HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【AI面接対策】はじめに
近年、株式会社吉野家や株式会社農林中央金庫といった大手企業がインターン選考や本選考においてAI面接を導入するケースが増えています。
AI面接は従来の対面面接と異なり、就活生の表情や音声を分析して評価を行うため、事前の対策が重要です。
効率的に選考を突破するためには、AI面接の特徴や対策方法を理解することが不可欠です。
そこでこの記事では、AI面接の特徴とその対策方法について詳しく解説します。
【AI面接対策】2つの型
AI面接には大きく二つの種類があり、それぞれ対策方法も異なります。
AI面接を効果的に乗り越えるためには、各形式の特徴を理解し、適切な準備を行うことが重要です。
録画型
録画型のAI面接では、就活生が自ら録画を行い、その映像を提出します。
そして提出された動画をAIが分析、評価します。
企業側から提示される質問に対して一問一答形式で回答する形態です。
例えば「志望動機を教えてください」という質問に対し、「私が御社を志望する理由は〜」といった具体的な回答を録画します。
この形式では何度でも撮り直しが可能な場合が多く、就活生にとっては緊張感を持ちつつも、納得のいく回答を提出するチャンスがあります。
自己PRや志望動機を明確に整理し、カメラの前で自然に話せるように練習することが重要です。
対話型
対話型のAI面接では、面接官がAIであり、通常の面接のように進行します。
基本的な質問をした後、その回答を元に深掘り質問が開始されます。
この形式では、一つの質問に対して「1分以内」などの制限時間が設けられていることが多く、取り直しが可能な場合もあります。
対話型AI面接の対策としては、限られた時間内で要点をまとめて話す練習が必要です。
また、AIが面接官であることを意識し、はっきりとした発音や明確な表現を心がけることが重要です。
【AI面接対策】通常の面接との違い
AI面接は、通常の対面式面接とは大きく異なる特徴を持っています。
これらの違いを理解し、対策を立てることが選考突破の鍵となるので、以下で解説する内容をしっかりと読んで理解しておいてください。
24時間365日面接可能
AI面接では、面接の日時が固定されておらず、24時間365日、いつでも面接が可能です。
基本的に企業から「何月何日の何時までに提出」といった締め切りが設けられますが、その期間内であれば、昼夜問わず、自分の都合の良い時間と場所で面接を受けることができます。
これにより、就活生はスケジュールの調整がしやすくなり、自分のペースで準備を進めることが可能です。
この柔軟性を活かし、リラックスした状態で面接に臨むための準備をしておくことが重要です。
評価者がAI
AI面接の評価は、録画型であっても対話型であっても、すべてAIが行います。
人間の面接官であれば、緊張している様子を見て「頑張っているな」と思ってくれるかもしれませんが、AIはそのような感情を持ちません。
AIは声のトーンや表情筋の動き、話している内容などを定量的、かつ論理的に評価します。
そのため、AI面接では、明確で一貫性のある回答をすることが重要です。
話し方や表情の練習を行い、AIが好む明確なコミュニケーションを心がけてみてください。
面接時間が人によって変わる
通常の対面式面接では、面接時間が30分から1時間程度と決まっていることが多いですが、AI面接では人によって面接時間が大きく異なることがあります。
AI面接では、回答が抽象的すぎたり、十分な情報が提供されていなかったりすると、AIが同じような質問を何度も繰り返すことがあります。
これにより、面接時間が長くなることもあります。
逆に、明確で具体的な回答をすれば、短時間で面接が終了することもあり、回答を具体的かつ簡潔にまとめることがAI面接を効率的に実施するコツです。
【AI面接対策】質問の特徴
AI面接では、通常の対面式面接と同様に、自己PR、志望理由、なぜこの業界なのか、といった基本的な質問が多く見られます。
しかし、AI面接の特徴として、特に過去の経験にフォーカスする傾向が強いです。
これは、応募者の具体的な行動や経験を通じて、その人の価値観やスキル、問題解決能力を詳細に評価しようとするAIの特性によるものです。
したがって、AI面接対策としては、過去の経験や具体的なエピソードを論理的に説明できるように準備しておくことが重要です。
過去経験の質問が多い
AI面接では、就活生の過去経験にフォーカスした質問が多く見られます。
通常の面接では「将来どんな人物になりたいか」「5年後のビジョンを教えてください」など未来に関する質問が多いですが、AI面接では主に過去の経験に焦点を当てる傾向があります。
具体的には、「ガクチカ」「挫折経験」「苦労した経験」などが問われます。
よって、過去の具体的なエピソードを詳細に準備し、論理的に説明できるようにしておくことが重要です。
深掘り質問がある
AI面接では、曖昧な回答や抽象的な説明に対して、AIが理解を深めるために深掘り質問や追加の質問を多く行います。
人間の面接官であれば、話し方や雰囲気から話を汲み取ることができますが、AIはそうした感覚的な要素を持ちません。
AIは、話の内容を定量的かつ論理的に処理するため、求めている情報が得られない場合は、さらに具体的な回答を引き出すために追加の質問を行います。
このため、一貫性のある具体的な回答を心がけ、あらかじめ予想される質問に対する準備を十分に行うことが重要です。
【AI面接対策】質問内容例
AI面接では、多岐にわたる質問が飛び出し、就活生の本質を探るための詳細な情報が求められます。
以下は、AI面接でよく問われる質問内容の例です。
それぞれの質問に対して、どのように準備すれば良いかを理解しておくことで、AI面接を効果的に攻略することができます。
1. 特定の経験に関するトピックの有無
過去の取り組みや経験について尋ねられます。
これは、就活生のモチベーションの源泉や価値観を評価するためです。
ここで重要なのは、具体的なエピソードを通じて、自分の取り組み姿勢や情熱を伝えることです。
- 学生時代に力を入れた経験はありますか?
- 目的を持って成し遂げようとした経験はありますか?
- 成果を上げた経験を教えてください
- 自慢できることはありますか?
- 学業で頑張ったことは何ですか?
- これまでに方法ややり方を変えて取り組んだことは何ですか?
- これまでに周囲の人に働きかけて何かを成し遂げたことは何ですか?
- これまでに自分が挑戦をしたことについて話してください
2. 取り組みの動機・背景
AIはエビデンスや根拠を重視するので、取り組みの動機や背景について深掘りされることが多いです。
論理的かつ明確に「なぜその取り組みを選んだのか」を説明できるように準備する必要があります。
- なぜその活動をしようと思ったのですか?
- その活動の背景を教えてください
- その取り組みに力を入れた理由を教えてください
3. 挫折経験・困難
挫折や困難に関する質問も頻繁に出されます。
この質問では、困難に対する向き合い方や問題解決能力をアピールすることが求められます。
具体的なエピソードを交え、自分がどのように対処したかを詳細に説明しましょう。
- 明確な目標を掲げて何かに取り組んだ経験はありますか?
- その中での困難を教えてください
- これまでで一番苦労した経験は何ですか?
4. 行動・工夫した点
挫折や困難に対してどのように行動し、どのような工夫をしたかも問われます。
自分がどれだけ行動したかだけではなく、そんな困難をどのような創意工夫をして乗り越えたのか、可能な限り具体的に示すことが重要です。
- 困難を乗り越えるためにどんな工夫をしましたか?
- 今後、困難な状況に陥った時、どのように行動しますか?
5. 得られた成果・学び
取り組みや行動の結果として得られた成果や学びについてもよく質問されます。
出来るだけ自分の成果を数字や事実で示し、それがどのような学びに繋がったかを明確に伝えましょう。
そうすることで客観的にも評価する基準ができるので、好印象を与えることができます。
- 目標に対しての結果を教えてください
- そこから得た学びは何ですか?
- どんなスキルを得ましたか?
- それをどのように今後活かしますか?
6. 理由・動機・根拠
AIは常に根拠や理由を求めて質問をしてくることが多いです。
したがって、応募者はすべての行動や決定に対して論理的な理由を説明できるように準備する必要があります。
一度作成した自分の回答イメージを見返してみて、理由・動機・根拠がしっかりと組み込まれているかチェックをするようにしてください。
- その活動の中の課題は何ですか?またなぜですか?
- 工夫した点はなぜそこにしたのですか?
- そのような行動をした理由について、もう少し詳しく教えてください
7. トリッキーな質問
AI面接は企業側が独自の質問を追加することができるため、思わぬ質問が飛び出すこともあります。
これに対しても柔軟に対応できるよう、幅広い経験を整理しておくと良いでしょう。
また、実際の面接を想定した回答イメージをしておいたり、想定外な質問が来ても慌てないようにするスタンスを持っておくことが大切です。
- 無人島に一つ持っていくとしたら何を持っていきますか?
- ペンを1万円で売るとしたらなんと伝えますか?
- 理想の1日の過ごし方を教えてください
【AI面接対策】回答のポイント
AI面接で高評価を得るためには、いくつかのポイントを押さえて回答することが重要です。
以下では、PREP法の使用、具体的な伝え方、そして論理的な伝え方の3つのポイントについて詳しく解説します。
PREP法を用いる
ビジネスの現場では、要点や言いたいことを過不足なく伝えるためにPREP法がよく使われます。
PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字を取ったもので、話を構造的に整理する手法です。
これをAI面接でも用いることで、回答が論理的かつ明確になり、AI視点でも理解しやすくなり、高評価になる可能性が高まります。
- Point:結論・主張
- Reason:理由
- Example:具体例
- Point:学び
具体的に伝える
AIは曖昧な回答を理解しにくく、何度も聞き返すことがあります。
そのため、できるだけ具体的な情報を提供することが重要です。
例えば、成果を示す際には、「多くの人に喜ばれた」と言うよりも、「アンケート結果で参加者の満足度が90%を超えた」と具体的な数字を使って伝えます。
これにより、AIは回答をより正確に評価することができ、結果的に評価点が高くなります。
論理的に伝える
AIは回答の論理性を非常に重視します。
したがって、目標に対する行動や結果が的外れなものだったり、質問に対して適切に答えられていなかったりすると、評価が低くなる傾向が強いです。
なので、結論を明確に伝え、その理由と具体例を順を追って論理的に示すことが重要であることを常に意識して回答することがポイントです。
論理的に話すことは練習すれば身に着くので、普段の会話でも意識してみてください。
【AI面接対策】対策方法
AI面接では通常の面接と同様に、深掘り質問が行われることが多いため、基本的な対策は通常の面接対策で十分です。
しかし、AI特有の対策方法もありますので、以下にそのポイントを詳しく解説します。
過去問を確認する
AI面接の対策として、過去問を確認することは非常に有効です。
事前に出題される質問がわかっていれば、初めてのAI面接でも自信を持って臨むことができます。
多くの企業は過去の面接でよく出題された質問を繰り返す傾向があります。
ネット上の情報や、先輩からのフィードバックを活用して、過去問を収集し、模擬練習を行うことで、質問への対応力を高めることができます。
これにより、予測可能な質問に対する準備ができ、自信を持って回答することができます。
「なぜ?」を追求する
AI面接では、通常の面接以上に「深掘り」を意識することが重要です。
AIは曖昧な回答を避け、具体的で論理的な回答を求める傾向があります。
そのため、「なぜ?」「どのくらい?」「いつ?」といった詳細な質問に対する準備を事前に行う必要があります。
自分の経験やスキルに関する具体的なエピソードを用意し、それに対する理由や背景を明確に説明できるようにしましょう。
深掘りされた質問に対してもしっかりと答えられるように、普段から自分の考えや行動の根拠を整理しておくことが大切です。
自己分析を徹底する
自己分析は就活の基盤であり、AI面接においても重要な役割を果たします。
深掘り質問に対してもしっかりと答えるためには、自己分析を徹底的に行い、自分の強みや弱み、価値観や目標を明確にしておくことが必要です。
自己分析が深くできていれば、AI面接で求められる多くの質問に対しても自信を持って答えられます。
過去の経験やエピソードを振り返り、それらがどのように自分の成長やスキルに繋がったのかを整理しておくことが重要です。
企業分析を徹底する
AI面接では、企業の色が出るトリッキーな質問がされることがあります。
そのため、企業の分析を徹底的に行い、その企業の理念やビジョン、事業内容について深く理解しておくことが重要です。
企業のウェブサイトやニュース記事、業界レポートなどを活用して、最新の情報を収集し、企業の特徴や求める人材像を把握しましょう。
これにより、企業の価値観や方針に即した回答を準備することができます。