HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
商社は何でも屋と呼ばれる総合商社と、特定の分野に特化した専門商社に分けられます。
事業の柱は物流・金融・情報・事業投資の4つであり、グローバルに幅広いビジネスを展開している企業です。
若い時から海外駐在経験を積むことができ、年収が高い傾向にあるのが魅力です。
【商社ってなに??】はじめに
就活生に人気が高い商社ですが、商社の業務内容や特徴を理解していますか。
有名な企業だからとか、海外赴任ができるから、グローバルに活躍できるから、語学力を生かせるからなど、それだけの理由で商社を志望しても、内定獲得はできません。
商社の業務内容や特徴をしっかり理解して、人気の商社を制覇しましょう。
【商社ってなに??】商社とは大きく分けて二種類ある!
商社といっても、大きく分けて2種類があるのをご存じでしょうか。
大手商社に代表されるのは総合商社と呼ばれるジャンルで、あらゆる物やサービスをはじめ、事業分野でも幅広く手掛ける何でも屋です。
総合的なジャンルでビジネスを展開し、その分野に限定もありません。
時代のニーズなどに応じて、どんどん分野が増えていく、無限大に広がる事業展開を行う企業です。
これに対して専門商社は一定の分野を専門的に担います。
両者の特徴を詳しく見ていきましょう。
総合商社
総合商社はありとあらゆる商品やサービスを取り扱い、事業展開も無限に広がっていく、いわゆる何でも屋です。
三菱商事、三井物産、住友商事など財閥系をはじめ、伊藤忠、丸紅、双日、豊田通商など企業名の知名度も高い歴史の長い企業が多いのが特徴です。
日本では商社といえば、総合商社が思い浮かびますが、実は世界的に見ると、何でも扱う総合商社は日本独自の形態と言われています。
資金力のあった財閥系をはじめ、繊維商社から発展した商社が多いのも特徴です。
戦前に重要な輸出品となった繊維商品の原料である綿花の輸入を行ってきた歴史を持ち、今のように簡単に飛行機で行き来ができる時代とは異なり、海外渡航が難しかった時代から海外のネットワートや貿易のノウハウを蓄積してきました。
その歴史を生かし、戦後に金属や機械、化学製品から衣料品や食品に至るまで、さまざまな商品やサービスを取り扱う総合商社へと発展していきました。
専門商社
あらゆるものが対象になり、続々と分野も増えていく総合商社に対し、特定の分野や業種に限定して専門的に取引や事業投資などを行う商社です。
海外では専門商社が一般的で医療機器専門、穀物専門といった商社から、ワイン専門やブランデー専門など、かなり細分化されている商社が目立ちます。
日本企業の専門商社の一例を挙げると、家具のアイリスオーヤマやプリンターのエプソン販売、日本の映像や音楽、玩具などをトレードしているハピネットなどが挙げられます。
外資系商社の日本支店などへの就職を希望する場合には、その分野の見識を高めるなど、扱っている商品に関する関心や興味の高さをアピールすることが大切です。
一方、日本の専門商社はアイリスオーヤマのように家具からペット用品、家電製品に食品と次々に関連分野を開拓していき、総合商社に近い形態になっているケースも多く見られます。
【商社ってなに??】商社の事業は大きく分けて四つ
商社は何でも屋と称されるように、事業内容も多岐にわたりますが、大きな柱となるのが、物流・金融・情報・事業投資の4つです。
商社は商いを行う会社と名付けられているだけあり、ビジネスの根幹となる売買を軸にした企業になります。
売主と買主の間に入って売買を仲介し、商品や資源、原料などを取引きする手助けを行うことがメイン事業です。
世界の人々に必要なものを届ける物流を基本に、海外取引のために必要な為替や保険などを取り扱う金融事業を行い、情報を収集・分析してマーケティングを行うなどしています。
物流・金融・情報・事業投資
物流というと頼まれた物を運送するイメージですが、商社の物流は世界各地にバイヤーが飛び回り、現地を見て交渉を重ねて仕入れ、輸入して流通させ販売するという川上から川下までの一連のプロセスをいいます。
日本の製品を輸出するのも同様です。
国際的に取引を行ううえでは為替をヘッジする必要や、航空運送や海上貨物運送における万が一の事故などに保険をかけておく必要もあります。
そこで、金融デリバティブや先物取引といったリスクヘッジのための投資や、事故時の損失リスクを移転する保険などの金融業務も欠かせません。
世界にどんなニーズがあるかをリサーチして商品の買い付けに行き、仕入れた品をいかに売るかを情報の収集や分析を通じてマーケティング戦略などを企画、立案、実行していくことも求められます。
事業投資は具体的に何をしてる??
4つの柱のうち、事業投資も総合商社を中心に時代のニーズに応じて行われてきた多額の資金が動く事業の一つです。
資源の少ない日本のエネルギーを確保するために海外で油田開発や石油プラント建設などを行ってきたほか、近年では環境問題などを踏まえ、シェールガス開発や海外の政府などとタッグを組んだ地熱発電や大型太陽光発電事業なども行っています。
時代の変化に即してシステム開発などIT関関連サービスを提供し、経営コンサルティングや人事労務コンサルティングから人材派遣事業などを行うケースも増えてきました。
不動産投資も長い歴史を持つ事業で、近年は再開発事業や、住宅や商業施設、医療機関や学校などが集積する総合的な都市空間作りなどに力を入れています。
さらに少子高齢化による国内市場の縮小を踏まえ、介護や高齢者向けサービスの分野に事業を展開する動きも加速しています。
【商社ってなに??】結局、商社は何でも屋!
総合商社は「ロケットからカップラーメンまで」と表現されることがありますが、時代の求めに応じ、時に時代を先駆けて、ありとあらゆるものや、ありとあらゆる事業を手掛けています。
これが何でも屋と呼ばれる理由です。
日本の場合は、専門商社でも顧客のニーズや時代の変化に合わせて関連商品を取り扱ったり、関連サービスを提供したりしていくうちに専門性が多様化していくケースも見られます。
何でも屋といっても、ただその時に必要とされるものを探してきて売り、新たな事業に投資しているわけではありません。
商社の事業の根底にあるのは、長く必要とされる仕組みを構築することにあります。
利益が見込めそうな商品やサービスを見つければ、資金や人材を投入し、輸送の手配を行い、広告や宣伝も担い、店舗の運営や経営コンサルティングまで行うなど、その時々の人や時代が求めるものやサービスを総合的に一括して提供できる企業です。
【商社ってなに??】商社の他の企業にない特徴は?
就活生から人気を集める商社は、他の企業に比べてどんな魅力があるのでしょうか。
多くの就活生を惹き付ける他の企業にない特徴について、確認していきましょう。
大きく二つの特徴として、海外駐在経験を若い時から積むことができること、年収が高い傾向にある点が挙げられます。
具体的にどのような点が他の企業と違うのか見ていきましょう。
海外駐在経験を若い時から積むことができる
商社を志望する就活生のほとんどが、商社に興味を抱き、就職したいと考えた理由にグローバルに活躍できる、語学力が生かせるといった海外とのビジネスができることを挙げます。
物を仕入れて流通させる事業は他の企業でも、一般的に行われています。
商社の場合は国内だけでなく、海外のあらゆる物やサービスが対象になるのが特徴です。
一般消費者向けの商品から、企業向けの製品に至るまで、クライアントの求めに応じて買い付け交渉を行い、日本にはない商品やサービスを他社に先駆けて紹介してヒットさせるなど、世界を視野に入れたビジネスに携われます。
海外駐在先ではありとあらゆる業務を一人で担当することもあり、海外でのビジネス経験を若い時から積むことができるのがメリットです。
年収が高い傾向にある
商社は歴史ある老舗企業が多いうえ、動かしている事業も多額の資金がグローバルに動くビジネスが基本となっており、資金力も高く、財務状態も安定しています。
そのため、他企業に比べて年収は高い傾向にあり、福利厚生なども充実しているのが特徴です。
商社に勤めるには少なくともハイレベルな英語力が必要であり、ドイツ語やフランス語、ロシア語や中国語や韓国語、東南アジア各国の言語やアラビア語など、現地でのビジネス取引に役立つ語学力を持ったトリリンガルやマルチリンガルといった語学力に長けた人材も少なくありません。
事業によってはプラント建設やエネルギー開発、インフラ構築など専門的な知識や技術が求められる職種もあります。
人材の専門性が高いために年収レベルも高くなる傾向があります。
また、海外赴任手当や国内での転勤手当、海外赴任先での住宅の提供や国内での社宅提供、それとバランスをとるための住宅手当の支給などがあり、年収を高めに引き上げているのです。
【商社ってなに??】まとめ
商社の業務内容や特徴を見てきました。
大きく総合商社と専門商社に分けられますが、時代の変化やニーズに合わせて、ありとあらゆるものやサービスを扱い、幅広い分野に事業展開しているのが特徴です。
若い段階から海外赴任を経験でき、語学力を生かしながらグローバルに活躍できるうえ、年収も高い点が魅力の企業です。