HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就職活動において、エントリーシートや面接で必ずといっていいほど聞かれる質問のひとつがガクチカです。
特に清掃職を志望する場合、どのような経験をアピールすれば採用担当者の心に響くのか悩む方も多いでしょう。
清掃職は単に掃除をするだけでなく、建物の維持管理や利用者の快適さを支える重要な役割を担っており、それに適した資質を示す必要があります。
この記事では、清掃職を目指す新卒就活生に向けて、評価されるガクチカの書き方を詳しく解説します。
具体的な構成や例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【清掃職のガクチカ】学生時代に力を入れたこと
ガクチカとは、学生時代に力を入れたことを指す言葉であり、就職活動における定番の質問項目です。
ここでいう学生時代とは、最終学歴となる学校に在籍していた期間を指すのが一般的です。
つまり、大学卒業後に就職する場合は大学時代の経験を、専門学校卒業後の場合は専門学校時代の経験を題材にするのが適切でしょう。
大学生が高校時代の部活動などを中心に話してしまうと、大学生活では何もしてこなかったのではないかというマイナスの印象を与える可能性があります。
そのため、直近の学生生活での取り組みを選ぶことが重要です。
自己PRとの違い
ガクチカと自己PRは混同されやすいですが、企業が見ているポイントには明確な違いがあります。
自己PRはその人にどのような強みがあり、その能力を入社後にどう活かせるかをアピールするものです。
一方でガクチカは、経験を通じてどのような考え方をして行動したのかというプロセスを重視します。
つまり、ガクチカでは結果そのものよりも、課題に対する取り組み方や困難を乗り越えた経験から、その人の人柄や価値観を知ることが目的とされています。
この違いを理解して使い分けることが大切です。
【清掃職のガクチカ】企業がガクチカを聞く理由
企業が選考の場でガクチカを質問するのには、明確な意図があります。
単に学生時代の思い出話を聞きたいわけではなく、応募者の内面やポテンシャルを見極めるための重要な判断材料として扱われています。
特に新卒採用では、実務経験がない分、学生時代の行動特性から入社後の活躍を予測する必要があるのです。
ここでは、企業がガクチカを通じてどのようなポイントを確認しているのかを3つの視点から解説します。
意図を正しく理解することで、より効果的なアピールが可能になります。
自社とマッチングする人なのか
企業はガクチカを通じて、応募者の人柄や価値観が自社の社風や業務内容に合っているかを確認しようとしています。
なぜその活動に力を入れようと思ったのかという動機や、具体的な活動内容を聞くことで、その人の志向性が浮き彫りになるからです。
また、サークル活動やアルバイトなどチームで取り組んだ経験であれば、組織の中でどのような役割を果たし、周囲とどう関わったのかが見えてきます。
清掃職においてもチームワークは不可欠であるため、組織への適性や協調性の有無は重要な評価ポイントとなります。
職場でも頑張れる人なのか
学生時代に何かに向かって懸命に努力した経験がある人は、社会人になっても同様に仕事に対して真摯に取り組んでくれると期待されます。
仕事には困難や壁がつきものですが、過去に目標を持って粘り強く活動した実績があれば、職場でも課題に直面した際に諦めずに乗り越えられるでしょう。
企業はガクチカを聞くことで、その学生が物事に対してどれだけの熱量を持って継続できるかを見ています。
つまり、努力を継続できる資質があるかどうかを確認し、長く活躍してくれる人材を探しているのです。
学びの姿勢があるか
企業が入社後の成長性を判断する上で、経験から学ぶ姿勢があるかどうかも重要なチェックポイントです。
成功体験だけでなく、失敗や困難から何を学び、それをその後の行動にどう活かしたかというプロセスが問われます。
過去の経験を振り返り、自分なりに分析して改善につなげられる人材は、仕事においても自ら成長していけるでしょう。
清掃職の現場でも、より効率的な方法を模索したり技術を向上させたりする姿勢が求められるため、経験を糧にして成長できる人材であることは大きなアピールになります。
【清掃職のガクチカ】清掃職に必要なスキル
清掃職のガクチカを作成する際は、業務で求められるスキルや適性と、自身のエピソードを関連付けることが効果的です。
清掃の仕事は、単に体を動かすだけでなく、細やかな配慮や自己管理能力など多様な資質が必要とされます。
ここでは、清掃職において特に重要視されるスキルを5つ挙げ、それぞれについて解説します。
これらの要素をガクチカの中に自然に盛り込むことで、採用担当者に入社後の活躍イメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
決められた手順を遵守する規律性
清掃業務には、効率的かつ安全に作業を進めるためのマニュアルや手順が定められています。
洗剤の取り扱いや機材の操作方法など、ルールを守らなければ事故や怪我につながるリスクもあります。
そのため、定められた手順を正しく理解し、確実に実行できる規律性は非常に重要です。
ガクチカにおいても、自分勝手な判断で動くのではなく、基本に忠実に取り組みながら成果を出した経験や、ルールを尊重する姿勢を示すことで、信頼できる人材であると評価されやすくなります。
長時間の作業に耐えうる体力と持久力
清掃職は立ち仕事が中心であり、広い範囲を移動したり重い機材を扱ったりすることもあるため、基礎的な体力が求められます。
また、夏場の暑さや冬場の寒さといった環境下でも、一定のパフォーマンスを維持して作業を続ける持久力も必要です。
スポーツ経験や身体を使うアルバイト経験などは、このスキルを裏付ける強力な根拠となります。
体力に自信があることだけでなく、厳しい環境でも集中力を切らさずに継続できる精神力も併せてアピールすると良いでしょう。
細部まで気を配る几帳面さ
清掃のプロフェッショナルとして、利用者が気づかないような細かい部分まで目を配り、清潔さを保つことが求められます。
大雑把な作業では汚れを見落としてしまい、サービスの質が低下してしまうからです。
そのため、細部までこだわりを持って丁寧に取り組める几帳面さは、清掃職にとって欠かせない適性です。
ガクチカでは、緻密な作業を行った経験や、周囲が見過ごしてしまうような課題に気づいて改善したエピソードなどを通じて、細やかな視点を持っていることを伝えると効果的です。
チームで連携するための協調性
清掃業務は一人で黙々と行うイメージがあるかもしれませんが、実際にはチームで分担して作業を進める現場も多くあります。
限られた時間内に広いエリアを完了させるためには、スタッフ同士の連携や声掛けが欠かせません。
また、報告や連絡をスムーズに行うコミュニケーション能力も必要です。
部活動やサークル、グループワークなどで周囲と協力して目標を達成した経験は、組織の一員として円滑に働けることの証明となり、清掃職の採用においても高く評価されます。
限られた時間内で完了させる時間管理能力
商業施設やオフィスビルなどの清掃は、開店前や始業前といった限られた時間内での作業完了が求められるケースが多々あります。
また、利用者の邪魔にならないよう、手際よく作業を進めるスピード感も重要です。
そのため、全体の作業量を把握し、優先順位をつけて効率的に動く時間管理能力が必要不可欠です。
学業とアルバイトの両立や、イベント運営でのスケジュール管理など、段取りを考えて効率的に行動した経験は、実務能力の高さを示すアピール材料になります。
【清掃職のガクチカ】構成
読み手に伝わりやすいガクチカを書くためには、論理的な構成で文章を組み立てることが大切です。
思いついたことをそのまま書くのではなく、話の順序を整理することで、説得力が格段に増します。
一般的に推奨される構成は、結論から始まり、背景、動機、行動、結果、そして入社後の展望へと続く流れです。
ここでは、各パートでどのような内容を記述すべきか、具体的な構成要素について詳しく解説します。
この型に沿って書くことで、誰が読んでも理解しやすい文章に仕上がります。
1. 結論
まずは結論ファーストで書き出すことが鉄則です。
私が学生時代に力を入れたことは〇〇ですと、冒頭でテーマを明確に宣言しましょう。
採用担当者は数多くのエントリーシートに目を通すため、最初に何についての話なのかが分からないと、その後の内容が頭に入ってきません。
端的にテーマを提示することで、読み手は話の全体像をイメージしながら読み進めることができます。
インパクトを狙って回りくどい表現をするよりも、シンプルで分かりやすい書き出しを心がけてください。
2. 背景
次に、その活動に取り組むことになった背景や状況を説明します。
なぜその活動を選んだのか、当時どのような環境に置かれていたのかを簡潔に描写しましょう。
同じアルバイトやサークル活動を題材にしていても、人によって置かれている状況や役割は異なります。
背景を伝えることで、エピソードに具体性が生まれ、読み手がその場の情景を想像しやすくなります。
ただし、長くなりすぎないように注意し、あくまで本題に入るための前提情報の共有にとどめるのがポイントです。
3. 目的
その活動に取り組むにあたって、どのような目的を持っていたのか、あるいはどのような課題に直面していたのかを記述します。
単になんとなく参加していたのではなく、目的意識を持って行動していたことを示す重要な部分です。
例えば、チームの成績を上げるためや、自身のスキルを向上させるためなど、具体的な目標を設定していたことを伝えましょう。
目的や課題が明確であるほど、その後の行動内容に説得力が生まれ、問題解決能力や主体性をアピールしやすくなります。
4. 具体的な取り組み
ここがガクチカの核心となる部分です。
設定した目的を達成するため、あるいは課題を解決するために、具体的にどのような行動をとったのかを詳述します。
この際、単に頑張りましたという抽象的な表現ではなく、どのような工夫をしたのか、どのような手段を用いたのかを具体的に書くことが重要です。
清掃職の業務に関連づけられるような、継続力や工夫、協調性などが発揮されたエピソードを選ぶと良いでしょう。
あなたならではの思考や行動のプロセスが評価の対象となります。
5. 結果
取り組みの結果、どうなったのかを客観的な事実に基づいて伝えます。
大会で優勝した、売上が〇〇パーセント向上したといった定量的な成果があればベストですが、必ずしも輝かしい実績である必要はありません。
重要なのは、当初の課題がどう解消されたのか、あるいは目的が達成されたのかという結末を示すことです。
結果があやふやだと、エピソード全体が締まらない印象になってしまいます。
また、周囲からの評価や反応などを交えることで、成果の客観性を高めることも有効です。
6. 学びと入社後の結び付け
最後に、その経験から何を得て、それを入社後にどう活かしたいかで締めくくります。
経験を通じて得た学びや気づきは、あなたの成長の証です。
そして、その学びが清掃職の業務にどのように貢献できるのかを論理的に繋げることが重要です。
例えば、継続する力を活かして日々の業務に真摯に取り組みたいといったように、企業の利益に貢献できる人材であることをアピールしましょう。
ここまで書くことで、採用担当者に採用するメリットを強く印象付けることができます。
PREP法は面接でも有効！
これまで紹介した構成は、Point（結論）、Reason（理由）、Example（具体例）、Point（結論）の頭文字をとったPREP法に基づいています。
この構成は文章を書く際だけでなく、面接での受け答えにおいても非常に有効です。
エントリーシートなどの提出書類は時間をかけて推敲できますが、面接ではその場で考えをまとめて話す必要があります。
普段からこのPREP法の型を意識しておくことで、緊張する場面でも論理的で分かりやすい説明ができるようになるでしょう。
【清掃職のガクチカ】ポイント
他の応募者と差別化し、より魅力的なガクチカにするためには、いくつかのテクニックがあります。
単に事実を羅列するだけでは、採用担当者の記憶に残るエピソードにはなりません。
読み手の納得感を高め、あなたの能力を効果的に伝えるための工夫が必要です。
ここでは、ガクチカをブラッシュアップするための2つの重要なポイントについて解説します。
これらを意識して推敲することで、説得力があり、信頼性を感じさせる文章に仕上げることができるでしょう。
具体的な数字を盛り込む
エピソードの中に具体的な数字を盛り込むことは、内容の信憑性と具体性を高めるために非常に有効です。
例えば、単にサークルの参加率を上げたと書くよりも、参加率を60パーセントから80パーセントに向上させたと書く方が、成果の大きさが明確に伝わります。
また、週に5回練習した、100人の接客をしたなど、行動量や規模感を数字で示すことも効果的です。
数字という客観的な指標を用いることで、誰が読んでも同じイメージを共有でき、あなたの努力や成果が正当に評価されやすくなります。
事実と解釈を分ける
文章を書く際は、実際に起きた事実と、それに対する自分の考えや感情である解釈を明確に区別することが大切です。
事実と解釈を混ぜて書いてしまうと、どこまでが客観的な出来事で、どこからが主観的な意見なのかが分かりにくくなり、説得力が低下してしまいます。
まず具体的な行動や成果という事実を提示し、その上でそれが自分にとってどういう意味を持っていたのかという解釈を加えることで、論理的な構成になります。
これにより、自己分析の深さや論理性も同時にアピールできるのです。
【清掃職のガクチカ】注意点
ガクチカを作成する際には、避けるべき落とし穴も存在します。
良かれと思って書いた内容が、かえってマイナスの印象を与えてしまうこともあるため注意が必要です。
採用担当者は、ガクチカを通じてあなたの人間性や仕事への姿勢を見ています。
そのため、自慢話に終始してしまったり、ネガティブな印象を残してしまったりすることは避けなければなりません。
ここでは、特に気を付けるべき2つの注意点について解説します。
これらを踏まえて、好印象を与える内容になっているか確認しましょう。
成果やエピソード自体を強調しすぎない
輝かしい成果や珍しいエピソードを持っていると、ついそれを強調したくなるものです。
しかし、企業が見たいのは結果そのものではなく、そこに至るまでのプロセスやあなたの考え方です。
すごい実績を並べ立てても、その過程でどのような努力をしたのかが見えなければ、再現性のある能力として評価されません。
結果はあくまで行動の帰結であり、主役はあなた自身の工夫や努力です。
成果を自慢するのではなく、泥臭いプロセスや苦労した点を丁寧に描写することを心がけてください。
ポジティブに伝える
ガクチカの中で失敗談や苦労話を扱うことは問題ありませんが、最終的にはポジティブな内容で締めくくることが重要です。
大変だった、辛かったという感想だけで終わってしまうと、単なる愚痴のように聞こえてしまい、採用担当者に不安を与えかねません。
困難な状況でも前向きに捉え、解決に向けて行動した姿勢や、そこから得られた学びを強調しましょう。
どのような経験も成長の糧にできるというポジティブなマインドを示すことで、入社後の活躍も期待されやすくなります。
【清掃職のガクチカ】例文3選
ここからは、清掃職の採用選考において高評価が期待できるガクチカの例文を3つ紹介します。
これまで解説してきた構成やポイントを踏まえ、それぞれ異なる強みをアピールする内容となっています。
体力や継続力、丁寧さや協調性など、清掃職で求められる資質をどのようにエピソードに落とし込んでいるかに注目してください。
これらの例文を参考に、自身の経験に合わせてアレンジし、あなただけのオリジナルのガクチカを作成してみましょう。
カフェでのアルバイト経験（効率化と衛生管理）
私が学生時代に最も力を入れたことは、カフェでのアルバイトにおける衛生管理と業務効率化の両立です。
私が働いていた店舗は非常に忙しく、ピーク時には客席の清掃が追いつかないという課題がありました。
お客様に不快な思いをさせない清潔な環境を提供したいと考え、私は清掃手順の見直しを提案しました。
具体的には、使用頻度の高い清掃用具を各エリアに配置し、スタッフの動線を短縮することで移動時間を削減しました。
また、空いた数分で実施できる簡易清掃リストを作成し、スタッフ全員で共有しました。
その結果、常に清潔な状態を維持できるようになり、お客様からのクレームがゼロになっただけでなく、回転率も向上しました。
この経験から、現状の課題を分析し、小さな工夫を積み重ねることで大きな改善に繋げられることを学びました。
貴社の業務においても、効率と質を両立させる視点を持ち、快適な空間作りに貢献したいと考えています。
運動部での活動（体力と継続力）
私が学生時代に力を入れたことは、大学の陸上部での長距離走の活動です。
入部当初は記録が伸び悩み、練習についていくのが精一杯でした。
しかし、チームの目標である駅伝大会への出場を果たすため、私は自身の課題であった持久力の強化に取り組みました。
全体練習に加えて、毎朝5時から10キロメートルの走り込みを自主的に行い、雨の日も休まず3年間継続しました。
また、食事管理や睡眠時間の確保など、生活習慣も含めて体調管理を徹底しました。
その結果、3年生の時には自己ベストを大幅に更新し、駅伝メンバーに選出されチームの入賞に貢献することができました。
この経験を通じて、目標に向かって地道な努力を継続することの重要性と、厳しい練習に耐え抜く強靭な体力を身につけました。
清掃職においても、どのような環境でも粘り強く業務に取り組み、任された仕事を最後までやり遂げる自信があります。
ボランティア活動（丁寧さと奉仕精神）
私は学生時代、地域のゴミ拾いボランティア活動に力を入れて取り組みました。
当初は参加者が少なく活動範囲も限られていましたが、私は自分たちが暮らす街をより綺麗にしたいという思いから、活動の活性化に努めました。
単にゴミを拾うだけでなく、植え込みの奥や自動販売機の下など、普段目につかない場所まで徹底的に清掃を行うよう心がけました。
また、通行人の方に明るく挨拶をすることで活動への理解を深めてもらい、SNSを活用して活動の様子を発信しました。
こうした丁寧な活動を続けた結果、地域の方々から感謝の言葉をいただく機会が増え、参加者も当初の3倍に増えました。
この経験から、見えないところまで配慮する誠実さと、周囲を巻き込む行動力を学びました。
貴社に入社後は、利用者が気持ちよく過ごせるよう、細部まで心を込めた清掃を行い、信頼されるスタッフを目指します。
【清掃職のガクチカ】まとめ
この記事では、清掃職を目指す就活生に向けて、ガクチカの書き方やポイントを詳しく解説してきました。
清掃職は、体力や丁寧さ、協調性など、人間としての基礎力が問われる仕事です。
特別な実績がなくとも、日々の生活や活動の中で真摯に取り組んできた経験があれば、それは立派なアピール材料になります。
今回紹介した構成や例文を参考に、あなた自身の経験を振り返り、自信を持って伝えられるガクチカを作成してください。
あなたの誠実な姿勢が伝われば、きっと良い結果に繋がるはずです。
