都庁SPI方式の2次試験とは?面接とグループワークの中身を編集部が整理

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

都庁(東京都庁)のⅠ類B採用試験(新方式)は、第1次試験が適性検査(SPI3)のみという、公務員試験の中でも異色の設計です。その分、合否の本当の勝負どころは第2次試験に集中しています。

令和8年度実施分では、新方式の第2次試験は「プレゼンテーションを含む個別面接」と「グループワークを含む個別面接」を1日で行う形式でした。筆記が軽い代わりに、人物評価が一日に凝縮される構造です。

SPIを通過してから慌てて調べ始める受験者が多いのですが、プレゼン資料や面接シートは事前準備が必要で、思い立ってすぐ仕上がるものではありません。

この記事では、都庁SPI方式(新方式)の2次試験について、選考フロー上の位置づけ、当日の中身、事前準備、対策の進め方までを編集部が整理します。

この記事を読んでわかること

・新方式の選考フローにおける2次試験の位置づけ
・「プレゼンを含む個別面接」と「グループワークを含む個別面接」の中身
・面接シートや事前提出資料の準備ポイント
・SPI通過後から2次本番までの対策の進め方

この記事をおすすめしたい人

・都庁を新方式(SPI方式)で受験する予定の人
・SPIの先にある2次試験の全体像を先に知っておきたい人
・民間の面接経験を公務員試験にどう活かすか知りたい人

目次目次を全て表示する

新方式の選考フローと2次試験の位置づけ

まず、新方式の選考全体の中で2次試験がどれほど重いのかを確認します。従来型の公務員試験では筆記の配点が大きな壁でしたが、新方式は構造が根本的に異なります。編集部の見立てでは、新方式は「SPIで足切りし、2次で決める」試験です。この前提を押さえるだけで準備の優先順位が変わります。

1次はSPI3のみ、人物評価は2次に集中する

新方式の第1次試験は適性検査(SPI3)のみで、テストセンター方式で実施されます。専門試験も論文もなく、公務員試験特有の筆記対策は不要です。

裏を返せば、受験者の能力・適性を深く見る工程はすべて2次以降に置かれているということです。SPIは通過条件、2次が実質的な選抜という関係になります。

一般にSPIは正答率6〜7割が目安とされますが、SPIの点数を伸ばすことより、2次の完成度を高めることが最終合格への近道です。

2次は「プレゼン」と「グループワーク」を含む2種類の個別面接

令和8年度実施分の新方式では、第2次試験として「プレゼンテーションを含む個別面接」と「グループワークを含む個別面接」が1日で実施されました。

つまり1日の中で、発表・質疑応答・集団での協働・個別の深掘りという複数の場面を通じて評価されます。単発の面接対策だけでは足りず、種類の異なる2つの試験への準備が必要です。

試験の構成や課題は試験区分(行政・技術など)や年度により異なるため、必ず最新の受験案内と2次試験の案内で確認してください。

筆記が軽い分、2次の重みは従来型より大きい

一般方式であれば、教養・専門・論文の筆記で積み上げた得点が合否を支えます。新方式にはその「貯金」がありません。

SPIの通過ラインを超えた受験者同士の勝負は、ほぼ2次のパフォーマンスで決まると考えるべきです。

民間就活で面接慣れしているDigmedia読者にとって、これは追い風です。面接・グループワーク・プレゼンはいずれも民間選考と地続きのスキルであり、経験をそのまま持ち込めます。

2次試験までの流れを時系列でイメージする

2次試験は当日だけの勝負ではなく、SPI合格発表から始まる一連のプロセスです。事前提出物の締切を落とすと当日を迎える前につまずくことになります。ここでは1次合格から2次当日、最終合格発表までの流れを時系列の表で整理し、各段階でやるべきことを解説します。

段階 やること 編集部からのポイント
1次合格発表 合格確認・2次試験の案内を精読 提出物の種類と締切をその日のうちに一覧化する
事前準備期間 面接シートの入力・プレゼン課題の準備・提出 提出内容がそのまま当日の質問の土台になる
2次試験当日 プレゼンを含む個別面接+グループワークを含む個別面接 1日で複数場面を評価される。体力・集中力の配分も戦略
最終合格発表 結果確認(令和8年度は5月29日) 採用手続き・意向確認の連絡を見落とさない

1次合格発表後は「締切の一覧化」を最優先する

1次合格が分かったら、まず2次試験の案内を精読し、提出物と締切をすべて書き出します。面接シートはフォームから入力する形式で、プレゼンテーションの課題や提出方法は試験区分により異なるとされています。

この段階の事務作業を軽視すると、内容を練る時間が削られます。

締切より数日早い「自分締切」を設定し、推敲の余白を確保するのが編集部の推奨です。

当日は2つの面接を1日でこなす

2次試験当日は、プレゼンテーションを含む個別面接と、グループワークを含む個別面接が実施されます。午前・午後にまたがる長丁場になることを想定しておきましょう。

前半の出来が悪くても、後半で挽回する機会があると捉えることもできます。1つの場面を引きずらず、切り替える力もこの形式では実力のうちです。

集合時間・会場・持ち物は案内に従い、当日の移動リスクまで含めて前日までに準備を終えてください。

最終合格発表とその後

新方式の最終合格発表は、令和8年度実施分では5月29日でした。民間大手の内々定時期と近く、進路を比較検討しやすいタイミングです。

合格後は採用に向けた手続きや意向確認が進みます。連絡手段(マイページやメール)の見落としがないよう注意しましょう。

結果がどうであれ、プレゼン・グループワーク・面接の経験は民間選考にもそのまま転用できる資産になります。

発表からの待機期間は不安になりがちですが、民間選考を止めないことが精神的な安定にもつながります。結果を待つ間も手を動かし続けましょう。

プレゼンテーションを含む個別面接の中身

2次試験の柱の1つがプレゼンテーションを含む個別面接です。「公務員試験でプレゼン」と聞くと身構える人が多いですが、実態は自分の考えを整理して伝え、質疑に答えるという、民間のケース面接や最終面接に近い試験です。ここでは課題の性質、当日の構造、評価されるポイントを解説します。

課題は試験区分ごとに提示される

プレゼンテーションの課題や提出方法は試験区分によって異なります。行政区分では都政に関わるテーマについて自分の考えを発表する形式が中心とされ、技術区分では研究内容や専門性が題材に含まれるとされています。

いずれの場合も、正解を当てる試験ではありません。課題をどう捉え、根拠を持って何を提案するかという思考のプロセスが見られています。

課題の詳細は年度の案内で必ず確認し、公表された条件(分量・形式)を厳守してください。

発表そのものより質疑応答が本番

プレゼンは発表して終わりではなく、面接官との質疑応答が続きます。むしろ配点の実質はここにあると考えるべきです。

「なぜその課題を選んだのか」「その施策の弱点は何か」「財源や実現可能性は」といった深掘りに、自分の言葉で答えられるかが問われます。

準備段階では、発表内容に対して想定問答を最低10個作り、声に出して答える練習をしておきましょう。資料を作り込むより、突っ込まれて崩れない土台を作る方が効果的です。

想定問答は「反論系」「深掘り系」「代替案系」の3種類に分けて用意すると、本番でどの角度から来ても対応の型が使えます。

評価されるのは「伝わるか」と「考え抜いたか」

プレゼン試験で見られているのは、発表のうまさそのものではなく、論理性・発想力・伝達力です。声の大きさや流暢さは最低限で構いません。

結論から話す、理由を数を示して並べる、具体例を1つ添える、という基本構成を守るだけで伝わり方は大きく変わります。

また、都政というテーマの性質上、日頃から東京都の政策や課題に関する情報に触れているかどうかが内容の厚みに直結します。都の公式発表や報道を継続的に追っておきましょう。

グループワークを含む個別面接の中身

もう1つの柱がグループワークを含む個別面接です。他の受験者と協働する場面と、それを踏まえた個別の深掘りがセットになっています。民間のグループディスカッション経験がある人は形式に馴染みがあるはずですが、公務員試験ならではの評価観点もあります。ここでその違いまで押さえておきましょう。

グループワークの形式と進み方

グループワークでは、複数の受験者が1つのテーマについて議論し、結論をまとめる過程が観察されます。テーマや進行形式の詳細は年度・区分により異なります。

限られた時間で、初対面のメンバーと合意形成に向かうプロセスそのものが評価対象です。

結論の質と同じくらい、そこに至る貢献の仕方が見られていると考えてください。

時間配分の管理、論点の整理、意見の橋渡しなど、貢献の形は1つではありません。自分が自然に発揮できる役割を民間のグループディスカッション経験から把握しておくと、当日も無理のない立ち回りができます。

評価されるのは「議論に勝つ力」ではない

グループワークで最も誤解されがちなのが、目立って主導権を握れば高評価という思い込みです。都庁の職員に求められるのは、多様な関係者と協働して物事を前に進める力です。

他者の意見を正確に受け止めて要約する、議論が逸れたら軌道修正する、発言の少ない人に話を振る。チームの成果を最大化する行動が評価の中心にあります。

論破や独走は民間のグループディスカッション以上にマイナスに働くと心得ましょう。

ワーク後の個別面接で振り返りを問われる前提で動く

グループワークを含む個別面接という形式上、ワーク中の自分の行動について個別に問われる可能性を想定しておくべきです。

「あの場面でなぜあの発言をしたのか」「チームへの貢献は何だったか」と聞かれて答えられるよう、ワーク中から自分の役割を意識して動くことが重要です。

演技ではなく、意図を持って行動し、その意図を言語化できる状態を作る。これがワークと面接がセットになった試験への正しい備え方です。

面接シート・事前提出物の準備ポイント

2次試験の出来は、当日より前の提出物の段階で半分決まります。面接シートはフォームから入力する形式で、ここに書いた内容が個別面接の質問の起点になります。プレゼン資料と面接シートを別々に作るのではなく、一貫したストーリーとして設計することが編集部の推奨です。

面接シートは「質問されたい内容」を書く

面接シートは自分を紹介する書類であると同時に、面接官への質問リストの下書きでもあります。書いたことは深掘りされる前提で、聞かれて困る内容は書かない、聞いてほしい内容を戦略的に置くのが基本です。

志望動機・力を入れた経験・都政への関心を、それぞれ具体的なエピソードで裏付けましょう。

抽象的な美辞麗句より、固有名詞と数字が入った具体的な記述の方が面接で話が広がります。

民間就活で作ったエントリーシートの素材は流用できますが、公共への貢献という観点で語り直す調整だけは忘れないでください。

提出物全体で一貫したストーリーを作る

面接シート、プレゼン内容、当日の受け答えがバラバラだと、人物像がぼやけて評価しづらくなります。

「自分はどんな経験から、東京都のどんな課題に関心を持ち、職員として何をしたいのか」という一本の軸を先に決め、すべての提出物をその軸に沿わせてください。

軸が通っていれば、想定外の質問にも軸に立ち返って答えられるため、面接全体の安定感が増します。

形式面の事故を防ぐ最終チェック

内容が良くても、形式面のミスは印象を確実に下げます。フォーム入力型の面接シートは、送信前に誤字脱字・文字数・設問との対応関係を必ず見直してください。

編集部の推奨は、回答をいきなりフォームに書かず、テキストファイルで下書きしてから貼り付ける方法です。推敲がしやすく、送信トラブルで内容が消えるリスクも避けられます。

プレゼン関連の提出物も、案内で指定された形式・分量・提出方法を厳守します。指定違反は内容以前の問題として扱われかねません。送信後は完了画面や控えを保存し、提出できているかを確認して締めましょう。

編集部メモ:提出前チェックリスト

・締切より数日早い「自分締切」を守れたか
・面接シートの各記述に具体的なエピソードがあるか
・プレゼン内容と面接シートの軸が一致しているか
・想定問答を10個以上作り、口に出して練習したか
・第三者(キャリアセンター・友人)に一度見てもらったか

SPI通過から2次本番までの対策の進め方

新方式はSPI受検から2次試験まで、準備に使える期間が限られています。1次の合格発表を待ってから動き始めるか、SPI受検直後から2次準備を始めるかで、完成度には大きな差がつきます。ここではDigmedia読者の強みである民間就活経験の活かし方も含め、対策の進め方を解説します。

1次の合格発表を待たずに準備を始める

2次対策はSPIを受け終えた瞬間から始めるべきです。合格発表後に動き出す受験者に対して、数週間分のリードを取れます。

先行してやるべきは、都政課題のインプット、自己分析の言語化、面接シートの下書きの3つです。いずれも合否に関係なく民間就活にも使える準備なので、無駄になりません。

「受かっていたら儲けもの」ではなく「受かっている前提」で動くのが、短期決戦型の試験の鉄則です。

模擬面接と模擬グループワークで場数を作る

プレゼンもグループワークも、独学の読み込みだけでは仕上がりません。大学のキャリアセンター、公務員試験の対策講座、就活仲間との練習会など、人前で話して評価をもらう機会を意図的に作りましょう。

特にプレゼンは、一度でも通しで発表して質疑を受けると、資料の穴が明確になります。

本番までに最低3回、通し練習の場を確保することを編集部は推奨します。

練習相手が見つからない場合は、スマートフォンで自分の発表を録画して見返すだけでも、話す速度や視線の癖など多くの改善点が見つかります。

民間選考の経験をそのまま持ち込む

民間就活で受けた面接・グループディスカッションの経験は、都庁2次試験の直接的な予行演習です。3月〜4月の民間選考を「2次対策の実戦訓練」と位置づけると、併願が相乗効果に変わります。

ただし志望動機だけは流用できません。「なぜ民間ではなく都庁か」「なぜ特別区や国ではなく東京都か」は必ず独立して詰めておいてください。

ここが薄いと、他がどれだけ良くても評価は伸びません。

2次試験で落ちる人の特徴とよくある質問

最後に、編集部が公務員試験の選考動向から整理した「2次で落ちやすいパターン」と、よくある質問をまとめます。2次試験は対策の方向を間違えると努力が空回りしやすい試験です。転ばぬ先の杖として確認しておいてください。

落ちやすいのは「準備の軸がない人」と「独走する人」

2次で苦戦しやすい典型は2つあります。1つは提出物と受け答えに一貫性がなく、深掘りされると答えが揺れるパターン。もう1つはグループワークで自分をアピールしようとするあまり、協働を壊すパターンです。

どちらも能力不足というより準備の方向性の問題であり、事前に知っていれば避けられます。

軸を作ること、チームの成果に貢献すること。この2原則に沿って準備してください。

2次試験の倍率はどのくらいですか?

2次試験の倍率は年度・区分によって変動するため、一概には言えません。実施状況(申込者数・合格者数)は東京都から公表されるので、最新の実施状況ページで確認するのが確実です。

いずれにせよ、1次のSPIで絞られた後の勝負であり、周囲も一定の準備をしてきた受験者です。倍率の数字より、自分の準備の完成度に集中しましょう。

過年度の実施状況を見る場合も、単年の数字ではなく複数年度の傾向として読むのが正しい使い方です。

服装や持ち物に指定はありますか?

服装・持ち物は2次試験の案内に従うのが原則です。指定がない場合、面接試験であることを踏まえた常識的な服装(スーツ)で臨む受験者が大半です。

受験票や本人確認書類など、案内に記載された必携物は前日までに揃え、当日の朝に慌てない状態を作っておきましょう。

まとめ

この記事では、都庁SPI方式(Ⅰ類B新方式)の2次試験について、選考フロー上の位置づけから当日の中身、事前準備、対策の進め方までを編集部が整理しました。

新方式は第1次試験がSPI3のみである分、プレゼンテーションを含む個別面接とグループワークを含む個別面接からなる2次試験が実質的な決戦の場です。提出物の段階から評価は始まっており、SPI受検直後に準備を開始した人が有利になります。

プレゼンは質疑応答が本番、グループワークは協働への貢献が評価軸。そして全体を貫く「なぜ都庁か」という軸の一貫性が合否を分けます。

そして2次試験の準備は、そのまま民間就活の面接・グループディスカッション対策にもなります。併願層にとって、都庁2次への投資は無駄になりにくい投資です。

試験の構成・課題・日程は年度や区分により変わるため、必ず東京都職員採用サイトの最新の受験案内・2次試験案内を確認しながら、この記事の準備法を実行に移してください。

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