【例文5選】出版業界のガクチカってどんなものが評価される?書き方からポイントまで徹底解説

【例文5選】出版業界のガクチカってどんなものが評価される?書き方からポイントまで徹底解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

【出版社のガクチカ】はじめに

出版業界のガクチカでは、「本が好き」という情熱に加え、自身の経験を通じて業界への適性を示す必要があります。

本記事では、出版社から評価されるポイントや陥りやすい失敗例を解説するとともに、編集や営業など主要5職種の具体的な例文を紹介し、選考を突破するための効果的な伝え方を明らかにします。

【出版社のガクチカ】出版業界に向いてる人の特徴

出版業界で長期的に活躍するためには、単に「本が好き」というだけでなく、コンテンツを生み出し、ビジネスとして成立させるための多角的な資質が求められます。

以下に、特に重要とされる5つの特徴を、業務との関連性を含めて具体的に解説します。

知的好奇心が旺盛な人

出版社の企画の根源には、担当者の尽きない知的好奇心にあります。

世の中のトレンド、学術的な発見、歴史上の出来事、人々の生活様式の変化など、森羅万象に対して「なぜだろう?」という問いを立て、主体的に探究できる力が不可欠です。

例えば、一見無関係に見える「脳科学」と「組織論」を結びつけてビジネス書を企画したり、海外のニッチなカルチャーを深掘りして新しい雑誌の特集を考えたりと、既存の枠組みを超えた発想は幅広い興味関心から生まれます。

自身の専門分野や好きなジャンルに留まらず、常に新しい知識を吸収し続ける姿勢が、時代を捉えるコンテンツ創出に繋がります。

コミュニケーション能力がある人

出版の仕事は、多様な専門家との連携によって成り立っています。

まず、著者や漫画家、デザイナーといったクリエイターに対しては、彼らが持つビジョンや才能を最大限に引き出すための傾聴力と、長期的な信頼関係を築く誠実さが求められます。

社内では、企画の価値を営業や宣伝担当者に的確に伝え、全社的な協力を取り付ける説得力が必要です。

さらに、印刷会社や書店、外部の協力企業とは、条件やスケジュールを詰めるための交渉・調整力が問われます。

これら全ての関係者の中心となり、プロジェクトを円滑に推進する高度なコミュニケーション能力は、全ての職種において必須のスキルです。

物語やコンテンツが好きな人

これは単なる消費者としての「好き」ではなく、作り手の視点を持った「探究的な愛情」を意味します。

ベストセラーや話題作に触れた際、「なぜこの作品は多くの人の心を掴んだのか」を、物語の構造、キャラクター設定、表現技法、時代背景といった観点から分析的に考察できることが重要です。

また、自身の好みだけでなく、様々なジャンルのコンテンツの価値を理解し、その面白さを言語化して他者に伝えられる能力も求められます。

この深いレベルでのコンテンツへの愛情と理解が、作品の質を見極め、その魅力を読者に届けるための原動力となります。

粘り強い人

一冊の本が世に出るまでには、華やかなイメージとは裏腹に、長く地道なプロセスが存在します。

何度も企画書を書き直したり、著者がスランプに陥った際に根気強く伴走したり、複雑な権利関係の調整に奔走したりと、一筋縄ではいかない場面の連続です。

また、発売後もすぐに結果が出るとは限りません。

初動が鈍い作品でも、情熱を持って書店へのアピールを続け、SNSでの発信を工夫することで、後に大きなヒットに繋がるケースもあります。

このような困難な状況でもプロジェクトを投げ出さず、目標達成に向けて粘り強く努力を継続できる精神的な強さが不可欠です。

細やかな作業が得意な人

書籍や雑誌は、社会的な信頼性が問われる製品であり、その品質は細部の正確性によって支えられています。

誤字脱字をなくすための校正・校閲はもちろん、内容の事実確認(ファクトチェック)、参考文献や引用元の正当性の確認など、緻密な作業が幾重にも発生します。

一つのミスが著者や作品、ひいては会社の信用を大きく損なう可能性も少なくありません。

また、制作スケジュールの管理、印税や著作権に関する契約書の確認など、数字や法律に関わる正確な事務処理能力も求められます。

こうした細やかな作業を、高い集中力と責任感を持って遂行できる能力は、出版ビジネスの根幹を支える重要な資質です。

【出版社のガクチカ】学生時代に力を入れたこと

出版業界への理解が深まったところで、ガクチカについて、その定義から解説します。

何を問われているのかを正しく理解することが選考通過率を上げるための第一歩です。

ガクチカの定義

「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略称です。

就職活動においては、原則として最終学歴の期間、すなわち大学生であれば大学時代に取り組んだ経験を指します。

稀に高校時代の部活動などを題材にする学生もいますが、特別な理由がない限りは避けるべきです。

採用担当者はコロナ禍で学生生活に多くの制約があったことを理解しています。

しかし、その中でも主体的に行動し、何らかの経験を積んだ学生がいることも事実です。

大学時代の経験を語れない場合、「困難な状況下で工夫する姿勢がない」「大学生活で何もしてこなかった」という印象を与えかねず、大きなデメリットとなる可能性があります。

自己PRとの違い

ガクチカと自己PRは、企業が評価する視点が異なります。

それぞれの意図を理解し、内容を書き分けることが重要です。

自己PRが、自身の「強み」を提示しその能力を仕事でどう活かせるかをアピールする項目であるのに対し、ガクチカは経験の過程における人柄や価値観、思考のプロセスを評価する項目です。

企業は、応募者が困難にどう向き合い何を学んだかを知ることで、「自社で成長できる人材か」を見極めています。

【出版社のガクチカ】出版業界のガクチカ評価ポイント

出版業界の採用担当者は、ガクチカのエピソード自体が持つインパクトの大きさよりも、その経験を通じて応募者がどのような能力や姿勢を培ってきたかを重視します。

以下に、特に注目される5つの評価ポイントを解説します。

企画力

出版業界における企画力とは、単なるユニークな発想力だけを指すものではありません。

ガクチカでは、現状の問題やニーズを的確に捉える課題発見能力と、それを解決するための具体的な目標を設定し、達成までの道筋を論理的に描く構想力が評価されます。

サークル活動やゼミ、アルバイトなどの経験において、自ら課題を見つけ、独自の工夫で状況を改善したエピソードは、企画力の高さを証明します。

探究心

探究心は、面白いコンテンツを生み出すための根源的な資質です。

物事の表面をなぞるのではなく、「なぜそうなっているのか」という本質的な問いを立て、粘り強く掘り下げる姿勢が評価されます。

ガクチカにおいては、直面した課題の原因を深く分析したり、目標達成のために主体的に情報収集や学習を行ったりした経験が、探究心の表れと見なされます。

この姿勢は、入社後に新たなテーマや才能を発掘する力に繋がると期待されます。

コミュニケーション能力

出版社の仕事は、多様な立場の人々を巻き込み、一つのゴールへと導く調整力が求められます。

そのためガクチカでは、チームや組織の中で自身がどのような役割を担い、他者とどう関わったかが注視されます。

意見の対立を乗り越えて合意形成を図った経験や、異なる考えを持つ相手を説得し協力を引き出した経験などを通じて、双方向の意思疎通能力や信頼関係の構築能力が評価されます。

粘り強さ

目標達成の過程では、予期せぬ困難や失敗がつきものです。

採用担当者は、成功体験そのものよりも、その裏にあったであろう壁にどう立ち向かい、乗り越えたのかというプロセスに関心を持っています。

簡単に諦めずに試行錯誤を繰り返した経験や、逆境の中でも最後まで責任を持ってやり遂げた経験は、精神的な強さと目標達成意欲の証明となります。

この粘り強さは、長期にわたる書籍制作のプロセスにおいて不可欠な資質です。

正確性

書籍や雑誌は、社会的な信頼性が問われる製品であり、その品質は情報の正しさによって支えられています。

ガクチカでは、物事を丁寧かつ正確に進める姿勢が評価されます。

例えば、イベント企画における入念な準備、研究発表におけるデータや引用元の徹底した確認、アルバイトでのミスない業務遂行などが正確性の証明となります。

細部まで気を配り、最終的なアウトプットの質に責任を持つ姿勢は、読者や著者からの信頼を得る上で極めて重要です。

【出版社のガクチカ】評価されにくいガクチカ

一生懸命取り組んだ経験であっても、伝え方次第では出版業界の採用担当者に評価されにくい場合があります。

ここでは、ガクチカとしてアピールする際に避けるべき5つの特徴を解説します。

「本が好き」だけで終わっている

「本が好きで、多くの読書経験を積んできました」といったアピールは、出版業界を志す学生の多くが口にするため、差別化が困難です。

採用担当者が知りたいのは、その愛情をどのように行動や思考に繋げたかという点です。

「好き」という気持ちを原動力に、読書会を企画した、書評ブログを運営した、創作活動に取り組んだなど、具体的なアクションを伴わないガクチカは、単なる一読者の感想と見なされがちです。

受け身の姿勢で独創性がない

与えられた課題や指示された業務を真面目にこなした、というエピソードは、責任感を示すことはできても、出版業界で求められる企画力や創造性の証明にはなりません。

新しいコンテンツを世に送り出す仕事では、常に現状をより良くするための主体的な工夫や、前例のないことにも挑戦する姿勢が求められます。

ガクチカにおいて、自身のアイデアで何かを改善したり、新しい取り組みを始めたりした経験が語られない場合、入社後の活躍イメージを描くことが難しくなります。

「読者」の視点が欠けている

サークル活動やゼミの研究など、内輪の目標達成に終始したエピソードは注意が必要です。

出版は、コンテンツを「読者」という第三者に届けて初めて成立するビジネスです。

自身の活動が、読者や顧客といった他者にどのような価値を提供したのか、という視点が欠けているガクチカは、独りよがりな印象を与えます。

常に受け手を意識し、その満足度を高めるために何をしたかを語ることが重要です。

当事者意識や主体性が見えない

集団での活動を題材にする際に、「私たちは〇〇を頑張りました」という表現に終始し、その中で自身が果たした具体的な役割や貢献が見えないケースです。

採用担当者は、チームの成果ではなく、応募者個人の能力や人柄を評価したいと考えています。

集団の中でどのような課題意識を持ち、何を考え、どのように行動したのか、という「自分自身の物語」として語られていないガクチカは、評価のしようがありません。

自己満足で完結している

「この経験を通じて、〇〇の重要性を学びました」というように、個人の内面的な成長や学びのアピールだけで完結しているガクチカも、物足りない印象を与えます。

もちろん学びは重要ですが、ビジネスでは行動によって具体的な成果を生み出すことが求められます。

自身の働きかけによって、組織や周囲の状況がどう改善されたのか、どのような客観的な結果に繋がったのかという「他者への貢献」「客観的な成果」まで語ることで、初めて説得力が生まれます。

【出版社のガクチカ】基本的な構成

ロジックの通った文章構成を用いることで、ガクチカがより魅力的に伝わります。

ここでは、評価されるガクチカの基本的な構成を解説します。

1. 結論

まず冒頭で、あなたが学生時代に最も力を入れたことが何であるかを簡潔に述べます。

「私が学生時代に最も力を入れたのは、〇〇です」のように、話の全体像を最初に提示することで、採用担当者はその後の内容を理解しやすくなります。

この結論ファーストは、ビジネスコミュニケーションの基本です。

2. 背景

次に、なぜその活動に力を入れようと思ったのか具体的な動機やきっかけを説明します。

例えば同じ書店でのアルバイト経験であっても、「POP作りに関心があったから」と「書店の在庫管理システムを改善したいと思ったから」では、動機が全く異なります。

この背景を語ることで、あなたの人柄や価値観が伝わります。

3. 目的

その活動において、どのような目的意識を持って行動していたのかを明確にします。

そして、その目的を達成する上で障壁となった具体的な課題についても言及します。

「〇〇という目的を達成しようとしましたが、△△という課題がありました」と記述することで、この後の「具体的な取り組み」への説得力が増します。

4. 具体的な取り組み

設定した目的を達成し、課題を乗り越えるために、あなたが「何を考え」「どのように行動したのか」を具体的に記述します。

ここはガクチカの核となる部分です。

自身のどのような強みやスキルを活かして、主体的に問題解決に取り組んだのかを詳細に語ることで、採用担当者はあなたの能力を具体的に評価できます。

5. 結果

あなたの取り組みが、最終的にどのような結果に繋がったのか客観的な事実として述べます。

可能な限り、「売上を20%向上させた」「集客数を50人から80人に増やした」のように、具体的な数字を用いて成果を示すことで、エピソードの信憑性とインパクトが格段に高まります。

6. 学びと入社後の結び付け

最後に、その経験全体を通して何を学んだのかを簡潔にまとめます。

そして、その学び培った能力を、入社後に志望企業でどのように活かし、貢献していきたいのかを具体的に述べます。

企業研究に基づいた内容を語ることで、志望度の高さを示すことができます。

PREP法は面接でも有効!

この「結論→背景・目的→具体的な取り組み→結果→学び」という構成は、PREP法(Point, Reason, Example, Point)を応用したものです。

エントリーシートのように文章を添削できる場面だけでなく、面接で即興的に回答する際にも極めて有効です。

この型を意識することで、焦らずに論理的で分かりやすい説明が可能になります。

【出版社のガクチカ】職種別例文

ここからは、出版社の中でも職種別にガクチカの例文を紹介していきます。

コピペは厳禁ですが、自身の経験と近しいものや気に入った表現を用いてあなたオリジナルのガクチカを作成してみてください。

例文1. 編集者

編集者とは、書籍や雑誌といった出版物の企画から完成まで、全ての工程に責任を持つ職種です。

新しい企画を立案し、著者やデザイナーといったクリエイターと共に内容を作り上げ、読者に届けるまでの中心的役割を担います。

時代のニーズを捉え、面白いコンテンツを生み出すプロデューサー的な視点が求められます。

例文

私が学生時代に最も力を入れたのは、所属する文学ゼミの書評誌を改革したことです。当初、書評誌はゼミ内の義務として形式的に作られており、読まれないという課題がありました。私はこの状況を問題視し、「ゼミ生が本気で読みたくなる冊子」を目標に、特集企画の導入を提案しました。具体的には、「就活に効く一冊」というテーマを立て、ゼミ生へのアンケートで紹介する本を選定し、記事のクオリティ向上のためにピアレビュー制度も取り入れました。結果、ゼミ内での回読率が大幅に向上し、他ゼミの学生からも読みたいと声が掛かるようになりました。この経験から、読者視念で企画を立て、周囲と協力して形にする面白さを学びました。貴社でもこの経験を活かし、読者に求められる書籍を作りたいです。

このエピソードでは、現状の課題から改善策を立案・実行した「企画力」が示されています。
また、個人プレーではなく周囲を巻き込みながら改革を進めた「協調性」も評価されます。
そして、「読者が読みたくなるか」という「読者視点」を一貫して持ち、独りよがりでないコンテンツ作りを実践した点が、出版社の仕事と合致しています。

例文2. 営業

出版社の営業は、自社で刊行した書籍や雑誌を、一つでも多く読者に届けるための最前線に立つ職種です。

主に書店を訪問し、新刊の案内や受注活動、売場の陳列提案などを行います。

市場の動向を肌で感じ、その情報を社内の編集部門にフィードバックする重要な役割も担っています。

例文

私が学生時代に力を入れたのは、アパレル店でのアルバイトで、高価格帯商品の販売数を3ヶ月で2倍にしたことです。私の店舗では、デザイン性は高いものの高価格なため、試着のみで購入に至らない商品がありました。私はこの商品を「特別な日に着る一着」と捉え直し、単に商品を薦めるのではなく、お客様の着用機会をヒアリングした上で「食事会でしたら、このアクセサリーと合わせると素敵ですよ」と具体的なコーディネートを提案する接客へと切り替えました。結果、商品の価値がお客様に伝わりやすくなり、担当商品の月間販売数は3ヶ月で2倍になりました。この経験から、顧客の潜在的なニーズを汲み取り、商品の価値を的確に伝えることの重要性を学びました。貴社の営業としても、書店様が抱える課題を分析し、最適な提案をすることで作品の価値を最大化したいと考えております。

このエピソードでは、売上が伸び悩む商品の原因を分析する「課題発見力」が示されています。
また、顧客へのヒアリングを通じて最適な提案を行う「対話力」と「提案力」も評価されます。
そして、具体的な数字で成果を示しているため、目標達成意欲の高さとビジネスの視点を持っていることが伝わります。

例文3. プロモーション・宣伝

出版社のプロモーション・宣伝は、書籍や雑誌といった作品を世の中に広く知らせ、読者の購買意欲を高める役割を担う職種です。

広告戦略の立案、SNSアカウントの運用、メディアへの情報提供(パブリシティ)、著者イベントの企画など、その手法は多岐にわたります。

時代のトレンドを捉え、作品の魅力を最大限に引き出す仕掛けを考える仕事です。

例文

私が学生時代に力を入れたのは、写真サークルの広報担当としてSNS運用を改革し、写真展の来場者数を前年比1.5倍に増やしたことです。例年、私たちの写真展は来場者数が伸び悩んでいました。原因を分析したところ、SNSでの告知が単なる開催情報の案内に留まっており、作品自体の魅力が伝わっていない点にあると考えました。そこで私は、展示作品の一部を毎日紹介するカウントダウン企画を提案・実行しました。投稿では、写真に込めた作者の想いを短い文章で添え、物語性を感じさせる工夫を凝らしました。結果、サークルのSNSアカウントのフォロワーは1ヶ月で300人増加し、写真展の来場者数は過去最高の約300名(前年比1.5倍)を記録しました。この経験から、受け手の興味を引くコンテンツを企画し、最適な手法で届けることの面白さを学びました。貴社でも、作品の魅力を引き出すプロモーションを企画し、ヒット作の創出に貢献したいです。

このエピソードでは、来場者数が伸び悩む原因を突き止める「課題分析力」が示されています。
また、単なる告知ではなく、読者の興味を引くカウントダウン企画を立案し実行した「企画力」と「情報発信力」が高く評価されます。
来場者数やフォロワー数といった具体的な数字で成果を語れている点も、説得力を高めています。

例文4. ライツ事業

ライツ事業は、自社が持つ漫画・書籍といったコンテンツの価値を最大化する職種です。

主な業務は、作品の映像化(アニメ・映画・ドラマ)、グッズ化、ゲーム化、海外での翻訳出版といった二次利用の企画・交渉・契約です。

作品の新たな可能性を引き出し、ビジネスを多角的に展開する役割を担います。

例文

私が学生時代に力を入れたのは、大学の留学生交流プログラムで、企画リーダーとして日本の漫画文化を紹介するツアーを成功させたことです。当初、留学生向けには一般的な観光案内しかなく、「漫画の聖地に行きたい」という彼らのニーズに応えられていない課題がありました。そこで私は、専門店の多い中野や秋葉原を巡るツアーを企画。しかし、店舗からは「団体の長時間滞在は迷惑」と協力に難色を示されました。そこで、各店舗の繁忙時間帯を調査し、迷惑にならない時間帯を組み込んだ訪問スケジュールを再提案しました。また、作品の文化的背景を解説した自作の英語ガイドブックを用意し、教育的な意義を伝えることで信頼を得ました。結果、5つの店舗から快く協力を得られ、ツアーは毎回満員となる人気企画となりました。事後アンケートでは参加者の95%から「満足」との評価を得ました。この経験から、文化背景の異なる相手にコンテンツの価値を伝え、交渉を通じて信頼関係を築く重要性を学びました。貴社の優れた作品の価値を、国内外の多様なパートナーに伝え、その可能性を最大化するライツ事業に貢献したいです。

このエピソードでは、留学生のニーズを汲み取り、相手の懸念点を解消する提案を行った「交渉力」が示されています。
また、文化的な背景を翻訳して伝える「異文化理解力」も、海外展開も担うライツ事業において高く評価されます。
自ら課題を発見し、関係者を巻き込みながら新しい企画を実現した主体性も伝わります。

例文5. デジタル事業・Web編集

デジタル事業・Web編集は、Webメディアや漫画アプリ、電子書籍といったデジタル領域のコンテンツを担う職種です。

Webサイトの企画・編集・運営や、SNSアカウントの運用、ユーザーの閲覧データ分析など、その業務は多岐にわたります。

従来の編集スキルに加え、SEOやWebマーケティングの知識、データに基づいた戦略立案能力が求められます。

例文

私が学生時代に力を入れたのは、趣味で始めたカフェ紹介Instagramアカウントを、データ分析に基づき運用し、1年間でフォロワーを5,000人まで増やしたことです。当初は思うようにフォロワーが伸びませんでしたが、原因を突き止めるためにプロアカウントに移行し、インサイトデータの分析を始めました。すると、「自然光で撮影した写真」と「価格帯を明記した投稿」の保存率が特に高いことが判明しました。そこで、投稿スタイルをこの2軸に徹底し、ハッシュタグも毎回見直すという仮説検証を繰り返しました。結果、アカウントの月間インプレッションは10万を超え、フォロワーは1年間で5,000人に到達しました。この経験から、データを分析してユーザーニーズを把握し、求められる情報を的確に届けることの重要性を学びました。貴社が運営するWebメディアにおいても、このデータ分析力と実行力を活かし、読者エンゲージメントの向上に貢献したいです。

このエピソードでは、感覚ではなくインサイト機能という客観的なデータに基づいて課題を分析する「論理的思考力」が示されています。
また、分析結果から改善策を立てて実行する「仮説検証能力」も、デジタル事業で成果を出す上で不可欠な素養であり高く評価されます。
具体的な数字で成果を示せている点も説得力があります。

【出版社のガクチカ】まとめ

本記事では、出版業界のガクチカについて解説しました。

重要なのは、「本が好き」という情熱を、企画力や読者視点といった仕事で求められる能力の証明へと繋げることです。

経験の大小ではなく、自身の体験を本記事で紹介した構成やポイントに沿って深く掘り下げ、論理的に伝えることが評価に繋がります。

この記事が、皆さんのガクチカ作成に役立つことができれば幸いです。

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