
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
メーカー業界を目指している人のために、メーカー業界の概要と業務内容、向いている人の特徴や求められる能力、もし向いていない場合はどのように就活本番までに対策をすれば良いのかなどについて紹介していきます。
メーカー業界の基本的な役割からその経済的及び社会的影響について解説するとともに、業界全体の構造や製品の範囲などについても説明します。
メーカー業界に向いている人が求めている情報を網羅的に紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
メーカー業界とは
メーカー業界について簡単に概要を把握しておきましょう。
メーカー業界は製品を製造する企業が活動する分野であり、その製品は様々な用途や産業に関連しています。
自動車や電子機器、工業製品、医薬品など多岐にわたる製品がこの業界で製造されます。
製造プロセスは、製品の設計、材料調達、製造品質管理、流通、販売など多くの段階を経ているのも特徴です。
メーカー業界は経済において重要な役割を果たし、製品の核心や競争力が市場での成功を左右します。
メーカーの種類
メーカーと一口に言っても、その役割は多岐にわたります。
製品が完成するまでには、素材を作る企業、部品を製造する企業、そして最終的な加工・組み立てを担う企業が連携しています。
ここでは、メーカーの種類を「素材メーカー」「部品メーカー」「加工メーカー」の3つに分け、それぞれの役割や特徴について解説します。
素材メーカーは、製品のもととなる原料を加工し、部品メーカーや加工メーカーへ供給する企業です。
扱う素材は多岐にわたり、鉄鋼、紙、ガラス、プラスチック、化学繊維などが含まれます。
例えば、鉄鋼メーカーは自動車や建築資材の原料となる鋼材を生産し、化学メーカーはプラスチックやゴム製品の原料となる素材を開発します。
素材メーカーの特徴は、技術力の高さと長期的な研究開発が求められる点です。
特に、軽量化や強度向上、環境負荷の低減といった分野での技術革新が求められており、持続可能な製造プロセスの確立が重要視されています。
素材メーカーに興味がある人はこちらの記事も参考にしてみてください。
部品メーカーは、完成品を作るために必要な部品を製造する企業です。
例えば、自動車のエンジンや電子機器の半導体、スマートフォンのカメラモジュールなど、特定の機能を持つ部品を供給します。
部品メーカーの多くはBtoB(企業間取引)を主体としており、最終製品を製造する加工メーカーに向けて販売を行います。
特定の分野に特化した高度な技術力が求められ、品質や精度の向上が競争力の鍵となります。
特に、自動車業界や電子機器業界では、技術革新のスピードが速く、日々進化するニーズに対応するための開発力が必要不可欠です。
加工メーカーは、素材メーカーや部品メーカーから供給された素材や部品をもとに、最終製品を組み立てる役割を担います。
例えば、自動車メーカーはエンジンや車体パーツを組み立て、家電メーカーは液晶パネルや半導体を組み込んで製品を完成させます。
また、一部のメーカーは素材の製造から加工・組み立てまで一貫して行う「垂直統合型」の生産体制を採用しており、品質やコストを自社で管理することで競争力を高めています。
加工メーカーの強みは、製造プロセスの最適化や大量生産技術にあり、特に品質管理や生産効率の向上が企業の競争力を左右します。
【メーカー業界】主な業種
ここからはメーカー業界の主な仕事内容について確認しましょう。
メーカー業界の中にも大きく分けて6つの業種があり、それぞれ役割や仕事内容は異なるため、どの職種を目指すかについて考えるためにも理解しておきましょう。
メーカーで人気な業種6選
メーカー業界には、多様な業種が存在し、それぞれ異なる分野で市場を支えています。
中でも特に人気が高いのが、食品、家電、自動車、電機、化粧品、医薬品の6つの業種です。
それぞれの業種について、仕事内容や特徴を詳しく解説していきます。
食品メーカーは、原材料を加工して食品を製造し、小売店や飲食店に供給する企業です。
主な商品には、飲料、菓子、冷凍食品、調味料などがあり、多岐にわたります。
安全性や品質の管理が重要視される業界であり、厳格な衛生基準や製造プロセスの管理が求められます。
また、消費者の嗜好や食のトレンドを取り入れた新商品の開発も頻繁に行われています。
近年では、健康志向の高まりや環境問題への対応として、植物由来の食品やオーガニック製品の開発が進んでいます。
代表的な企業には、アサヒグループホールディングスやキリンホールディングスなどがあります。
家電メーカーは、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、日常生活に欠かせない製品を製造・販売する企業です。
この業界では、技術革新が常に求められ、省エネルギーやスマート家電の開発が進められています。
また、IoT(モノのインターネット)技術を活用した製品が増え、スマートフォンと連携できる家電も人気を集めています。
特に、日本の家電メーカーは高品質な製品を提供することで世界的に評価されています。
さらに、海外市場への進出も積極的に行われており、グローバルな視点で事業展開している企業が多いのも特徴です。
代表的な企業には、ソニーグループや日立製作所などがあります。
自動車メーカーは、自動車の開発、製造、販売を一貫して行う企業です。
エンジンやシャシー、電気系統など、細かな部品の設計から組み立てまで、多くの工程が関わる業界です。
近年では、電気自動車(EV)や自動運転技術の開発が加速し、環境への配慮や安全性向上が求められています。 また、自動車産業はサプライチェーンが広範囲に及ぶため、関連する部品メーカーや素材メーカーとの協力も重要です。
国内市場だけでなく、海外展開も活発に行われており、日本の自動車メーカーは世界的に高い競争力を誇ります。
代表的な企業には、トヨタ自動車やホンダなどがあります。
電機メーカーは、家電製品や産業機器、医療機器など、幅広い分野の製品を製造する企業です。
この業界は、技術革新のスピードが速く、常に新しい技術や製品の開発が求められます。
特に、半導体や通信機器の分野では、日本企業が世界的に重要な役割を果たしています。
また、再生可能エネルギーやスマートグリッドなど、持続可能なエネルギー供給を実現する技術の開発にも力を入れています。
さらに、電機メーカーの中には、航空宇宙や防衛産業にも関与している企業があり、多様な事業展開を行っています。
代表的な企業には、三菱電機や富士通などがあります。
化粧品メーカーは、スキンケア製品、メイクアップ製品、ヘアケア製品などの開発・製造・販売を行う企業です。
市場のトレンド変化が激しく、新商品の開発スピードが重要視される業界です。
特に、日本の化粧品メーカーは高品質で肌に優しい製品を提供することで、世界的にも高く評価されています。
また、近年では、環境に配慮したサステナブルな製品や、個々の肌質に合わせたパーソナライズ化粧品の開発が進んでいます。
海外市場への進出も積極的に行われており、アジア市場を中心に日本ブランドの人気が高まっています。
代表的な企業には、資生堂や花王などがあります。
医薬品メーカーは、医薬品の研究開発、製造、販売を行う企業です。
この業界は、人々の健康を支える重要な役割を担っており、新薬の開発には莫大な研究費と長い時間がかかります。
また、ジェネリック医薬品の開発や、バイオ医薬品の研究も進んでおり、多様なニーズに対応する動きが活発化しています。
近年では、感染症対策や免疫治療の分野が注目されており、医薬品メーカーの研究開発はますます重要になっています。
さらに、海外市場への展開も進んでおり、グローバル規模での競争が激しくなっています。
代表的な企業には、武田薬品工業やエーザイなどがあります。
主な職種
ここからはメーカー業界の主な職種について確認しましょう。
開発や設計に携わる技術職、生産を管理する製造関連の職種、そして市場に商品を届ける営業やマーケティングなど、それぞれの役割が連携しながら価値を生み出しています。
ここでは、メーカーで特に重要とされる主な職種について詳しく紹介します。
製造職はメーカー業界において非常に重要な役割を担っており、製品が設計図通りに正確に作られることを保証する責任を持っています。
日々の業務を通じて製造を行い、品質管理なども担当します。
製品の設計から必要な材料の準備、材料の加工などを行うため、製品の種類に応じた多岐にわたる技術が求められるのも特徴の1つです。
また、時間管理や効率的な作業進行も重要視されているため、作業計画を立て、それに従って作業を進めることが求められます。
また、品質管理は製造プロセスの中でも最も重要な部分の1つであり、製品が規格を満たしているかなどについても確認しなければなりません。
機械による寸法の測定や性能テスト、資格検査などを通じて不良品が市場に流通することを防ぎ、顧客満足度を高めることが重要です。
メーカー業界における営業職は製品を市場に展開し、顧客との関係を構築、さらに契約締結に至るまでの一連のプロセスを担当する重要な職種です。
主な役割や製品の市場における位置付けを理解し、それをもとに戦略を策定し、そして顧客のニーズに合った提案を行うことです。
より自社商品の強みを明確にアピールするためにも、市場の動向や競合他社の状況、顧客のニーズやトレンドを詳細に分析し、その情報をもとにターゲット市場の特定製品の価値を最大化する戦略を立てます。
また、顧客との関係を構築するのも営業職に重要な役割の1つといえます。
顧客の信頼を獲得し、長期的な関係を築くためには、コミュニケーションスキルだけでなく、顧客のビジネスを深く理解し、そのニーズに合わせた解決策を提供する必要があります。
様々な方法を活用して顧客からの信頼を得て、継続的な関係を築くことが求められるのです。
メーカー業界における研究開発職は、新技術の開発や既存製品の改良に重点を置いています。
問題の特定から市場分析を通じたニーズの分析、そしてそれを開発するためのプロジェクトの計画まで担当をしなければなりません。
続いて、新技術や製品改善のための様々なアイデアを生み出した後に最も効果が高いとされるアイデアについて詳細な評価を行い、コストや実現可能性、市場に対する影響力などの要因を考慮しながら進めていきます。
また、開発プロセスの最終段階においては、プロトタイプの作成とテストも行い製品の性能を検証するのも研究開発職の役割の1つです。
成功した場合は技術や製品は生産部門へ移行されます。
研究職は技術的な洞察と創造性を駆使して重要な製品を開発し、企業の成長と技術革新を推進するための役割を担っています。
【メーカー業界】求められる6つのスキル
メーカー業界でも求められる人材の特徴についても把握しておきましょう。
当てはまると思う部分はより伸ばせるように取り組み、もし当てはまっていないところがあれば就活本番遅くとも就職するまでには改善できるように取り組んでみてください。
技術理解と実務スキル
メーカー業界には技術に対する深い知識とそれを実践するスキルが求められます。
技術的な進歩が非常に早く効率的な生産と革新的な製品開発が求められるこの業界においては、知識とスキルの両方が業務に求められるのです。
材料や機械、ソフトウェアなどの製造技術についての幅広い知識が必要とされるため、日々学習を続けなければなりません。
またその技術をただ知っているというだけではなく実際に活用する能力もメーカー業界においては求められています。
実際の作業環境で適切な判断を下し、問題を解決することが重要です。
知識があるだけだと、機械の故障などの問題が発生した場合、原因を迅速に分析し、修理や調整を行うことができません。
知識とスキル、いずれも持ち合わせている人物こそメーカー業界で活躍できると言えるでしょう。
問題解決能力
どのような業界にも求められている能力の1つですが、問題解決能力がある人物はメーカー業界において特に求められていると言えます。
メーカー業界で働くにあたっては日々の生産活動やプロジェクトの管理中に予期せの問題が発生することも少なくありません。
製造が遅れてしまう、品質の問題、技術的な問題など様々な課題と付き合っていかなければなりませんが、それぞれを解決する能力があれば企業に貢献できます。
また問題解決能力がある人物は問題を見つけることにも優れているため、未然に防げるのも求められている理由の1つです。
問題が表面化する前に気づける人物は作業の遅延などを未然に防ぐことができるため、業務を進めるにあたって非常に重宝されます。
また問題解決能力の高い人は問題を解決するだけでなく、長期的な改善策を提案することもできるため、発生した問題に対して今後の対策などを考えられるのも特徴の1つです。
協調性とチームワーク
メーカー業界の業務は基本的に1人で行うものは多くないため、協調性のある人物が求められています。
製品の規格から製造販売に至るまでのプロセスに多くの部署が関与し、それぞれの段階において異なる専門性を持つチームメンバーと協力をしなければなりません。
協調性がある人はプロジェクトを円滑に進め、効率的に目標を達成するための鍵となります。
他の人々と良好な関係を築き、共通の目標に向かって協力する能力がある人はメーカー業界においては非常に重宝されます。
様々な異なる分野の専門家が揃うため、時には意見が対立することもあります。
しかし、そのような際もお互いの意見を踏まえた上で折衷案を導き出し、全員が納得できる形でプロジェクトを進めていける人物は、1人のメンバーとして役に立てるだけでなく、最終的にはリーダーになる素質を兼ね備えています。
冷静な判断力
メーカー業界の業務は納期が厳しい場合が多いため、高いプレッシャーの下で業務を行う際にも冷静に判断できる人物が求められています。
切羽詰まった状態でパニックになってしまい冷静な判断を下せない人物はメーカー業界において貢献することができません。
一方で、どのような時でもパニックに陥ることがなく迅速かつ適切な対応を取ることができ、チームを安定させプロジェクトが軌道から外れた場合も修正できる人物はどのような企業からも重宝されます。
情報を的確に分析し、事態の全体像を把握し、そして何が問題でどのように対応すれば良いかの判断ができる人物はプロジェクトに安心をもたらせます。
感情に流されず、客観的な視点を踏まえた上で根本的な解決策を導き出した経験がある人はぜひ自己PRや志望動機などにおいて積極的にアピールしましょう。
革新への意欲
メーカー業界は、技術の進歩が非常に早い業界の1つです。
すでに新しい製造方法や材料、自動化の技術などが登場しています。
このような環境下で競争力を維持し、業界をリードするためには、革新への意欲がある人物が不可欠です。
新しい技術やプロセスを積極的に学び、自身の業務に取り入れることで、業界全体の革新に貢献する意思がある人物を企業は求めています。
業界の最新のトレンドや技術の進化に敏感であり、情報を積極的に取り入れて、知識をアップデートし学び続ける姿勢が重要です。
また、革新への意欲が高い人物は、単に新しい技術を導入するだけでなく、既存のプロセスを改善するために自発的に提案を行います。
エネルギー効率の改善、廃棄物の削減など、作業スピードとコスト削減の両方において重要な提案をできる人物は、メーカー業界から強く求められています。
よって、自分が常に新しいことを学ぶ意欲があり、知識や技術を常にアップデートすることに抵抗がない場合は積極的にアピールしましょう。
【メーカー業界】向いている人の5つの特徴
続いて、メーカー業界に向いている人の特徴についても解説します。
ここまで紹介した業界で求められる人材の特徴と併せて確認し、自分がどの程度当てはまっているか確認してみてください。
注意力が高い人
メーカー業界で働くにあたっては、注意力が不可欠です。
製品を製造するにあたっては細部にわたる注意深さと精度が重要と言えます。
注意力が高い人は、製造プロセスの各段階で精密な作業を行うことができ、製品の品質を守りながら向上させられます。
製品設計の初期段階から最終的な品質検査に至るまで、あらゆるプロセスにおいて注意力は非常に重要です。
細かな設計図の作成、指定された寸法や材料を厳守することはもちろんのこと、製造中の機械の設定や操作も正確でなければならず、わずかな誤差も製品の品質に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このように注意力はプロセス全体にわたって高い精度と品質を保ちながら作業を進めるために非常に重要な要素の1つであるため、自分がこれまで高い集中力を発揮して何かを成し遂げた経験があるならばぜひ自己PRもしくはガクチカでアピールしたいところです。
粘り強い人
メーカーでは、想定外のトラブルが発生することが珍しくありません。
機械の故障、設計ミス、材料の不具合など、さまざまな問題が突発的に発生します。
こうした事態に直面した際、すぐに諦めるのではなく、原因を突き止め、解決策を模索し続ける粘り強さが求められます。
特に、開発や製造の現場では、一度の試行で問題が解決することは稀です。
試行錯誤を重ねながら、最適な解決策を見出す姿勢が不可欠です。
また、長時間の作業や細かい調整が必要になることも多いため、根気強く取り組むことができる人は、現場で重宝されます。
責任感がある人
メーカーの仕事では、個々のミスが大きな影響を及ぼすことがあります。
特に、製造ラインは複数の工程が連携して成り立っており、一人のミスが全体の生産に遅れを生じさせることもあります。
そのため、自分の役割に責任を持ち、確実に業務を遂行できることが重要になります。
また、製造業では品質管理が厳しく求められます。
少しのミスが製品の品質低下につながり、場合によっては企業の信用問題に発展する可能性もあります。
そのため、一つひとつの作業に細心の注意を払い、ミスを防ぐ意識を持つことが不可欠です。
コミュニケーション能力が高い人
メーカーでは、多くの人が関わるプロジェクトが多いため、円滑なコミュニケーションが不可欠です。
開発、設計、製造、品質管理など、異なる部署が協力しながら製品を作り上げていきます。
そのため、各部門の担当者と適切に情報を共有し、スムーズに業務を進めるためのコミュニケーション能力が求められます。
また、現場では問題が発生した際に、迅速に対応する必要があります。
このような場面で的確に状況を伝え、協力を仰ぐことができる人は、トラブル対応のスピードを向上させることができます。
新しい知識を積極的に吸収する人
メーカー業界は常に、技術の革新が進行しており、このダイナミックな環境に対応するにあたっては、学習やスキルアップを継続的に行うことは不可欠と言えます。
新しい知識を積極的に吸収し、技術を常に更新して業務に応用する能力が重要なのです。
これにより、本人だけでなく企業全体の競争力がアップし、業界の先端を突き進むことができます。
専門知識をより深めることはもちろん、新しい技術の習得に積極的な人物は、メーカー業界に向いています。
最新の自動化技術やAIなどといった分野は製造プロセスをスムーズかつ正確にする可能性を秘めています。
特に、機械に任せられる部分と人間が担当する部分を明確に区別することで人件費の削減につながる可能性もあるため、企業は学習意欲そして成長への意欲が高い人物を採用しようと考えています。
【メーカー業界】向いていない人3つの特徴
続いて、メーカー業界に向いていない人の特徴についても確認しましょう。
以下の3つに当てはまるからと言って、絶対にメーカー業界を受けてはならないというわけではありません。
しかし、後ほど紹介する向いていない人が挽回するための対策に取り組まなければ就活で遅れを取ってしまう可能性があるため、どのような特徴があるか確認してみてください。
細部に対する注意力の欠如
メーカー業界で働くにあたっては、注意力が必要であるということは先ほど非常に詳しく紹介しました。
つまり、細部にわたる注意力が散漫で細かい作業に対する集中力が不足している場合、苦労する可能性が高いでしょう。
注意力が散漫な人は細かいミスや不具合を見逃しやすい傾向にあります。
製造プロセスにおいては、部品の組み立てや機械設定の調整など非常に厳密な作業が求められます。
このような作業において、たとえ小さなミスでも製品の全体的な品質に大きな影響を及ぼすことがあります。
最悪の場合安全性の問題につながることも忘れてはいけません。
また不良品が市場に流出してしまった場合、企業の信頼問題に関わることもあります。
よって、注意力が低い人は早い段階で改善できるよう対策をしておかなければなりません。
技術の変化に適応できない
メーカー業界においては、技術の進化に対応できる人物が求められていると先ほど説明しました。
つまり、裏を返すならば、技術の変化に適応できない人物は長く働くことは難しいでしょう。
業界の技術が進化するにつれて新しい機械の操作方法を学んだり、最新のソフトウェアツールを利用したりする必要が出てきます。
例えば自動化技術やAIが製造プロセスに取り入れられた場合、これらを理解し、日々の作業に組み込まなければなりません。
技術の変化に適用できない人物は、新しい機器の操作ができない、更新されたプロセスを理解できないなど、スムーズに業務に取り組めないことが多いです。
技術の変化に適応できないからといってすぐに会社を追われるわけではありませんが、少なくとも昇進の可能性は低いと言って良いでしょう。
プレッシャーに弱い
プレッシャーに弱い人物は、メーカー業界で働くにあたってストレスを感じる可能性が高いです。
メーカー業界は、締め切りが厳しく高い生産目標と品質基準が求められる、ストレスが少なくない環境です。
このため、プレッシャーがかかるとパフォーマンスが落ちる人物は企業に貢献できないかもしれません。
納期が迫ったプロジェクトや生産中のトラブル、例えば機械が故障するなどといった状況に直面した際に適切に対処できない人物は、生産効率の悪化や製品の品質低下を招いてしまう可能性があります。
またプレッシャーに弱い人物はストレスにも弱いことが多く、納期が迫っている状況下での長時間労働などに耐えられないこともあります。
プレッシャーがかかった際にメンタルに影響が出て作業に集中できない人物は必要な判断ができない、間違った決定をしてしまうなどのミスを犯してしまいがちであるため、もし思い当たる節がある人は就活本番までにプレッシャーがかかった際にも自分のメンタルをコントロールする術を身につけておきましょう。
【メーカー業界】向いていなくても対策しよう
メーカー業界に興味はあるものの、自分に向いているか不安に感じる人も多いかもしれません。
インターンシップの参加や就活エージェントの利用など、適性を見極める方法を活用し、自分に合ったキャリアを考えていきましょう。
インターンシップの参加
まずは、実際にメーカー業界の仕事を体験することが重要です。
インターンシップに参加することで、業界の働き方や雰囲気を知ることができます。
また、メーカー業界だけでなく、他の業界のインターンにも参加することで、自分に合う職場環境や仕事内容を比較しやすくなります。
例えば、製造現場の見学を通じて、どのような工程で製品が作られているのかを学ぶことができます。
また、開発や設計職のインターンでは、実際の設計業務の一部を体験し、仕事のやりがいや難しさを理解する機会となります。
実際にインターンに参加することで、業界の働き方や雰囲気を知ることができる
就活エージェントを利用しよう
メーカー業界が自分に向いているのか、それとも別の業界のほうが合っているのか迷っている場合、就活エージェントを活用するのも一つの方法です。
就活エージェントは、適性診断やキャリア相談を通じて、自分の強みや興味に合った業界や職種を提案してくれます。
例えば、エージェントとの面談を通じて、自分の性格やスキルを客観的に分析することができます。
また、エージェントは企業の内情にも詳しく、メーカー業界の中でも比較的自由な社風の企業や、文系職種が充実している企業など、自分に合った企業を紹介してくれることもあります。
【メーカー業界】やりがいと業界の魅力
続いて、メーカー業界で働くにあたってのやりがいと魅力についても確認しましょう。
以下の2つに対して魅力を感じる人はぜひメーカー業界を就活の選択肢に含めてみてください。
成果を実際に目にすることができる
メーカー業界で働く魅力の1つに、製品が構想から市場に出るまでの全てのプロセスに貢献できることが挙げられます。
製品が形になっていく過程を直接目の当たりにでき、それに関与することで得られる大きな達成感はメーカー業界でしか得られないものです。
アイディアを出し合う段階、試作品を作る段階、テストを行う段階、そして製品が最終的な形に仕上がる段階、いずれもその時その時は大変に感じられるものですが、いざ製品が完成し市場に出た際は、それらは大きな達成感となって帰ってきます。
確かに、メーカー業界の業務は楽なものは少ないですし、納期が厳しくプレッシャーにさらされることもあります。
しかし製品が作られて市場に出るまでの全工程を目の当たりにし、消費者に届けられることは、大きなやりがいです。
収入が安定している
メーカーは、給与や福利厚生が充実している企業が多く、安定した収入を得やすい業界の一つです。
特に、大手メーカーは基本給が高めに設定されているだけでなく、ボーナスや昇給制度も整っていることが多いです。
また、メーカーの業務は長期的な需要が見込まれる分野が多く、不況の影響を受けにくいという特徴があります。
そのため、安定した環境で長く働きたい人にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
さらに、住宅手当や家族手当、退職金制度などの福利厚生が充実している企業も多く、将来を見据えたキャリアを築きやすい点もメリットです。
ここからはメーカー業界の主な職種と仕事内容について確認しましょう。
メーカー業界の中にも大きく分けて3つの職種があり、それぞれ役割や仕事内容は異なるため、どの職種を目指すかについて考えるためにも理解しておきましょう。
平均年収が高い
メーカー業界は、他の業界と比較して平均年収が高い傾向があります。
具体的には、メーカー全体の平均年収は約470万円とされており、特に大手企業では600万円以上の水準になることも珍しくありません。
この理由として、メーカーは高度な技術力を持つ専門職が多く、研究開発や生産管理などの分野で高いスキルが求められるため、給与水準が高く設定されていることが挙げられます。
また、安定した業績を維持しやすい企業が多いため、長期的に働きながら給与が上がりやすい点も魅力の一つです。
ノルマが少ない
メーカーの営業職は、一般的にノルマが少ない傾向があります。
その理由は、メーカーはBtoB(企業間取引)が中心であり、新規開拓よりも既存顧客との取引を継続する「ルート営業」が主流だからです。
そのため、毎月厳しい売上目標に追われるケースは少なく、顧客との関係構築を重視した営業活動が求められます。
また、取引先も企業であるため、営業の業務は基本的に平日の日中に集中し、土日が休みとなることが多いのもメーカー営業職の特徴です。
【メーカー業界】大変なところ
メーカー業界は安定性が高く、多くの企業が長く働ける環境を整えています。
しかし、その一方で、大変な部分も存在します。
ここでは、メーカー業界の大変なポイントについて詳しく解説します。
昇格しにくい
メーカー業界の中でも、特に製造現場では昇格が難しいとされています。
その理由の一つに、ライン作業の業務特性があります。
製造ラインは、マニュアル化されていることが多く、未経験者でも短期間の研修で仕事を覚えられるケースが少なくありません。
そのため、長年働いてもスキルの差がつきにくく、昇格の機会が限られることがあります。
また、メーカーは年功序列の企業が多く、管理職への昇格には一定の年数が必要とされることが多いです。
実力や成果を出しても、すぐに昇進するとは限らず、長期間同じ職位のまま働くケースもあります。
勤務時間が不安定
メーカー業界の工場は、24時間体制で稼働していることが多く、勤務時間が不規則になりやすいという特徴があります。
特に、生産ラインを維持するために夜勤や早朝勤務が必要となるケースもあり、交代制勤務が一般的です。
このため、勤務時間が変則的になり、生活リズムが乱れやすいという課題があります。
夜勤が続くと、睡眠の質が低下し、体調を崩す人も少なくありません。
また、昼夜逆転の生活になることで、友人や家族との時間を確保しづらくなることもあります。
特に、体力的な負担が大きいため、長期間働くうちに退職を考える人も多いのが実情です。
【メーカー業界】最新の動向と将来性
メーカー業界の動向と将来性についても理解を深めておきましょう。
いずれも就活の面接において聞かれる可能性があり、スムーズに答えられると良い印象を与えられます。
大きく分けて2つのトピックがありますが、いずれも把握しておきましょう。
作業の自動化の進展
メーカー業界においては、デジタル化とオートメーションの進展が製造の効率化と品質向上に大きく関わっています。
オートメーション、つまり自動化は、人の手を借りずに機械が作業を行う仕組みです。
複雑な組み立て作業などを機械に行わせられれば、ミスが減り、さらに人件費も大幅に削減できます。
また、製造データの収集と分析のためにデジタル化も必要不可欠です。
データ分析技術の進歩により製造プロセス全体のモニタリングができ、リアルタイムでの品質管理ができるようになります。
例えばIoT技術を活用すれば、製造設備からのデータを集め、異常が発生した場合は即時に警告を出すことも可能です。
これにより問題の早期発見と迅速な対応が可能となり、人間が業務を行う部分の安全性を高めることもできます。
SDGsへの取り組み
世界全体としてSDGs、つまり持続可能性への取り組みの意識が高まっている中で、メーカー業界も環境保護と資源の持続可能な利用に関する意識を高めています。
従来のエネルギー集約型の製造プロセスを見直し、再生可能エネルギーの利用を増やすことや省エネルギー技術を導入することでCO2排出量を削減し、エネルギー消費を抑えることが注目されています。
また、廃棄物を削減し、製品のライフサイクル全体で材料を再利用するなどの戦略も実施されていることが多いです。
例えば、製品設計段階からリサイクル可能な材料を使用することや製品が寿命を迎えた後に簡単に分解し、リサイクルできるような設計を行うことも推進されています。
まとめ
今回はメーカー業界に向いている人の特徴について説明しつつ、メーカー業界全体の仕事内容や、向いていない人の特徴、向いていない場合はどのように挽回すれば良いかなどについても解説しました。
メーカー業界は納期が短く、プレッシャーを感じながら業務を行わなければならないことも多いですが、製品が市場に出るまでの全てのプロセスを担当するため、完成した際のやりがいはひとしおです。
また、イノベーションを通じてより良い社会の実現のために貢献できるのも魅力の1つと言えます。
本記事を読んで、メーカー業界により興味が出た方はぜひ、対策をしっかりと行い、質の高い志望動機や自己PRを作成し、第一志望への内定を目指してください。
また実際にメーカーに応募したいと思った人は、下記の記事を参考にして志望動機を書いてみてください。