HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
この記事では、就活生の皆さんが抱えるそんな疑問や不安を解消するために、航空業界の仕事内容から「きつい」と言われる理由、現状の課題、そしてどのような人が向いているのかまで、現場の視点も交えながら詳しく解説します。
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【航空業界はきついのか】航空業界はきつい？
航空業界は、フライトアテンダント（CA）やグランドスタッフ（GS）など、お客様と直接関わる職種のイメージが強いため、「サービス業の側面から見てきつそう」という印象を持つ人が少なくありません。
また、24時間365日稼働するインフラを支えるという性質上、不規則な勤務形態や厳しい安全管理体制など、特有の厳しさがあるのも事実です。
しかし、きつさの感じ方は人それぞれであり、その仕事に何を求め、どんな価値観を持っているかによって大きく異なります。
この記事を通して、表面的なイメージだけでなく、航空業界のリアルな側面を知り、あなた自身にとって本当に「きつい」のかどうかを見極めるための判断材料としてください。
【航空業界はきついのか】航空業界の仕事内容
航空業界は、旅客や貨物の輸送という大枠で括られますが、その裏側には多岐にわたる専門的な仕事が存在しています。
航空会社が提供するサービスは、単に飛行機を飛ばすことだけでなく、安全な運航を支える技術的な仕事や、お客様に快適な体験を提供するための地上でのサービス、そしてビジネスを継続させるための経営管理など、非常に複雑な連携の上に成り立っているのです。
航空機の運航に関わる仕事
航空機の運航を直接担う仕事には、パイロットと客室乗務員（CA）がいます。
パイロットは、安全を最優先にフライト全体の指揮を執り、機体を操縦する高度な技術と判断力が求められる専門職です。
一方、客室乗務員（CA）は、機内での安全確保を最重要任務としつつ、お客様が快適に過ごせるよう質の高いサービスを提供します。
緊急事態への迅速かつ冷静な対応能力や、お客様の状態を細やかに察知するホスピタリティ精神が求められます。
この二つの職種は、航空会社の「顔」として、お客様の命と体験に直結する非常に責任の重い仕事であると言えます。
地上でのサービスに関わる仕事
空港で展開される地上でのサービスも、航空業界には欠かせない重要な仕事です。
代表的なのがグランドスタッフ（GS）で、チェックインカウンターでの手続きや搭乗ゲートでの案内、手荷物の取り扱いなど、空港におけるお客様対応全般を担います。
お客様が最初に接する会社の窓口として、スムーズで丁寧な対応が求められます。
また、運航管理の仕事も地上サービスの一部であり、フライトスケジュール作成や天候・機材状況を踏まえた運航の調整を行うディスパッチャーという専門職も存在します。
彼らの正確な判断が、定時運航と安全を支えているのです。
航空機の整備・点検に関わる仕事
安全なフライトを担保するため、航空機の整備・点検は極めて重要であり、航空整備士がその役割を担います。
整備士は、飛行機が出発する前後の点検、定期的な大掛かりな整備、そして予期せぬ故障への対応など、多岐にわたる作業を行います。
彼らの仕事は、航空機の安全性を確保する上で最後の砦であり、非常に高い専門知識と、妥協のない厳格な姿勢が求められます。
少しのミスも許されないため、マニュアル遵守とチーム連携が何よりも重視される現場です。
経営戦略・管理に関わる仕事
航空業界の経営を支える仕事も多岐にわたります。
具体的には、路線計画の策定、収益を最大化するための営業・マーケティング活動、そして企業の基盤を支える人事・総務・経理などのコーポレート部門があります。
国際的な競争が激しい航空業界において、市場の動向を正確に把握し、会社の方向性を決定づける重要な役割を担っています。
特に、海外の航空会社とのアライアンス戦略や、コスト削減とサービス向上の両立を目指す取り組みなど、高い視座での戦略立案が求められる分野です。
【航空業界はきついのか】航空業界の主な職種
航空業界には多様な職種があり、それぞれが専門性を活かして協力し合っています。
ここでは、就活生が特に注目すべき代表的な職種をいくつかピックアップして解説します。
客室乗務員（CA）
客室乗務員（CA）は、機内でお客様の安全を守り、快適なフライトをサポートするプロフェッショナルです。
仕事内容としては、緊急時の対応訓練を受けた上で、フライト中は保安要員としての役割が最優先されます。
その上で、機内食やドリンクの提供、機内販売などのサービスを行います。
不規則な勤務時間や時差の影響を受けやすいことに加え、多種多様なニーズを持つお客様へのきめ細やかな対応力が必要です。
また、国際線では異文化理解や語学力も不可欠であり、体力と精神力の両方を要する職種と言えます。
グランドスタッフ（GS）
グランドスタッフ（GS）は、空港のチェックインカウンターや搭乗ゲートで、お客様を最初にお迎えし、最後にお見送りする役割を担います。
航空券の発券、手荷物の受付、フライト情報の案内、遅延や欠航時の対応など、業務は多岐にわたります。
常に笑顔での対応が求められる一方で、天候不良や機材トラブルなど、予期せぬ事態が発生した際には、冷静かつ迅速にお客様を誘導し、情報を正確に伝えなければなりません。
高いコミュニケーション能力とホスピタリティ、そしてイレギュラー対応力が試される現場の最前線です。
総合職（事務系・技術系）
総合職は、航空会社の経営戦略の立案から実行まで、幅広い領域で活躍する職種です。
事務系総合職は、営業、企画、マーケティング、人事、財務など、会社全体の運営に関わる部門をローテーションしながら経験し、将来的な経営幹部候補として育成されます。
一方、技術系総合職は、航空機の整備計画の策定や、ITシステムの開発・管理など、安全運航を技術面から支える専門性の高い分野を担当します。
ジョブローテーションを通じて多様な経験を積み、会社の事業全体を俯瞰できる広い視野と専門知識を身につけることが求められます。
【航空業界はきついのか】航空業界がきついとされる理由
航空業界がきついと言われるのには、いくつかの構造的な要因が存在します。
業界特有の事情を理解することで、その「きつさ」が自分にとって乗り越えられるものなのか、冷静に判断する材料が得られます。
勤務時間が不規則になりやすい
航空業界は、飛行機が24時間365日運航しているため、多くの職種で勤務時間が不規則になりやすいという特徴があります。
客室乗務員やパイロットはもちろん、グランドスタッフや整備士なども早朝・深夜の勤務や宿泊勤務が多く発生します。
特に国際線に関わる職種では、時差調整も必要になり、生活リズムを整えるのに苦労するケースも少なくありません。
週末や祝日も関係なく働く必要があるため、一般的な職種の友人との予定が合わせにくいといった、プライベート面での調整の難しさも「きつい」と感じる一因です。
厳しい安全管理基準と責任の重さ
航空業界の仕事は、お客様の命と安全を預かるという点で、極めて高い安全管理基準が求められます。
整備士であれば少しのミスも許されませんし、パイロットや客室乗務員は常に緊急事態を想定した訓練を義務付けられています。
この「安全第一」という絶対的な原則は、日々の業務に大きなプレッシャーとしてのしかかります。
一つ一つの業務が人命に直結するという責任の重さが、精神的な負担となり、「きつい」と感じる大きな理由の一つです。
景気変動や社会情勢の影響を受けやすい
航空業界は、景気の変動やテロ、感染症のパンデミックなどの社会情勢の影響を非常に受けやすい業界です。
例えば、新型コロナウイルスの感染拡大時には、国際的な移動が制限され、航空需要が激減しました。
このように、予期せぬ外部環境の変化によって、会社の経営状況が大きく左右され、給与や雇用形態に影響が出る可能性があります。
未来の予測が難しく、常に不確実性と隣り合わせであるという点も、この業界の厳しさの一つとして挙げられます。
【航空業界はきついのか】航空業界の現状・課題
航空業界は、新型コロナウイルスの影響から徐々に回復しつつありますが、依然として解決すべき課題を抱えています。
現状を理解することは、将来のキャリアパスを描く上で非常に重要です。
環境問題への対応と持続可能性
航空機から排出される二酸化炭素などの温室効果ガスは、地球温暖化の一因として国際的に問題視されており、環境問題への対応は航空業界にとって喫緊の課題です。
燃費効率の高い新型機材の導入や、バイオ燃料などの持続可能な航空燃料（SAF）の開発・利用促進が求められています。
この取り組みは、単なる企業の社会的責任（CSR）ではなく、未来のビジネスモデルを確立するための重要な戦略と位置づけられています。
デジタル化によるサービス高度化と業務効率化
お客様のニーズが多様化する中で、航空業界でもデジタル技術を活用したサービスの高度化が進められています。
スマートフォンアプリを通じたチェックインや搭乗手続きの自動化、AIを活用した需要予測や運航管理などがその例です。
また、業務の効率化も重要な課題であり、IT技術を用いて煩雑なマニュアル作業を削減し、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整備することが求められています。
人材の確保と働き方改革の推進
コロナ禍での需要の激減と回復に伴い、経験豊富な人材の流出や採用の遅れが、特にパイロットや整備士などの専門職で顕在化しています。
また、不規則な勤務形態や厳しい業務内容から、「きつい」というイメージが定着し、新規人材の確保も難しくなってきています。
このため、働き方改革として、柔軟な勤務シフトの導入や、従業員の健康管理・メンタルヘルスケアの強化など、魅力的な労働環境を整備することが、業界全体の課題となっています。
【航空業界はきついのか】航空業界に向いている人
航空業界の厳しい側面を理解した上で、それでもなお高いモチベーションを持って活躍できる人には、いくつかの共通する特徴が見られます。
ホスピタリティ精神と高いコミュニケーション能力がある人
航空業界の多くの職種は、お客様との接点が非常に多いため、心から他者に尽くしたいと思えるホスピタリティ精神が欠かせません。
お客様の目線に立ち、何が求められているかを察知し、それを実現するために主体的に行動できる姿勢が重要です。
また、多国籍のお客様や、社内の多様な部門と連携を取る必要性から、相手の意図を正確に理解し、自分の考えを適切に伝えられる高いコミュニケーション能力も不可欠です。
チームでの協調性を重視できる人
飛行機の安全な運航は、パイロット、客室乗務員、整備士、グランドスタッフ、運航管理者など、多くの専門職が連携し合うチームワークによって成り立っています。
個々のスキルが高いことはもちろん重要ですが、それ以上に自分の役割を理解し、他のメンバーと協力して一つの目標に向かえる協調性が求められます。
自分の意見を主張するだけでなく、相手の立場を尊重し、組織全体の利益を最優先して行動できる人は、この業界で重宝されます。
変化に柔軟に対応できる適応力がある人
航空機の運航は、天候、機材トラブル、お客様の急な状況変化など、予期せぬイレギュラーが常に発生する可能性があります。
マニュアル通りにいかない状況で、パニックにならず、冷静に状況を判断し、最善の行動を選択できる柔軟な対応力が求められます。
また、テクノロジーの進化や社会情勢の変化に敏感に対応し、新しい知識やスキルを積極的に学んでいく自己成長への意欲も、この変化の激しい業界で生き残るために重要です。
【航空業界はきついのか】航空業界に向いていない人
航空業界で働く上で、特に苦労しやすい、あるいはモチベーションを維持しにくいと考えられる人の特徴も把握しておきましょう。
完璧主義で融通が利かない傾向がある人
航空業界は安全性が最優先されるため、厳格なマニュアルやルールが存在します。
しかし、前述の通り、イレギュラーな事態は日常茶飯事であり、マニュアル外の判断が求められる場面も多くあります。
全てを完璧にこなそうとしすぎるあまり、予期せぬ事態への対応で精神的に疲弊してしまう、あるいは、ルールにこだわりすぎて柔軟な対応ができない完璧主義の人は、この業界のダイナミズムに対応しきれない可能性があります。
時には割り切って次善の策を選択する判断力も必要です。
不規則な生活リズムに耐性がない人
航空業界の多くの職種では、シフト勤務や夜間・早朝の勤務が避けられず、不規則な生活リズムになりがちです。
規則正しい生活を強く好み、体調管理を徹底したい人にとっては、大きなストレスとなる可能性があります。
また、長距離フライトに関わる職種では、時差ボケへの対応も必要になり、セルフマネジメント能力が極めて重要です。
自分の体調や生活リズムの変化に敏感で、それに合わせて柔軟に対応できない人は、長期的に働くことが難しくなるかもしれません。
ストレス耐性が低くプレッシャーに弱い人
航空業界の仕事は、人命に関わる安全管理の責任や、お客様からのクレーム対応など、常に高いプレッシャーにさらされます。
特にフライトの遅延や欠航など、自分の力ではどうにもならない状況下で、多くのお客様からの厳しい視線にさらされることもあります。
このような状況下でも、感情的にならず、冷静に業務を遂行し続ける高いストレス耐性が必要です。
プレッシャーを感じやすい人や、気持ちの切り替えが苦手な人は、精神的な負担が大きくなる可能性が高いです。
【航空業界はきついのか】航空業界に行くためにすべきこと
航空業界への就職は、人気の高さから競争率も高くなりがちです。
内定を勝ち取るために、今からできる具体的な対策を解説します。
語学力（特に英語）の習得と資格取得
航空業界は国際的なビジネスであり、多くの職種で語学力、特に英語力は必須スキルです。
TOEICの高得点を目指すだけでなく、実際に業務で使えるレベルの会話力やコミュニケーション能力を磨くことが重要です。
また、航空整備士であれば航空整備士資格、運航管理者であればディスパッチャー資格など、専門職によっては必須の資格があります。
自分が目指す職種に応じて、必要なスキルや資格を調べ、計画的に習得に取り組みましょう。
徹底した企業研究と志望動機の具体化
一言で「航空業界」と言っても、各航空会社にはLCC（格安航空会社）やFSC（フルサービスキャリア）など、それぞれ異なる経営戦略や社風があります。
徹底的に企業研究を行い、なぜその会社でなければならないのかを明確にすることが重要です。
単に「飛行機が好きだから」という理由ではなく、「御社の○○という路線戦略に共感し、自分の持つ○○というスキルで貢献したい」というように、具体的なエピソードやロジックを交えた志望動機を構築してください。
チームで成果を上げた経験を積む
前述の通り、航空業界ではチームワークが非常に重要です。
アルバイト、サークル活動、ボランティア活動など、どのような形でも構いませんので、多様な人と協力し、困難を乗り越えて成果を上げた具体的な経験を積んでください。
そして、その経験から何を学び、どのようにチームに貢献できたのかを、面接で説得力を持って語れるように整理しておきましょう。
協調性や責任感、そして問題解決能力を具体的なエピソードで示すことが、内定への近道となります。
まとめ
この記事では、新卒就活生の皆さんに向けて、航空業界の仕事内容、「きつい」と言われる理由、現状の課題、そして向いている人・向いていない人の特徴まで、多角的に解説しました。
航空業界は、厳しい安全基準と不規則な勤務形態という側面を持つ一方で、世界と人を繋ぐという非常にやりがいのある仕事であり、その魅力に惹かれる人も多くいます。
この業界への就職を目指すのであれば、表面的な華やかさだけでなく、その厳しさや責任の重さも理解した上で、自分が本当に何を成し遂げたいのかを深く掘り下げてみてください。
皆さんがこの情報を活用し、納得のいく就職活動を進められるよう、心から応援しています。
