はじめに
「ガクチカを書かなきゃいけないけど、何を書いたら良いのかわからない」 「ガクチカに書けるようなことが思い当たらないのだけど、どうしたらいいの?」 就活で必要になる「ガクチカ」ですが、いざ書こうとしてもなかなかスムーズにいかない場合も多いのではないでしょうか。
本記事ではガクチカに書ける成果がないときにどうしたらいいのか、ガクチカを尋ねられる理由、ガクチカを魅力的に書くポイントや書くときの注意点などを紹介します。
この記事を読むことでガクチカとは何なのか、面接でよく聞かれる理由を知ることで面接官が魅力的に思うガクチカを書けるようになるでしょう。また、ガクチカを書く際の注意点についても知ることができます。
ガクチカで何を書いたら良いかわからない場合や、企業にとって魅力的なガクチカを書きたい場合はぜひ、こちらをチェックしてみてください。
そもそも「ガクチカ」とは?
「ガクチカ」というのは、「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉です。
就活について調べると、ガクチカが特集されていることがよくあります。これは実際に就活している際に、企業の面接官から「あなたは学生時代に何に力を入れていましたか」と聞かれることがよくあるためです。
就活するなら、ほとんどのケースで聞かれると思っていた方がいいでしょう。いざ聞かれたときにスムーズに答えるためにも、あらかじめ考えておく必要があります。
ガクチカに書ける成果がないときは?
ガクチカを書くことになった際、スムーズに書ける人ばかりではありません。人とは違う経験や特別な何かを頑張ったことがない人もいるでしょう。
ここでは、ガクチカに書ける成果がないときにどうすればいいのか紹介します。ガクチカを用意しておくように言われても何も思いつかないような場合は、以下をチェックしてガクチカに書ける内容を探してみましょう。
成果よりもプロセスが重要
とくに成果はなくても、学生生活で色々な経験をしたことや、アルバイトやボランティアをした経験や努力もガクチカのテーマにできます。
ガクチカは学生時代に力を入れたことを書く必要があるため、何も成果がなければ書くことがないとなりがちですが、企業が本当に聞きたいのは成果ではなくプロセスです。成果はなくても学生時代にどんなことをしていたのか思い出して、ガクチカを書いてみましょう。
成果があれば書く
ガクチカに書ける成果がある場合は、しっかりそのことを書きましょう。ガクチカで大事なのは成果よりもプロセスではありますが、成果があるのならば成果を書いた方が良いのです。
ただ、成果はあるけどガクチカに書くほどのことではない、という場合もあるのではないでしょうか。できれば小さな成果でも、ガクチカに書くことをおすすめします。ガクチカではプロセスが大事であることから、成果が大きくても小さくてもあまり気にする必要はないのです。
成果を書く場合はまず結果を書き、その次にどんな成果があったのかを記すようにしてみましょう。
「成果」と「結果」の言葉の違い
成果は自分が行ったことにより起こった基本的に良いことを指しますが、結果は自分が行ったことでどうなったのかを表す言葉であるため、良いことも悪いことも含まれるという違いがあります。
良い結果につながらなければ、成果にはなりません。しかし何か行動をしていれば、その結果は訪れます。そのため、学生時代を過ごして成果がない場合はありますが、結果がないということはないでしょう。
企業がガクチカを聞く理由
ここからは、企業がガクチカを聞く理由を5つ紹介していきます。
就活の際に多くの企業が「学生時代にどんなことに力を入れていたのか」を聞いてくることには、明確な理由があります。企業がどうしてガクチカを求めているのか理由を知れば、どんなガクチカを書けばいいのかわかりやすくなるでしょう。
人柄を知りたいから
企業がガクチカを聞いてくる理由の1つは、就活生がどんな人間性をしているのか、その人柄をある程度知りたいからです。
学生時代にしっかり何かに向かって努力していた就活生であれば、自社に就職してからも努力してくれるだろうと期待できます。何かに熱心に頑張った就活生であれば、その熱心さを仕事に向けてくれる可能性もあるでしょう。
また、しっかりとしたガクチカを用意してきた就活生であれば、自社に就職したい意欲が高いこともわかります。
価値観や考え方を判断できるから
ガクチカの内容によって、就活生の価値観や考え方を判断できることも、企業がガクチカに注目している理由の1つとなっています。
企業が就活生の価値観や考え方を気にするのは、就活生の持つ価値観や考え方が自社と合っているのかどうか、ミスマッチがないかを確認するためです。
就活生に内定を出して就職させても、自社とミスマッチがあればすぐに辞めてしまう可能性があります。早期退職を防ぐためにも、ガクチカで就活生の価値観や考え方を判断し、ミスマッチの少ない就活生を選びたいという企業側の事情があるのです。
論理的思考力があるか見極めたいから
ガクチカについて聞く際に、面接官はガクチカの内容がわかりやすいかどうかや就活生の話し方から、就活生に論理的思考力があるかどうかを見極めたいという目的で聞いていることもあります。就活生が目指す職種によっては、倫理的思考力が求められることがあるためです。
ガクチカについて面接官にしっかり伝わるように説明できるかどうか、その内容に齟齬はないかだけでなく、どんな風に話しているのか就活生の態度や話し方もチェックされています。
何を学ぶことができたか知りたいから
ガクチカを聞くことにより、面接官は就活生が学生時代にどんな経験をして何を学んでいるのかを知ることができます。今回のことに限らず、面接で話す際は成果よりプロセスが重要とされるのは、この理由のためです。
学生時代にしっかり努力をしていたら、その内容を知りたいと面接官は考えています。たとえ成果がなかったとしても、きちんと努力できる人材であれば、これからも成長していけるだろうと判断できるためです。
どんな点にモチベーションを得られるのか知りたいから
企業が就活生にガクチカを聞く理由の最後は、その人がどんな点にモチベーションを得られる人材なのかを知りたいから、というものです。
たとえば、とある就活生がゼミ対抗の学会コンクールにチームで出場し、優勝したとします。優勝する過程で困難に直面したとき、何をモチベーションにしていたのかでどういうことに頑張れる人材なのかを知ることができます。
優勝という目標に向かってチャレンジすることがモチベーションにつながったのか。または、資料づくりをしてその内容が周囲から褒められたときにモチベーションが高まるのかは人それぞれです。
そのモチベーションが業務内容に合致するものであれば、入社した後も業務からモチベーションを得て、活躍してくれることが期待できます。もし合致しなかった場合、早期に退職される可能性もあります。
企業としては早期退職することなく、自社でモチベーションを得て活躍してくれる就活生を求めているのです。
魅力あるガクチカを書くためのポイント
ガクチカに書く内容は、なんでもいいという訳ではありません。魅力あるガクチカを書くためには、いくつかのポイントを押さえて書く必要があります。
ガクチカの書き方がわからないという人だけでなく、魅力的なガクチカの書き方を知りたい人も、ぜひこちらをチェックしてからガクチカを書いてみましょう。
- まずは結論を書く
- 文章を論理的に組み立てる
- 数字を使って具体的に書く
- 求める人物像を意識して書く
まずは結論を書く
ガクチカを書くときは、まず学生時代にどんなことをしていたのか、結論を書くことから始めましょう。結論から書くことで、読み手はまずこの人は何を伝えたいのかがはっきりわかるようになります。
たとえば、伝えたいことが部活で○○を頑張ったことだとします。その際に書き出しが入学した頃から~と長々と経緯から始めてしまうと、文章が長くなってしまい、何が言いたいのか面接官にはっきり伝わりません。
ガクチカを書く際は自分が伝えたいことは何なのかをあらかじめ考えてまとめておき、結論から書き始めることが大切です。
文章を論理的に組み立てる
ガクチカで書く文章を論理的に組み立てる必要がありますが、難しい場合は「フレームワーク」に沿って書いてみると、論理的に組み立てやすくなります。
フレームワークでは、上記で紹介したようにまずは「結論から書く」こと、次に「動機」を記して「目標と困難」な内容について書き、どんな「取り組みをしたのかとその結果」を書いて「自分の人柄」を伝え、どんな「学びを得た」のかを書きます。
自分では論理的に組み立てにくい人は、こちらを参考にしてみましょう。
数字を使って具体的に書く
ガクチカでもし数字を使えるようなら数字を使い、具体的に相手がイメージできるように書くことが大切でしょう。
数字を使わずあいまいな表現をした場合、相手にもあいまいなイメージしか伝わりません。もし数字を出せるのであればできるだけ数字を使い、相手がイメージしやすいよう、わかりやすく伝えることが大切です。
また、数字には算用数字と漢数字があります。一般的に横書きの場合は算用数字、縦書きの場合は漢数字を使うことも心掛けてください。
求める人物像を意識して書く
ガクチカを書く前に、企業がどんな人材を求めているのかを知り、求められている人物像を意識してガクチカを書くことが大切です。
企業には求めている人物像があります。どんな人物像が求められているか知るためには企業研究が欠かせません。まずはその企業がどんな商材を取り扱っているのか、どんな顧客がいるのか、営業手法やその企業にとって困難なことを知り、求められている人物像を見つけましょう。
ガクチカを書くときの注意点
ガクチカを書くときには、いくつか注意点があります。ここからはガクチカを書くときに押さえておきたい注意点について紹介しますので、実際にガクチカを書き始める前にこちらをチェックしておきましょう。
努力したことと時間を使ったことを混同しない
ガクチカを書くときに、自分が努力したことと単純に時間を使ったことを混同して使わないようにしましょう。
ガクチカを書く際にはっきりとわかる経験が思い当たらない人は、学生時代にどんなことに時間を費やしたのかを振り返ります。その中で、目標に向かって頑張ったことや工夫したことがあれば、それらをまとめガクチカとして書くことができるでしょう。
しかし、明確な目標が無しに〇〇をよくやっていました、△△に時間を使っていましたというだけでは、面接官にガクチカとしては受け取ってもらえないかもしれません。
目標なくいたずらに時間を使ったことと、目標に向かって行動するために時間を費やしたことは、イコールではないためです。混同して書かないように注意しましょう。
嘘をつかない・誇張しすぎない
ガクチカでは自己PRが大切ですが、そうであっても嘘を書いたり誇張した内容を書いたりすることはしないようにしましょう。
ついつい自分を良くみせたいからと、悪気なくガクチカに嘘を書いたり誇張した内容を書いたりしてしまうことがあります。しかし、ガクチカに書いたことについてはこの後詳細を質問される可能性が高く、その際に嘘や誇張が露呈してしまう可能性が高いのです。
詳細を聞かれても困らないように、本当のことを書くことをおすすめします。
ガクチカにはおすすめできない題材は?
ガクチカの題材は、どんなものでも良いという訳ではありません。本当に自分が学生時代に時間を使ったことや努力したことであっても、題材として高校生のときに体験したことや世間一般的に良い印象を持たれづらいようなものは選ばない方が良いでしょう。
どうしてこれらの題材がおすすめできないのか、その理由を紹介します。
高校時代の経験
大学生の就活で求められているガクチカというのは、大学時代の学生期間のことを指しているため、高校時代の経験を書くことは基本的におすすめできません。企業が聞きたいのは大学時代の経験であって、高校時代の経験ではないためです。
ただ、例外もあります。高校時代に大学時代よりも華々しい活躍をしていた場合、その高校時代の経験が今の自分を作っているとして、当時のことをガクチカに盛り込んでも問題はないでしょう。ただ、高校時代の経験がメインにならないように注意してください。
世間的に良い印象を持たない内容
本当に学生時代に力を入れていたことであっても、世間的に良い印象を持たれないことを題材にするのは避けましょう。
たとえば飲酒やギャンブル、不健康な生活を想像させるような題材のことです。ギャンブルや飲酒といった題材では面接官の心証に悪影響を与える可能性が高いですし、不健康さを感じさせる題材ではこの就活生は大丈夫なのかと心配されてしまう可能性があります。
世間的に良い印象を持たれていない題材は、避けるのが無難です。
成果にこだわらず魅力あるガクチカを考えよう
ガクチカについて詳しいことを紹介してきました。ガクチカを書くときに、書けるような成果がないと焦る人もいますが、ガクチカで大切なのは成果よりもプロセスです。
企業がどうしてガクチカを聞いてくるのかを知り、その目的に沿ったガクチカを書ければ、魅力あるガクチカになることでしょう。ぜひこの記事のポイントや注意点を参考に、ガクチカを書いてみてください。