
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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【アパレル業界のガクチカ】はじめに
アパレル企業の人事に響く魅力的なガクチカを作成するためには、まずアパレル業界というフィールドを正しく理解することから始まります。
「服が好きだから」「おしゃれが好きだから」という理由だけでは、残念ながら他のライバルとの差別化は図れません。
企業は、あなたがビジネスとしてファッションにどう向き合い、どのように貢献してくれるかを見ています。
そのため、まずは徹底した自己分析を行い、自分の強みや価値観を洗い出しましょう。
その上で業界分析を行い、本当に自分にアパレル業界が合っているのか、どのような職種で輝けるのかを擦り合わせる作業が不可欠です。
このプロセスを経ることで、志望動機や自己PRとの一貫性が生まれ、ガクチカをより自信を持って、説得力のある言葉で伝えられるようになります。
業界の華やかさの裏にある泥臭さや、チームワークの重要性を理解していることを示すのがポイントです。
【アパレル業界のガクチカ】アパレル業界に向いてる人の特徴
アパレル業界で活躍できる人材には、いくつかの共通点があります。
もちろん企業によって求める人物像は異なりますが、業界全体として重視される「適性」を知っておくことは非常に有利です。
ここでは、アパレル業界に向いている人の特徴を5つ挙げ、それぞれの要素をどのようにガクチカに落とし込めばよいか、具体的な視点から解説していきます。
自分の経験と照らし合わせながら読み進めてみてください。
人と話すことやコミュニケーションが好きな人
アパレル業界、特に販売職においては、お客様とのコミュニケーションが仕事の核となります。
単に洋服を売るだけでなく、お客様のニーズを引き出し、最適な提案をする会話力が求められます。
そのため、初対面の人とも物怖じせずに関係性を築ける人や、相手の話に耳を傾けることが得意な人は非常に適性が高いと言えます。
ガクチカでこの特徴をアピールする場合、アルバイトでの接客経験はもちろん、サークル活動での新入生勧誘や、ボランティア活動など、多様な人と関わったエピソードが有効です。
単に「話すのが好き」というだけでなく、「相手の立場に立って考え、行動した経験」や「コミュニケーションを通じて課題を解決した経験」を盛り込むと、より実践的な能力として評価されます。
チームワークを大切にし、協調性がある人
店舗運営や商品企画など、アパレルの仕事の多くはチームで行われます。
個人の売上も大切ですが、店舗全体の目標達成や、ブランドの世界観を作り上げるためには、スタッフ同士の連携が欠かせません。
そのため、周囲と協力して物事を進められる協調性や、チームのために自ら動けるフォロワーシップを持った人が好まれます。
ガクチカでは、部活動やゼミ活動、アルバイトなどでチーム一丸となって目標に向かった経験を題材にするのがおすすめです。
その中で、あなたがどのような役割を果たし、どのようにチームに貢献したのかを具体的に語りましょう。
自分がリーダーでなくても構いません。
「チームの潤滑油として意見を調整した」「サポート役に徹してチームの士気を高めた」といったエピソードは、アパレル企業の現場でも再現性が高いと評価されます。
トレンドに敏感で、変化を楽しめる人
ファッションのトレンドは移り変わりが早く、常に新しい情報や価値観が生まれています。
そのため、常にアンテナを張り巡らせ、新しいことに興味を持てる好奇心旺盛な人が向いています。
また、変化を恐れず、むしろその変化を楽しみながら自分の成長につなげられる柔軟性も重要な資質です。
この特徴をガクチカにするなら、何か新しいことに挑戦した経験や、自ら情報を収集して行動に移したエピソードが良いでしょう。
例えば、SNSを活用してサークルの広報活動を改革した話や、趣味の活動で最新の技術や知識を取り入れて成果を出した話などが挙げられます。
「現状維持に満足せず、常により良いものを求めて工夫したプロセス」を伝えることで、変化の激しい業界でも活躍できるポテンシャルを感じさせることができます。
体力があり、精神的にタフな人
華やかに見えるアパレル業界ですが、実際は立ち仕事が基本であり、バックヤードでの在庫管理や品出しなど、体力を使う場面が多々あります。
また、お客様からのクレーム対応や、売上目標へのプレッシャーなど、精神的な強さも求められます。
そのため、心身ともにタフで、困難な状況でも前向きに取り組める粘り強さを持った人は、現場で長く活躍できる人材として重宝されます。
ガクチカでは、スポーツ経験や厳しい練習を乗り越えたエピソードはもちろん、学業や研究、長期インターンシップなどで、困難な課題に直面しても諦めずにやり遂げた経験がアピール材料になります。
「きつい状況でも笑顔を絶やさなかった」「失敗してもすぐに気持ちを切り替えて次の行動に移した」といったエピソードは、忙しい店舗業務でも頼りになる存在だと印象づけることができます。
自ら考えて行動できる主体性がある人
マニュアル通りの対応だけでは、お客様に感動を与えることはできません。
また、刻々と変化する状況に合わせて、臨機応変に対応する判断力も必要です。
指示を待つのではなく、「今何をすべきか」を自ら考え、主体的に行動できる人は、どの職種についても成長スピードが速く、将来のリーダー候補として期待されます。
ガクチカでこの点を強調するなら、課題発見から解決までを自分主導で行ったエピソードを選びましょう。
「アルバイト先でマニュアルにはない工夫をして売上を伸ばした」「ゼミで誰もやりたがらない役割に立候補し、プロジェクトを成功させた」など、自発的なアクションが結果につながった経験は強力な武器になります。
受け身ではなく、能動的に動ける姿勢を示すことで、入社後の活躍イメージを明確に伝えることができます。
【アパレル業界のガクチカ】学生時代に力を入れたこと
アパレル業界の特性や求める人物像が見えてきたところで、次は肝心の「ガクチカ」そのものについて理解を深めていきましょう。
多くの就活生が悩むポイントの一つに、「いつの時代のことを書けばいいのか」という疑問があります。
また、自己PRとの違いを明確に理解していないと、似たような内容を繰り返してしまい、アピール効果が半減してしまいます。
ここでは、ガクチカの定義と、自己PRとの決定的な違いについて解説します。
ガクチカの定義
「ガクチカ」とは文字通り「学生時代に力を入れたこと」ですが、就職活動においては一般的に「直近の学生時代」、つまり「大学生または専門学生時代」のエピソードを指します。
高校卒業後すぐに就職する場合は高校時代の話になりますが、大学や専門学校を卒業する皆さんが高校時代の部活動の話ばかりをするのはおすすめできません。
なぜなら、企業は今のあなたの価値観や能力を知りたいのであり、数年前の過去の栄光を聞きたいわけではないからです。
もちろん、コロナ禍などの影響で思うような活動ができなかった方もいるでしょう。
採用担当者もその事情は十分に理解しています。
しかし、制限された環境の中でも工夫して取り組んだことや、日常の中で継続した努力はあるはずです。
特別なイベントである必要はありません。
「何もしていない」と諦めるのではなく、学業、趣味、アルバイトなど、大学生活の中で自分が主体的に向き合った時間を見つめ直してください。
大学時代に空白期間があると思われないよう、直近の経験からエピソードを探すことが大切です。
自己PRとの違い
ガクチカと自己PRは混同されがちですが、企業がそれぞれの質問で知りたい意図は明確に異なります。
まず「自己PR」は、あなたにどのような「強み」や「能力」があるか、そしてその強みを「入社後にどう仕事に活かせるか」をアピールする項目です。
つまり、現在の能力と未来の可能性に焦点が当たっています。
一方、「ガクチカ」は、あなたが物事にどう取り組み、どのような過程を経て、何を学んだかという「プロセス」を見る項目です。
ガクチカを通じて企業が見ているのは、あなたの人柄や価値観、そして困難に対する姿勢です。
結果の大きさよりも、「なぜそれをやろうと思ったのか」「課題にぶつかったときどう考えたのか」という思考のプロセスが重視されます。
自己PRが「武器の紹介」だとすれば、ガクチカはその武器を「どのように磨き、使ってきたかの物語」だと言えます。
この違いを理解し、ガクチカでは経験から得た学びや成長を、自己PRではその経験で培った能力の活用法を伝えるように意識しましょう。
【アパレル業界のガクチカ】アパレル企業のガクチカ評価ポイント
アパレル企業の人事は、数え切れないほどのエントリーシートに目を通しています。
その中で、彼らは一体どこに注目して評価を下しているのでしょうか。
単に「売上を上げました」「優勝しました」という結果だけを見ているわけではありません。
ここでは、アパレル企業特有の視点も交えながら、ガクチカで高く評価される5つのポイントを具体的に解説していきます。
ここを押さえれば、あなたのガクチカはぐっと魅力的なものになるはずです。
思考のプロセスと課題解決能力
人事担当者が最も注目しているのは、「素晴らしい結果を出したか」よりも、「その結果に至るまでにどう考え、どう動いたか」というプロセスです。
仕事では予期せぬトラブルや課題がつきものです。
その際、あなたがどのように現状を分析し、原因を特定し、解決策を講じたのかという思考回路が見られています。
例えば、「売上が落ちた」という課題に対して、「ただ頑張って声をかけた」ではなく、「客層を分析し、ニーズに合った陳列に変更した」というような論理的なアプローチが評価されます。
なぜその行動をとったのかという理由が明確であればあるほど、入社後も再現性のある行動ができる人材だと判断されます。
具体的な行動の裏にある「意図」や「工夫」をしっかりと言語化することで、あなたの課題解決能力をアピールしましょう。
周囲を巻き込む力とリーダーシップ
アパレル業界はチームでの仕事が基本です。
そのため、一人で黙々と作業を進める能力よりも、周囲と協力し、時には周りを巻き込んでプロジェクトを推進していく力が評価されます。
ここでのリーダーシップとは、必ずしも「部長」や「リーダー」といった役職についていることではありません。
たとえ役職がなくても、チームの課題に対して率先して声を上げたり、メンバーの意見をまとめたり、モチベーションを上げるような働きかけをした経験は高く評価されます。
「自分一人の力ではなく、周りとどう関わりながら目標を達成したか」という視点を盛り込むことで、組織の中でポジティブな影響を与えられる人材であることを示せます。
特に販売職では、スタッフ間の連携が売上に直結するため、協調性と影響力の両方を持っていることは大きな強みになります。
顧客視点(ホスピタリティ)の有無
アパレルビジネスの根幹は、お客様に喜んでもらうことにあります。
そのため、ガクチカの内容から「相手の立場に立って物事を考えられるか」「誰かのために行動することに喜びを感じられるか」というホスピタリティの精神が読み取れるかどうかも重要な評価ポイントです。
接客のアルバイト経験があれば直接的にアピールしやすいですが、そうでなくても構いません。
例えば、塾講師で生徒一人ひとりに合わせた指導案を作った話や、サークルの合宿係としてみんなが楽しめるプランを練った話などでも、「相手(ターゲット)を想い、その満足度を高めるために努力した経験」は評価されます。
ビジネスとしての利益追求だけでなく、その先にある顧客満足を追求できるマインドを持っていることを伝えましょう。
物事に対する熱量と継続力
華やかなイメージとは裏腹に、アパレルの現場は地道な作業の積み重ねです。
時には思うような成果が出ず、悔しい思いをすることもあるでしょう。
だからこそ、一つの物事に対して情熱を持って取り組み、困難があっても投げ出さずに継続できる力は、人事担当者にとって非常に魅力的な要素です。
「好きだからこそ、ここまでこだわった」「辛い時期もあったが、目標のために粘り強く続けた」というエピソードは、仕事に対する姿勢としても評価されます。
熱中できる何かを持っていること、そしてそれを継続する泥臭さを持っていることは、長く働き続ける上での信頼性につながります。
ガクチカを通じて、あなたの内にある情熱や芯の強さを感じさせることができれば、採用担当者の心を動かすことができるでしょう。
ブランドイメージとの親和性
最後に忘れてはならないのが、応募する企業のブランドカラーや社風と、あなた自身の雰囲気が合っているかどうかです。
ガクチカの内容や文章のトーンから、その企業が大切にしている価値観(例えば「挑戦」「伝統」「親しみやすさ」「革新」など)と共鳴するものがあるかどうかもチェックされています。
もちろん嘘をつく必要はありませんが、応募企業の求める人物像を理解した上で、自分の経験の中からその要素に近いエピソードを選ぶ戦略は有効です。
例えば、新しいトレンドを創る企業なら「新規プロジェクトの立ち上げ経験」を、伝統を重んじる企業なら「一つのことを極めた経験」を中心に据えるなど、相手企業が「うちの社員として働いている姿」を想像しやすいように見せ方を工夫することも、評価を高めるための重要なテクニックです。
【アパレル業界のガクチカ】評価されにくいガクチカ
どんなに素晴らしい経験をしていても、伝え方を間違えると人事には響きません。
むしろ、アパレル業界ならではの「NGポイント」を踏んでしまうと、マイナスの印象を与えてしまうことさえあります。
ここでは、一般的にアパレル業界でウケが悪いとされるガクチカの特徴を紹介します。
これらを事前に把握し、自分の原稿を見直すことで、失敗のリスクを回避し、より魅力的な内容へとブラッシュアップしていきましょう。
成果や結果のみを強調
「全国大会に出場しました」「売上を〇〇万円達成しました」といった輝かしい結果は素晴らしいですが、それだけを強調するのは危険です。
前述の通り、企業が知りたいのは「結果」そのものではなく、そこに至るまでの「プロセス」です。
結果だけを並べられても、「たまたま運が良かっただけではないか」「環境が良かっただけではないか」と思われてしまう可能性があります。
どれだけ凄い結果であっても、そこにあなたの努力や工夫が見えなければ評価にはつながりません。
「なぜその結果が出せたのか」「どんな壁にぶつかり、どう乗り越えたのか」というストーリーを語ることが重要です。
結果はあくまでエピソードの「オチ」であり、メインはそこに至るまでの泥臭い過程にあることを忘れないでください。
過程が具体的にイメージできるように内容を整理しましょう。
個人プレーの話ばかり
「資格試験のために一人で毎日10時間勉強しました」「一人で黙々と作品を作り続けました」といったエピソードは、努力としては素晴らしいですが、アパレル業界のガクチカとしては少し弱いです。
なぜなら、アパレル業界は基本的にチーム戦であり、周囲とのコミュニケーションや連携が不可欠な仕事だからです。
完全に個人の世界で完結している話ばかりだと、「協調性がないのではないか」「組織になじめるだろうか」という懸念を抱かれる可能性があります。
もし個人の取り組みを話す場合でも、「友人や先生にアドバイスを求めた」「周りを巻き込んで勉強会を開いた」など、他者との関わりを少しでも盛り込むことで、チームワークも大切にできる姿勢を見せることができます。
独りよがりな印象にならないよう注意が必要です。
一貫性のない内容
「なんとなく参加しました」「言われたからやりました」といった、主体性や目的意識が感じられない内容は評価されにくいです。
また、取り組んだ目的と実際の行動、そして得られた結果に論理的なつながりがない場合も、「考えが浅い」と判断されてしまいます。
取り組みに対する動機(目的・課題)が不明確だと、どれだけ頑張っても説得力が生まれません。
「なぜそれに力を入れたのか」という動機から始まり、「そのために何をしたのか」「その結果どうなったのか」という一連の流れに一貫性を持たせることが大切です。
行き当たりばったりではなく、自分なりに目的を持って行動し、そこから学びを得ているというストーリー構成を意識してください。
「なんとなく頑張った」ではなく、「意図を持って頑張った」ことを伝えましょう。
他の項目とずれている
選考において、ガクチカは単体で評価されるわけではありません。
自己PR、志望動機、長所・短所など、すべての回答を総合的に見て、あなたという人物像が判断されます。
そのため、ガクチカの内容が他の項目と矛盾していると、一気に信憑性が下がってしまいます。
例えば、自己PRで「誰とでもすぐに仲良くなれるコミュニケーション能力」をアピールしているのに、ガクチカで「一人でコツコツ研究に没頭した話」をしていては、どちらが本当のあなたなのか分かりません。
ガクチカで示す人柄や価値観が、自己PRや志望動機とズレていると、一貫性が欠如し「自己分析ができていない」という評価につながります。
提出前には必ずすべての項目を見返し、全体として一貫した人物像が描けているかを確認しましょう。
一貫性がある方が説得力が増します。
【アパレル業界のガクチカ】基本的な構成
魅力的なエピソードを持っていても、構成がバラバラでは読み手に伝わりません。
特に採用担当者は短時間で多くの文章を読むため、わかりやすく論理的な文章構成が求められます。
ここでは、誰が読んでも理解しやすく、あなたの魅力が最大限に伝わる「王道の構成」を紹介します。
この流れに沿って書くことで、ロジックの通った説得力のあるガクチカが完成します。
1. 結論
まずは結論ファーストです。
「私が学生時代に力を入れたことは〇〇です」と一言で言い切ります。
ここでダラダラと説明を始めると、何の話なのか分からず読み手の集中力が切れてしまいます。
タイトルや見出しのような感覚で、簡潔にテーマを提示することが大切です。
これにより、読み手はこれから何の話が始まるのかを理解して読み進めることができます。
2. 背景
次に、その活動に取り組んだ背景を説明します。
「なぜそれに力を入れようと思ったのか」という動機や、当時の状況を描写します。
同じ「カフェのアルバイト」を題材にしていても、「接客を極めたかったから」なのか「店舗の売上低迷を救いたかったから」なのかで、その後の展開は全く異なります。
動機を明確にすることで、あなたの価値観や人柄が伝わりやすくなります。
3. 目的
その活動を通じて、具体的に何を目指していたのか、どのような目標を設定していたのかを記します。
また、その過程でどのような「課題」や「困難」があったのかも併せて記述します。
「全国大会出場を目指していたが、チームの士気が下がっていた」「常連客を増やしたかったが、リピート率が低かった」など、直面した壁を具体的に示すことで、次の「取り組み」の内容が引き立ちます。
4. 具体的な取り組み
ここがガクチカのメインパートです。
設定した目的を達成するため、あるいは課題を解決するために、あなたが「具体的にどう行動したのか」を書きます。
単に「頑張りました」ではなく、「〇〇という問題に対し、××という施策を行った」「メンバー一人ひとりと面談を行った」など、あなた自身の工夫や行動力がわかるように具体的に描写しましょう。
ここでの行動が、あなたの能力の証明になります。
5. 結果
取り組みの結果、どうなったのかを記します。
「売上が前年比120%になった」「チームの雰囲気が改善され、目標を達成できた」など、客観的な事実を伝えます。
数字で表せるものは数字を使うと説得力が増しますが、必ずしも数値的成果である必要はありません。
「お客様から感謝の言葉をもらった」「自分自身が〇〇のように成長できた」といった定性的な結果でも十分です。
重要なのは、取り組みが結実したことを示すことです。
6. 学びと入社後の結び付け
最後に、この経験を通じて何を得たのか、そしてそれを入社後にどう活かしたいかで締めくくります。
「この経験から、相手の立場で考える重要性を学んだ」「チームで目標を達成する喜びを知った」といった学びを述べ、それを「貴社でも〇〇として活かし、貢献したい」とつなげることで、採用担当者に将来の活躍イメージを持たせることができます。
PREP法は面接でも有効!
この「結論(Point)→理由・背景(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」という流れは、PREP法と呼ばれ、文章だけでなく面接の場でも非常に有効です。
エントリーシートは時間をかけて推敲や添削ができますが、面接では即興で答えなければなりません。
PREP法の型を頭に入れておけば、緊張していても話の構成がブレず、焦らずに伝えたいことを論理的に伝えることができます。
ガクチカを作成する段階からこの構成を意識しておくことは、面接対策としても非常に効果的です。
【アパレル業界のガクチカ】職種別例文
それでは最後に、実際にアパレル業界で評価されるガクチカの例文を職種別に紹介します。
これまで解説した構成やポイントがどのように反映されているかを確認しながら、自分のエピソード作成の参考にしてください。
ここでは400文字程度でまとめていますが、指定文字数に合わせて調整してみましょう。
例文1. 販売職(ショップスタッフ)
私が学生時代に力を入れたのは、カフェのアルバイトでの接客です。
「お客様に居心地の良い空間を提供する」ことを目標にしていましたが、当初は回転率を重視するあまり、事務的な対応になっているのが課題でした。
そこで私は、お客様一人ひとりの様子を観察し、「お仕事帰りですか?」「その本、面白いですよね」など、一歩踏み込んだ会話を心がけるようにしました。
また、常連のお客様の好みをノートにまとめ、次回来店時に提案できるようにしました。
その結果、私宛に来店してくださるお客様が増え、個人の指名数が店舗で1位になりました。
この経験から、相手のニーズを察知し、期待を超えるサービスを提供する喜びを学びました。
貴社でも、お客様に寄り添った接客でファンを増やしていきたいです。
例文2. 総合職(バイヤー・MD志望)
私は所属するテニスサークルの運営に力を入れました。
幹部として「新入生の定着率向上」を目標に掲げましたが、例年、夏休み前に半数が辞めてしまう状況でした。
現状を分析するため、退会者にヒアリングを行ったところ、「練習が厳しすぎてついていけない」という意見が多いことが判明しました。
そこで私は、初心者向けの練習メニューを新たに考案し、経験者と初心者がペアを組んで教え合う制度を導入しました。
また、練習以外でも交流できるよう、ランチ会を企画し、楽しみながら参加できる環境を整えました。
結果、新入生の定着率は9割まで向上し、サークル全体の活気も生まれました。
この経験で培った現状分析力と課題解決力を活かし、貴社では市場のニーズを的確に捉え、売上に貢献できる企画を立案したいと考えています。
例文3. VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)
私は雑貨店でのアルバイトで、売り場作りに注力しました。
担当していたコーナーは店舗の奥にあり、立ち止まるお客様が少ないことが課題でした。
商品の魅力が伝わっていないと考えた私は、お客様の動線と視線の動きを分析しました。
その結果、メイン通路から見える位置に季節感のある色鮮やかな商品を配置し、手書きのPOPで商品の使用シーンを具体的に提案するようにレイアウトを変更しました。
また、週に一度は配置を微調整し、新鮮さを保つ工夫も行いました。
この取り組みにより、担当コーナーの売上は前月比130%を達成しました。
この経験から、魅せ方一つで商品の価値が変わることを実感しました。
貴社でも、ブランドの世界観を表現しながら、お客様の購買意欲を刺激する空間作りを行いたいです。
例文4. デザイナー・パタンナー
私は服飾専門学校での卒業制作に全力を注ぎました。
「伝統と革新の融合」をテーマに、着物の生地と現代的なシルエットを組み合わせたドレス制作に挑みましたが、異素材の縫製が難しく、何度も失敗を繰り返しました。
しかし、諦めずに先生や友人にアドバイスを求め、縫製技術の研究を重ねました。
また、休日には美術館や古着屋を巡ってインスピレーションを得て、デザインの修正を数十回行いました。
納得がいくまで細部にこだわり抜き、制作には半年間、毎日放課後も残って作業を続けました。
その結果、学内コンテストで最優秀賞を受賞することができました。
この経験で得た粘り強さと妥協しない姿勢を活かし、貴社でも長く愛されるこだわりの商品を生み出していきたいです。
例文5. EC・PR・広報
私はインターンシップ先のアパレル企業で、SNS運用のリーダーとしてフォロワー増加に尽力しました。
当初は商品の写真だけを投稿していましたが、反応が薄く、フォロワー数も伸び悩んでいました。
ターゲット層である大学生に響くコンテンツが不足していると考え、私は投稿内容の刷新を提案しました。
具体的には、スタッフのリアルなコーディネート紹介や、着回し術の動画投稿を開始しました。
また、コメントには必ず返信し、フォロワーとの双方向のコミュニケーションを徹底しました。
さらに、ハッシュタグの分析を行い、検索されやすいワードを選定しました。
半年間の取り組みの結果、フォロワー数は3倍の1万人に達し、SNS経由のECサイト売上も20%向上しました。
この経験で得た発信力と分析力を活かし、貴社の魅力をより多くの人に届けていきたいです。
【アパレル業界のガクチカ】まとめ
今回は、アパレル業界におけるガクチカの書き方について、業界の特性や評価ポイント、具体的な構成から例文まで詳しく解説しました。
アパレル業界は、単におしゃれな人を求めているわけではありません。
チームと協力し、お客様のために思考し、行動できる「プロフェッショナルな素質」を持った人材を求めています。
あなたの学生時代の経験の中には、きっとその素質を証明するエピソードが眠っているはずです。
結果の大小に捉われず、「なぜ」「どうやって」取り組んだのかというプロセスを大切にしてください。
そして、その経験がアパレルの仕事にどうつながるのかを自信を持って伝えましょう。
この記事を参考に、あなただけの魅力が詰まったガクチカを完成させ、内定への切符を掴み取ってくださいね!