HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
履歴書の中でさまざまなことを企業に伝えるわけですが、その中でも志望動機は重要で必ずチェックされます。
せっかく企業に対して気持ちがあるにもかかわらず、ここで上手に伝えられないと面接まで進むことができません。
内定を勝ち取るためにも、どのように面接官へ気持ちを伝えれば良いのかしっかりと考えて記入するようにしましょう。
ここでは面接官に「この学生にぜひ自社へ来てほしい!」と思わせる履歴書の書き方を紹介していきます。
志望動機の構成はどうする?
自分の頭の中で考えていることをそのまま伝えようとしたときに、文章の構成がおかしいと上手に伝わりません。
何を言っているのかわからないので、内容としては立派なことを伝えているはずなのによく理解してもらえないまま終わってしまいます。
志望動機を記入するときには、構成にこだわるのも重要です。
ここからは具体的にどのような順番で書けば良いのか、詳しく説明していきます。
大前提はPREP
志望動機を伝えるときには、PREP法というものを使います。
これは志望動機に限らず、ガクチカや自己PRなど他の話をするときにも必ず使いたい方法です。
同じ内容の話でも、PREP法に当てはめて文章を作った途端わかりやすくなります。
PREPというのは4つの要素の頭文字を取っているのですが、Point、Reason、 Example、Pointの順番で話しましょうというものです。
日本語にした順番としては、まず結論や要点を伝え、次に理由、そして事例や具体例を挙げ、最後にもう一度要点を繰り返します。
とりとめのないでたらめな順番の話よりも、PREP法を使うだけで面接官の頭の中には入りやすい文章ができ上がります。
熱量だけでなく「なぜ?」にフォーカスしよう
気持ちの熱量は大切ですが、口頭で話すのと違い履歴書ではまず文章でのアピールになりますので、志望動機の理由を考えるときにはなぜ?というほうを重点に考えると伝わりやすくなるでしょう。
なんでその企業でなければいけなかったのかという気持ちがダイレクトに伝われば、内定が決まった後も他の企業ではなく自社に来てくれると感じられます。
企業側からしてもどこでも良いという学生ではなく、自社を第一志望に考えていて働きたいと意欲ある学生がほしいと思っています。
なぜ?の部分がしっかりとしている学生は、その企業で長く自分のやりたいことを達成できるように努力し働いてくれるイメージがつくのです。
何のために志望動機を聞くのか?
ただマスを埋めるために志望動機を書かせているのではなく、学生のやる気や人柄、将来への考えなどを見るために志望動機を書かせています。
そして履歴書を見ながら、本当に企業の中で頑張りたいと思っている学生をチェックしているのです。
志望動機の内容も、企業側で求めている学生像に近い人材かどうかという点も見ています。
企業としてもどんな学生かわからないので、志望動機は重視しています。
企業研究と理解の確認
企業側としては自分たちの会社についてしっかりと知っていて、やる気のある人がほしいと思っています。
上辺だけで企業を志望している人はいらないとも思っていますので、志望動機からどのくらい気持ちがある人かどうか見ています。
説明から現在に至るまでじっくりと企業研究してきたことが志望動機に表れているかどうかも、面接担当者はチェックしているのです。
もし企業研究を鈴に上辺だけを見ているとしたら、会社に入社してからさまざまギャップを感じてしまいすぐに辞めてしまうかもしれないとも思っています。
しっかりと企業について理解したうえで志望している学生を、ほしいと感じながら見ています。
志望度の確認
本当にこの企業に入って頑張りたいと思っている学生の履歴書からは、文章やその文字、書き方から志望度が高い雰囲気が出ているものです。
逆に何社か受けているうちの滑り止め程度に考えている場合や企業の名前が有名でかっこいいからなどと中途半端な気持ちの場合、内容も薄いものとなっていますので担当者はすぐに気が付きます。
さらにこの企業だから受けたいと思ったという気持ちがある学生の志望動機は、他の学生よりもオリジナリティがあるものです。
他の企業では書けないような、この企業だったからという決定的な言葉があります。
逆に使い回しができどこでも通用するような内容だと、熱意も伝わらず終わらず志望度が低いと判断されてしまうでしょう。
よくあるNG例
気持ちを伝えようと志望動機をかっこいいものに考えたつもりでも、熱意のある志望動機から逸れてしまうことがあります。
せっかく気持ちがあるのに、上手に表現できないで終わってしまうのはもったいないです。
間違った方向の文章にならないように、NGな文章とはどんなものなのか覚えておきましょう。
企業を褒めるだけの文章
この企業を素晴らしいと思い、ここで働きたいと思う方も多いでしょう。
その際にただ企業を褒めるだけで終わってしまったら、なんで志望したのかが面接官にいまいち伝わらずに終わってしまいます。
ただの企業の考えを見ての自分の感想文で終わってしまい、なぜあなたは志望したのかという部分がわからないのです。
会社の魅力を書く場所ではなく、なぜ志望してどのように頑張っていきたい、貢献してきたいと考えているのかを書く場所です。
もちろん志望するからには企業の良い部分や自分の考えと似ている点があるからではあるのですが、褒める中に自分のやりたいことも付け加えなければなりません。
志望動機を見たときに企業について深い理解をしているのと同時に、どのような仕事をしていきたいと考えているのか具体的に伝えましょう。
根拠に乏しい文章
この企業でなければいけないというような、根拠がしっかりとした志望動機が次のステップの面接へと進みやすいです。
逆にこの根拠が乏しいと、なんで入社したいのかその人の軸が見えてきません。
どこの似たような業種であれば使い回せそうな志望動機であれば、この企業で働きたいという根拠に欠けます。
なぜその企業でなければならなかったのかを詳しく書き、オリジナルで根拠のある文章に仕上げましょう。
なんとなくこの企業で頑張ってみたいという雰囲気になっていると、その先に進むことができずに選考で落とされてしまいます。
根拠がほとんどない文章だと、入社してからもすぐに嫌な部分を見たら辞めてしまうのではないかと思われてしまいます。
例文
ここからシーン別で3つの例文を順番に紹介していきます。
コツは、まずなぜ志望したのか結論を述べ、理由、具体例、もう一度結論となるように文章を構成しています。
似たような業種の中でも、この企業のここが良かったから選んだという根拠も入れるようにしているのでぜひ参考にしてみてください。
企業理念への共感
「私は、便利な自動車を開発するだけでなく、二酸化炭素の削減や排気ガスの削減に取り組んでいる企業理念に共感したため御社を志望しました。
なぜなら今異常気象など、すでに二酸化炭素の増加に伴う問題がすでに出ていて、環境問題への取り組みは待ったなしだと考えるからです。
便利になった一方、集中豪雨や地球の温暖化などで、今までに経験したことのないような災害に遭うことも増えました。
日本ももちろんですが、世界中で地球環境保護への取り組みはしていかなければ環境は悪化していく一方だと思います。
ですので、私は地球環境にも配慮をした御社の自動車を、世界中に広めたいと思い志望しました。
セールス部門で、御社の自動車を海外でも知ってもらい利用してもらえるように貢献したいです。
」 自動車業界もさまざまな企業がある中でも、特に地球環境の取り組みに熱心なところに共感したということをアピールしています。
自分の価値観と企業の価値観が一緒というのも、志望動機としては強いです。
過去経験から成し遂げたいことや共感
「私は小さい頃から御社の雑誌や書籍が好きで購入していますが、今度はその楽しさを伝える側になりたいと思い志望しました。
なぜなら大学時代に広報ビデオ制作に携わり、伝える喜びも感じたからです。
それまでは情報を与えられる側の私でしたが、広報ビデオ制作ではどうしたら皆に感動を与えることができるか考えることで制作する楽しさを感じました。
学生に配ると見てくれた方からの感謝の手紙をもらい反響も大きく、自分が発信したものが誰かに伝わる喜びも知りました。
ですのでいつも喜びを私に与えてくれる御社で、今度はその楽しさを伝える側になりたいと思い志望しました。
世代を超えて読者の方の心を惹きつけるような書籍や雑誌の制作を貢献したいです。
」 こちらでは過去の広報ビデオ制作という経験からやりがいを感じ、自分の好きな雑誌などを販売している企業で働きたいという気持ちを志望動機で表現しています。
いつも喜びを与えてくれる書籍を販売している御社だから、数ある同業者の中でもここを選んだというアピールもしているのです。
企業風土と自分の将来
「私は御社の製品が好きなことと結婚後や産後も職場復帰している方が多く長期的に働ける風土にも惹かれて志望しました。
なぜなら、働いている女性社員の方が結婚や出産を機に退職している数も少なく、皆でカバーし合って働いているのが伝わってきたためです。
OBの○○様にも話を伺ったときに、ほとんどの方が辞めずに続けていると聞き、さらに急遽小さい子供が熱を出しても休みやすく皆でカバーしていると知りました。
私は出産後も御社の製品を世の中に広め、ゆくゆくは店長になり売上も伸ばしたいと考えております。
ですので、結婚や出産後も働きやすい環境を整えている御社で長く働きたいと思い志望しました。
御社では接客のプロになるように一生懸命働き、売上にも貢献できるように努力します。
」 女性が結婚後や産後も復帰しやすく長く働ける企業風土が好きということと将来は長く勤め上げて店長になり売上に貢献したいとアピールしています。
まとめ
志望動機を履歴書に書くときには、まずは結論、その次に理由、具体例そして最後に結論の順番で記入します。
そうするだけで、自分だけでなく読んでくれる面接官にも伝わりやすい文章となります。
書くときには会社を褒めるだけでなく、どのようなことに共感して働いたら自分はどんな仕事をして貢献したいのかまで具体的にアピールしましょう。