
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
目次[目次を全て表示する]
面接の最初の挨拶で印象が決まるって本当?
面接では最初の挨拶が重要だということは聞いたことがある就活生が多いのではないでしょうか。
面接に限らず、初対面の人への印象は最初の挨拶によって大きく左右されますが、具体的にどのような理由で最初の挨拶が重要なのか解説します。
理由を知ることでより実践的な対策に繋がるでしょう。
第一印象は数秒で決まるといわれる理由
面接における最初の挨拶が特に重要視される理由の一つは、人間の脳が出会って数秒のうちに相手の第一印象を形成する傾向にあるからです。
これは心理学の「初頭効果」にも関連しており、最初に受けた情報がその後の評価に大きな影響を与えるというものです。
例えば、面接官は応募者が部屋に入ってきて挨拶をする瞬間に、その人の表情、声のトーン、姿勢、そして挨拶の言葉そのものから、清潔感、明るさ、自信、そして基本的なビジネスマナーの有無などを無意識のうちに判断します。
この数秒で形成された第一印象は、その後の質疑応答における評価のフィルターとなり得るため、非常に重要なのです。
なぜ「最初の挨拶」が評価に直結するのか
面接における最初の挨拶が単なる形式ではなく、直接的に評価に結びつく要素である理由はいくつかあります。
まず、挨拶は応募者のコミュニケーション能力の基礎を示すものです。
はっきりと相手の目を見て、笑顔で、適切な声量とトーンで挨拶できるか否かは、入社後の円滑な人間関係や顧客対応能力を測る指標となります。
次に、ビジネスマナーや常識の有無を判断する材料にもなります。
TPOに合わせた挨拶ができるか、礼儀正しさを持ち合わせているかといった点は、社会人としての基礎力を示す上で不可欠です。
さらに、挨拶の仕方からは応募者の入社意欲や熱意も伝わります。
自信に満ちた明るい挨拶は、企業への関心や仕事に対する前向きな姿勢を面接官に印象付けるでしょう。
もちろん、挨拶だけで合否が決まるわけではありませんが、その後の質疑応答で自身の能力や経験を十分にアピールするためにも、最初の挨拶で良いスタートを切ることが不可欠だと言えるでしょう。
好印象を与える面接の最初の挨拶とは?
最初の挨拶がなぜ重要なのかが分かったところで、好印象を与える挨拶とはどのようなものなのか紹介します。
社会人としてのマナーはもちろんですが、明るく誠実な人柄を感じさせる表情や話し方も好印象に繋がります。
以下で紹介する、好印象を与える最初の挨拶のポイントを押さえて、面接対策にも臨みましょう。
丁寧な言葉・明るい声・自然な笑顔が鍵
面接の最初の挨拶で面接官に良い印象を与えるためには、丁寧な言葉遣い、明るい声のトーン、そして自然な笑顔の3つの要素が欠かせません。
しかし、これらを意識しすぎるあまり、不自然になってしまうのは逆効果です。
例えば、丁寧な言葉遣いとは、必要以上に堅苦しくなることではなく、適切な敬語を使い、相手に敬意を示すことを指します。
また、明るい声とは、単に大きな声を出すことではなく、普段よりもワントーン明るく、はっきりと聞き取りやすい声を意識することです。
そして、自然な笑顔は、口角を少し上げる程度の「微笑み」をイメージすると良いでしょう。
無理に作り笑いをするのではなく、穏やかで柔らかな表情が好印象につながります。
これらの要素がバランスよく組み合わされることで、誠実で親しみやすい印象を与えることができるでしょう。
お辞儀・名乗り・着席までの一連の流れ
面接の最初の挨拶では、言葉や表情だけでなく、一連の動作も重要な評価ポイントとなります。
部屋に入室してからお辞儀をし、自分の名前を名乗り、着席するまでの一連の流れは、あなたの社会人としてのマナーが身についているかを示す鏡です。
例えば、入室時のドアのノックから始まり、面接官への丁寧なお辞儀、そして「本日はよろしくお願いいたします」といった挨拶と同時に、はっきりと自分の名前を名乗る。
そして、着席を促されてからスムーズに椅子に座る、という一連の動作を、一つ一つの動作にメリハリをつけて行うことが大切です。
いわゆる「ながら動作」にならないよう、お辞儀をしながら話したり、名乗りながら移動したりするのではなく、それぞれの動作を区切り、丁寧に行うことで、落ち着きと礼儀正しさをアピールできます。
面接の最初の挨拶を成功させる準備ポイント
面接の最初の挨拶を成功させるためには事前の準備が大切です。
しかし、闇雲に対策するだけでは、好印象につながる挨拶のコツを身に着けることは難しいでしょう。
個々では、最初の挨拶を成功させる効果的な挨拶のポイントを解説します。
自分の面接対策がポイントを押さえられているか考えながら取り組みましょう。
声のトーンと表情の練習は前日から
面接の最初の挨拶を成功させる上で、声のトーンと表情の練習は非常に重要で、これは前日からの準備でも十分に効果を発揮します。
日頃から面接練習で意識することはもちろん大切ですが、特に前日には、翌日実際に言うと想定している挨拶の言葉を声に出し、鏡の前で自身の表情を確認しながら練習することをおすすめします。
そうすることで、自分の声の高さや抑揚が相手にどのように聞こえるか、また、表情が明るいか、自然な笑顔が作れているかなどを客観的に把握できます。
練習を通じて、一番好印象を与えられる声のトーンや、親しみやすく、かつ真剣さも伝わる表情を見つけることができるでしょう。
この最終確認によって、本番での声の震えや表情の硬さを防ぎ、自信を持って面接に臨むための土台を築くことができます。
服装・身だしなみ・姿勢も印象に影響する
次に、事前準備で大切なのが、身だしなみや姿勢です。
これらは前日から準備していては間に合いません。
まず、服装や身だしなみは志望企業の規定に沿ったスーツを用意したり、髪型なども整える必要があります。
また、油断しがちですが、足元も面接では見られています。
サイズがあっていて、汚れやほつれがない靴を用意しましょう。
姿勢に関しては、面接で急に姿勢を意識しても、慣れない姿勢につかれてしまったり、ふとした瞬間に姿勢が崩れてしまいます。
そのため、面接練習の時以外の日常生活でも、立ち方や座り方などの姿勢を正すことを意識しましょう。
場面別に見る、面接の最初の挨拶のコツ
面接にも様々な形態があり、近年ではオンライン面接も増えています。
以下では、場面別に最初の挨拶のコツを紹介します。
自分が志望する企業の面接がどのような形態なのか事前に調べ、それに特化したコツを習得することで効率的に面接対策を進めることができます。
対面面接でのベーシックな所作とフレーズ
対面面接は、就職活動における最も一般的な面接形態です。
そのため、基本的な所作とフレーズをしっかりと身につけておくことが重要になります。
まず、入室時にはドアを3回ノックし、「どうぞ」という声が聞こえてからドアを開けます。
部屋に入ったら、ドアを静かに閉め、面接官の方へ向き直って一礼します。
この時、「本日はよろしくお願いいたします」と、はっきりとした声で挨拶しましょう。
面接官から着席を促されたら、「失礼いたします」と一言添えてから着席します。
椅子に座る際は、背筋を伸ばし、軽く顎を引くことで、自信と礼儀正しさをアピールできます。
これらの動作は一つひとつを丁寧に行い、決して「ながら動作」にならないよう意識してください。
言葉遣いはもちろんのこと、お辞儀の角度や視線、そして声のトーンや表情といった非言語コミュニケーションも、対面面接では非常に大きな影響を与えます。
Web面接で気をつけたい表情やタイミング
近年増加しているWeb面接では、対面面接とは異なる注意点があります。
画面越しでは、普段よりも表情が伝わりにくい傾向にあるため、いつもより意識して笑顔を心がけたり、うなずきを大きめにしたりするなど、オーバー気味に反応することが大切です。
また、声のトーンも対面時よりもワントーン高く、はっきりと話すことを意識すると、明るく元気な印象を与えられます。
さらに重要なのが、発言のタイミングです。
タイムラグが生じる可能性があるため、相手の発言が終わってから少し間を置いて話し始めるなど、「被り」を防ぐ工夫が必要です。
挨拶の際も、入室ボタンを押す前からカメラ目線を意識し、画面に映った瞬間に明るい表情で「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶しましょう。
通信環境の確認や、背景に余計なものが映り込まないようにするなど、事前の準備も非常に重要です。
集団面接の順番による話し方の工夫
集団面接は、複数人の応募者が同時に面接を受ける形式です。
自分以外の応募者もいるため、個性を際立たせつつ、周りとの調和も意識する必要があります。
挨拶の順番が回ってきたら、「〇〇番の〇〇です。本日はよろしくお願いいたします。」と、自分の名前と番号をはっきりと名乗りましょう。
この時、他の応募者がすでに挨拶を終えている場合は、その流れを汲みつつも、自分らしさを表現することが大切です。
もし最初の順番であれば、他の応募者の模範となるような、はつらつとした挨拶を心がけましょう。
逆に最後の順番になった場合は、前の人たちの挨拶を聞き、重複しないように、かつ自分の個性を加える工夫が必要です。
例えば、「皆様と同じく、本日はどうぞよろしくお願いいたします」といった形で、場の状況を理解していることを示しつつ、簡潔に自分の意欲を伝えるのも良いでしょう。
集団面接では、単に挨拶ができるだけでなく、周囲への配慮や、限られた時間の中で自分を表現する能力も見られています。
面接の最初の挨拶でありがちな失敗と対処法
面接では誰でも緊張で失敗してしまうことがあります。
特に、第一印象が決まる最初の挨拶は緊張のあまり練習通りいかないことも多いです。
しかし、最初の挨拶で失敗してしまってもそれにどのように対処するかで、マイナスの印象で終わるか、プラスの印象に変えることができるかが決まります。
以下では、最初の挨拶でありがちな失敗とその対処法を紹介するので、覚えておきましょう。
緊張しすぎて言葉が出ないときのリカバリー
面接の最初の挨拶は、極度の緊張から言葉がうまく出てこないという失敗は少なくありません。
そんな時、焦ってさらに自信を失ってしまうと、悪循環に陥ってしまいます。
しかし、言葉がうまく出なかったとしても、大切なのは、その後のリカバリーです。
もし言葉に詰まってしまったら、まずは一度深呼吸をして落ち着きを取り戻しましょう。
そして、面接官の目を見て、「大変失礼いたしました。
改めて、本日はよろしくお願いいたします。」と、落ち着いたトーンではっきりと伝え直すことが重要です。
この一言があるだけで、面接官には「緊張しているけれど、立て直そうとしている」という前向きな姿勢が伝わります。
また、言葉が出ない代わりに、笑顔やアイコンタクトで誠意を見せることも効果的です。
沈黙を恐れる必要はありません。
冷静に対処することで、一時的な失敗を乗り越え、その後の質疑応答で十分に挽回できるチャンスを作り出すことができるでしょう。
名前を噛んだ・声が小さかったときの対応
面接の最初の挨拶では、緊張のあまり名前を噛んだり声が小さくなったりしてしまう場合もあります。
しかし、このような失敗も冷静に対処すれば好印象に変えられます。
名前を噛んだ場合は、「失礼いたしました。〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」とすぐに訂正し、はっきりと名乗り直しましょう。
声が小さいと感じたら、次の発言の際に意識的にワントーン明るく聞き取りやすい声で話すことを心がけてください。
それによって自然とそのあとも声を出しやすくなるでしょう。
失敗を引きずらず、すぐに気持ちを切り替えて次のアクションに移ることで、リカバリー能力や精神的な強さをアピールできます。
印象アップを狙う面接の最初の挨拶フレーズ集
面接の最初の挨拶で好印象を狙うには、態度やマナーだけでなく言葉選びも重要です。
定番の挨拶だけではなく、他の就活生との差がつく挨拶フレーズも紹介します。
面接練習を重ね、少し余裕が出てきたら、以下の挨拶フレーズをさらに応用して、自分の良さを感じさせるような最初の挨拶を考えてみましょう。
シンプルだけど好感度の高い基本パターン
まずは、どんな面接でも安心して使える、シンプルながらも好感度の高い基本フレーズを押さえましょう。
これは、社会人としての基礎的なマナーと、面接への真摯な姿勢を伝える最も確実な方法です。
入室し、一礼した後に面接官の目を見て、「本日は、お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
〇〇(氏名)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」と、はっきりと述べましょう。
このフレーズは、感謝の気持ちと自己紹介、そして今後の面接への意欲が簡潔にまとめられています。
声のトーンはワントーン明るく、聞き取りやすい声量を意識し、表情は自然な笑顔を心がけることが大切です。
シンプルだからこそ、その言葉一つひとつにあなたの誠実さや礼儀正しさが表れます。
この基本パターンを完璧にマスターすることが、応用編へ進むための第一歩となるでしょう。
少し差がつくプラス一言のテクニック
基本の挨拶に加えて、ほんの一言工夫を凝らすだけで、他の就活生と一歩差をつけることができます。
これは、あなたが面接に臨む熱意や、企業への理解度をさりげなくアピールする絶好の機会です。
例えば、上記の基本フレーズの後に、「本日は、貴社への理解を深め、自身の強みをお伝えできることを楽しみにしておりました。」といった一言を添えるのはどうでしょうか。
この一言を加えることで、「ただ面接を受ける」だけでなく、「貴社との出会いを楽しみ、積極的にコミュニケーションを取りたい」という前向きな姿勢が伝わります。
また、「貴社の〇〇(事業や製品名など)に大変興味を持っており、本日は直接お話を伺えることを光栄に思います。」のように、具体的に企業への関心を伝えるのも効果的です。
ただし、付け加える一言は長すぎず、かつ自然な流れで話せるものにすることが重要です。
経験者・社会人向けの応用表現も紹介
転職活動中の社会人や、新卒でもインターンなどで特定の業界・企業での経験がある場合は、その経験を挨拶に盛り込むことで、より説得力のある自己紹介ができます。
これは、即戦力として貢献できる可能性を示すチャンスでもあります。
例えば、「〇〇(現職または前職の会社名)にて〇〇(具体的な職務内容)の経験がございます、〇〇(氏名)と申します。
これまでの経験を活かし、貴社に貢献したいと考えております。
本日はよろしくお願いいたします。」といった表現が考えられます。
また、特定の事業やプロジェクトに携わっていた場合は、「以前より、貴社の〇〇(特定の事業やプロジェクト)に多大な関心を持っておりました。
本日は、私の〇〇(関連する経験やスキル)が貴社でどのように活かせるか、お話しできることを楽しみにしております。」のように、具体的な内容に触れることで、企業への高い関心と貢献意欲をアピールできます。
経験者向けの挨拶は、単なる自己紹介ではなく、これまでのキャリアと、それを活かして企業に何をもたらしたいのかを簡潔に伝える場と捉えましょう。
まとめ|面接の最初の挨拶は「自分らしさ」が鍵
この記事では面接の最初の挨拶が重要な理由から、具体的な挨拶のフレーズまで紹介してきました。
面接の最初の挨拶は、多くの就活生がテンプレートに従って正しく行おうとしてしまいますが、それ以上に自分らしさを伝えることも重要です。
面接において一番緊張する場面とも言えるかもしれませんが、自然体で臨むことできっと他の就活生とは一味違う面接のスタートを切ることができるかもしれません。
正解よりも自然で誠実な印象を大切に
面接の最初の挨拶は、多くの就活生が「完璧な正解」を求めてテンプレート通りの言葉遣いや姿勢、表情を徹底しようとします。
もちろん、社会人としての基本的なマナーや身だしなみを整えることは大前提であり、非常に重要です。
しかし、それ以上に意識してほしいのは、「自然体」であること、そして「自分らしさ」を表現することです。
すべての動作や言葉をマニュアル通りにこなすことだけが正解ではありません。
例えば、緊張で少し声が震えてしまっても、それを含めてあなたの誠実さや一生懸命さが伝わることもあります。
完璧さを追い求めるあまり、表情が硬くなったり、不自然な印象を与えてしまったりする方が、かえって逆効果になりかねません。
あなたの持つ個性や人間性が自然ににじみ出るような挨拶こそが、面接官に強い印象を残し、記憶に残る第一歩となるでしょう。
面接全体の流れを左右する重要な一歩
この記事で詳しく解説してきたように、面接の最初の挨拶は、単なる導入ではありません。
それは、その後の面接全体の流れを左右する非常に重要な一歩となります。
最初の数秒間で面接官に与える印象は、その後の質疑応答における面接官のあなたへの視点や、質問の深さにも影響を与えかねません。
だからこそ、礼儀正しさや誠実さを伝えることはもちろんのこと、そこに「自分らしさ」を加えてみてください。
たとえば、明るくはつらつとした挨拶であなたのエネルギーを伝えたり、落ち着いたトーンであなた思慮深さを感じさせたり、といったことです。
そうすることで、面接官に「この学生は何か違う」という良い意味での期待感を抱かせ、あなた自身も自然と自分のペースで面接に臨めるようになるかもしれません。