HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「ガクチカって何を書けばいいの?」
「就活ではどんなことが評価されるの?」
そう気になったことがある方は多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな悩みを解決していきます。
特にガクチカのカギとなる「得たもの」について詳しく解説していきます。
企業側がなぜ「得たもの」について聞きたいのか、またどのように伝えれば良いのかを理解すれば志望する企業ともマッチしやすくなり、選考も通過しやすくなるでしょう。
項目をひとつずつ理解してガクチカ作成を進めてください。
目次[目次を全て表示する]
【得たものとは】得たものとは?
就活における「得たもの」とは、学生生活。経験を通して身につけたものです。
つまり、得たものは何かと聞かれたら、具体的なスキルや知識などを述べると良いでしょう。
また、この際は可能な限り、その企業に就職した際に活用できるスキルや知識を述べることが大切です。
これにより、あなたを採用した際に活躍するイメージをしてもらえるでしょう。
「学んだこと」との違いとは?
就活においては「学んだこと」を聞かれることもあります。
「得たもの」との違いとしては、「意識的、または意図的であるか、そうでないか」が挙げられます。
学んだことというのは、勉強や練習、実地経験を通して意識的に身につけたスキルのことを指します。
よって、両方「得たもの」ではありますが、就活において「あなたが得たものは何ですか」と聞かれた際は、「意図的ではないが、経験を通して、結果として自分に身についたもの」を述べると良いでしょう。
【得たものとは】企業が得たものを聞く理由
企業が就活において「得たもの」を聞く理由にはさまざまなものがありますが、どの企業にも当てはまるものには下記が当てはまるでしょう。
下記の3つを念頭に置いた上で回答を用意することで、質の高い回答を用意できるはずです。
濃い経験をしてきたのか
企業が就活生に対して学生生活で力を入れたことやその経験から何を得たのかを尋ねるのは、単に学生時代の活動内容を知るためだけではありません。
就活生がどの程度深い経験をしてきたか、そしてその経験を通じて何を学んできたかを把握することも目的の一つです。
何かを得るという経験は、自らを成長させる機会であり、それには挑戦や困難があり、それを乗り越えるために何かに取り組んだということです。
こういった人は興味関心が深いなど、仕事をする上で必要な性質を持っている可能性が高く、企業も優先して採用する傾向にあります。
何が出来る人材なのか
就活生が具体的に何ができる人材なのかを見極めることも、「得たもの」を質問する理由の一つです。
企業は就活生が過去の経験を通じて獲得したスキルや知識、価値観を理解することで、就活生が将来的にどのように貢献できるのか、予想しようとしています。
単に経験の内容だけでなく、その経験から何を学び、どのように成長したのかを述べることが重要です。
よって、自己PRや志望動機で述べるエピソードと、それによって得たものの間に一貫性を持たせることが非常に重要です。
「エピソード」と「得たものが」一致していればいるほど、企業はあなたが自らの経験から学んだ教訓を実際の行動に移す能力を持っていると納得してくれます。
たとえば、チームでのプロジェクトに取り組んだ経験があり、その中でリーダーシップを発揮し、プロジェクトを成功に導いた場合、その経験からコミュニケーション能力やチームワーク、リーダーシップの重要性を学んだと言えます。
エピソードから得た教訓やスキルが明確であればあるほど、企業はあなたが具体的に何を成し遂げることができるのかを理解しやすくなります。
言語化能力があるか
就活生が自らの経験や学びを言語化する能力があるかどうかを確認するのも、「得たもの」を聞く理由の一つです。
自分の成長について深く理解しており、そしてその経験を他者に伝えることができるかが重要です。
言語化能力はビジネスにおいて非常に重要なスキルであり、自分の考えや提案などをわかりやすく伝えるために必須です。
経験を通じて何を学んだのかを明確に言語化できる人は、自己成長に対する自覚があり、それを自分の言葉で表現することができます。
言語化能力のある人は自己成長の速度が速く、モチベーションの維持が上手である傾向があります。
当然ながら、企業は言語化能力がある人材を採用したいと考えているので、積極的に文章内で言語化能力をアピールしていきましょう。
【得たものとは】ガクチカとは
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を省略した言い方です。
力を入れたことと言ってもその内容はさほど重要ではありません。
(決して雑な内容で良いという意味ではありません)
ガクチカで一番大事なのは過程を説明することと、そこから得たことを盛り込むことです。
なぜガクチカの過程が重要かというと、何か思い通りに行かないことや壁に当たった時、どのように解決しようと向き合うのか知りたいためです。
採用されて入社後すぐは、仕事のほとんどが自分の思い通りにはならないでしょう。
その際に簡単に逃げ出さないか、何とかして問題を解決しようとする姿勢があるかどうかは非常に重要な資質です。
その資質を見極めるために企業はガクチカを見ています。
【得たものとは】ガクチカで企業が見ていること
ガクチカを書く上で企業が何を見ているのか知っておく必要があります。
企業は様々な観点から、就活生がどのくらい自社と合う人材なのか確認しています。
具体的には下記が考えられます。
・どのような考え方か
・どういった行動特性があるか
・何に興味関心を持つか
・集団での立ち回りはどうしているか
・コミュニケーション能力はあるか
・ガクチカに再現性があり入社後も活かせるか
上記を理解して効果的なガクチカ作成に取り組みましょう。
考え方
まずどのような考え方をしているのかを見られます。
その人がどういった考えのもと行動をしたのかという「論理性」です。
なぜそのような行動をしたのか、どのような考えがあり行動に至ったのかを自分の言葉で論理的にわかりやすく説明できるようにしておきましょう。
もちろん全てのことを論理的に説明することは難しいでしょうから可能な限りで構いません。
自分の考えや気持ちを説明できる人は他者とのコミュニケ―ションも取りやすいです。
行動特性
ガクチカを見ることで行動特性を知ることもできます。
行動特性とは例えば、慎重派なのか直観派なのか、コツコツやるのか短期集中かなどです。
行動特性を知ることでどのような仕事が向いているかわかります。
例えば、直観派は新しいものへの興味や関心があり、新商品の開発や企画などに向いています。
慎重派であれば、最悪の想定をしてリスクを考えたり失敗しないための準備をすることが向いており、総務・経理や法務の仕事がそれにあたります。
興味関心
「興味関心」も大事な判断材料のひとつです。
何に興味をもって力を注ぐのか、モチベーションの原点を企業側は見ています。
何にモチベーションが持てるかわかれば、どのような仕事が向いているか判断できます。
企業側としては、採用するからにはできるだけ長く働いてその企業に貢献してほしいのです。
そのためには、社員のモチベーションが維持できる仕事にマッチさせたいと考えています。
あなたの興味関心についても明確にしておきましょう。
集団での立ち回り
集団における立ち回り方についても見られます。
例えばグループディスカッションの場合なら、司会進行、書記、意見をまとめる、タイムキーパーなど、どの役割を担っていたかです。
その中でも、率先してチームを引っ張っていくリーダータイプ、またはメンバーのサポートをする補佐役など、どのような立ち回りをしていたかも見られます。
立ち回り方は、入社後の働き方に直結しやすく、企業側もこの人となら一緒に働いてみたいなとイメージできるからです。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力については多くの企業にとって重要な指標のひとつです。
どんな仕事をやるにしても自社や協力会社、お客様など様々な人とかかわっていくからコミュニケーション能力は大事です。
一言でコミュニケーション能力と言っても職場環境や仕事内容によって違ってくるでしょう。
細かいことでも話し合える方が良いという方もいれば、1を聞いたら10を察しろという方もいて様々です。
まずは身近な人の気持ちを想像することや、配慮することを意識することでコミュニケーション能力は磨かれて行きます。
再現性
自分の経験を活かす「再現性」も必要です。
再現性とは、その名の通り物事の結果から学んで次に生かそうとする力です。
経験から何かを学んで次に活かせる人は成長の伸びしろが大きく、飛躍する可能性を秘めています。
再現性がない人は、他人の意見や自分自身の経験から学ぶことができず同じ失敗を繰り返してしまうため、入社してからも成長していくことはできません。
だからこそ「得たこと」をガクチカに含めて、入社後どのように活躍できるかイメージしておきましょう。
【得たものとは】ガクチカで伝えるべきポイント
ガクチカではさまざまなことをアピールし、自分の人柄や価値観、スキルなどを採用担当者に伝えていく必要があります。
ガクチカで伝えるべきポイントは、具体的には以下のことが挙げられます。
・自分特有でオリジナリティのある経験を具体的に述べる
・自分の性格・個性・価値観が分かるようにする
・困難や課題を乗り越えた経験を述べる
ガクチカで伝えるべきことが足らず、具体性や説得力に欠ける結果になれば、「本当に頑張ってきたのか」「そのことを本当に得られたのか」などの疑問を持たれてしまいます。
自分自身の人柄や個性などの魅力も伝わらないため、採用担当者から好印象を獲得することができず、アピールとして意味をなさなくなります。
では、上記のポイントについて詳細をチェックしていきましょう。
自分特有でオリジナリティのある経験を具体的に述べる
ガクチカを伝えるときは、ほかの学生と差別化するためにも、オリジナリティのある経験をピックアップすることが重要です。
ありきたりな内容を定型文のように述べるだけでは、採用担当者にインパクトを残すことができません。
わざわざ奇抜な経験を取り上げる必要はありませんが、ある程度自分ならではのオリジナリティがなければ、アピールとして意味をなさないのも事実です。
そもそもガクチカは、アルバイト・サークルなどで内容がかぶりやすいのが特徴です。
参考として学んだことをアピールするだけでは、ほかの学生と丸被りになってしまう可能性もあるでしょう。
アルバイト・サークルなどの学生時代の経験の中で自分が行動したこと、考えたことなどでオリジナリティを出し、インパクトを与えることを意識しましょう。
今までのさまざまな経験・思い出を振り返り、自分だからこそできた出来事はなかったか、しっかりと思い出してみましょう。
具体性を持たせれば持たせるほど、オリジナリティは加わるはずです。
自分の性格・個性・価値観が分かるようにする
ガクチカから得たものを伝えれば、自分の学びや感じたことを企業に提出することになります。
得たものや学びからは、自然と自分なりの感性や価値観が出てくるものです。
企業はそういった学生の性格、個性、価値観に注目し、自社とのマッチ度をチェックしています。
企業にはそれぞれ大事にしている価値観や理念、会社の雰囲気があり、それによって求められる人物像は変わってきます。
求める人物像にマッチする人材でなければ早期離職につながる可能性があり、本人にとっても企業にとってもマイナスな結果となってしまいます。
だからこそ企業は、さまざまな質問を繰り返すことで本人の人柄を知る必要があるのです。
そのため面接やESでガクチカを伝える際は、自分自身の性格や個性、価値観をわかりやすく述べることが重要になります。
困難や課題を乗り越えた経験を述べる
企業にガクチカを伝えるときは、ただ事実やエピソードの内容を伝えるだけにならないようにしましょう。
事実を述べるのみではアピールとして決定力に欠けるため、自分の魅力を最大限伝えることができません。
そのためガクチカでは、具体的な困難や課題を乗り越えた経験を述べる必要があります。
困難や課題と向き合い、それを乗り越えるために努力したり工夫したりした経験をアピールすれば、自分自身のスキルや能力、課題に対して向き合う姿勢が伝わります。
ガクチカは学びや得たものとは何かを伝える場ではあるものの、学んだ事実をそのまま伝えれば良いわけではありません。
企業は学生の総合的なポテンシャルを、これまでの経験の中での困難の乗り越え方から測っています。
ガクチカを伝えるときは、自分自身のポテンシャルをしっかりと見極めてもらうためにも、困難に直面した経験を書きましょう。
【得たものとは】得たことを伝える意味とは
ガクチカを作成するなら得たものを伝える意味を考えてみましょう。
得たものを伝える意味を考えれば、どんなガクチカにすれば良いのかある程度わかってくるのです。
まず重要になってくるのが考えて行動したことをアピールするというものです。
自分は漠然と行動しているのではなく、しっかりと物事を考えて行動しているということをアピールできれば、相手に納得してもらいやすくなります。
さらに、社会人になってからも活きる何かを得ることができたというアピールも重要になってくるでしょう。
①考えて行動したことをアピール
得たものを伝える意味には、自分の行動にはなんらかの意味があるということを相手に伝えることができます。
ガクチカに漠然とした行動を書いていても、相手にささることはありません。
しかし、漠然と行動したのではなく、自分の意思の明確な目標や意思に基づいて行動したことがわかれば、相手は評価をしてくれるでしょう。
そのために重要になってくるのが考えて行動したことをアピールすることなのです。
得たものを伝えることで、それがより相手にわかりやすくなりますし、その前の目標や課題によって、より得たものの意味が大きくなってくるでしょう。
企業は、学生に考えて行動してほしいと思っていて、これができる学生は社会に出てからも、考えて行動できるからです。
特に、リーダーを育てる場合には、考えて行動することができなければ、任せることができないでしょう。
その意味でも漠然と行動しているのではいけないのです。
②社会人になってからも活きることをアピール
ガクチカを作成する際に重要なのは、「得たもの」が社会でも通用するものであることです。
これを勘違いしてしまうと、企業側に理解されないガクチカになってしまいます。
たとえばアルバイトやサークルで得たものを書いたとしても、それがアルバイトやサークル内でしか通用しないものであれば、企業側の評価にはつながりません。
これが仕事でも役立つスキルや知識ならば、意味のある学生生活を送ったということで企業側から評価されやすいです。
ここで重要なのは、目標や課題の時点で、社会で通用するものを設定するということです。
特に自分が進みたい職種で活かしやすい学びがあると良いでしょう。
例えばグローバル企業で競い合うために英語を身につけたというのならば、社会に出てからも通用するスキルをアピールすることができるでしょう。
営業や接客など人とのコミュニケーションが多い仕事に就きたい方は、接客販売のアルバイト経験は活きてきます。
この様に「得たもの」をどう活用するか、しっかり考えておきましょう。
【得たものとは】得たものの例
ここではガクチカで紹介する得たものの例を書いていきます。
接客系アルバイトで得たものの例やガクチカの定番であるリーダー経験から得たものは何か、さらに目標系のガクチカで得られたものはなんなのかといった例を出しています。
自分が作成しようとしているガクチカのエピソードは、いずれの例に当てはまるかと思われますので、ここで紹介したものを参考にしながら掘り下げてみてはいかがでしょうか。
ガクチカから学んだもの、得たものが明確な学生については、企業に好印象を与えられます。
例①コミュニケーション力
接客系のアルバイトで得たものの例を考えてみると、 言葉の裏にあるニーズを汲み取ることが大切だと学んだなどはいかがでしょうか。
接客系アルバイトは、捉え方によっては単純な仕事になってしまいますので、しっかりとアルバイトをすることによって得られるものを意識する必要があるでしょう。
接客という仕事の裏側にあるニーズを読み取り、マニュアルの重要性など、普段やっている仕事が、なぜこのように進化したのかを考えてみると、接客系のアルバイトから得られるものが見えてくるかもしれません。
また、問題があった際に、自分で考えて対応したものでも良いでしょう。
接客業といえど続けていれば何かしらの問題に突き当たることもあるとは思います。
そういった問題を解決し、何を得たかを紹介していきましょう。
例②リーダーシップ
ガクチカで得たものを説明する場合、リーダーの経験というものもあるでしょう。
リーダー経験をガクチカにするなら、リーダーに必要なのものはなんなのかを語り、協調性やチームワークにおいて重要なものをエピソードに盛り込むのも良いです。
多くの企業は、優秀な人材を採用して、将来はリーダーになってもらおうという気持ちがあります。
そのため、大学生の時代に実際にリーダーをして、 その経験から自分に足りないものやリーダーに必要な素養を学んだことのある人は、重宝される可能性があるのです。
また、リーダーの経験を通じて、変わることができた自分といった内容のガクチカもあるでしょう。
リーダーの経験というのは、数あるガクチカの中でも、得たものを設定しやすい経験になっていて、さらに、それは社会に出てからも役立つものである可能性は高いです。
そのため、こういった経験を持っている人は、積極的にリーダー経験のガクチカを作成してみてはいかがでしょうか。
例③目標達成力
ガクチカには少し範囲を広く考えた目標系のものもあります。
目標を設定し、それを達成して得たものを強調するようなガクチカになっています。
このタイプのガクチカにおいては、エピソードというよりも、体験したことから何を学んだかが重要になってきますので、より詳細に話を掘り下げて考える必要があるでしょう。
自分の経験をどのようにかみ砕いて、どのように自分のものにするのかということをガクチカを通じてアピールすることができれば、相手の評価が高まる可能性があります。
目標や課題を設定して、その結果、何が大切だったのか学んだという内容のガクチカにするのが良いでしょう。
目標系のガクチカの例はいろいろと考えられて、イベントサークルでのイベント成功に必要なもの、テストの点数を高めるために必要なものなども考えられます。
そして、これらの経験から最終的に何を学んだのかということを書くことも重要になってくるでしょう。
例④行動力
行動力をアピールすることで、自分が積極的に挑戦し、主体的に物事に取り組む能力を持っていることを示せます。
率先して行動に移すことができる人は仕事における困難な状況においても解決策を見つけ出し、成果を生み出すことができる可能性が高いと考えられます。
ビジネスの環境は常に変化しており、迅速な意思決定と行動が求められるので、行動力がある人材は高く評価される傾向にあります。
行動力をアピールできるエピソードとしては、「何かを率先して行った」「ある問題に直面した際、自ら解決策を提案し、それを実行に移した」「新しいプロジェクトを自ら立ち上げ、成功に導いた」などが良いでしょう。
例⑤失敗を恐れないこと
「失敗を恐れないこと」を得たものとして挙げる人も多いです。
ガクチカでは、新しいことに挑戦し、経験を積んだ話が評価される傾向にあります。
失敗を恐れずに挑戦する姿勢は、特に研究職など、新しいアイデアや製品を生み出す仕事に向いているので、研究に関する仕事をしたい方にはぴったりと言えるでしょう。
研究職などの分野では失敗は新たな発見につながることが多く、失敗から学ぶことが最も重要といえます。
失敗を恐れずに挑戦し続けることが革新的な成果を生み出すための重要な要素であり、失敗を経験することで問題解決のための新たな視点を獲得し、挑戦に対してよりしっかりとした準備ができるようになることも多いです。
例⑥協調性
学生生活で集団活動に力を入れ、その中で協調性を身につけたという経験は就職活動において非常に価値のあるものです。
集団で何かを成し遂げた経験は、あなたが単独で行動するのではなく、他人と協力し合いながら、共通の目標に向かって努力した経験があるというアピールにもなります。
協調性はどのような職場においても重宝される特性なので、積極的にアピールしましょう。
特にベンチャー企業においては、ほとんどの業務がチームで行われ、異なる専門知識やスキルを持った人々が互いに協力して成果を出す必要があります。
よって、就職活動において協調性をアピールする場合は単に「グループで活動した」と述べるのではなく、その中でどのようにして他人と協力し、どのような役割を果たし、最終的にどのような成果を達成したのかを具体的に説明できると良いでしょう。
例⑦マネジメント能力
マネジメント能力も、多くの企業が就活生に求めているスキルの一つです。
自分が組織やチームの中でリーダーシップを発揮し、他者を指導・管理する経験があることをアピールできれば良いでしょう。
特に、サークルや部活、アルバイトやゼミなどで、先輩として後輩の教育や指導に携わった経験がある人はこの能力をアピールしましょう。
しかし、マネジメント能力という言葉は非常に幅広い意味を持つため、具体的なエピソードを通じて、どのようなマネジメントを行ってきたのかを説明することが重要です。
マネジメント能力には、プロジェクトの計画立案、目標設定、タスクの割り当て、進捗管理、チーム内コミュニケーションの促進、メンバーのモチベーション維持など、多岐にわたるスキルが含まれます。
よって、自分がどのような状況で、どのような目的のために、どのような方法でマネジメントを行ってきたのかを具体的に説明することで、マネジメント能力をよりわかりやすくアピールできるでしょう。
例⑧専門知識
専門性が求められる職種を目指す際は専門知識をアピールしましょう。
専門知識を有している就活生は企業にとって即戦力となる可能性が高く、特に研究・開発を重視する業界では高く評価されます。
専門知識をアピールする際には、単にその分野を学んだという話だけでなく、具体的にどのような知識や技術を習得したのか、また、それがどのように業務に役立つと考えているのかを明確にすることが重要です。
例えば、特定の技術や理論に基づいた研究プロジェクトに取り組んだ経験がある場合、その研究の目的、使用した方法、得られた成果などを詳細に説明することで、専門知識の深さと実践的な応用能力を示すことができます。
【得たものとは】ガクチカの構成
ガクチカを作成する際は、順を追ってわかりやすく内容を伝える必要があります。
思いつくままに内容を述べると、どのようなテーマなのか、結局得たものとは何なのか伝わりにくくなるため注意が必要です。
ガクチカの効果的な構成は、以下のとおりです。
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結論
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具体例
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学生生活を通して得たこと
結論
ガクチカでは、はじめに結論から述べる必要があります。
結論とはつまりガクチカの内容なので、何に力を注いできたのか明確に述べましょう。
最初に結論を伝えることで、採用担当者は話の内容やテーマ、要点を把握しやすくなります。
ちなみに、反対に具体的なエピソードからガクチカを伝えてしまうと、「それで、結局何を頑張ってきたの?」という疑問が生まれやすくなります。
採用担当者が内容をスムーズに把握できないからです。
自分自身でも要点をつかみにくくなるため、深掘りの質問にもうまく対応できない可能性があります。
具体例
ガクチカでは、最初に結論から述べたうえで、具体例に触れていきます。
具体例とはガクチカの内容がより具体的にわかるエピソードです。
たとえば資格取得を頑張ってきたのであれば、毎日どれだけ勉強したのか、モチベーションを保つためにどのような工夫を凝らしてきたのかなどの具体性が必要です。
ガクチカでは、課題や問題を工夫によって乗り越えてきた経験に触れることが重要です。
そういった努力や工夫が見えなければ、学生本人のポテンシャルがわからないからです。
また、結果をわかりやすく伝えるために、数字を活用して定量的にアピールすることも大切です。
学生生活を通して得たこと
ガクチカでは、最終的に学んだことや得たものとは何かを伝える必要があります。
何かに熱中したり没頭したりすれば、その経験から人はさまざまな学びや気づきを得られます。
ガクチカでは、学んだこと・得たことを伝えることで、企業に自分自身の価値観やものの考え方などを伝えることができます。
採用担当者は、ガクチカの学びの部分から本人の性格や価値観をチェックしているといえます。
「私はこの経験を通じて、〇〇を得ることができました」などのアピールをすると、ガクチカとして良いアピールになります。
また、最後は締めの言葉として、その学びや気づきを活かして企業に貢献したいことを伝えると良いでしょう。
【得たものとは】ガクチカの例文
ガクチカを作成するときは、書き方のポイントはわかっていても、なかなか書けないことも少なくありません。
構成や言い回しなどには、やはり何度も推敲を繰り返すことで慣れていくのが望ましいです。
そんなとき参考にしたいものが、ガクチカの例文です。
例文を参考にすれば、表現方法や文章構成のコツなどをつかみやすくなります。
ガクチカがうまく作成できないときは、例文から学んでみましょう。
そのためここからは、以下の例文を紹介していきます。
・リーダーシップをアピールした例文
・行動力をアピールした例文
リーダーシップをアピールした例文
大学では、私はテニスサークルに所属しており、就職活動のために交代するまでは代表を務めていました。
夏の大会では、入賞を目指してコーチとともに練習方法を考え直してきました。
私の所属していたサークル内では、何年にも渡って練習方法が同じままでマンネリ化のムードが流れていたため、実際に多くのメンバーが練習に集中できない状態が続いていました。
私はコーチと打ち合わせしながらサークル内の状態を観察し、それぞれのレベルに合った練習法が必要だと考え、練習法のパターンを3つに分けました。
この結果、長年入賞できなかった夏の大会で、初の5位入賞という実績を残すことができました。
私はこの経験を通じて、リーダーとして何をするべきなのか、どのようにすれば成績を伸ばせるのか徹底的に向き合ったため、リーダーシップを伸ばすことができたと考えています。
リーダーとして責任感を持ち、主体的に動くことの大切さも学べたと感じています。
御社に入社した際も、サークル活動を通じて培ってきたリーダーシップを活かし、積極的にリーダーのポジションを務めてみたいと考えています。
行動力をアピールした例文
私は前回の文化祭で実行委員会に所属し、文化祭を中心メンバーとして盛り上げてきました。
しかしながら準備は縁の下の力持ち的な仕事がたくさんあり、最初のうちは何をすれば良いのかわからず、ただ立っているしかできないことも多々ありました。
やるべきことは非常に多かったため、このままでは準備が間に合わず、立ち尽くしていることで周りに迷惑をかけてしまうことを自覚した私は、先輩・後輩と積極的にコミュニケーションを取ることを意識しました。
先輩には話しかけにくいと感じることもありましたが、仕事を効率的にこなすには、作業に慣れている先輩にこそむしろ積極的に話しかけるべきと考え、結果として私は準備を効率的にこなすことができました。
文化祭も成功に導くことができ、準備の進め方も最初より圧倒的にスピーディーだった、と先輩からは褒めていただきました。
私はこの経験を通して、周りと協力して積極的に行動することの大事さを学びました。
貴社に入社した際は、行動力やコミュニケーション能力を活かし、自分にできることを積極的にこなしていきたいと考えています。
まとめ
得たものに注目したガクチカの作成を紹介しました。
ガクチカにおける得たものというのは最終到達地点といえて、非常に重要な要素です。
企業側は、何を体験したかよりも、その体験の先にはどんなものがあったのか、何を得られたのかを重視しているのです。
また、その経験値が社会でも役立つものならば、この学生と一緒に仕事をしてみたいと思われるのではないでしょうか。
ガクチカを作成する際には、常に得たものを意識してみてください。