
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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就職偏差値とは
就職活動を進める中で、「就職偏差値」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
これは、企業や特定の業界の新卒採用における難易度を数値化した指標であり、就職人気度や倍率、選考の通過率などを総合的に判断して算出されるものです。
この数値が高いほど、その企業や業界は多くの学生から人気があり、内定を獲得するのが難しいことを意味します。
ただし、就職偏差値はあくまで参考指標の一つであり、あなたのキャリアの価値そのものを決定するものではありません。
特定の業界、今回は「士業資格」に焦点を当て、その就職偏差値の構造と、内定獲得に向けた具体的な戦略を深掘りしていきましょう。
士業資格の就職偏差値ランキング
士業資格は、その専門性と社会的信頼性の高さから、就職市場においても常に高い注目を集めています。
資格の種類によって求められる専門知識や業務範囲が大きく異なるため、一律に比較することは難しいものの、一般的に資格の難易度や業務の独占性、そして資格を活かせる企業の採用難易度を加味して、その就職偏差値は変動します。
このランキングは、あくまで新卒就職において「士業資格」がどれだけ優位に働くかという視点から作成したものです。
資格取得後のキャリアパスも踏まえ、具体的なランキングを見ていきましょう。
【士業資格業界】Aランク(就職偏差値70以上)
【70】医師(脳神経外科・救急外来・外科・産婦人科) 裁判官(最高裁判事)
このランクは、極めて高度な専門性と人命・社会への重大な責任を負う職種です。
特に専門性が高く、過酷な勤務条件を伴う外科系医師や、司法の頂点である最高裁判事が該当し、その地位に就くには卓越したキャリアと実績が必須となります。
【士業資格業界】Bランク(就職偏差値66以上)
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【69】医師(内科・小児科・呼吸器科・消化器科・循環器内科・麻酔科) 弁護士(四大法律事務所)
【68】医師(整形外科・精神科・小児科) 公認会計士(BIG4) 裁判官(判事)
【67】弁護士(準大手事務所) 企業内弁護士 公認会計士 外国公認会計士
【66】弁護士 弁理士 獣医師 裁判官(判事補) 検察官(検事)
この層は、難関国家資格を持ち、高い専門知識を要求される職種や、大手組織に所属するプロフェッショナルが中心です。
対策としては、難関資格の取得が最低条件であり、特に四大法律事務所やBIG4会計事務所では、学歴や英語力、論理的思考力、そして厳しい業務に耐えるタフネスが求められます。
【士業資格業界】Cランク(就職偏差値61以上)
【65】歯科医師 裁判官(簡裁判事) 検察官(副検事) 1級建築士 不動産鑑定士
【64】薬剤師 司法書士 税理士 気象予報士 2級建築士
【63】看護師 中小企業診断士 初生ひな鑑別師
【62】教師 社会保険労務士 土地家屋調査士
【61】弁護士(イソ弁・ノキ弁) 行政書士 公認心理師
このランクは、専門性の高い分野で独立開業も可能な資格職や、高度な専門職が中心です。
対策としては、資格取得後の実務経験や専門分野に特化した知識を積み重ねることが重要です。特に開業を目指す場合は、営業力やコミュニケーション能力が不可欠となります。
【士業資格業界】Dランク(就職偏差値56以上)
【60】救急救命士 診療放射線技師
【59】通関士 海事代理士 マンション管理士 航空通信士
【58】潜水士 社会福祉士 歯科技工士 歯科衛生士 臨床工学技士
【57】保育士 理学療法士 作業療法士 柔道整復師 はり師 きゅう師 あん摩マッサージ指圧師
【56】精神保健福祉士 調教師 視能訓練士 理容師 美容師 消防設備士 臭気判定士 発破技士
この層は、医療・福祉、あるいは特定の技術分野で必要不可欠な資格職や、生活に密着したサービス提供者が多くを占めます。
対策としては、実習や現場経験を通じた確かな技術力と倫理観を身につけることが求められます。チーム医療・福祉の一員としての協調性も重要です。
【士業資格業界】Eランク(就職偏差値50以上)
【55】夜景観光士 掃除能力検定士 アマチュア無線技士 ラジオ体操連盟公認指導者
このランクは、趣味や特定の専門知識に特化した民間資格や、ニッチな公的資格が中心です。
対策としては、これらの資格を直接的な就職先とするのではなく、本業に付加価値をつけたり、特定分野での知識・熱意を証明するツールとして活用するのが一般的です。
【士業資格】とは
士業資格とは、特定の専門分野において高度な知識や技術を持ち、法律に基づいてその業務を行うことが認められた職業の総称です。
「士」という文字が名称に含まれることから、一般的に「士業」と呼ばれています。
これには弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士など、多くの国家資格が含まれます。
これらの資格は、社会生活や経済活動において、専門的な視点から問題解決や手続き代行を行う重要な役割を担っており、その業務は他の者が代行できない「独占業務」として法律で定められているものが多いのが特徴です。
そのため、士業資格を持つ人材は、専門家として社会から高い信頼と需要を得ています。
基本的な仕組み
士業資格の基本的な仕組みは、国家が定める試験に合格し、資格を登録することで、特定の業務を独占的に行えるようになるという点にあります。
この独占業務が、士業の安定した需要と高い社会的地位を支える大きな要因です。
例えば、税理士であれば、他人の税務書類の作成や税務代理を行うことが認められており、これは税理士資格を持たない人が行うことはできません。
資格を取得した個人は、独立して事務所を開業する道もあれば、企業や公的機関に勤めてその専門知識を活かす道もあります。
新卒の就職活動においては、資格取得が既に入社後の活躍を具体的にイメージさせる強力な材料となり、選考を有利に進めることが可能です。
主な役割と業務内容
士業の主な役割は、その専門分野において、クライアントや社会が抱える複雑な問題に対し、法的な観点や専門知識に基づいた最適な解決策を提供することです。
弁護士は法律問題全般の解決を、公認会計士は企業の財務情報の監査や会計コンサルティングを、社会保険労務士は企業の労務管理や社会保険の手続きを行います。
業務内容は資格によって多岐にわたりますが、共通して言えるのは、高度な専門知識を活用したコンサルティングや書類作成、そして代理業務が中心となる点です。
これらの業務は、社会の公正性や経済活動の健全性を維持するために不可欠であり、社会貢献性の高い仕事であると言えます。
資格取得がキャリアにもたらす付加価値
士業資格は、単なる知識の証明に留まらず、個人のキャリアに長期的な付加価値をもたらします。
最も大きな付加価値の一つは、その資格に紐づく高い専門性と市場価値です。
資格を持っていることで、特定の分野におけるプロフェッショナルとして認知され、転職や独立といったキャリアの選択肢が格段に広がります。
また、多くの士業資格は一度取得すれば原則として生涯有効であり、景気の変動に左右されにくい安定した専門職としての地位を確立できます。
さらに、資格取得という困難な目標を達成した事実は、自己肯定感の向上や、クライアントからの信頼獲得にも直結し、仕事へのやりがいにも繋がるでしょう。
【士業資格】特徴
士業資格業界について、詳しく説明していきます。
言葉をみたらなんとなく理解はできても、細部まで理解している人は少ないかと思います。
ここでしっかりと頭に入れていきましょう。
高い専門性と社会的信頼性
士業資格の最大の特徴は、特定の専門分野における極めて高い専門性を証明できる点です。
これらの資格は、難易度の高い国家試験を突破することで得られるため、その知識水準は社会的に保証されています。
この専門性が、弁護士や公認会計士といった士業が社会的に高い信頼を享受している根拠となっています。
企業側も、新卒採用において士業資格保有者を評価するのは、その知識を即座に業務に活かせると期待するからです。
この高い専門性と信頼性は、キャリアを長期的に安定させるための大きな基盤となります。
法律に裏打ちされた独占業務の存在
多くの士業資格には、法律で定められた「独占業務」が存在することが、他の職種との決定的な違いです。
この独占業務のおかげで、資格保有者は安定した業務需要を確保でき、経済的な基盤も強固なものになります。
例えば、税理士でなければ行えない税務代理や、弁護士でなければ行えない法律事務など、その資格を持つ人だけが提供できるサービスがあるため、市場における競争優位性が非常に高くなります。
就職活動においても、この独占業務の存在は、将来のキャリアの確実性として評価されるポイントです。
独立開業というキャリアパスの多様性
士業資格を持つことの大きな魅力の一つは、独立開業というキャリアパスが現実的な選択肢となる点です。
企業で経験を積んだ後、自らの事務所を立ち上げ、専門家として独立した立場で業務を行うことが可能です。
これは、組織に縛られず、自分の専門性を最大限に活かしたいと考える人にとって、非常に魅力的な選択肢です。
新卒で資格を持っている場合でも、まずは企業や専門ファームで実務経験を積むのが一般的ですが、将来的に独立という目標を持てることは、仕事へのモチベーションを維持する大きな要素になります。
【士業資格】向いている人
士業資格業界に向いてる人の特徴を紹介します。
継続力が大事になる業界ですので、よく理解して自分との共通点はあるか確認していきましょう。
論理的思考力と問題解決能力がある人
士業の仕事は、複雑な法規制や専門知識を適用し、クライアントの抱える問題を論理的に分析し解決することが中核となります。
そのため、物事を筋道立てて考え、情報を整理し、最も適切な結論を導き出す論理的思考力は不可欠です。
また、問題の本質を見抜き、様々な制約の中で現実的な解決策を生み出す問題解決能力も求められます。
目の前の事象を多角的に捉え、冷静に判断できる能力は、特にクライアントからの信頼を得る上で非常に重要になります。
継続的な学習意欲と向上心を持つ人
法律や会計制度、社会の仕組みは常に変化しています。
士業としてプロフェッショナルであり続けるためには、最新の情報や法改正に常に対応し、継続的に学習し続ける意欲が欠かせません。
資格を取得した後も、その知識をアップデートし続けることが、クライアントに質の高いサービスを提供するための大前提となります。
また、自身の専門性をさらに深めたり、関連分野の知識を広げたりといった向上心を持つことが、長期的なキャリア形成に繋がります。
責任感が強く倫理観が高い人
士業の業務は、クライアントの重要な権利や財産に関わるものが多く、極めて高い責任感が求められます。
一つのミスがクライアントに大きな損害を与える可能性もあるため、仕事に対して真摯に向き合い、細部にまで気を配る姿勢が必要です。
加えて、職務の公正性を保つための高い倫理観も不可欠です。
秘密保持義務や守秘義務など、プロフェッショナルとしての行動規範を厳守できる人は、士業として長く活躍できるでしょう。
コミュニケーション能力に長けている人
専門職というとデスクワークのイメージが強いかもしれませんが、士業はクライアントや関係者とのコミュニケーションを通じて仕事を進める側面が非常に大きいです。
クライアントの真のニーズを引き出し、専門的な内容を分かりやすく説明する能力、そして関係者との円滑な協力関係を築くための高いコミュニケーション能力が求められます。
特に、相手の立場や感情を理解し、共感しながら話を進める傾聴力は、信頼関係構築の鍵となります。
【士業資格】向いていない人
士業資格業界に向いていない人を紹介します。
どんな特徴があるのかしっかり確認していきましょう。
しかし、ここに当てはまるからといって、内定がとれないというわけではありませんので参考程度にみていくことをおすすめします。
地道な作業やルーティンワークが苦手な人
士業の業務には、専門的な判断だけでなく、書類作成やデータ入力など、地道で正確性が求められるルーティンワークが一定量含まれます。
特に資格取得直後やアシスタントの立場では、基礎的な業務を正確にこなす能力が不可欠です。
細かな作業を軽視したり、単調な繰り返し作業に集中力が持続しない人は、業務の質を維持することが難しく、士業にはあまり向いていないかもしれません。
曖昧な指示や状況判断を避けたい人
クライアントからの相談は、必ずしも整理された状態で持ち込まれるわけではありません。
多くの場合、状況は複雑で曖昧であり、その中から問題の本質を見抜き、最適な対応を自ら判断していく必要があります。
マニュアル通りに動くことだけを好む、あるいは明確な指示がないと動けない人は、士業が直面する不確実性の高い状況への対応に困難を感じる可能性があります。
プレッシャー耐性が低い人
士業の業務は、締め切りが厳しく設定されていたり、クライアントの期待値が高い、あるいは法的な争いに関わるなど、高いプレッシャーがかかる場面が多いです。
重要な意思決定を迫られたり、困難な交渉に臨んだりすることもあります。
ストレスやプレッシャーを感じやすい状況下で、冷静かつ的確な判断を下すことが苦手な人は、士業として長期的に働き続けることは難しいかもしれません。
【士業資格】内定をもらうためのポイント
実際に内定をもらうためにはどんなことをするべきなのか詳しく解説していきます。
自分に落とし込める部分もあると思うので、よく読んで確認していきましょう。
専門職としてのキャリアビジョンを明確にする
士業資格を持つ学生が内定を獲得するためには、その資格を活かしてどのような専門職として貢献したいのか、具体的なキャリアビジョンを明確に持つことが重要です。
単に「資格を持っている」という事実だけでなく、「この資格を通じて貴社でどのような価値を提供できるか」を具体的に語れるように準備しましょう。
入社後の数年間の目標や、将来的な専門性の方向性を示すことで、企業に対して高い意欲と計画性をアピールできます。
資格取得に向けたプロセスを具体的に説明する
面接では、資格取得の難易度を知っている採用担当者から、その資格をどのように、どのような困難を乗り越えて取得したのかを問われることが多いです。
単に「頑張りました」で終わらせるのではなく、学習計画、モチベーションの維持方法、そして失敗から何を学んだのかといったプロセスを具体的に説明できるように準備しましょう。
これは、あなたの継続的な努力能力や自己管理能力、そして困難に立ち向かう姿勢をアピールする絶好の機会となります。
実務への応用力と熱意を示す
資格はあくまで知識の証明であり、内定を獲得するためには、その知識を実際の業務でどのように活かせるのかという応用力と実務への熱意を示す必要があります。
例えば、会計士を目指すなら、「監査業務を通じて企業の健全な発展をサポートしたい」といった具体的な志望動機を練り上げましょう。
可能であれば、資格学習中に得た知識を日常生活やアルバイト経験と結びつけて語ることで、あなたの知識が机上の空論ではないことを証明できます。
【士業資格】よくある質問
士業資格業界を志望する学生から寄せられる質問をまとめました。
みなさんも実際に思いついたことがある質問かもしれませんね。
よく確認していきましょう。
資格はいつまでに取得すれば就職に有利ですか
士業資格が就職に最も有利に働くのは、大学在学中、あるいは卒業見込みの段階で既に取得が完了している場合です。
特に公認会計士や税理士などの最難関資格については、在学中の合格が大手監査法人や専門ファームへの内定に直結することが多いです。
しかし、資格の種類によっては、内定後に取得を推奨される、あるいは入社後の研修でサポートされるケースもあります。
大切なのは、資格取得に向けた明確な計画と、それに向かって努力している姿勢を企業に示すことです。
資格なしで士業事務所への就職は可能ですか
資格を持たない学生でも、士業事務所や専門ファームへの就職は可能性として十分にあります。
多くの事務所では、資格取得を目指す学生や、事務所の運営を支える事務・コンサルティングサポート部門の人材を求めているからです。
この場合、あなたの潜在能力やコミュニケーション能力、そして将来的な資格取得への強い意欲が評価されます。
入社後に資格取得を支援する制度があるかを確認し、入社後に貢献できることと資格取得への決意を熱意をもって伝えましょう。
士業資格を持っていると大手企業への就職に有利ですか
士業資格は、大手企業の特定の部門への就職において非常に有利に働きます。
例えば、公認会計士資格は大手企業の経理・財務部門や内部監査部門で、社会保険労務士資格は人事・労務部門で、その専門性が高く評価されます。
資格を持つことは、専門知識の裏付けだけでなく、難関試験を突破した努力と能力の証明にもなるため、選考過程で他の候補者との大きな差別化要因となり得ます。
あなたの持つ資格と企業が求める人材像が一致しているかをよく研究することが重要です。
まとめ
本記事では、新卒就活生に向けて士業資格の就職偏差値ランキングから、その特徴、そして内定獲得のための具体的なポイントまでを解説しました。
士業資格は、その専門性と独占業務の存在により、長期的に安定したキャリアと高い市場価値をもたらしてくれます。
もちろん、資格を取得するまでの道のりは決して容易ではありませんが、その努力は必ず将来のキャリアに結実するでしょう。
もしあなたが士業資格の取得に興味を持ち、専門家としてのキャリアを目指したいと考えるなら、今のうちから目標を定め、計画的に学習をスタートさせることを強く推奨します。
あなたの就職活動が、未来の専門職としての第一歩となることを心から応援しています。