「塾講師の経験をガクチカにするにはどうすればいい?」 「塾講師の経験をガクチカにするには注意するポイントがある?」 「ガクチカの完成度を上げる方法って?」 このように、ガクチカとして塾講師の経験を使用したいと考えている人の中には、どのように書けばよいのか書き方に悩んでいるという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、塾講師の経験をガクチカにする時のポイントや注意点などを紹介します。
この記事を読むことで、どのようにして塾講師の経験をガクチカとして書けば良いのか把握できるでしょう。
また、ガクチカの完成度を上げる方法についても記載するため、参考にすることでクオリティの高いガクチカを書けるようになるでしょう。
塾講師の経験をガクチカにしたい人は、是非この記事をチェックしてみて下さい。
目次[目次を全て表示する]
ガクチカとは?
よく耳にするガクチカですが、その意味は「学生時代に力を入れたこと」です。
企業はガクチカを聞くことで、就活生の人間性や能力を知りたいと考えています。たくさんの就活生を相手にするわけで、その中から企業にマッチする人材を探すのは大変です。
学生時代をどのように過ごしていたのかによって、おおよその人となりが見えてくるのです。部活動やサークル、ボランティア活動やアルバイトなど何をガクチカで話してもかまいません。
ガクチカの書き方
人事担当者にしっかり評価してもらえるガクチカにするためには、分かりやすく簡潔な文章にまとめることがポイントです。
言いたいことを伝えるためには、結論からはっきり述べましょう。だらだら長い前置きは、何が言いたいのか分かりにくくなってしまいます。「結論→理由→エピソード→結論」という書き方を意識することで、説得力のある濃い内容になります。
エピソードは、ガクチカにリアリティーを持たせるために重要です。数字を用いるなどして、できるだけ具体的なエピソードにします。
再度結論を出してまとめる時は、入社後にガクチカでの学びをどのように生かしたいのかも話せば効果的です。
もう一つのポイントは、受ける会社が求める能力をアピールできそうなガクチカにすることです。そのためにはまず、企業研究をしてどんな人材を欲しがっているのかを把握しなければいけません。
さらに、企業に興味を持ってもらえるネタ選びも重要になってきます。求められる能力とリンクしそうなガクチカを探しましょう。
塾講師の経験をガクチカにする時のポイント
ここからは、塾講師をガクチカにする時のポイントについて詳しく解説します。どのようなことを書けばアピールにつながるのかを解説していくため、ぜひ参考にしてみてください。
課題解決能力をアピールする
塾講師の仕事は、「生徒の学力が低い」という問題を解決するという課題解決が仕事だと言えます。そのため、このような課題をどのようにして解決したのかをアピールすることにより、課題解決能力をアピールすることにもつながるでしょう。
チームとしての成果を書く
マンツーマン形式の塾勤務であったとしても、各教師の指導の頑張りは最終的に塾の成績平均点や合格率をアップさせたという成果につながります。
塾講師をガクチカにする場合、塾全体をチームとして捉えてチームで結果を残したことを書くほうが好印象につながるかもしれません。
ほかの先生たちとタックルを組んで、生徒たちを合格へと導くためにどのような工夫・努力をしたのかを書きましょう。これは家庭教師とはまた異なる部分と言えます。
先生みんなで合格対策を考えて指導するにあたっては、協調性も必要になり身に付くはずです。チーム営業のようにチームでする職種の企業を受ける場合は、尚のこと興味を持ってもらえます。
塾講師経験を企業でどう活かすかを書く
塾講師のアルバイトをした結果、上記のようにさまざまな学びや成長があるはずです。語学力など学力スキルがアップしたことも、もちろん大きな学びでしょう。
責任感や協調性、創意工夫の姿勢など身に付けた能力を、一体どのように入社後に活かすのかが何より重要です。
「学生時代に塾講師を頑張って〇〇を学んだ」というだけでは、それだけの話になってしまいます。具体的に、企業でどんな形で発揮したいのかを話すようにしましょう。
ここを話すことで、人事担当者はその人物の仕事への意欲を感じます。また将来の目標やビジョンをしっかり持った人物だと評価されるはずです。
入社後に活躍する姿がイメージできるようなガクチカにすれば、選考クリアへの道がグッと近づきます。
リーダーの経験があれば書く
リーダーをした経験があれば、自分がリーダーに選ばれた理由や、リーダーとしてどのように仕事に取り組んだのかなどを具体的に書きましょう。
人をまとめたり指導する能力は、就職後にも求められる能力の1つでしょう。特に出世欲のある人や、自分でプロジェクトを動かすような仕事をしたい人にとっては必須だと言えます。
コツコツと継続できる力についてアピールする
塾講師のアルバイトを長く続けていた場合、継続力についてアピールすることができます。企業側は採用後に長く働いてくれる人材を採用したいと考えているため、塾講師を長く続けていた経験がある場合は継続力についてアピールすると良いでしょう。
生徒のモチベーションを上げるために工夫したことを書く
塾講師をやる上で重要だと言える仕事は、生徒の成績を上げ、志望校に合格させることです。塾講師として生徒のモチベーションを上げ、勉強を教えたことで成績が上がったという実績は、採用担当者にも成果として伝わりやすいでしょう。
またそこで大切なのが、どのようことをしてモチベーションを上げることができたのかをアピールすることです。具体的な生徒の分析方法やモチベーションを上げるための解決策、その結果どのくらいの成果が出たのかをアピールできると良いでしょう。
相手の立場に立って考える力があることを書く
塾講師として生徒の指導を行うためには、生徒一人ひとりと向き合うことになります。同じ科目の授業であっても、生徒によってモチベーションを保つための方法は異なります。
そのため、塾講師の経験を通して、相手の立場に立って物事を考えるスキルがあることもアピールできるでしょう。
「○点」「○人合格」など具体的な数字を書く
塾講師でどのような工夫をし、結果的にどのくらいの成果を上げたのか、ただ実績を書くだけでは説得力に欠けるでしょう。「生徒にテストで○点を取らせることができた」「○人を志望校に合格させることができた」など、具体的な数字を書くことで、より説得力のある内容になるでしょう。
塾講師の経験をガクチカにする時の注意点
塾講師の経験はガクチカとして十分評価につながるものですが、一方でいくつかの注意点も存在しています。
ここでは塾講師の経験をガクチカにする時の注意点について解説していきます。
相手に伝わりやすい文章を意識する
ガクチカやエントリーシートでは、文章が論理的に組み立てられているかどうかもチェックされています。内容がよくても文章の構成がうまくできていなければ意味がありません。
論理的な構造になっていれば相手にも伝わりやすくなるため、しっかり意識して書くようにしましょう。
コミュニケーション能力をアピールしない
近年塾の形式もさまざまで、マンツーマン形式の個人塾もあれば集団で教えるクラス式の塾もあります。どちらも共通しているのは、決められた生徒を相手にする仕事である点です。
不特定多数の相手を教えるわけではなく、受験を控えた同じメンバーに指導するわけです。また教える相手は子どもですので、コミュニケーション能力が身に付くとは言いにくいでしょう。
塾講師のガクチカでコミュニケーションをアピールする人が時に見られますが、それよりも創意工夫やアイデア力などを伝えるほうが信憑性があります。そのほかにも、生徒を合格させる責任感や忍耐力などを学んだ人もいるのではないでしょうか。
中には教えるのが難しい生徒もいます。その子に対してどうしたか、問題解決能力もアピールできそうです。
個人の成果ばかり強調しない
たとえば「自分が教えた生徒の点数を上げることができた」といったような、個人の成果をアピールするのはやめましょう。個人の成績が上がったという内容だけを強調していると、チーム力がないのではないかと思われる可能性もあります。
点数を上げたという成果ではなく、そのためにどのような取り組みを行ったのかの方が重要です。
成果が小さい場合はガクチカに書かない
塾講師の経験をガクチカにする場合、「楽しい授業を行った」といったエピソードを書く人もいます。しかし成果としてはあまりにも小さいため、企業から「能力が低いのではないか」と思われる可能性もあります。
楽しく授業をするのは塾講師としては当たり前のことであるため、力を入れて取り組んだと言えるエピソードをアピールしましょう。
塾講師の経験を基にしたガクチカ例文
具体的に、塾講師をガクチカに挙げた例文を紹介します。結論から述べてあるかどうか、内容を証拠付けるエピソードが書けているかどうかをチェックしてみましょう。
また塾講師からどのような力を得て、それをどう仕事に生かすのかも参考にしてください。読み手にストレスを与えず、簡潔で分かりやすい内容であることが基本です。
例文1:生徒のモチベーションアップに導いた経験
「学生時代は塾講師のアルバイトで生徒たちをなんとか合格させようと必死でした。英文科ですので得意な英語を生かしたくて始めた塾講師でしたが、次第になんとしてでもみんなを合格させなければという使命感と責任感に燃えてきたのです。
勉強嫌いで無理やり親に塾に入れられたような生徒もいます。そういう生徒に対して、どうすれば勉強を好きになってくれるかを先生みんなで考えて案を出し合いました。
音楽が好きであれば歌で英語を教えたり、個人的に時間を取って会話しながら教えたりと試行錯誤した結果、無事に合格できました。
塾に対しても結果を出すことができて、指導者として評価してもらえて良かったです。塾講師の経験で、難しいことも工夫して乗り越える力や責任感を得ました。
貴社の新プロジェクトに、私は非常に興味があります。プロジェクトメンバーになり、塾講師で学んだ責任感やアイデア力を大いに発揮したいです」
責任感や工夫する力を塾講師から学んだ例です。企業のプロジェクトメンバーになってそれらの学びを生かしたいと締めくくっているところが高評価につながります。
例文2:生徒との信頼関係を築いた経験
「私は学生時代塾講師でアルバイトに全力を注いでおりました。親も教師で指導する仕事に興味がありました。しかしながら、やってみると難しいことだらけだったのです。
ある時一人の女子生徒が私のことをほかの先生に、「あの先生は教えるのが下手だ」と言いました。それは父兄にも伝わり、私は塾長に呼ばれました。真面目に一生懸命指導していたつもりでしたのでショックでしたが、生徒の正直な本音です。
辞めようかとも悩みましたが、まずは自分と向き合いどういう点が悪いのかを考えました。その生徒と直接話をしたところ、「説明が曖昧で分かりにくく声も小さくて何を言っているのか分からない」と言われました。私は真摯に受け止め改善したのです。
半年後にはその生徒とも仲良くなり、「先生ごめんね」と謝ってくれて無事に高校も合格しました。塾講師では、壁にぶつかっても逃げずに向き合う強さと粘りを得ました。
貴社の営業職も甘くはないと思うので、うまくいかない時も改善できる点がないかしっかりと自分を見つめて乗り越えていきたいです」
塾講師での失敗談をエピソードにして、メンタルの強さや粘る力をアピールしています。入社後も必要となる力なので、好印象になるはずです。
例文3:塾全体の質向上に繋がる経験
「私が学生時代に塾講師のアルバイトで力を入れたのは、新人研修プランの立案です。
自身がアルバイトとして働き始めた際に、塾のシステムやカリキュラムに関する説明が分かりづらく、そのために最初のころは仕事につらさを感じていました。
当時、アルバイトをしていた塾では講師の早期離職率の高さが問題になっており、私は自身の経験から、その理由は新人への丁寧で分かりやすい指導の不足だと考えました。
そこで私が考案したのが、社員や先輩に対する新人への指導の重要性の説明と研修プランの提案です。
始めのころにしっかりと研修期間を設けることで、アルバイトの離職率が減り、同時に生徒の授業に対する理解度に関してのアンケート結果も向上しました。
この経験を通して、自身がつらいと感じた際はただその気持ちをやり過ごすだけではなく、しっかりと問題に向き合い、原因を追究することが重要なのだと学びました。」
自身が経験したつらい経験を元に、問題を解決した例です。問題解決力のアピールにつながるでしょう。
例文4:生徒の成績向上のために工夫した経験
私は学生時代に塾講師のアルバイトとして働き、生徒それぞれの個性に合った指導プランの作成に力を入れてきました。
この活動をするきっかけになった理由は、指導をしていた生徒が、成績に差があるにもかかわらず、指導カリキュラムで対策をおこなっていないことに疑問を感じたからです。
私は画一的な指導だけを行っている点が成績に差が生じる原因だと考え、通常のテストに加え、それぞれの適性や得意分野を判断するテストの実施を提案し、その案が採用されました。
その結果を元に生徒ごとの指導プランを作成したことにより、成績が伸び悩んでいた生徒を中心に全体的な平均点を上げることに成功しました。
現状の問題を放置するのではなく、改善できるのではないかと考え、行動することの大切さを学ぶことができました。」
企業の欠点を自身で気づき、その改善点を考案し解決した例です。自身で考える力や積極性、また発言力のアピールにもつながるでしょう。
ガクチカの完成度を上げる方法
企業に評価されるガクチカにはいくつかのポイントがあります。ポイントを押さえて書くことにより、内定を獲得しやすいガクチカに仕上げることができるでしょう。
ここでは最後に、ガクチカの完成度を上げる方法を紹介します。
自分の強みを分析する
ガクチカを書くためには事前の自己分析が必須です。自己分析によって自分の強みを洗い出し、過去の自分の経験を掘り下げることによって、完成度の高いガクチカを書くことができるようになるでしょう。
内定した人のエントリーシートを参考にする
内定者のエントリーシートはインターネット上で閲覧することができます。内定を獲得した人のガクチカを参考にすることで、より自身のガクチカの完成度を高めることができるでしょう。
ガクチカを添削してもらえるサービスを利用する
ガクチカは第三者に添削してもらうことで完成度を向上させることができます。就活サービスの中にはガクチカやエントリーシートの添削をしてくれるサービスも多いため、活用してみると良いでしょう。
また、就活サービスでは就活の悩み相談や、面接対策、セミナーなどのサポートを受けることができるため、選考の突破率を高めることができるでしょう。
塾講師の経験をガクチカに活かせるか考えてみよう
塾講師のアルバイトは、生徒の成績を上げるという明確な目標が存在します。そこを課題とし、エピソードの軸にすれば、志望動機や自身の成長が伝わりやすいガクチカが書けるでしょう。
また、生徒や保護者、社員などさまざまな立場の人々との関係を持つ点も、塾講師の特徴であると言えます。
本記事の例文を参考に、塾講師という仕事を、ただ勉強を教えていたことだけを見るのではなく、広い視野で自分の経験を見て、それを十分にアピールできるガクチカを書いてみましょう。