
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「当社の印象を教えてください」というES設問は、志望動機ほど目立たないものの、多くの企業で採用されています。
企業がこの質問を通じて何を知ろうとしているのかを理解し、具体的かつ自分らしい回答を準備することが重要です。
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【ES 当社の印象】企業がエントリーシートで会社のイメージを聞く理由
企業が就活生に「当社の印象」を聞く理由には、単なる好奇心ではなく、志望度や価値観の一致を測る重要な意図があります。
就活生の理解度・共感度・視点の独自性を多角的に把握するための設問であることを意識しましょう。
志望度の確認
「当社の印象」を通じて企業は、就活生がどれだけ本気でその会社を志望しているかを探っています。
なんとなく良さそうという曖昧な印象ではなく、具体的かつ主体的な理由が述べられているかが重要です。
企業研究を丁寧に行い、自分なりの視点で感じ取った内容を根拠と共に伝えることで、志望度の高さを示せます。
企業とのマッチ度の確認
就活生の価値観や志向性が企業と合っているかを見るのも、この質問の大きな目的です。
自社の理念や働き方、風土に対してどんな印象を持ったかで、その人が社風になじめるかが見えてきます。
だからこそ、自分の性格や価値観と照らし合わせながら印象を述べることが、マッチ度の高さをアピールする鍵になります。
就活生の視点や着眼点の確認
企業は「当社の印象」という問いを通して、就活生がどこに注目し、どのように物事を捉えているかを評価しています。
選考官はあなたの“観察力”や“洞察力”をチェックしており、他の学生と違う視点を持っているかが差別化のポイントになります。
だからこそ、表面的な印象ではなく、自分ならではの切り口で語ることが重要です。
【ES 当社の印象】上手に会社のイメージを伝える方法
「当社の印象」という設問で印象に残るESを書くには、ただ企業の良い点を並べるだけでは不十分です。
自分の視点・感情・将来像とセットで印象を伝えることが、深みと説得力を生みます。
①素直に感じたことを書き出してみる
まずは、説明会やWebサイトなどを通じて自分が企業に対して素直に感じたことを書き出してみましょう。
「誠実そう」「勢いがある」「若手が活躍している」など、最初に抱いた直感は、あなた自身の感性が反映された貴重な意見です。
そこからES用の文章に磨き上げていくことで、自分らしさのある回答に仕上がっていきます。
②なぜそのイメージを描いたのかを考える
印象を伝える際は、その印象を抱いた理由を具体的に示すことが重要です。
たとえば「若手が活躍している」と感じたなら、「説明会で3年目の方が新規PJを任されていた」といった背景を添えることで説得力が増します。
情報の出典や自分の体験を織り交ぜることで、表面的な印象から一歩深い内容になります。
③会社のイメージからどう活躍し、貢献できるかを考える
企業の印象を語るだけでなく、その印象に基づき、自分がどのように活躍・貢献できるかまで踏み込むと好印象です。
「挑戦を歓迎する社風に魅力を感じた。自分も積極的に手を挙げ、価値提供をしていきたい」など、未来の自分像を交えると説得力が増します。
企業とのつながりを感じさせることで、ES全体の完成度が高まります。
【ES 当社の印象】魅力的なエントリーシートの構成
印象的なESを書くには、感情や印象だけでなく、筋の通った構成で論理的に展開することが求められます。
ここでは就活の定番であるPREP法を用いて、誰でも説得力ある文章が書けるように構成方法を紹介します。
PREP法とは、「Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(再結論)」の順で論理的に伝えるフレームワークです。
この手法を使うことで、読み手にわかりやすく、自信と根拠のあるアピールが可能になります。
ESでは文字数が限られるため、1つの強みに絞って簡潔に伝えることがカギです。
特に「誰にも負けないこと」のような強めの表現には、根拠のあるエピソードが必要不可欠です。
PREP法を使って説得力を高め、面接官の印象に残るESに仕上げましょう。
①結論
まずは最初に「貴社に対して◯◯という印象を持ちました」と、あなたの感じたことを端的に伝えることが大切です。
最初に結論を明示することで、読み手が内容の全体像を把握しやすくなり、ESの印象も良くなります。
このとき、抽象的な言葉ではなく「挑戦的」「柔軟性が高い」「多様性がある」といった具体的なワードを使いましょう。
②理由や背景
続けて、結論に至った背景や理由を述べましょう。
何を見聞きしてその印象を持ったのかを明確にすることで、説得力が格段に増します。
たとえば「インターンで社員の方が主体的に動いていた姿」や「社長の言葉に強く共感した」など、経験や具体的エピソードがあるとより良いです。
③具体的なエピソード
「なぜそう思ったのか」を、できるだけ具体的な体験やエピソードで裏付けましょう。
説明会での出来事や社員の発言、インターンでの経験などが特に有効です。
読んだ人が情景を思い浮かべられるように、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識して記述しましょう。
④入社後の展望
印象と結びつけて、入社後にどんなふうに活躍・貢献したいかを伝えましょう。
「◯◯という印象から、こんな価値観を大切にしながら◯◯に挑戦したい」といった形にすると、ES全体が一貫性を持ちます。
単なる感想で終わらず、「だから入社したい・だからこそ活躍できる」と一歩先を語ることが魅力的なESの秘訣です。
【ES 当社の印象】伝える際の注意点
企業の印象を伝える設問では、自由度が高い一方で、伝え方を誤るとマイナス評価になるリスクもあります。
印象を伝える中でも「どのように表現するか」に細心の注意を払いましょう。
イメージだけ語らないようにすること
「明るい社風だと思いました」「風通しが良さそうです」といった印象だけで終わると、説得力に欠けてしまいます。
大切なのは、その印象に至った背景や根拠を明確にすることです。
何を見て、誰から聞いて、どんな場面でそう感じたのか、具体的な根拠が伴ってこそ評価されるESになります。
給与・福利厚生・「働きやすさ」に終始しないこと
「休みが多くて働きやすそう」「福利厚生が充実している」などの印象ばかりを述べるのは避けましょう。
あくまで「その企業で働きたい理由」を述べる場であり、条件面ばかりでは志望度の浅さを疑われます。
働きやすさに言及する場合も、「だからこそ挑戦しやすい環境だ」といった前向きな視点とセットで述べることが大切です。
上から目線の「評価」や「批評」にしないこと
「御社は◯◯が弱いと感じた」「もっと◯◯すべきだと思う」といった批評的な言い回しは避けるべきです。
たとえ改善点に触れる場合でも、敬意を持った表現と、自分の貢献意欲をセットで述べるのが社会人としての礼儀です。
ESはあくまで「応募者」としての立場を意識し、謙虚さと前向きさを大切にしましょう。
「他人事」で終わらせず、必ず自分と結びつけること
企業に対する感想を語るだけでは「で、あなたは何がしたいの?」と思われてしまいます。
「印象」から自分の価値観・行動・志向性にどうつながるかを明確にすることが、回答の説得力を高めるコツです。
「◯◯という印象から、私は◯◯のように貢献したい」といった自己投影が不可欠です。
ES全体の回答と一貫性を持たせること
「当社の印象」だけが自己PRやガクチカとまったく違う視点で書かれていると、信頼性に欠ける印象を与えてしまいます。
ES全体で一貫した価値観や強みを持っていることが、企業にとって安心感を与えるポイントです。
印象の話も、あなた自身の強みや将来像とつながる内容に仕上げていきましょう。
【ES 当社の印象】差別化のポイント
「当社の印象」は自由度が高いからこそ、他の応募者と同じような内容になってしまいやすい設問です。
ここでは、他の学生と差をつけるための切り口や視点を紹介します。
一次情報に着目して独自性を示す
差別化を図るためには、インターネットや口コミといった「二次情報」ではなく、自分が直接得た一次情報を活用することが有効です。
たとえば「◯月のインターンで、現場社員の◯◯さんが『うちはまず行動してから考える』と言っていたのが印象的だった」など、具体性と臨場感のある記述が差を生みます。
自分の体験を通じて得た印象だからこそ、信ぴょう性と個性のあるESに仕上がります。
「企業の課題」に着目し、貢献意欲を示す
あえて企業の「課題」に目を向けることで、より高い視座と本質的な企業理解をアピールできます。
たとえば「海外展開に注力しているが、現地ニーズの把握に課題を感じた。私は留学経験を活かし、そのギャップを埋める役割を果たしたい」など、課題→強み→貢献意欲の3ステップで構成しましょう。
ただし、企業批判にならないように敬意を持って語ること、また実現可能な貢献内容にとどめることが大切です。
【ES 当社の印象】業界別参考例文集
金融
貴社に対して、「変化に強く、安定性と挑戦の両立を体現する企業」という印象を持ちました。
特に説明会で、リスク管理とイノベーション投資のバランスを意識しているというお話があり、印象に残っています。
伝統的な信頼の厚さに加え、FinTechへの取り組みやデジタル人材の育成に注力されている点から、今後の変化にも柔軟に対応していく企業姿勢を感じました。
私はゼミで金融市場の制度変化とリスク評価について学んできた経験があり、業界全体の構造変化にも関心があります。
貴社であれば、安定した環境の中でも挑戦を続ける姿勢に共感し、自身も柔軟かつ粘り強く価値を提供していけると考えています。
商社
貴社には、「ビジネスを創り、世界をつなぐ先駆者」という印象を抱きました。
合同説明会で拝見した、現地パートナーと信頼関係を築きながら事業を立ち上げるプロセスが非常に印象的でした。
単なるモノの流通ではなく、事業そのものを企画・運営する商社の機能に魅力を感じ、商社業界を志望するきっかけにもなりました。
私は大学で国際関係論を専攻し、多文化理解をテーマにフィールド調査も行いました。
グローバルな環境で異文化を橋渡しする力を活かし、貴社の海外事業の成長に貢献していきたいと考えています。
コンサルティング
貴社には、「本質を突き詰め、変革を導く知的集団」という印象を持ちました。
特に社員座談会で感じたのは、「答えのない問い」に対して、仮説を立てて迅速に検証し続ける姿勢の徹底です。
知識だけでなく、泥臭さや泥沼を楽しむ覚悟が求められるというお話がとても心に残りました。
私は大学で経営戦略のケーススタディに取り組み、分析と提案を繰り返す経験を通じて、課題解決の思考力を培ってきました。
その力を活かして、貴社で多様な業界・組織に変革をもたらす支援ができるよう努めたいと考えています。
人材
貴社には、「人と組織の可能性を引き出すパートナー」という印象を持ちました。
特にインターンを通じて、候補者と企業の双方の未来を本気で考える姿勢に触れ、人材業界への興味が強まりました。
その中でも貴社は、「人材紹介のその先」を見据えた支援を行っており、単なるマッチングではない価値を生み出していると感じました。
私は学生団体の運営を通じて、適材適所の配置と組織活性化の重要性を痛感してきました。
人と組織の成長を支援する中で、私自身も学び続け、貴社と共に多くの変化と挑戦を実現したいと考えています。
広告
貴社には、「人の感情を動かし、社会の価値観をつくる力」があると感じました。
説明会でのCM事例紹介や、クリエイターと営業が一体となって作るプロセスに触れ、広告が単なる販促手段ではないことを再認識しました。
生活者インサイトを捉え、社会や文化そのものに影響を与える貴社の事業姿勢に強く惹かれています。
私は映像制作サークルに所属し、「何を伝えれば人の心が動くか」を日々考えながらコンテンツ制作に携わってきました。
その視点と経験を活かし、貴社のクリエイティブな現場で多くの共感と驚きを生み出していきたいです。
マスコミ
貴社に対して、「時代の空気を捉え、社会との接点をつくる存在」という印象を持ちました。
特に番組制作現場の舞台裏を紹介する説明会で、「伝える」ことの本質が、事実だけでなく“共感”や“空気感”にもあると伺い、強く印象に残りました。
情報の信頼性と瞬発力の両立に挑む姿勢に、プロとしての矜持を感じました。
私は大学の新聞部で取材と編集に取り組み、読者の感情を動かす表現力の大切さを学びました。
多くの人に届くコンテンツを発信することで、社会課題への気づきを生み出す存在になりたいと考えています。
IT・通信
貴社には、「暮らしの中に溶け込む革新を支えるインフラ」という印象を抱きました。
企業説明会にて、通信の高速化やDX支援が社会にどのような変化をもたらしているかを聞き、ITの役割が単なる技術提供にとどまらないことを実感しました。
特に「通信の先に、人の行動がある」という言葉が印象的で、生活基盤を支える使命感の強い事業だと感じました。
私は情報系の学科でUI/UXやネットワークに関する研究を進めており、利便性とセキュリティを両立する設計に関心があります。
人々の生活に寄り添いながら、新たな社会のインフラを創る仕事に挑戦したいです。
メーカー
貴社に対して、「技術をカタチにし、世界の生活を変える創造者」という印象を持ちました。
工場見学を通じて、設計から製造・品質管理に至る一貫体制と、現場の職人技が融合して製品が生まれる様子に感銘を受けました。
また、グローバルに展開しながらも現地ニーズに合わせた製品開発を続けている点から、顧客視点と技術力の高さを感じました。
私は機械工学を専攻し、3D CADを用いた設計やプロトタイピングに携わってきました。
製品の背後にあるこだわりと情熱に共鳴し、世界中に届く“ものづくり”を貴社で実現したいと考えています。
インフラ
貴社には、「目立たないが、社会を根幹で支える安心の提供者」という印象を持ちました。
業界研究を進める中で、日常に欠かせない電気・水道・交通といったサービスが、膨大な計画と現場の努力によって安定供給されていることを知りました。
特に貴社は、大規模な施設運営や災害対応でも信頼される体制を構築しており、「縁の下の力持ち」として地域社会を支えていると感じました。
私は防災ボランティア活動を通じて、日常がどれほど“当たり前でないか”を体感しました。
人々の安心と暮らしを守る誇りある仕事に、現場で誠実に取り組んでいきたいと考えています。
不動産
貴社には、「空間に価値を与え、人の暮らしを豊かにするプロデューサー」という印象を持ちました。
インターンシップでの街づくり提案ワークを通じて、「ただ建物を売るだけではない」仕事の奥深さを知ることができました。
特に社員の方が「どんな空間に、どんな時間を流すかを考える」と話されていたのが印象的で、不動産の仕事に対する意識が変わりました。
私は建築設計を学び、空間の機能性と心理的影響について研究しています。
貴社で、人が集い、時間を過ごす場を設計・提案することで、人々の人生に寄り添う仕事をしていきたいです。
【ES 当社の印象】面接準備
「当社の印象」はESだけでなく、面接でも必ず深掘りされる重要なテーマです。
企業への理解度や本気度、発言の一貫性が問われる場面でもあるため、ES提出後も継続的に準備を行いましょう。
ESの回答を再確認・分解する
面接では、ESに書いた印象がそのまま質問の題材になります。
まずは自分が書いた内容を読み返し、結論・理由・根拠・展望の4つに分解して言語化できるようにしておきましょう。
そうすることで、面接官の問いかけに対して的確に答える準備が整い、論理的な受け答えが可能になります。
深掘り質問を想定し、回答を準備する
面接では「なぜその印象を?」「他社との違いは?」といった深掘り質問が投げかけられます。
「当社のどのような場面からそう感じたか」「その印象は他の企業にも当てはまらないか」といった逆質問にも備えることが重要です。
「印象」から一歩踏み込んで、「印象の理由」「自分の価値観との接点」「入社後の姿」に至る思考を整理しておきましょう。
声に出して話す練習をする
ESに書いて満足してしまうと、本番でうまく答えられないケースがあります。
声に出して話す練習をすることで、自然な表現や自分らしい伝え方が身につきます。
特に印象や感情を語る内容は棒読みになりがちなので、自分の言葉で話す練習を通して、熱意と誠実さが伝わる表現を磨きましょう。
まとめ
「当社の印象」は一見シンプルな質問ですが、企業理解・志望度・自己分析すべてが試される奥深い設問です。
一次情報や視点の独自性を意識し、PREP構成で論理的に展開することで、説得力のあるESに仕上がります。
伝え方ひとつで印象は大きく変わるため、文章表現と面接での伝達力まで磨いていきましょう。