はじめに
ガクチカは面接で定番の質問となっており、学生時代に力を注いできたこと、頑張ったことを尋ねられるものです。
内容は勉強でも部活やサークルでも、アルバイトやボランティア活動などジャンルは問いません。
問題は最後をどう締めるかです。
選考を突破するために評価を得るためには、経験したことを話して終わりにしてはいけません。
企業がガクチカに求めていることを理解したうえで、それを踏まえて締めることがポイントです。
ガクチカについて詳しく知りたい方は以下の記事も閲覧しましょう。
https://digmee.jp/article/309820
【ガクチカの締め方】企業がガクチカに求めているもの
三つ子の魂百までと言いますが、人の性格や行動パターンは育った環境や考え方などによって形成され、さまざまな場面で同じように出るものです。
学生時代に取り組んだことへの取り組み方や姿勢、考え方は、就職後の仕事への取り組み方や気持ちの持ち方などにも反映されます。
そのため、企業はガクチカから、どのように物事に向き合う人なのか、何をモチベーションにして、どれだけ頑張れる人かを知りたいと考えています。
そして、学生時代の経験を通じて学んだこと、自分がどう変わったかの分析力があるかもチェックしているのです。
思考力・分析力のレベル
学生時代に頑張ったことは、人それぞれ、何かしらあるはずです。
1つのことに集中できたのはなぜなのか、なぜ困難に直面しても頑張り続けることができたのか、そこから何を得られたのかなども、企業としてはガクチカの話を通じて確認したいと考えています。
もっとも、学生時代に取り組んでいるときは、とにかく楽しいから、好きだから、必要にせまられて没頭する人も少なくありません。
ガクチカを考える際に、改めて経験を振り返り、どうして頑張る原動力が生まれたのか、困難を乗り越えられたのはなぜか、モチベーションを保てたのはなぜか自己分析を行う必要があります。
いかに深く客観的な分析ができるかで、企業は学生の思考力・分析力のレベルの高さを推し量る指標としています。
どのような学びをしてきたのか
企業はガクチカから、学生生活において、どのような学びをしてきたのかを知ろうとしています。
学んだ内容に限らず、学び方の姿勢などもチェックしたいと考えています。
学生が力を入れたことから興味を持つ分野や傾向を知り、何をモチベーションに頑張れる人物かや人柄なども学び方から推し量ることが可能です。
また、学んだことを、今後の生活や就職後に活かすことができるのかもチェックしています。
学びの姿勢は、入社後に仕事を学ぶ姿勢や習得の速さなどにもつながるためです。
自己分析がしっかりできていないと、せっかく頑張っても何を学んだかも自分が理解できていない場合や就職後に活かすことができません。
思考力と分析力のレベルとも関連してきます。
自社に合う人材なのか確かめるため
ガクチカから就活生がどのような経験をしてきたのかを知る事ができます。
企業の企業理念と就活生が求める将来像が一致していると、企業は自社に合う人材だと判断しやすくなります。
入社後に長く働く上では、自社と合うか、積極性があるかなどはとても重要な採用基準となります。
よって、ガクチカの経験から自社に合う人材なのかを確かめることは企業にとってとても重要な判断材料となるのです。
個性を知るため
ガクチカは就活生がどのような学生生活を送ったのかを知る事ができます。
そこから価値観や考え方、物事に取り組む姿勢を知る事ができるのです。
物事に取り組む姿勢や何かに熱中した経験は就活生独自の個性となるため、就活生が一体どのような人物像なのかを計ることができます。
よって、テンプレートのガクチカをそのまま提出してしまうと個性が失われ、印象の残らないガクチカとなるため、必ず自分の経験を反映させたガクチカを提出するようにしましょう。
【ガクチカの締め方】ガクチカはどのように締めればいい?
では、ガクチカはどのように締めれば良いのでしょうか。
締めを考える前提として、面接における回答の仕方の基本をマスターしましょう。
それはPREP法です。
Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(まとめの結論)という順序で構成するもので、初対面の面接官にも内容がわかりやすく伝えられます。
ということは、ガクチカの締めは紹介したエピソードに基づき、「その経験を通じて学んだことで締める、その経験を活かして〇〇したい。
」という締め方にするのがおすすめです。
「~でした。これは~であったからだと考えています。」で締める
簡潔に自分の努力をアピールできる言い回しは非常に重要です。
相手へ経緯や心情をわかりやすく説明しやすくなるので、自分の中の引き出しとして持っておいて良い締め方でしょう。
特に文字数を少なめに締めることができるので、エピソード部分などに力を入れ、しっかり説明したい時にも役立つ言い回しです。
ガクチカは企業によって指定の文字数が大きく異なります。
文字数の調整が難しい場合や、自分の中でテンプレートとして基本としているものから大幅に指定文字数が少ない際に便利です。
「~でした。そこから~であることが大事だと学びました。」で締める
ガクチカの学びをダイレクトに表現できるので、非常に使いやすい言い回しです。
自分が困難や課題に対して何を学びどのようなことを思ったのかが伝わりやすい文章となるため、ガクチカを通して学んだことが豊富にある方は特に使いやすい言い回しです。
アピールしやすい経験を持っている人、ガクチカをより掘り下げて執筆したい際にも非常に便利な言い回しと言えるでしょう。
学生時代にさまざまなことに力を入れ、豊富な経験を持っていることを伝えやすくなるでしょう。
【ガクチカの締め方】ガクチカの構成
ガクチカにはPREP法という書き方があります。
これは簡潔に物事を伝える際に役に立つ文章構成です。
ガクチカを長くだらだらと書いてしまうと、あまりいい評価を貰う事はできません。
なぜなら採用担当者は何千人といった就活生のESを見ているからです。
よって、ガクチカだけでなく自己PRもなるべく簡潔に分かりやすく書くことが重要となっています。
ここからはガクチカの書き方についてご紹介します。
PREP法で書く
PREP法とは、結論、理由、具体例、結論といった流れで文章を構成する方法のことです。
この方法を使うと文章が簡潔になり相手に分かりやすく伝えることができます。
また、最初に結論が来るため、理由や具体例が長くても理解がしやすく、論理的な文章構成となっています。
ガクチカだけでなく自己PRや志望動機などもこのPREP法を意識して書くと分かりやすい文章を書くことができるでしょう。
結論
PREP法に基づいてまずは、学生時代に力を入れたことを一言で伝えます。
部活動でもサークルでも、アルバイトでも良いので、一番力を入れた一つを結論づけます。
ここが長くなってしまうと何を伝えたいのか曖昧になってしまうため、結論は短い文章で書くようにしましょう。
そしてできるだけ、1文で力を入れたことは何だったのかが伝わるように書きましょう。
理由
次になぜそれに力を入れたのか理由を述べましょう。
理由もなるべく簡潔に伝えるようにしましょう。
ここでは何に力を入れたのか、そうしようと思った理由や経緯などを説明しましょう。
理由とその次に書く具体例は一緒になりやすいため無理に分けて書くのではなく意識する程度で良いでしょう。
具体例
そして力を入れて取り組んだ具体的なエピソードを紹介しましょう。
ここからはエピソードをなるべく具体的に書きましょう。
ここが抽象的だと信憑性が無くなってしまうため、実体験に基づいた経験を具体的に書きましょう。
また、数字で表せるものはなるべく定量的に書くようにしましょう。
例えば「〇年〇月から」や「〇人の中から」といったように具体的な数字で書くと凄さや信憑性が増します。
結論
最後に学んだことがいったい何だったのかを改めて書きましょう。
ここでの注意点は、最初に書いた結論と相違が無いようにする事です。
ここで相違があると、文章に違和感が出てしまい、せっかくのガクチカが台無しになってしまう可能性があるため気を付けましょう。
また、この結論も長く書きすぎず、簡潔に分かりやすい文章で書くようにしましょう。
企業で活かせることを書く
もし、文字数に余裕があったり、文章に違和感がない場合は企業に活かせることを最後に書くとよいでしょう。
これは自己PRなどに書くと有効ですが、ガクチカでは反対に妨げになる可能性もあるため、無理して書く必要はありません。
家庭教師のアルバイト経験をガクチカに書いて最後に企業で活かせることを書くとしたら「このコミュニケーション能力を活かして貴社に入社しても積極的に活躍します。」と書くと企業側は入社をの活躍をイメージしやすくなるでしょう。
【ガクチカの締め方】ガクチカを書く前にしておくこと
ガクチカを書く前にいくつかしておいた方が良いことがあります。
何もせずに急に書こうとすると、何を書けばいいのか分からなかったり、書き方が分からなかったりします。
そうならないために、事前準備はしっかりとするようにしましょう。
自己分析
ガクチカを書く前に自己分析をしておくことは非常に重要です。
ガクチカで書くことがないと思っている人はもちろん、ガクチカのテーマが決まった人も自分の経験を深堀しておくと、ガクチカに深みが出て来るため必ずするようにしましょう。
また、深堀をしていないと面接などで面接官にガクチカの質問をされた際に答えられないことがあるため、しっかりと詳しいところまで深堀しておきましょう。
企業研究
企業について知っておくこともガクチカを書く上で重要な事です。
企業理念に反していたり、企業の業務とは明らかに異なる事を書いてしまうと企業は自社じゃなくてもいいと思ってしまう可能性が出てきてしまいます。
よって、その企業に応募した理由を明確にするためにも企業研究は欠かさないようにしましょう。
【ガクチカの締め方】印象に残るガクチカの締め例文
ここからは印象に残るガクチカの締めの例文をご紹介します。
エピソードをや文法について具体的に書いているため、この書き方を意識して自分のエピソードを反映して書いてみてください。
これを参考にして書くと簡潔でわかりやすい文章となると思います。
サッカー経験のガクチカ例文
中学時代には県大会優勝、高校時代には県代表、大学では主将を務め、トーナメント戦で準優勝を果たしました。
主将に選ばれ、チームを引っ張ってこられたのは、人一倍練習をしてきたことをチームメンバーに認められ信頼を得たからだと考えています。」
家庭教師のアルバイト経験のガクチカ例文
なぜかといえば、ひとり親家庭に育ち、経済的な余裕がないため、生活費を自分で稼ぐ必要があるからです。
感染症拡大の影響により、家庭教師に行くことができず、収入がストップする問題に直面しました。
そこで、私はスマホを使ったオンライン授業を提案したところ、生徒にも好評で保護者からも、休校中もしっかり学べたと喜んでもらえたのです。
想定外の事態が生じたときも、それであきらめてしまうのではなく、アイディア力と柔軟性が発揮することが大切だと学びました。」
長期インターンのガクチカ例文
私が学生時代に最も力を入れた経験は営業の長期インターンシップです。
営業のインターンを選んだ理由は自身が口下手であり、人前で話すと顔が赤くなるなどのコミュニケーション能力の不足を感じていたからです。
この弱点を克服したく、業界について学びながらスキルを磨けるインターンシップに挑戦しました。
具体的な活動内容として、初期の段階では上司との営業ロールプレイングで話し方を練習し、少しずつ自信をつけて商談を担当するようになりました。
最初は全くうまくいきませんでした。
断られることが多く自信を失いかけましたが、そこで大事にしたのは“諦めない心”と“地道な努力”でした。
他のインターン生が帰った後も、私は1人でその日の反省や上司の話し方を身に着ける練習を重ねました。
その結果、インターン生10人中5か月連続で営業成績1位を達成し、現在もその記録を更新し続けています。
この経験を通じて、私は遠回りしても、一つひとつの過程に丁寧に取り組み、時間を惜しまず投資することの大切さを学びました。
ゼミ活動のガクチカ例文
学生時代、私が最も力を注いだのはゼミ活動におけるマーケティングの研究でした。
私は消費者の購買意欲がどのような要因によって形成され、変化していくのかに強い興味を持っていました。
このテーマを深く探求するため、特定の商品カテゴリーに焦点を当て、数ヵ月間にわたるマーケットリサーチを展開しました。
先ずアンケート調査を実施し、潜在的なニーズやユーザーの行動パターンを分析しました。続いてそれらのデータを基にしたマーケティング戦略を構築し、仮説を立て検証を繰り返しました。
もちろん全てがスムーズにいかず、仮説が現実と異なる結果をもたらすことも多く、何度も計画を見直しました。
しかし、これらの課題に立ち向かい改善し続ける過程で、マーケティングの理論だけでなく、具体的な実践スキルやデータを基にした意思決定の重要性を学びました。
この経験を通じて、マーケティングが単なる理論やデータの分析だけでなく、現実の市場と顧客にどれほどしっかりと向き合うことができました。
留学経験のガクチカ例文
学生時代に私が特に力を入れたのはイギリスへの留学です。
私にとって人生の転換点となり、新しい環境での生活や異文化との交流を通じて多くの学びを得る機会となりました。
当時、私は英語力向上のため、イギリスへの留学を決意しました。
留学初期は言葉の壁や文化の違いに四苦八苦しましたが、地道に勉強と実践を繰り返しながら、現地の人々や他国から来た留学生と積極的に交流しました。
実践的な英語を学んだ事はもちろん重要だと感じましたが、それ以上に私が価値を感じたのは、異文化交流を通して得られた多様な視点です。
留学先で出会った友人たちとの対話を通じ、私は多くの異なる価値観や思考方法に触れ自分の視野を大きく広げることができました。
そしてそういった多文化に触れ続けたことで自分自身の価値観や目標について深く考えるきっかけともなりました。
この留学経験を通して、異文化理解やコミュニケーション能力はもちろん、自分自身をより深く知り、世界を広く深い視野で見る力を身につけることができました。
これらの経験と学びは、今後の貴社での業務にも活かせると考えています。
まとめ
面接でガクチカを問われた際、最後をどう締めるべきかは、企業がガクチカを通じて何を求めているかを理解することがポイントになります。
頑張った内容や頑張り方はもとより、そのエピソードから、あなたが自分をどう分析したか、その経験から何を学んだかを知りたいと考えています。
そのため、「~でした。
これは~であったからだと考えています。
」、「~でした。
そこから~であることが大事だと感じました。
」というように思考力・分析力のレベルやどのような学びをしてきたのかで締めるのがおすすめです。