履歴書にガクチカを書きたい!魅力的なガクチカの書き方や注意点を徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

就活の3大質問をご存知でしょうか。

1つ目は「自己PR」、2つ目が「志望動機」、そして3つ目がここで紹介する「ガクチカ」です。

つまり、ガクチカはほぼすべての企業で学生を選考する基準として使われているわけで、しっかりとした回答を用意しておけば就職活動を有利に進められるということになります。

ここではガクチカを聞かれたときの正しい書き方について詳しく解説していきます。

ポイントをしっかりと押さえて書類選考を確実にクリアしましょう。

【履歴書にガクチカを書こう】「ガクチカ」って何?

これから就職活動を始めるという学生の中には「ガクチカ」という言葉を聞いたことがないという人もいるでしょう。

また、聞いたことはあるけど意味はよくわからないという学生もいるかも知れません。

「ガクチカ」とは「学生時代に特に力を入れて取り組んだこと」という意味の就職用語です。

企業が「ガクチカ」という言葉を使うことはないですが、「学生時代に頑張ったことはなんですか?」「学生時代に最も熱中したのはどんなことですか?」といった質問が出たら、ガクチカを聞かれているということになります。

「学生時代力を入れたところ」

「あなたが学生時代に力を入れて取り組んだことを教えて下さい」と突然聞かれても、多くの学生はすぐに答えることができないでしょう。

中には「自分には学生時代に頑張ったことなどない」という学生もいると思います。

ガクチカを聞かれたときに、何か大きなエピソードを話さなければならいと考えてしまう学生が多いですが、そんなことはありません。

アルバイトで経験したことでも良いですし、サークルや部の活動に関するでもかまわないのです。

ごく身近なエピソードでも深堀りしていけば、貴重な経験が見つかるかもしれません。

何も思い当たることがないという場合には友人や家族などに相談してみるのも良いでしょう。

自分でガクチカとして使えないネタだと思い込んでいるだけということもあるからです。

【履歴書にガクチカを書こう】企業がガクチカを聞く理由

就職活動においてガクチカは定番の質問です。

特に新卒採用では合否を左右する重要項目であり、企業がこの質問をする理由は主に2つあります。

1つは「企業が求めている人材とマッチしているか確かめるため」、もう1つは「課題解決能力を知るため」です。

学生は正社員として企業に勤めた経験がないため、入社後の姿をイメージする材料として学生時代の取り組みを参考にしているのです。

以下、上述した2つの理由についてそれぞれ解説していきます。

求めている人材とマッチしているかを確かめるため

ガクチカといえば大学生時代の取り組みを指すことが多いです。

しかし、大学生活は自由度が高いため、その過ごし方は十人十色でしょう。

それまでは決められたカリキュラムに沿って生きてきた学生が、授業のスケジュールから余暇の過ごし方に至るまで、日々の多くの選択を自由に行えるのが大学です。

つまり、自由な時間を使って何に取り組み、どう頑張ってきたのかを探ることで、その人物の本質的な考え方や人柄が見えてくるのです。

学生は正社員としての就業経験はありませんが、これまでに培われたものの見方などは、社会人になってからもそのまま反映されます。

そのため、企業はガクチカを問うことで、その人物が会社にマッチする特性があるかをチェックしているのです。

課題解決能力を知るため

社会人生活はイレギュラーの連続です。

マニュアルに従うだけでは対処できない事態が日常的に起こるため、臨機応変に行動できる力は社会に出てから重宝されます。

だからこそ、企業側はガクチカを通して、その人物がどのようなことを課題と認識し、その事態にどう対処するのかを見ているのです

つまり、大切なのはインパクトのあるガクチカを準備することではなく、その人がさまざまな課題に対応できる思考力・行動力を持っていることなのです。

就職活動は経歴のすごさを競い合う場ではないため、人目を引く特殊な経歴がない人も心配する必要はありません。

これまでの経験の中で何を考え、どんな役割を果たしてきたかを言語化できるようにしておきましょう。

【履歴書にガクチカを書こう】理系就活生が研究活動をアピール

ガクチカというと、部活やサークルでの活動・アルバイト・海外留学・ボランティアなど、課外活動を取り上げるイメージがあるかもしれません。

しかし、理系の学生が基本的に所属している研究室での活動も、立派なガクチカとしてアピールできます。

研究活動には、修士論文や学会発表などが卒業要件として課せられているため、取り組む中でさまざまな苦労があるはずです。

その経験は、ガクチカとして十分使えます。

以下、研究活動をガクチカとして用いるメリットと注意点を見ていきます。

研究活動をガクチカとして用いるメリット

理系大学生の多くが所属する研究室での活動は、立派なガクチカとして使えます。

具体的なメリットは「目的や目標を明確化しやすい」「業界によっては志望動機に関わる」といった事柄があげられるでしょう。

上述したように、ガクチカは内容のインパクトではなく、その経験に対する取り組み方や考え方を見るために質問されます。

その点において、研究活動は非常に優秀なのです。

以下、それぞれのメリットについてよりくわしく解説していきます。

目的や目標を明確化しやすい

ガクチカは、取り組んだ動機・最終的な目標・困難だった出来事・困難に対する対応とその結果、そしてこれらの経験から学んだことが論理的に述べられていると高評価となります。

上述したようなストーリー性のあるガクチカとして、研究活動は非常に役立つのです。

大学での研究活動は、最終的に修士論文や学会発表を集大成として進めることが一般的であるため、目的や目標を設定しやすくなっています。

また、研究活動は基本的に同じ研究室に所属している学生や教授と共同で行うものです。

つまり、チーム単位で何かに取り組むときの姿勢や、役割も見ることができます。

研究を進めるために必要な要素は、そのままガクチカを書く際にも役立てられるのです。

業界によっては志望動機に関わる

理系大学生は、各学部の専門分野ごとの研究室に所属しています。

そこで本格的な研究を行うということは、その分野のスペシャリストといっても過言ではありません。

そのため、自身の研究内容を活かすことのできる企業や業界を志望する場合、研究活動のエピソードはそのまま志望動機と関連付けることができます。

専門性の高い企業であればあるほど、その分野の知識を身につけた学生は重宝されるはずです。

ガクチカはその人の考え方や人柄を伝えるためのものですが、同時にその人が持っている能力・スキルをアピールする場でもあります。

「研究内容を活かして仕事がしたい」と考えている就活生は、研究活動をガクチカとして用いることをおすすめします。

研究活動をガクチカとして用いる際の注意点

これまでメリットについてくわしく話してきましたが、もちろん注意点もあります。

たとえば、専門的な研究活動をガクチカとしてアピールする場合、ついつい専門用語を多用してしまうことがあると思います。

知識があることは伝わりますが、採用担当をしている社員が、必ずしもその分野の専門知識を有しているとは限りません。

つまり、どれだけ自分の知識や研究の成果を論理的に説明できたとしても、自分を評価する相手に伝わっていなければ、ガクチカを述べる意味がなくなってしまうのです。

企業によっては、専門知識を求められるケースもあります。

しかし、ガクチカは基本的に、誰にでも伝わるような内容や言葉で説明するように心掛けてください。

【履歴書にガクチカを書こう】ガクチカを書く際のポイント

ここまでガクチカの意義について解説してきましたが、いよいよ実際に書く際、押さえるべきポイントを紹介していきます。

上述したように、ガクチカは経歴のインパクトをアピールするためのものではなく、その人の考え方や行動の規範・スキル・人柄などを見るためのものです。

また、会社の役員などが目を通す可能性もあるため、内容がわかりやすく、文章としての体裁も整っていなければなりません。

以下、具体的なポイントを解説していきます。

結論から書く

読みやすい文章を書くうえでの鉄則として、結論から書くことを意識しましょう。

いきなり自身のエピソードを語ってしまうと、なぜその話が書かれているのかが不明瞭であるため、内容が頭に入りにくくなってしまいます。

まず、自分が何について語るのかを簡潔に伝えましょう。

そのあとで詳細を述べる流れであれば、内容が伝わりやすいだけでなく「この人は論理的な文章が書ける人だ」という、プラスの評価にもつながります。

もしも、営業などの話すことが業務の中心である職種を志望する場合は、文章の書き方で適性がないと判断されてしまうかもしれません。

文章は書き出しでほとんど印象が決まります。

内容以前の段階でつまずかないよう、書き方には十分注意しましょう。

実績・数字など具体的に書く

ガクチカは必ずしも実績を誇るためのものではなく、加えて内容のすごさだけで評価をされることもありません。

しかし、自分が成し遂げた事柄を数値によって説明できれば、その人の実績の説得力は格段に上がるのです。

こういった文章の書き方を身につけておけば、社会に出てからも役立つことは間違いありません。

ビジネスシーンにおけるコミュニケーションは、無駄を省いて迅速に行う必要があるため、自然と定量的な話し方が求められます。

ガクチカの段階で、そういったコミュニケーションが取れることをアピールできれば、採用担当者にはプラスの評価をしてもらえるはずです。

自分の経験に箔をつけるためにも、具体的に書くように心掛けましょう。

ガクチカの経験をどう活かすか書く

ガクチカにおいてもっとも重要なのは、内容そのものより、それによって入社後の姿がイメージできるか否かです。

学生は実際に正社員として働いた経験がないため、その代わりとして学生時代の経験から会社への適性を判断しているのです。

もしも、書いた内容が志望している企業に活かせるものでなければ、その企業にアピールする意味がありません。

たとえば「〇〇に取り組んだ経験を活かして、貴社の△△に従事したい」「□□で学んだ知識を活かして働きたいため、貴社を志望しました」といった、志望動機や入社後のキャリアプランと結びついたガクチカに仕上げるように心掛けましょう。

内容のインパクトではなく、話に一貫性のあることが重要なのです。

【履歴書にガクチカを書こう】履歴書に書く際の注意点

ガクチカは採用選考の重要な資料となるもので、しっかりとした内容のガクチカを書くことができれば採用担当者から高評価を得られるでしょう。

また、内容だけでなく書き方も採用担当者の評価を左右することがあります。

履歴書の書き方には一定のルールがあるので、そのルールをきちんと守ることで社会人として最低限のマナーが身についているという評価がもらえます。

逆にルール違反があれば評価を下げることになるので、履歴書の書き方についてもしっかりと理解しておきましょう。

文字数が多くなりすぎないようにしよう

多くの企業は履歴書にガクチカを記入する欄を設けていますが、スペースの都合から文字数に制限を設けているのが一般的です。

制限文字数は企業によってさまざまですが、100字・200字と比較的短いものもあれば、400字・500字と長いものもあります。

このように文字数に指定がある場合は、絶対にその文字数を超えてはいけません。

たとえアピールしたいことがたくさんあったとしても、文字数の制限を超えてしまえば、採用担当者からは「ルールを守ることができない学生だ」と思われてしまうからです。

ただし、文字数が少なければ少ないで熱意がないと思われてしまうので、少なくても指定された文字数の80%以上、できれば文字数ギリギリになるように調整するのが理想でしょう。

できるだけ文字はきれいに

これはガクチカに限ったことではありませんが、履歴書を記入する際は丁寧にきれいな字で書くようにしましょう。

どんなに素晴らしい内容の文章が書かれていても、字が汚くて採用担当者が読むことができないのでは意味がありません。

字が下手な学生もいるでしょうが、うまい・下手を気にする必要はないでしょう。

たとえ字が下手でも丁寧で読みやすい文字を心がければ、文字を理由に評価が悪くなるということはありません。

もう1つ、履歴書を書くうえで注意しなければならないのは、誤字脱字の問題です。

履歴書を書いていて字を間違ってしまったときに修正液や修正テープを使うのはNGです。

誤字脱字があれば原則的に書き直すようにしましょう。

【履歴書にガクチカを書こう】魅力的なガクチカの書き方

採用担当者が面接や書類選考でなぜガクチカについて質問するのかといえば、ガクチカを聞くことでその学生の物事への取り組み方や価値観といったことを詳しく知ることができるからです。

また、物事への取り組み方や価値観がわかれば、将来仕事でどのような活躍ができるのかということも具体的に見えてきます。

このように、魅力的なガクチカを書くことは内定への近道と言っても過言ではないほど重要なことです。

では、魅力的なガクチカを書くにはどうしたら良いのでしょうか。

気づき→仮説→実行を意識しよう

ガクチカを書くときに「私は学生時代に英語力の向上を目指して英会話サークルに所属し、TOEICで800点を獲得することができました」というように成果だけに焦点を当ててしまう学生が多いのですが、これはNGです。

ガクチカと自己PRは違うので、大切なのは成果そのものでなく、「成果に至るまでのプロセス」です。

先ほども説明したように採用担当者がガクチカの質問で知りたいのは物事への取り組み方や価値観なので、どのようにして成果を出すことに成功したのかについて詳しく説明するようにします。

このとき、「気づき→仮説→実行」という3つのプロセスを意識すると文章の流れが把握しやすくなるので、ガクチカをより魅力的なものにできるでしょう。

気づき

「気づき」というのは言い換えれば現状分析ということになります。

現在の自分の立ち位置や置かれている環境などを分析し、抱えている問題や課題を見つけ出すための1つの手法です。

たとえば上記のTOEICの例で言えば、「なぜ私はTOEICで600点しか取れないのだろう」「なぜ英会話の勉強をしているのに英語の成績が上がらないのだろう」といったことになります。

つまり、「気づき」は「どうすればTOEICで800点を取ることができるのか」、そのアクションを起こすためのきっかけとなったエピソードということになります。

そして、成果に至るまでのモチベーションがどこにあるのかを説明することにもなるわけです。

仮説

「仮説」とは問題の原因がどこにあるのかを予想し、その原因を取り除くための方法を探っていくプロセスです。

「英語の成績が上がらないのはどこに問題があると考えたのか」、そして「問題解決のためにどうすべきなのか」といったことになります。

具体的には「学習時間が足りていないので、これまで以上に学習時間を確保すれば成績が上がるのではないか」「学習時間は足りているが効率が良くないので、より集中できる環境を整えれば良いのではないか」「学習方法そのものが間違っているのではないか、テキスト中心の学習ではなく英会話スクールなどで実践的な英語を身につけるべきでないだろうか」といった具合です。

このように仮説を書くことで、課題を克服しようとしたときにどのような行動を取る人間なのかということを示すことができます。

実行

「実行」は文字通り、「仮説」で立てたプランを優先度の高い順に実践していき、課題を解決するというプロセスになります。

学習時間の不足が一番の原因だと考えるならば学習時間を増やすということになりますし、学習方法が間違っていることが根本原因だと思うならば学習方法を変更して、実際に課題が改善されているのかをチェックしていきます。

ガクチカに「実行」の部分を書く場合、文字数に余裕があるならば成功体験だけでなく失敗体験を書いてもかまいません。

たとえば、「最初は学習時間を増やしてみたがうまくいかなかったので、次に学習法を変えたら成績が良くなった」ということを書けば、「この学生は失敗の経験から学ぶことのできる人間だ」という評価につながることもあるからです。

【履歴書にガクチカを書こう】ガクチカのテンプレートを知ろう

ガクチカをより魅力的なものとするためには、文章の構成にも注意しなければなりません。

限られた文字数の中で少しでもインパクトを与えるためには、冒頭に結論を持ってくるのがセオリーです。

最初に結論を持ってくることで伝えたいことがダイレクトに伝わりますし、採用担当者を文章に引き込むことができるからです。

結論の後に「気づき」「仮説」「実行」を続けます。

そして、最後にもう一度結論を繰り返すというのがガクチカを書くときの基本的なテンプレートとなります。

長期インターンをテーマにした例文

私が学生時代に最も力を入れていたことはITベンチャー企業における長期のインターンシップです。

マーケティング業界に興味があった私は学生インターンのリーダーとしてウェブサイトの制作業務を任されていました。

主な仕事内容は化粧品に関するアフィリエイトサイトを作成し、その記事を読んで興味を持ったユーザーを商品購入してもらうというものです。

最初の3ヶ月ほどはなかなかユーザーを獲得することができませんでしたが、その原因が記事の文字数不足と更新頻度にあると考え、それまで1記事平均2,000字だったものを倍の4,000字にし、更新頻度も週1回だったものを3日に1回に早めたところ、ユーザーからの反応が良くなったことが手に取るようにわかりました。

改善した翌月のアクセスはそれまで10倍以上に跳ね上がり、商品の売上にも直結するようになりました。

業務をスタートさせて半年経過した頃からは当初の目標であった月間売上100万円も達成し、マーケティングにとってユーザー満足度がどれほど大切なのかを身を以て経験した次第です。

この経験を活かして御社でも頑張りたいと考えています。

家庭教師のアルバイトをテーマにした例文

私が学生時代に最も力を入れたのは家庭教師のアルバイトです。

勉強の苦手な生徒で偏差値は40ほどでしたが、1年間の学習の結果、第一志望である偏差値60の高校に合格させてあげることができました。

非常に引っ込み思案な性格の生徒で、最初の頃はほとんど会話のない状態でした。

「何かわからないことはある?」と聞いても首を振るだけで、勉強にも集中できていないと感じたのです。

そこで、少しでも積極的に勉強に参加してもらうために、まずはコミュニケーションを取ることに力を入れました。

生徒はアニメが趣味だったので、好きなアニメの感想などをなどを話しているうちにだんだんと心を開いてくれるようになりました。

信頼関係が出来上がったことで精神的に安心したのか、コミュニケーションもうまくいくようになり、それが学習意欲にも反映されるようになったのです。

それが結果にも現れるようになり、みるみる成績が上がっていくのを見てとても嬉しく感じました。

仕事で結果を出すには信頼関係が大切だということを学べた貴重な体験でした。

この経験を御社でも活かしていきたいと思っています。

まとめ

学生時代に力を注いだこと「ガクチカ」は就活で必ず聞かれる質問です。

選考の評価にも直結するので、履歴書にガクチカを書くときはルールに従い、文字数がオーバーしたりしないように注意しましょう。

魅力的なガクチカを書くためには文章の構成にも意識しましょう。

最初に結論を書くようにして、その後に課題を発見するプロセスである「気づき」・問題の原因を探るプロセスである「仮説」・実際に問題解決にあたる「実行」と続けると読みやすく、説得力のある文章になります。

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