HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「信託銀行の志望動機って何を書けばいいのかわからない。」「面接官の印象に残るような志望動機を考えたい。」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
就活において金融業界の中でも銀行は人気が高く、ありきたりな志望動機では選考を通過することは出来ません。
そのため、より入社意欲が伝わるような個性のある志望動機を書くことをお勧めします。
そこで今回は信託銀行の志望動機の書き方のポイントやNG例を紹介します。
【信託銀行の志望動機】企業が志望動機を聞く理由
そもそも、なぜ企業は志望動機を聞くのでしょうか。
志望動機はどのような企業においても聞かれる項目ですが、これには企業にとって重要な理由があります。
面接において志望動機を聞く主な理由は、「学生の熱意」「学生のポテンシャルを見るため」という2つです。
企業側は面接という限られた時間の中で、様々な観点から自社にふさわしい人材を見極めたいという思いがあります。
そのため学生の思いや能力が顕著に表れる志望動機を聞くのです。
以下ではそれぞれの理由について解説します。
学生の熱意の確認
一見すると、就活とは企業が学生を選ぶもののように思えます。
企業は学生に適性検査を受けてもらったり、志望動機を聞いたりしています。
しかし、同時に企業は学生から選ばれる側でもあるのです。
学生がこの企業に就職したいと選んだからこそ面接が成立しています。
つまり、内定をもらっても学生が就職したくないと企業を選ばなければ企業にとっては損になります。
そのため自社で働きたいという熱意が強い人や自社に強くこだわる人を選ぶことで、内定辞退による人材不足という事態に陥らないようにするという狙いがあります。
言い換えると、志望動機に強い入社意欲が表れていれば面接官からの評価はプラスになり、選考に通過しやすくなります。
学生のポテンシャルを見るため
企業は企業理念や経営方針という大きな目標を掲げて、常に事業拡大など企業の成長に向けて力を入れ続けています。
そのため自社のビジョンの達成や発展に繋がるような能力を持つ学生を募集しています。
面接時に学生が持つ長所やこれまでの実績を聞くことで、企業のどのような分野で役立てることができるかを想定しています。
つまり、志望動機では自分がいかに企業の発展に役立てるかをアピールすることがカギとなります。
また、具体的に企業の中でどのような仕事に就き、どのような能力を活かして役立つことができるかをアピールすることが重要です。
そのため、志望動機を書く際には企業が求める能力を分析しておきましょう。
自分の持っている長所やこれまでの経験から得られた能力などを企業の求める人材像に合わせていくことが重要です。
【信託銀行の志望動機】信託銀行とは?
そもそも信託銀行とは何でしょうか。
信託銀行とは銀行業務に加え、顧客の資産運用を代行する信託業務を担う金融機関であり、顧客のニーズに対して幅広く応えることができ、様々な商品やサービスを提案することができます。
そのため顧客対象者が広く、任される業務も多岐に渡るため、幅広い知識とより専門的な情報が必要となる分野です。
具体的には不動産業務や相続業務などがあり、一般的な銀行とは大きく異なります。
【信託銀行の志望動機】信託銀行の主な業務内容
それでは一般的な銀行とどのように異なるのか詳しく解説します。
信託銀行の業務を大きく分けると銀行業務と信託業務があります。
銀行業務は通常の銀行と同じように「預金業務」、「貸出業務」、「為替業務」があります。
信託業務には顧客の「資産管理」や「年金管理」、「財産管理」などがあります。
今回は信託銀行の志望動機の書き方を説明するのがテーマなので、信託業務に重きを置いて、それぞれ具体的にどのような業務内容か解説します。
銀行業務
これは一般的な銀行と共通する業務です。
先ほど述べたように銀行業務には「預金業務」、「貸出業務」、「為替業務」の3つの業務があります。
「預金業務」とは普通預金や各種定期預金など個人や企業を問わず顧客のお金を預かる業務です。
この業務は社会と最も身近な業務と言えるのではないでしょうか。
「貸付業務」とは住宅ローンや開業資金など資金を必要とする人や法人に融資をする業務です。
「為替業務」とは口座の送金、小切手や手形の代理受け取り、口座振り込みなど現金を直接扱わない業務です。
志望動機としてこの銀行業務について惹かれた点をアピールするのもよいかもしれませんが、信託銀行ならではの志望動機を書く際にはあまりアピールしすぎないように気を付けましょう。
信託業務
そもそも信託業務とは一般的な銀行にはない信託銀行ならではの業務です。
信託業務とは顧客から資産を預かり、目的に合わせて管理する業務です。
顧客の資産を管理し、運用することで生じる利益は顧客に還元します。
また、資産といっても金銭だけでなく、有価証券や不動産など様々な形態の資産を運用します。
顧客の資産が様々なものであるため幅広い商品を提供することができます。
このように通常の銀行業務との違いは様々な形態の顧客の資産を管理し、運用することで顧客へのさらなる利益を与えることができます。
財産管理では遺産の管理・運用はもちろんのこと、遺言書の作成や遺産整理、遺産相続など遺産に関する一連の業務を担っています。
このように銀行員としての知識だけでは信託銀行での業務はこなせません。
【信託銀行の志望動機】志望動機の3つの要点
どの業界や企業にも当てはまるような志望動機は避けましょう。
先ほど述べたように志望動機はその企業でなければならないという熱意と自分の長所が伝わるようなものが好ましいです。
また自分のエピソードなど個性ある唯一無二の志望動機を書くように心がけるのがよいでしょう。
そこで、志望動機を書く際に3つの要点に気を付けてください。
・なぜ金融業界で働きたいのか
・なぜその中でも信託銀行で働きたいのか
・なぜその会社を志望するのか
では、それぞれ詳しく解説していきます。
なぜ金融業界で働きたいのか
就活の選択肢は無限です。
IT業界や広告業界、商社など様々な業界があります。
その中でなぜ金融業を選んだのかアピールしましょう。
その際に、ほかの業界にはない金融業ならではの魅力に惹かれたと伝えるのがよいでしょう。
例えば
「お金は生きていくのに必要不可欠なものです。そのため金融に対する知識を身に着けることで、お金を無駄遣いすることなく有効活用し、人生を豊かにしたいと思いました。そのためお金に関する知識を身に着けながら、お客様のニーズに応えることで社会に貢献できるという金融業界に魅力を感じました。」というように、金融業界の軸であるお金にまつわる魅力を述べることができれば金融業界ならではの志望動機になります。
なぜその中でも信託銀行で働きたいのか
金融業界全般に通じるような理由は信託銀行としての理由としてあまりふさわしくありません。
また、志望動機において一般的な銀行との違いも見出さなければなりません。
そこで一般的な銀行との違いとして信託業務があるため、信託業務を中心的に働きたい理由を考えると信託銀行ならではの志望動機になります。
例えば
「銀行業務に加えて信託業務という多岐にわたる業務があり、高度で幅広い知識が必要となる分野は大変ではあるが、とてもやりがいを感じることができるのではないかと考え、信託銀行ならではの特徴に魅力を感じました。」というように信託銀行でしか出来ないことについて言及することがお勧めです。
なぜ自分は信託銀行でなければならないのかを突き詰めて志望動機を書きましょう。
なぜその会社を志望するのか
どの信託銀行にもあてはまるような志望動機は好ましくありません。
強い入社意欲を伝えるためにはその企業でなければならないという理由が必要です。
「なぜその会社を志望するのか」というこの要点が志望動機において最も重要なものです。
そのため、他の信託銀行との違いを理解する必要があり、企業研究に時間をかけることが重要です。
また、競合他社を調べることで同時に、志望する企業が持つ特徴や独自性を発見することが出来ます。
そこで企業に惹かれる具体的な理由作りを心がけながら、自分の長所や性格などの自己PRを企業の独自性と結び付けましょう。
また、金融業や信託銀行に関する経験や資格があればアピールしましょう。
【信託銀行の志望動機】信託銀行に求められる能力
志望動機を書くポイントとして、企業に求められる能力に合うように自分の長所や経験などをアピールすべきとお伝えしました。
では、実際に信託銀行に求められる能力とは何でしょうか。
各信託銀行によって求められる能力は少し異なりますが、どんな信託銀行であっても共通して求められる能力があります。
今回紹介する者はあらゆる信託銀行に共通するものであり、その企業ならではの志望動機にするためには少し抽象的です。
そのためあなたが志望する信託銀行ならではの求められる能力を分析する際に、参考にしてみてください。
求められる3つの能力
どのような信託銀行であっても共通して求められる能力があります。
信託銀行で働く人材として企業に求められる主な能力は3つあります。
それは
・個人で成果をあげられるか
・信頼関係を築くことができるか
・協調性があるか
という能力です。
それぞれどのような場面においてそのような能力が必要か詳しく解説します。
また、志望動機においてそれぞれの能力をアピールできるような具体的なエピソードも少し紹介するので、具体的なエピソードが思いついていない方はぜひ参考にしてみてください。
個人で成果をあげられるか
銀行員とは基本的に顧客と1対1の関係です。
また信託銀行とは「資産管理」や「財産管理」など顧客との長期的な関係が予想されます。
自分の長期的な努力が顧客の継続的な信託銀行の利用に直接的につながります。
そのため 1人の銀行員という個人として努力し、成果をあげることができる 能力が必要になります。
つまり、志望動機を書く際には個人的にやり遂げたことがあるエピソードを付け加えるのがよいでしょう。
また、やり遂げるのにどれほど困難なものであったかを説明することで、あなた自身が持つある物事をやり遂げる粘り強さをアピールすることができます。
具体的なエピソードを述べることでよりあなたの持つ能力をわかりやすくアピールすることができます。
信頼関係を築くことができるか
これは個人で成果をあげるときにつながる重要な能力です。
ある物事を達成する能力があるとしても、信託銀行とは顧客とのコミュニケーションが必須となります。
信託銀行とは顧客のニーズに応えることが目標です。
そのため顧客との良好な信頼関係を築くことができなければ、顧客が何を求めて信託銀行に頼っているのかがわからず、そもそもの目標を立てることができないのです。
つまり信託銀行とは顧客との信頼関係があるからこそ成り立つ事業です。
そういうわけで、顧客と信頼関係を構築できる能力が必要になります。
信頼関係を築くことでお客様の課題やニーズを引き出すことができ、解決のための的確な提案から実行まで行うことができます。
協調性があるか
企業という集団において共通の目標が設定されています。
それはいわゆる企業理念や経営方針といったものです。
そのような大きな目標を達成するためには、周囲との協力が必要です。
企業が掲げる目標は規模が大きく1人で達成できるものではありません。
多くの人の力があって初めて達成されるものです。
そのため周囲の人と目標を共有し達成することができるという能力が必要となります。
学生時代にサークルやゼミなど集団である物事を達成することができたというようなエピソードがあればとても良いと思います。
また協調性があればコミュニケーション能力があるというアピールにもなります。
これは先ほどの「信頼関係を築くことができるか」という能力にもつながります。
【信託銀行の志望動機】志望動機の構成
それではここまで志望動機におけるポイントをお伝えしましたが、実際に構成としてお勧めの順序があります。
志望動機の構成において「結論」、「エピソード」、「入社後にどう貢献するか」の3つがカギとなります。
初めに「結論」という自分の最も伝えたいことを考えることでのちに続く文章の内容が一貫したものとなります。
次に働きたいと思ったきっかけをエピソードを交えて述べることで他の就活生と差別化を図ることができます。
最後に「入社後にどう貢献するか」を述べることで入社意欲が強いことをアピールすることができます。
それぞれ詳しく解説するのでぜひ参考にしてみてください。
結論
最初になぜその企業で働きたいのか簡潔に結論を述べましょう。
なぜ自社を選んだのかという理由は、企業が最も重要視する点です。
企業の一員としてどのように社会に貢献したいのかを伝え、自社を選んだ理由を明確にすることが重要です。
結論を先に述べ、そのあとになぜその結論に至ったかを述べるべきです。
今回の場合の結論は「そもそも金融業界に興味を持ったきっかけ」、「信託銀行に働きたいと思った理由」、「なぜこの企業を選んだか」を述べましょう。
いきなりこの企業を選んだ理由を話すのもよいですが、支離滅裂な文章になりそうであれば自然な流れになるように順序を入れ替えるのもいいかもしれません。
絶対にこの順序にしてほしいわけではないので、あなたらしい説得力のある文章になるよう心がけましょう。
エピソード
企業の面接官は何万人もの学生と面接をしています。
そのため、何か印象に残るようなことを面接時に伝えることができなければ数多くの学生に埋もれてしまいます。
企業の特徴に惹かれたなど他の就活生にも言うことができるような志望動機は面接官の印象には残りません。
働きたいと思ったきっかけを説明する際に志望する業界や企業に関するエピソードを添えると個性が出ます。
自分ならではのエピソードを交えることで唯一無二の志望動機をつくることができます。
信託銀行に求められる能力を解説する際にその能力をアピールすることができるようないくつかの具体例を紹介しました。
思いつかないという方はぜひ参考にしてみてください。
入社後にどう貢献するか
信託銀行ならではの業務をこなしたいとアピールし続けるのはあまりよくありません。
それではどの信託銀行に当てはまるものであり、自社でなくてもよいのでは?と評価されてしまうかもしれません。
その企業ならではの業務に言及することがよいでしょう。
企業が求める人材に合うように、この企業で自分の強みがどのように活かされるかアピールすることが重要です。
また、企業でどのような仕事をしたいのかを伝えることで、熱心な企業研究と強い入社意欲を伝えることができます。
入社後の自分のビジョンを伝えることで入社意欲の高さを示すことができます。
抽象的に何かをしたいというのではなく、何年後にはこの仕事がしたいというように具体的なビジョンを伝えましょう。
【信託銀行の志望動機】信託銀行の志望動機の例文
ここまで志望動機における必要要素や構成を紹介してきました。
しかし、信託銀行ならではの志望動機や具体的なエピソードが思いつかないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、実際に信託銀行の志望動機の例文を紹介します。
ここではOK例文とNG例文の両方を紹介します。
各例文においてなぜOKなのか、なぜNGなのか、詳しくポイントも解説します。
あなたならではの志望動機作りにぜひ参考にしてみてください。
OK例文
また業務の種類の多さは私の記憶力が活かせる分野でもあると考えました。
その中でも信託業務の財産管理に興味があります。
私の家族は祖父の遺産相続の際に貴行の〇〇様に助けていただきました。
私は〇〇様の仕事ぶりに感動し、また私も同じように目に見えないお客様の資産を運用することでお客様の人生に貢献したいと思いました。
また貴行は独立系の専業信託銀行であり、お客様により柔軟かつスピーディーに対応できることが特徴であり、より多くのお客様の人生を支えていきたいという私の思いを最大限に発揮できる場所であると感じました。
そのため私が持つ行動力と柔軟性という強みを活かし、貴行に貢献したいと考えています。
OK例文のGOODポイント
では、上記の例文におけるGOODポイントの解説です。
最初の結論の部分において、「信託銀行の業務内容は一般的な銀行とは異なり業務内容が多様である。」という信託銀行ならではの魅力に惹かれていることに触れています。
これは一般的な銀行との差別化を図ることができています。
また、次に信託銀行の特性に合わせて自分の長所をアピールしています。
また、具体的なエピソードを入れていることで他の就活生にはない要素が含まれています。
自分の個性を出すことで面接官に印象を与えることができます。
そして独立系の専業信託銀行という志望する企業ならではの特性をあげることができています。
このように信託銀行ならではの魅力、具体的なエピソードを交えた自己PR、志望する企業の特徴を志望動機に含めることができているOK例文です。
NG例
貴行はお客様とのかかわりを大切にしていることから長期間に渡るお客様との直接的なコミュニケーションを期待できると考えました。
私は人付き合いが得意なため活かすことができる分野であると考えました。
また大学生になってからクレジットカードを作る際に貴行の〇〇様にお世話になりました。当時の私は初めて作るクレジットカードに不安を抱いていましたが、〇〇様の丁寧な対応に助けられました。私も〇〇様のようにお客様の手助けができる人になりたいと思いました。
また金融業界に興味を持ったきっかけは、お金を扱う業界であり経済活動の一員として企業に携わりたいと考えたからです。
NG例のBADポイント
では、上記の例文におけるBADポイントの解説です。
「人付き合いが得意で直接的なコミュニケーションをしたい。」というアピールは銀行でなくても通じる志望理由です。
それならば他の営業職でもできることであり、なぜ銀行員として働きたいかが不明確です。
また、自分のエピソードを入れてはいますが、信託銀行ならではの業務ではなく一般的な銀行業務であるため信託銀行で働きたいという理由にはなりません。
文章全体を通して信託銀行ならではの特徴に触れられておらず、なぜ信託銀行を選んだのかわかりません。
金融業界に興味を持ったきっかけとしても「経済活動を担いたい。」というような抽象的なものであり、具体性がなく他の就活生にも書けるような内容です。
このように抽象的であり、信託銀行にこだわりが見出されていない志望動機はあまり好ましくありません。
まとめ
ここまで志望動機におけるポイントや構成を紹介してきました。
しかし、まずは志望動機を考えるのではなく業界研究や企業研究に力を入れましょう。
企業の特徴や強みを分析し、他の信託銀行との違いを理解することで、自分がなぜこの企業に働きたいのか明確な理由を見つけることができます。
自社でなくてもいいのではないかと面接官に思われないように、その企業ならではの入社意欲がこもった志望動機を書けるように心がけましょう。