HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就職活動を進めていく上で、自己PRのクオリティを高めることは第一志望への内定を勝ち取るために非常に重要なことです。
特に理系の方は分析力を自分の強みとしてアピールしたいと考えている方も多いでしょうが、果たして印象は良いのでしょうか。
今回は分析力を強みとしてアピールする際に企業に与える印象や伝えるポイントについて詳しく紹介していきます。
【分析力を自己PRに】分析力とは
ひとくちに分析力と言っても様々な種類があります。
自己PRについて理解ができたところで、ここからは分析力がどのような力なのかをしっかりと把握し自己PRに活用できるようにしていきましょう。
課題発見をして課題追求すること
分析力とはまず初めに、仕事において言うならば、課題を発見してそれを追求することが挙げられます。
何事においても課題というものは存在しており、その課題が何なのか、課題に対する事実、データを収集し、その事実、データを元に課題を追求していく力が仕事においては非常に重要とされているのです。
企業は基本的に常に組織をより良くしようとしています。
となると、まずは課題が何なのかについて把握できなければなりません。
小さなものから大きなものまで、自分が直面している課題は何なのかを常に分析し、追求し解決を目指していく人材こそ企業に求められていると言えるでしょう。
データを見て仮説を立てること
データを見て仮説を立てることができるスキルというのも分析力に当てはまることでしょう。
先ほど紹介した分析力の課題発見をして、追求することがデータを集めることならば、このスキルはデータを読み解く力です。
データを見て数学の観点から仮説立てを行い、課題を提示することができる人材は企業において強く求められることでしょう。
また、その課題対策について実施後にどのような変化があったかを確認して、改善へ導いていくことができれば、より組織が良くなっていくはずなので、いずれにせよ分析力は強く求められていると言えるでしょう。
【分析力を自己PRに】分析力を自己PRの強みにしても問題ないのか?
自己PRでアピールする強みとして、分析力を選んでも問題ないのか、迷っている人は多いでしょう。
就活の自己PRでよくある強みの内容にはさまざまなものがありますが、分析力についてはありきたりかもしれない…という印象を持って不安になる学生も多いからです。
しかし結論からいうと、分析力を強みにする自己PRは十分良い内容になるため、選んでも問題はありません。
特にコンサル業界やIT業界では、PDCAを回してさまざまな試行錯誤を重ねる必要があります。
情報の分析力がものをいう世界でもあるため、分析力は評価に値するといえるでしょう。
自分なりの表現を加えたりエピソードで差別化を図ったりしながら、分析力を積極的にアピールしてみましょう。
理系の就活生はアピールしやすい
分析力を自己PRの中でアピールするなら、特に理系学生は有利になりやすい傾向です。
理系の就活生は、普段から研究を進める際に、結論を導き出すための論理的思考力を大事にしています。
研究には多くのリサーチも必要になるため、情報を網羅したうえで全体を俯瞰する能力なども長けているといえます。
そのため理系学生は、研究の成果に対する分析力というエピソードで、アピールしやすいのが特徴です。
【分析力を自己PRに】分析力がある人の特徴
自己PRで分析力をアピールするなら、そもそも分析力がある人とはどのような人なのか知ることが大切です。
分析力がある人の特徴をつかめば、より自分自身の性質を的確につかむきっかけになり、アピール内容にも説得力が増します。
分析力のある人には、以下のような特徴があります。
・問題の本質に目を向けられる
・必要な情報を正確に選択できる
・データに筋道を立て、結論を出せる
分析力がある人の特徴を細分化すると、どういう資質があるのかということを紹介します。
単に分析力があると言うよりも、業務等の場で実施にどのように貢献できるのか分かりやすいように解説します。
では、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
問題の本質に目を向けられる
分析力が高い人は、問題の本質に目を向けて考えることができます。
単純に数字を比較して結果を見るのではなく、問題の本質は何なのか、根本的な課題は何なのか冷静に考察することができるのです。
分析は、表面上の数字を見るのみでは今ひとつ本質的なポイントが見えてこないものです。
最終的に分析結果を有益な結論につなげるには、データから読み取れる本質的な要素をつかむ必要があります。
分析力のある人は、普段から何事も本質をとらえようとするため、理解が早かったり次の行動がスムーズだったりするのも大きな特徴です。
必要な情報を正確に選択できる
分析力のある人は、必要な情報の判別・選択が得意といえます。
問題を分析するには、効率的に必要な情報を集める取捨選択の判断が欠かせません。
手当たり次第に必要そうな情報をチェックしていると、分析の精度は上がらず、余計なデータが絡むことでむしろ的外れな結論を導いてしまう恐れがあります。
必要な情報を選択できることは、さまざまな情報を目にする情報社会の現代において、非常に重宝されるスキルです。
それだけ効率的に分析を進められることにもなるため、要領が良く、効率的に動ける人だという証明にもつながります。
データに筋道を立て結論を出せる
分析力がある人は、データを客観的に筋道を立てて分析し、結論を出すことが得意です。
単に原因を分析するだけでなく、データから客観的に問題を調査し、予測する能力を持っています。
無闇に分析するのではなく、効率的に筋道を立てて結論を導き出すことができるのも特徴です。
こうした人は、時間を無駄にせず、データから得られる情報を最大限に活用し、的確な判断を下すことができます。
このような分析力は、業務の効率化や問題解決に大いに役立ちます。
【分析力を自己PRに】分析力の魅力とは?
分析力は強みとして魅力的ですが、具体的に何が魅力なのか、正直よくわからない…と悩んでいる学生も多いでしょう。
自分の強みはしっかりと魅力的に伝える必要があるため、ここからは、分析力の魅力について整理していきます。
分析力の魅力とは、具体的には以下の3つが挙げられます。
・予測・対策に貢献できる
・批判的に物事を捉えられる
・情報収集能力がある
それぞれの魅力の詳細を解説していきます。
予測・対策に貢献できる
現状を冷静に分析する力は、業務を進めるうえで、予測・対策に大きく貢献できるといえるでしょう。
想定される結果のパターンや失敗原因などをロジカルに導き出せるため、企業の重要な意思決定をサポートできます。
企業の経営活動は常に判断や選択の連続ですが、思いつきやフィーリングで判断を下すことはありません。
論理的に導き出した予測に基づく判断・選択が必要なため、そういった予測・対策に貢献できるのは重宝されるでしょう。
前もって動向の予測がついていれば、競合他社に後れを取らないかたちで、対策が講じられます。
批判的に物事を捉えられる
分析力があることは、物事を批判的にとらえられることにもつながります。
分析力の高い人は客観的な視点で物事の全容を見ようとするため、良い意味で、アイデアや主張に対して疑問を投げかけられるということです。
主観的に物事を見ていると、どうしても感情論や先入観などが邪魔してしまい、客観視が難しくなります。
結果、アイデアや主張のブラッシュアップを妨げてしまうことも多くなるため、失敗を招くことにもなるでしょう。
しかし分析力に長けていれば、より多角的な視点で施策を考えられるため、失敗を未然に防いだりほかのアイデアを思いついたりできます。
情報収集能力がある
分析力が高い人には、情報収集能力があるといえます。
どのような分析をするにしても、事前の情報収集は欠かせません。
そのため分析の精度が高ければ高いほど、情報収集能力も高いといえます。
必要な情報は、ただやみくもに探せば手に入るわけではありません。
効率的なリサーチが重要になるため、情報収集能力が高ければ、リサーチの要領が良いということにもなります。
そのため自己PRで分析力を強みにするときは、情報収集能力をメインとして焦点を当てていくのも良いでしょう。
【分析力を自己PRに】そもそも自己PRとは
自己PRは、企業に自分の強みや貢献できる内容を伝えることを目的としています。
業務に活かせる自分自身のポテンシャルに焦点を当てるのがポイントです。
一方、長所は自分の特性や考え方、価値観を伝えるもので、人柄に注目します。
例えば、自己PRでは「ゼミのプロジェクトで培った予測・対策といった分析力を貴社のIT開発でも活かす」と具体的に企業への貢献を強調します。
対して、長所では「営業のアルバイトで売り上げ状況から課題を追求した分析力」として、自分の特性を示すことが中心です。
【分析力を自己PRに】そもそも自己PRとは
まずそもそも自己PRとは何なのかについて考えていきましょう。
自己PRとは就活において面接、履歴書、エントリーシート全ての場面で必ずと言っていいほど聞かれるものです。
端的に言うならば自分のことをアピールする場であり、どのようなスキルを持っているのかどのような強みを持っているのかについて述べる場所です。
自分の能力をアピールすることができれば一気に採用に近づくことができるため、非常に重要なポイントであると言えます。
自己PRと長所の違い
自己PRと長所は混同されがちですが、伝える内容の主旨は異なるため、自己PR・長所の違いはあらかじめ理解しておく必要があります。
自己PRは、企業に自分の強みや貢献できる内容などを伝えるのが目的で、業務で活かせる自分自身のポテンシャルに焦点を当てていくのがポイントです。
それに対して長所は、自分自身が持つ特性や考え方、価値観などに目を向けてアピールするため、より人柄の部分に注目した内容といえます。
【分析力を自己PRに】企業が見ているポイント
では企業はこの自己PRにおいてどのようなポイントを見ているのでしょうか。
自己PRを通して企業が確認したいと考えていることには大きく分けて2種類あるので、一緒に確認していきましょう。
人柄
企業は自己PRを通して人柄を知りたいと考えています。
なぜならば採用に至るまでの段階で企業が就活生の人となりを全て把握することは非常に難しいからです。
面接は多くて4次面接程度までありますが、それぞれの時間は限られていますし、なかなか人柄を知ることはできません。
そこで、より深く就活生のことを知るためにも、自己PRや志望動機などの文章を確認することを通じてどのような人柄であるのかについても確認しているのです。
企業の採用担当者も人なので、人柄が良く、一緒に働きたいと思ってもらえるような人材であることをアピールすることが大切です。
自社とのマッチ度
自社とどの程度マッチしているのかについても企業は自己PRを通して確認しています。
あなたが例えば
・東大出身で
・英検1級を持っていて
・医師免許と弁護士免許を保有していたとしても
企業とマッチしていなければ活躍することはできません。
例えばそこがパンを生産する工場であったとしたら、それらのスキルはほとんど意味がないでしょう。
よって、企業とマッチしているかどうかをあらかじめ確認しているのです。
あまり業務内容にそぐわない自己PRであった場合、長く働けない可能性やそもそも企業に貢献できないとみなされて、内定の可能性が大きく下がってしまいます。
必ず企業についてしっかりと分析しておき、自分の自己PRが企業の目標とするビジョンや業務内容と一致するようにしておく必要があります。
【分析力を自己PRに】企業に与える印象
分析力があると自己PRに掲載することで企業にはどのような印象を与えられるのでしょうか。
企業側から見て分析力があると学生が述べた際に抱く印象には下記のようなものがあるので確認していきましょう。
課題解決力がある
まず分析力があるということは課題解決力があるとみなされる可能性が高いです。
基本的に分析を行う際には課題の発見から原因の追求、そしてその後の変化までを見ていくため、課題解決能力を持っているとみなされる可能性が非常に高いのです。
基本的に仕事というものは課題を発見して、それを改善または解決していくことの繰り返しなどで、課題解決能力があるということは組織における抜本的な課題を解決してくれる可能性もあり、非常に期待値が高まることでもあります。
自分の課題解決能力に自信があるならば、分析力に加えて自己PRに盛り込んでも良いくらい、企業からすると魅力的に見える文章の1つです。
ロジカルシンキングである
分析力があるということは、ロジカルシンキングである可能性も非常に高いと考えられます。
分析をする際は基本的に正確な数字で判断をして、なぜそうなったのかを追求していくため論理的に物事を考えるスキルがあると判断されるのです。
これは多くの方が納得できることでしょうが、論理的に物事を考えられる人物は仕事において非常に重要です。
熱くならず、客観的に物事を考えることができる人物は課題を見つける能力や課題を解決する能力に長けているとみなされますし、相手の気持ちになって考えることもできます。
ロジカルシンキングであるということが伝われば、企業からすると非常に魅力的な人材に映るので、ぜひでもアピールするようにしましょう。
情報収集能力がある
分析力があるということは情報収集能力があると企業の採用担当者に思われる可能性が高いです。
分析をする際には分析をするために、まず正しいデータを用意する必要があります。
その「分析をするためのデータ自体が」どこにあるのかを集めることができるという観点で、情報収集能力があると思われるのです。
必要なデータを自ら導き出す能力も必要ですが、必要なデータを引っ張ってくる能力も重要です。
一つひとつ計算していては、時間がいくらあっても足りません。
そこで情報を収集する能力があるということを端的にアピールする必要があります。
要領がいい
分析力を自己PRに活かすことで、企業に要領がいいという印象を与えることができます。
分析力があるということは、物事を進める手順を決められ、効率よく仕事ができることを示します。
企業は、効率的に仕事をこなせる手際のいい人材を求めています。
そのため、過去に分析力を活かした具体的な経験を交え、どのような順序で問題を解決したのかを示すと、採用担当者に対して自分の能力をわかりやすく伝えることができます。
【分析力を自己PRに】向いている仕事
分析力がある人材はどのような職場でも活躍できることでしょうが、その中でも分析力を大いに活かすことのできる仕事には下記の2つがあります。
分析力に自信のある人は就活の選択肢に入れてみても良いのではないでしょうか。
詳しく紹介していきます。
マーケティング職
分析力がある人はマーケティング職に非常に向いています。
マーケティング職は常に数字を見て分析し、そしてその分析をもとに改善して効果を検証するという、常にPDCAを回しているような仕事です。
つまり感覚ではなく、事実で数字を見て改善をかけていく必要があるため、分析力を持っている人物が求められますし、分析力がある人物は活躍できることでしょう。
近年ではマーケティング職の需要は常に増し続けているため、高待遇で募集をかけているところも多いです。
分析力に自信のある方は調べてみても良いのではないでしょうか。
コンサルタント職
コンサルタント職も分析力がある人材にはぴったりの就職先であると言えるでしょう。
コンサルタントはクライアントの課題解決を行うのが主な業務内容です。
本質的な課題の発見から解決まで導く仕事なので、分析力が活かされます。
コンサル職はマーケティング職よりもさらに需要が増しており、衰える気配が一向にないので、分析力に自信のある方を目指してみても良いでしょう。
コンサルティングファームは激務も多いですが、その分給料が非常に高いことが多いので、「若いうちは体力と分析力を活かしてしっかり稼ぎたい」と考えている方にはぴったりの職種であると言えるでしょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストは大量のデータを分析し、洞察を得て、意思決定をサポートする役割をこなします。
統計学などを駆使して予測モデルを構築し、ビジネス上の課題に対する効果的な解決策を提供するのが重要な役割の一つです。
そのため、分析力が必須の職業であると言えるでしょう
ビジネスアナリスト
ビジネスアナリストも、分析力を活用できる仕事の一つです。
企業のデータを分析して市場の動向や業績を理解し、経営陣に意見を提出するのが仕事です。
データを通してビジネスの課題や機会を把握し、意思決定に洞察を提供する必要があるため、分析力が必須の仕事の一つであると言えるでしょう。
【分析力を自己PRに】分析力の言い換え
分析力を自己PRで伝えるときは、さまざまな言い換え表現を学んでおくと良いでしょう。
分析力が強み、とだけ伝えるかたちになると、ありきたりな印象になり、埋もれやすくなってしまいます。
言い換え表現の例は次のとおりです。
・問題を要素に分解して考える能力
・洞察力
・観察力
「問題を要素に分解して考える能力」のように具体的に述べれば、的確に因数分解して物事を考えられるという意味が伝わるため、どのような分析力があるのかわかりやすくなります。
また、分析力は洞察力という言い方もでき、物事の本質を見通す力があると示すことができます。
分析力のある人は実際に洞察力が高いため、あえて分析力とは言わず、洞察力という表現を用いるのも良いでしょう。
ほかには観察力と言い換えるパターンもあり、的確に情報収集・客観視する際に観察力は必要なため、その能力が高いことの証明になります。
【分析力を自己PRに】分析力の言い換え
分析力は、要領がいいとも言い換えられます。
分析するということは、問題点に対して精度の高い情報分析能力を駆使して対策を講じることです。
これにより、効率よく物事に対処できるため、「要領がいい」という評価につながります。
分析力がある人は、データを客観的に評価し、的確な結論を導き出すことで、無駄を省きながら効率的に業務を遂行することができます。
したがって、分析力を持つことは、企業にとっても非常に価値のある能力と見なされます。
【分析力を自己PRに】自己PRの構成
自己PRは、わかりやすく述べるためにも構成を意識する必要があります。
具体的には、次の流れ・構成に沿って書くことが大切です。
1.結論
2.エピソードや経験
3.どのように活かせるか
このような流れを意識して自己PRを作成すれば、採用担当者は強みを理解しやすくなります。
では次項からは、それぞれの部分で大事なポイントを解説していきます。
はじめに結論
自己PRでは、まず結論である自分の強みやアピールポイントを述べます。
最初に結論をはっきり伝えたほうが、採用担当者もアピールの内容を理解しやすくなるからです。
強みを述べるときのポイントは、インパクトを残せるように、強みの部分をできる限りオリジナリティのある言葉・表現に言い換えることです。
「私の強みは分析力です」と伝えるのみでは、「よくあるパターン」という印象が強くなり、ほかの就活生との差別化が難しくなります。
一言足したり別の言葉を用いたりして、採用担当者に自分を印象付けることが大切です。
例としては、「数字を見て原因を見極められる分析力」「物事をふかんから見て全容をつかむ洞察力」などの表現が挙げられます。
エピソードや経験
自己PRで自分の強みを伝えるときは、最初に強みを結論として述べたうえで、その強みが発揮されたエピソード・経験に触れましょう。
強みを深掘りして具体的にどのような能力なのか伝えるフェーズなので、エピソード・経験を具体的に述べれば、説得力が出てきます。
エピソードは基本的にどのような内容でも問題ありませんが、強みを活かして課題や困難をクリアしたエピソードがあると効果的です。
採用担当者も本人の入社後の活躍イメージをしやすくなり、より説得力があるからこそ魅力を感じやすくなるのがポイントです。
なお、エピソードは具体的に書く必要があるため、原則として一つに絞って書くようにしましょう。
どのように生かせるか
自己PRで自分の強みを伝えるときは、最後に、今後社会人になってからどう活かせるのか伝える必要があります。
自己PRは企業に対して自分を売り込むアピールなので、強みの活かし方を伝えることで、「こんな貢献ができる」「こんな活躍ができる」といった内容で締めくくることが重要になります。
どのように強みを活かせるのかという部分は、できる限り志望する職種の業務内容に合わせて書くと効果的です。
「こういう強みを持った学生なら、実際に入社したあとは積極的に活躍してくれそうだ」と企業は好感を持ちやすいからです。
再現性のあるアピールにつなげるには、企業や業界、職種に対しての研究・深掘りもあらかじめ必要になります。
【分析力を自己PRに】分析力をアピールするポイント
ここからは分析力をアピールするにあたって、どのような点を重視すれば良いのかについて詳しく紹介していきます。
自己PRの質をより高め、企業の採用担当者の印象に残るような文章を作成するためにも、ぜひ下記の2点を参考にしてみてください。
エピソードを1つに絞る
分析力を自己PRで伝える際は、エピソードを一つに絞るように意識しましょう。
いくつものエピソードをアピール内で取り上げてしまうと、採用担当者は内容を把握しにくくなります。
決められた時間・文字数の中で複数のエピソードに触れるため、どうしても具体性に欠けてしまい、内容が薄くなるからです。
複数のエピソードを伝えたほうが効果的とおすすめするサイトもありますが、エピソードは絶対的に一つに絞るべきです。
どのような課題があってどう解決してきたのか、プロセスを伝える重要な部分の深掘りが不十分にならないように、エピソードは一つのみにしましょう。
何を分析したのかを明確に伝える
当然ながら何を分析したのかを明確に伝える必要があります。
自己PRを作成するにあたってはエピソードを話すことが多いですが、分析対象が何であったのかについても詳しく述べる必要があります。
そして、その後はなぜそれを分析したのかの背景まで書くと伝わりやすいでしょう。
特に自己PRのエピソードは話に抑揚をつけるためにもぜひ盛り込んでおきたいポイントなので、その内容を掘り下げることは非常に重要なのです。
数字で伝える
数字を用いることで、より分かりやすく企業の採用担当者にあなたの自己PRの内容を理解してもらえることでしょう。
分析して、行動したというだけでなく、分析をした結果、どういう数字がはじき出され、そしてどのようなことを行った結果、改善されたのかについて詳しく述べられていると非常にわかりやすいでしょう。
どのように改善したのかが明確に述べられていると、非常に分析したことが分かりやすいですし、実績として見えやすくなります。
数字というものは定量的ですし、一番わかりやすいものなので必ず盛り込むようにしましょう。
一文を短くする
分析力を自己PRでアピールする際は、一文を短くすることも必要です。
一文の長さは読みやすさに大きく影響するからです。
企業は採用活動を進める中で、日々多くのESを読むため、読みにくい文章はそれだけで-な印象になります。
読みにくいというだけで不合格になってしまう可能性もあるため、一文ごとの長さには注意が必要です。
一文が長くなると文章が横に伸びていく印象が強くなり、全体の流れや構成を把握しにくくなります。
できるだけ一文は50字~70字を目安にし、文章全体で縦に落ちる印象を与えることが大切です。
作成した自己PRが読みにくい…と感じたときは、一文の長さを見直してみてください。
【分析力を自己PRに】分析力をアピールする注意点
ここまで自己PRに分析力をアピールする際のポイントについて詳しく紹介してきましたが、当然ながら分析力をアピールする際にも注意点というものは存在します。
下記の2点について留意した上で作成することで、より企業の採用担当者にマイナスのイメージを与えるリスクを下げることができるので、ぜひ確認してみてください。
分析と施策の一貫性を意識する
就活の自己PRにおいて分析力を強みにする際は、基本的に取り上げるエピソードは問題解決系の内容になります。
生じた問題に対して分析力を発揮し原因を見極める…というところまでは良くても、その後の施策が論理的でないと、的確な分析ができていない印象になります。
的外れな施策で採用担当者に疑問を与えてしまうと、「本当に分析力に自身があるの?」と思われる原因になり、評価には大きく影響してきます。
そのため分析と施策の一貫性はしっかりと意識し、分析の結果、理にかなった施策を実践できているのかはよく確認しましょう。
分析結果以外も伝える
分析結果以外を伝えるというのも分析力をアピールする際の注意点として覚えておきたいポイントの1つです。
分析した結果しか話されていない場合、その後の変化がわからず、実績として評価されにくいのです。
よって、分析した後もどのような結果が出たのかや、どのように評価されたのかなどについて詳しく述べるようにしましょう。
前提条件を伝える
分析の前提条件を伝えるというのも分析力をアピールするにあたって非常に重要なポイントなので、忘れないようにしましょう。
分析して、こうなったという記述があったとしても、前提の数字がないと、それがどのように効果をもたらしたのかについてわからず、評価がしにくくなってしまいます。
必ず、前提としてまずはどのような状態であったのか、どのような数字であったのかなどを分かりやすく述べることが非常に大切なのです。
【分析力を自己PRに】自己PRに分析力を用いたNG例文
ここからは自己PRに分析力を用いたNGの例文から紹介していきます。
実際に悪い例文を確認していくことで、どのように客観的に見えるのかについて知ることができ、自分の自己PRを作成するにあたっても気をつけながら作成できるでしょう。
分析結果しかない例文
その強みは大学の授業で統計学を学んでいたことで育まれました。
その学びを活かしてアルバイト先でも活躍しました。
アルバイト先では、売上が他店舗より著しく低いことが問題となっており、それを解決するために店長をはじめとしたスタッフが尽力していました。
しかし、全く解決の糸口が掴めず、皆が頭を抱えていました。
そこで私は統計学で学んだ分析の大切さを思い出し、商品配置が問題であることを発見しました。
この分析力を活かし、貴社に就職してからも活躍したいと考えています。
NG点
こちらの例文の悪いところは、まず分析結果のみで何を行動したのかが非常に分かりにくいところです。
アルバイトで分析をしたとは書かれていますが、その結果、何をしたのかが全く書かれていません。
よって結果が伝えられていないため、就職した際も活躍してくれるのかがいまいち分かりにくいのです。
前提条件が伝えられていない例文
学生時代はゼミをはじめとした様々な場面で分析を行い、分析力を身に付けてきました。
そして最も力が発揮された場面は、ゼミでのプロジェクトです。
春に行われたプロジェクトでは、多くの学生が数字を伸ばす方法を思いつかず、どうすれば数値が改善するか悩んでいました。
そこで私は分析力を活かし、2点行動を変えることが大切であると気づきました。
これにより数値を伸ばすことができ、他のメンバーも大きく満足してくれました。
私はこのように、実践的な場面で身に付けてきた分析力を活かし、貴社の業務に置いても活躍したいと考えています。
必ず価値を提供する所存です。
NG点
こちらの例文は何の数字が元々問題であったのかがわからず、抽象的な内容になってしまっています。
行動を変えた後、どのくらい数字が伸びたのかについても全く言及されていないため、非常に分かりにくい内容となっており、これでは内定はもらえないでしょう。
【分析力を自己PRに】自己PRに分析力を用いたOK例文
では悪い例文について確認したところで、ここまで紹介してきた分析力をアピールするために重要なポイントを踏まえた上で作成された自己PRの例文について紹介していきます。
大きく分けて3つの良い例の例文を紹介しているので、是非とも参考にしてみてください。
分析力×マーケティングのインターン経験のOK例文
この能力は、マーケティングの長期インターンシップを通じて磨かれました。
インターンでは、主にメディアの運用とInstagramの広告作成を任されていました。
特にInstagramの広告では、初めに直面した課題は、どのようなコンテンツがユーザーの関心を惹き、なぜそれが効果的なのか、という点でした。
この問題に対し、単に直感に頼るのではなく、ABテストを徹底的に用いることで、具体的かつ定量的なデータ収集に着手しました。
様々な画像、コピーライティング、ターゲティングの変数を試しながら、どの組み合わせが最も高いエンゲージメントとコンバージョン率をもたらすかを分析しました。
経過を細かく追い、データに基づく洞察を行い、その結果、広告のクリックから登録への転換率を前年比1.2倍に引き上げることに成功しました。
社会人としても、この経験を活かし、まずは根本的な原因を突き止め、データドリブンでの改善策を施していくことをお約束します。
分析力×アルバイト経験のOK例文
この力は、飲食店でのアルバイト経験から磨かれました。
私が担当したのは売上が伸び悩む商品の位置を分析し、改善するプロジェクトでした。
当該商品は、レジから見通しの悪い場所に位置しており、私はこれが低い売上の一因ではないかと仮説を立てました。
実証のため、私はその商品をレジ近くに配置し、同時に元の場所にも置き続ける実験を行いました。
この変更の効果を計測するため、1ヶ月間の売り上げデータを精密に収集・分析しました。
その結果、レジ付近に配置した商品の売上が3%増加したことが明らかになりました。
さらに、他の商品についても同様の試みを行い、一貫してレジ付近に配置した商品の方が売り上げが良いという結果に結びつきました。
社会人としても、このような仮説を立て、実証的なデータをもとに分析・改善を行うアプローチで、クライアントのビジネス課題を解決していく所存です。
分析力×サークル経験のOK例文
具体的なエピソードとして、大学のサークルで新入生歓迎会の企画・実行を任された際の経験があります。
私たちのサークルは活動が充実しているにも関わらず、新入生の参加者数が他サークルと比較して見劣りしていました。
問題解決にあたり、まず新入生が多く参加する他サークル3つを調査しました。
この調査から、これらのサークルが共通してSNSを駆使していることが明らかになりました。
この分析結果を基に、私たちのサークルでも積極的なSNS活用を開始しました。
メンバーの日常やイベントの様子を定期的にアップすることで、サークルの魅力を外部に発信しました。
その結果認知度が飛躍的に向上し、前年比1.3倍の新入生がサークルに入会するという目覚ましい成果を得ることができました。
貴社への入社を果たした暁には、成功している事例に対しても常に分析を行い、改善の余地を探る姿勢を持ち続けることで、自己の成長と組織への貢献を両立していきたいと思っています。
分析力×部活動経験のOK例文
この力を身につけた具体的なエピソードとして、高校時代の体験をお話しします。
進学した高校はスポーツの強豪校で、多くの才能ある選手に囲まれていました。
当初、私は試合にほとんど出場できず、チームの勝利に貢献する機会もありませんでした。
この状況を変えるため、まずレギュラー獲得を目指し、自己分析とチーム分析に着手しました。
分析の結果、私の強みはディフェンス能力にあること、チームが守備に課題を抱えていることも判明しました。
そこで私はディフェンスに特化し、そのスキルをさらに磨くことに集中しました。
日々の練習でディフェンス力を高めることで、徐々にその努力は認められ、レギュラーの座を勝ち取ることができました。
そして、実際の試合においても、そのディフェンス力でチームを何度も救い、勝利に大きく貢献することができました。
この経験から得た分析力は、単にスポーツの場だけに留まらず、様々な状況での問題解決にも応用できると確信しています。
貴社においても、チームの現状を正確に把握し、そして、そのギャップを埋めるために自らができることを見極め、積極的に取り組むことで、チームの成果向上に貢献したいと思っています。
分析力×長期インターンのOK例文
この能力は携帯販売の長期インターンシップ中に特に発揮されました。
研修を終え、いざ販売業務に携わってみると、初期段階では成約率が他のスタッフに比べて低い状況でした。
そこで先輩の了解を得てセールストークを録音し、後でそれを分析することにしました。
8件のセールストークを録音し、それらを自分のものと比較分析したところ、私が顧客に自社の商品を買うメリットを説明する際のタイミングが早すぎることに気づきました。
そこで戦略を変更し、まずは顧客との雑談を通じて親近感を築き、その後で商品のメリットを説明するように心掛けました。
この小さな変更が大きな成果をもたらし、わずか1ヶ月で成約件数が1.5倍に増加しました。
この経験から得た分析力は、単に販売の分野に留まらず、さまざまなビジネスシーンで活用できると考えています。
私は、インターンシップで培った分析力と問題解決能力を活かし、貴社のコンサルタントとして活躍し、パートナー企業の課題を解決し、さらなる成長を支援する提案をしていきたいと考えています。
この能力を活かし、貴社の価値創造に貢献できることを強く信じています。
分析力×塾講師のOK例文
この能力を身につけた具体的な経験として、個別指導塾でのアルバイトが挙げられます。担当していた生徒は英語が苦手で、特に長文読解に大きな課題を抱えていました。
生徒は英語の勉強に多くの時間を割いていましたが、成績は期待したほど伸びていませんでした。
この問題に対処するため、まず生徒の答案を詳細に分析しました。
その結果、彼が知識問題ではなく、長文読解の設問で多くの点数を落としていることが明らかになりました。
そこで問題の根本は読解力にあると判断し、英語の学習だけに留まらず、国語の読解力を高めることが重要だと考えました。
英語の学習と並行して、難易度の高い国語の読解問題にも取り組むよう指導しました。
これにより、彼の英語と国語の成績が飛躍的に伸びました。
この経験から得た分析力と問題解決能力は、エンジニアとしての仕事においても大いに役立つと確信しています。
エンジニアリングの課題に直面した際には、問題の本質を深く掘り下げて理解し、従来の枠にとらわれない多角的な視点から解決策を提案できるよう努めます。
分析力×学業のOK例文
私は大学3年生からAIロボットの研究に取り組んでいました。
研究初期段階で、ロボットが不備により動作がうまくいかない問題に直面しました。
そこで、私はデータを用いて徹底的な分析を行うことにしました。
まず、ロボットの部品や構造、仕組みを一から見直し、詳細に分析し、多くのデータを収集し、何が問題の原因となっているのかを客観的に評価しました。
分析の結果、特定の部品に問題があることが判明しました。
この問題を解決するために、どのようにすればロボットが正常に動作するかを予測し、具体的な対策を考えました。
例えば、部品の材質や配置を変更することで、ロボットの動作が改善する可能性が高いことを見出しました。
これらの予測と対策を実際に試行し、問題解決に向けて何度も試行錯誤を繰り返しました。
その結果、AIロボットを無事に完成させることができました。
この経験を通じて、私はデータ分析の重要性と、その分析結果を基にした対策立案の有効性を実感しました。
IT開発では、しばしば予期せぬ問題が発生し、それを迅速かつ正確に解決することが求められると理解をしています。
私は、データに基づいた分析を行い、問題の根本原因を特定し、最適な解決策を見つけることで貴社の事業に貢献したいと考えています。
【分析力を自己PRに】自己PRを見ているあなたにおすすめする記事
分析力をアピールして就活を成功させるなら、準備にあたってさまざまな記事を参考にしておきましょう。
たとえば、分析力をアピールしたいIT企業志望の人には、以下の記事がおすすめです。
IT業界の詳しい業務内容を解説するとともに、業界を志望するうえでやっておきたい準備のポイントなどを解説しています。
また、Web業界を志望するうえで志望動機作成に迷っている人は、以下の記事が参考になるはずです。
記事内では選考を突破できる考え方から具体的な書き方まで網羅しているため、魅力的な志望動機を書きたい学生は必見です。
ほかには、理系で研究をガクチカにしたい人は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。
ガクチカの内容として研究はアピールしやすいため、アピールのコツや注意点などを積極的に学んでおきましょう。
まとめ
今回は自己PRにおいて分析力をアピールする際のポイントや注意点、良い例文、悪い例文について紹介してきました。
分析力は多くの就活生がアピールするポイントではありますが、より深掘りし、具体的に述べることができれば、企業から非常に魅力的に映るポイントでもあります。
特に理系の方は数字を用いて定量的に自己PRが書け、有利でもあるので、是非この利点を活かして第一志望への就職を叶えてください。