジェクトマネージャーだけでなく、協力会社のエンジニアやクライアントなど多くの人が関わります。

それぞれが異なる視点や知識を持つ人々が集まるチーム内で、明確なコミュニケーションを取ることがプロジェクトを円滑に進めるために重要です。

スケールが大きい仕事がしたい人

ユーザー系やメーカー系の大手SIer企業は、大規模な開発案件を手がけることが多いため、大型プロジェクトに参加する機会を得られる場合があります。

大規模プロジェクトは多くの人々に影響を与え、中でも官公庁のシステム開発などは社会全体に影響を及ぼす可能性もあります。

自らが参加した仕事が広範囲にわたる影響を与えることは、大きなやりがいになります。

また、規模の大きな案件であるほどプロジェクトは複雑になり、関係者が多くなるなど困難な課題に直面することが多くなります。

しかし、これらの問題をプロジェクトメンバーと協力し乗り越える経験は一層の達成感をもたらします。

勉強意欲がある

文系で現在はプログラミングの知識がない人でもSIer企業で働くことは可能です。

しかし、IT知識を持っている方が仕事で活躍しやすくなるため、プログラミングやシステムに関する知識を自ら進んで学ぶ意欲が必要です。

これは、プロダクトマネージャーのような直接的にプログラミングをしない職種を目指す場合も同じです。

なぜなら、クライアントのニーズをもとにシステム設計をする際やプロジェクトメンバーのプログラマーなどとのコミュニケーションを円滑にするにはIT知識が必要だからです。

プログラミングは勉強すれば身につく知識で、4年間の大学生活より社会人の期間は遥かに長く学習意欲があればその知識差を埋めることが可能です。

【SIer文系未経験】就職活動を始める前にやっておくこと

就活を有利に進めるためには、理系や情報系との知識ギャップを少しでも縮める努力を行うことが大切です。

大学では本格的に学ばなかったITの知識やスキルは、オンラインスクールやセミナーを活用して学ぶことが可能です。

その際にIT関係の資格取得に挑戦することが客観的な評価ポイントになります。

また、IT知識という文系が不利な分野ではなく、マネジメント能力といった別視点のアピールポイントを磨くこともおすすめです。

ITの知識・スキルを身につける

やはり、IT知識やプログラミング経験があった方が就活に有利なので、ITパスポートや基本情報技術者試験などのIT関連資格に挑戦すると良いでしょう。

また、スクールやセミナーなどでプログラミングを学び、経験しておくと就活でのアピールポイントになります。

プログラミングスクールはオンラインで受講できるスクールもたくさんあります。

そのようなスクールを活用すると、効率的なIT基礎知識の習得やプログラミング学習が可能になります。

プログラミング言語はJavaやPythonなどが入門に適していて就職後も必要な言語です。

少し勉強したらインターンなどで実践的な知識とスキルを学ぶことも検討してみましょう。

マネジメント能力を身につける

文系でIT知識を学んだとしてもPRポイントにするには弱いと感じる人は、マネジメント能力をアピールすると良いです。

なぜなら、SIerはシステム案件のプロジェクトにチームを組んで取り組み、ときには協力会社も含めた多くのエンジニアが関わる大きなチームで行う場合もあります。

その際、円滑にプロジェクトを進行するにはマネジメント能力が重要です。

例えば、活動やサークルで全体をまとめた経験や実行委員となった経験があると、コミュニケーション能力やスケジュール管理などをアピールできます。

そのため、部活動やアルバイトなどでチームや全体で成し遂げた経験が得られるように積極的に行動していきましょう。

【SIer文系未経験】企業が文系学生を採用する理由

SIer企業が文系学生を採用するのは、不足している優秀なエンジニアを自社で教育したいことと、プログラミング以外の仕事も多くあるためです。

学習意欲があり志望度の高い就活生をポテンシャル採用し、自社で必要なIT知識の教育をしなければ人材不足が解決しないのがIT業界の現状です。

また、ITエンジニアばかりでは円滑に案件を進められない側面もあり、クライアントとの折衝などの業務に適した人材も求められています。

自社で優秀な人材を教育したいから

企業は文系で未経験でも志望度が高くて学習意欲のある就活生を採用して、自社で最新のIT技術を教育することでシステムエンジニアとして活躍してほしいと考えています。

現在のエンジニアの不足は長期的なトレンドになっていて、近年その傾向は特に強まっています。

これは、DX化などデジタル化の推進、AIやIoT、クラウドコンピューティングなどの技術の進化が影響しています。

日進月歩で進化しているIT技術に対応する教育プログラムを大学のカリキュラムとして提供するには難しい側面があります。

そのため、採用の際にはIT知識や技術があるかを絶対的な評価基準とはせず、志望動機で志望度の高さと将来のビジョンに注目しています。

プログラミング以外の仕事も多くあるため

SIerが手掛けるシステム開発案件は業務が細分化されて、プログラミング以外にも多様な業務が存在します。

その業務内容は、要件定義やシステム設計、プログラミング、システムテスト、導入支援、運用・保守、ユーザーサポートです。

最低限のIT知識は必要ですが、要件定義やユーザーサポートなどはクライアントとのコミュニケーションが重要です。

また、SIerのプロジェクトはほとんどの場合チームを組み進めていくため、多くの人と関わり合い業務を進めることになります。

そのため、プログラミングなどITスキルだけでなく、コミニュケーション力や周囲を巻き込む力などのスキルが必要になります。

【SIer文系未経験】就活エージェントを利用する

SIer業界への理解が進み志望度が高まってきた人も多いのではないでしょうか。

ただ、SIerにも様々な種類があり自分に最適な企業が分からなくなった人は、まず就活エージェントに相談がおすすめです。

経験豊富な就活のプロであるエージェントによる自己分析や企業紹介のサポートを受ければ、自分に合った企業が見つかるはずです。

その後もES対策や面接練習まで総合的にサポートが受けられて就活を有利に進められます。

まとめ

今回は、文系からでもSIer企業に就職できるのかをSIerの業務内容を通じて解説しました。

SIer業界ではITエンジニア不足という課題があり、多くの企業ではポテンシャル採用枠を広げて、自社での教育環境を整備してIT人材の育成に注力しています。

これは学習意欲のある文系の就活生にとって良い環境と言えます。

また、高いIT技術が要求されない業務もありますので、SIerに興味を持った人は挑戦してみましょう。

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