HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【流体力学を学んだことを活かそう!】はじめに
ガクチカといえば、学生時代に力を入れて取り組んだことを、志望する企業に紹介して、その経験を踏まえ、就職後も活躍することをアピールする場面です。
流体力学を学んだことを活かしてガクチカを作成する場合、どのような点を踏まえて書けば、 内定獲得に向けたアピールにつながるでしょうか。
流体力学を学んだことを活かせるガクチカの書き方や流体力学を学んだことから得られた強みやエピソード例を解説し、最後に参考となる例文をご紹介します。
【流体力学を学んだことを活かそう!】ガクチカの書き方
流体力学を学んだことを活かしてガクチカを作成するうえでは、まず、構成を抑えましょう。
同じ内容を紹介するにしても、 どのような順番でどう話すのか、構成の仕方で伝わり方に大きな違いが生まれるためです。
ガクチカ構成のおすすめの流れは、「どんな経験をしたか」→「キッカケ」→「生じた課題」→「解決法」→「結果」→「どのような面で成長したか」→「どう活かしていくか」の順で作成することです。
最初に、学生時代に力を入れた経験を明確にします。
次に力を入れて取り組むことになったキッカケを話しましょう。
次の構成では、学生時代に力を入れた具体的なエピソードを1つ選んで紹介します。
エピソードを紹介する際には「生じた課題」・「解決法」・「結果」・「どのような面で成長したか」を盛り込むことがポイントです。
最後に、ガクチカでの経験や学んだことを、就職後にどう活かしていくかをアピールして締めくくりましょう。
【流体力学を学んだことを活かそう!】流体力学を活かした強み
流体力学を学んだことを活かしたガクチカを作成するために、どのような強みをアピールすべきでしょうか。
もちろん、学生時代の学びや研究において得られた強みや磨かれた強みはいろいろあると思いますが、決めかねているときには次のような強みをアピールするのがおすすめです。
「計画を立て、実行する力がある」「大型機械を設計する知識がある」「単調な計算などを正確に成し遂げることができる」は、流体力学を学んだことから得られる強みの代表例です。
計画を立て、実行する力がある
流体力学は自由に変形を続ける流体の運動を解析する学問であり、管路や噴流、翼列などの流体機械の設計や開発にも関わります。
水路や機械内の液体の流れの解析や流体機械を設計、開発していくうえでは、緻密で正確な計算を重ね、安全面にも徹底配慮して開発をしていく必要があります。
そのため、緻密に 計画を立て、それを一つひとつ丁寧に実行する力が備わっている方も多いはずです。
流体力学を専攻するために大学に進学するうえでも、計画を立てて受験対策をしないと大学入試に合格することもできません。
そのため、中高生時代から実践してきた計画を立てる力と実行力が、大学で流体力学を学ぶ過程で、一層磨かれた強みとしてアピールできます。
大型機械を設計する知識がある
流体力学を学び技術を得ることで、 管路や噴流、翼列など大型の流体機械の設計や開発に携わることができるようになります。
流体機械は水や空気、油や蒸気といった流体によってエネルギーを発生させることで、機械が動く仕組みで、蒸気機関や水力発電など大型機械の開発も手がけることが可能です。
学生時代には実際に大型機械を開発、製造に取り組んだ経験はなくても、設計を行い、試作品などを開発した経験はあるのではないでしょうか。
もちろん、参加したゼミや研究内容によって異なり、もっぱら流れについて解析する学術的な研究に取り組む学生も少なくありません。
そうした中で大型機械を設計する知識に強いことは、アピール材料になります。
単調な計算などを正確に成し遂げることができる
流体機械にもさまざまなジャンルで稼働する多様な種類がありますが、流体機械の設計においては流体力学によって流体の運動を解析することが、何よりも重要な役割を果たします。
流体力学を専攻した方は緻密な計算や解析が得意な方が多いので、単調な計算などを正確に成し遂げることができることも強みとしてアピールできます。
大型機械や水路の開発だけでなく、たとえば、車の走行中の車体周りの空気抵抗の計算にも流体力学の知識が欠かせません。
燃費を向上させるために空気抵抗を減らすには、車体周りの空気の流れと抵抗を調べて計算を行うことが必須となります。
そのため、流体力学に基づく計算力に長けていることは、流体機械の開発をはじめ、 車両や他の機械などさまざまな業界にアピールできる強みです。
【流体力学を学んだことを活かそう!】ガクチカにする際の注意点
流体力学を学んだことを活かしたガクチカを作成するうえで、気を付けたい点もあります。
流体力学を学んだ方をはじめ、理系出身者が起こしがちな伝わりにくい点を挙げますので、特に4つの点に注意しましょう。
「専門用語を使いすぎる」「研究内容を話すだけになる」「結果ばかりを強調し、プロセスがおろそかになる」「具体的なエピソードより知識や実験の話がメインになる」という方が多いので、そのような書き方にならないよう注意してください。
専門用語を使いすぎない
流体機械を中心に開発や製造を行っている企業で、書類選考や面接を受けるといっても、選考に携わる人の多くは流体力学の専門家や現場経験者ではありません。
人事担当者をはじめ、文系出身者も多いです。
また、流体力学の知識や技術を武器に、自動車メーカーをはじめ、さまざまな業界にチャレンジしたい場合には、流体力学の専門用語を詳しく知らない選考者も多くなります。
そのため、流体力学の知識がない方でも、誰にでも伝わる言葉で経験などを説明することが大切です。
専門用語を並べたほうが、知識が豊富に思ってもらえると考えがちですが、知識がない方にとっては意味が理解できず、まったく伝わらないだけです。
誰にでも理解できるよう、 専門的なことをかみ砕いて解説できるようにしましょう。
研究内容を話すだけにならない
流体力学を学んだことをガクチカに選ぶと、ひたすら研究内容を話すだけになってしまう方も少なくありません。
研究は長期間にわたって行われることも多く、何十枚にも及ぶ論文になるほどの質量がありますから、要約するのは大変かもしれません。
もっとも、ガクチカは研究成果を発表する場ではありません。
研究に取り組んだ経験やその経験を通じて得られた学びや成長のプロセスを話す場です。
そのため、研究内容についてひたすら語っても、意味がありません。
決して、そんなすごい研究をした人なのだから、ぜひとも採用したいという判断をするのが就活の選考ではないのです。
ガクチカを通じて、その人のなりや得てきたこと、これまでの歩み、持っている能力を知り、 就職後に活かせるかを判断する機会ですので注意しましょう。
過程を大事に、結果に偏った話し方をしない
流体力学を学んだことをテーマに研究内容や学びから得たことなどをガクチカで話す場合、得られた結果を重点的に話してしまう方も少なくありません。
得られた結果から、入社後にどのような活躍ができるかを延々と話してしまうこともあります。
ガクチカはあくまでも、学生時代に力を入れたことを問われているので、取り組んだ過程とその過程で何を感じたのかを中心に紹介することが大切です。
ガクチカでアピールしたい流体力学を学んだことから得られた強みが、得られるまでの過程や強みを発揮できた過程のエピソードをしっかり話しましょう。
そのエピソードにおいて直面した 課題にどう向き合い、どう考えて乗り越えたかなどを具体的に伝えることがポイントです。
エピソードを主体的に話す
流体力学で取り組んだ研究内容やその結果、得られたこと、就職後にどう活かすかに焦点を当てるのではなく、 学生時代に力を入れた取り組みのエピソードを中心にした構成にしましょう。
エピソードの中で、直面した課題や問題を紹介し、それについて自分がどう考えて、乗り越え、そこから何を学んだかを具体的に書き、話すことで、エピソードを重視したガクチカを作ることができます。
ガクチカの構成でエピソードが重要なのは、流体力学の学びから得た強みに説得力を持たせることができるためです。
たとえば、強みが「計画を立て、実行する力がある」ことだといっても、本当にその力があるかは、具体的なエピソードがないと信じられません。
口先だけで言うなら、計画力や実行力がない方でもアピール可能です。
本当に計画力や実行力があることを、エピソードを主体にすることでアピールしましょう。
【流体力学を学んだことを活かそう!】活かせるエピソード
ガクチカでは、流体力学を学んで得た強みをアピールするために、具体的に経験したエピソードを紹介することがポイントになります。
エピソードを紹介することで、実際に経験をしたことが明確になり、その経 験から得た強みがあることに説得力が生まれるからです。
エピソードとしては「たくさんの知識を吸収しなければいけなかったこと」「とにかく設計ができるようになるまで数をこなしたこと」「人に頼ることで成し遂げたこと」を選ぶと効果的です。
たくさんの知識を吸収しなければいけなかったこと
流体力学を学んで得た強みをアピールするために活かせるエピソードの1例が、「たくさんの知識を吸収しなければいけなかったこと」です。
流体力学を極めるうえでは、理解すべき専門知識や設計や技術に関する知識などをしっかり学ばなくてはなりません。
あまたの知識を吸収する段階で何度も挫折しかけたエピソードは、流体力学についてしっかり学んで、「大型機械を設計する知識がある」「単調な計算などを正確に成し遂げることができる」といった強みに 説得力を持たせるエピソードになります。
流体の運動を数理物理学的に解析する理論をはじめ、水路や管路、水力機械に現れる現象やその応用知識を学び、安全で機能的な流動機械の設計をしようと頑張ったエピソードを紹介しましょう。
とにかく設計ができるようになるまで数をこなしたこと
流体力学を学んで得た強みをアピールするために活かせるエピソードとして、「とにかく設計ができるようになるまで数をこなしたこと」もおすすめのエピソードです。
できるようになるまで何度も作図するなど、数をこなした経験は「大型機械を設計する知識がある」強みに説得力を持たせてくれるだけでなく、「計画を立て、実行する力がある」ことを強みとしてアピールしたいときにも取り上げたいエピソードの1例です。
エピソードを選ぶ際には、何の問題もなく、スムーズにこなせた経験よりも、 壁や問題に直面しながらも、それを自分の力で乗り越えた経験のほうが適しています。
就職後に同じように壁や問題に直面したとき、乗り越える力があることやどのように乗り越える人物なのかを伝えることができるためです。
人に頼ることで成し遂げたこと
流体力学を学んで得た強みをアピールするために活かせるエピソードのもう1つが、「人に頼ることで成し遂げたこと」です。
人に頼ることで成し遂げたというのは、一見すると他力本願であり、自分の強みをアピールすることや学生時代に頑張ったことの経験談としては不適切に思えるかもしれません。
ですが、 企業で仕事をしていくうえではワンマンプレーではなく、チームワークも大切です。
特に流体機械のような大型機械はじめ、車やその他の機器などの設計や開発、製造においては、開発や製造過程における事故や販売してからの品質と安全性にも十分に配慮しなくてはなりません。
自分だけで解決して思わぬ事故や人の生命を奪うようなミスを犯すよりも、自分がどうしてもできないことなどを、人に頼っていく中で協力して成し遂げられることも求められるのです。
【流体力学を学んだことを活かそう!】エピソードを活かした例文
流体力学を学んだことを活かしたガクチカを作成するには、エピソードを紹介しながら、流体力学の学びから得られた自分の強みを上手にアピールすることがポイントです。
実際にどのように書けば良いのか、2つの例文をご紹介しますので参考にしてください。
たくさんの知識を吸収することで挫折した経験を使った例文
私が学生時代に頑張ったことは、流体力学で求められる計算や解析を正確に成し遂げられるように取り組んだことです。
今の時代は地球温暖化防止の観点から、車の省エネ性能を高めることが求められています。
そこで、車の燃費を向上させるためにどうすれば良いかを考え、流体力学の観点から空気抵抗を減らすことに着目しました。
1台の車を選定し、車体周りの空気の流れと抵抗を調べ、そのデータをもとに計算を行うことにしました。
それまで学んできた流体力学の知識では単純に導き出せず、車に応用するために、さらに学び直すことや広い知識を学ぶ必要が生じたのです。
何度も挫折しかけましたが、燃費が良いのに颯爽と走る車を自分が開発するイメージを描くことで頑張る原動力に変えました。
自分がメカニックとしてメディアで紹介されているイメージを持つと、モチベーションが上がり、いくつもの文献を調べたり、ネットで検索したり、教授や先輩に指導を仰ぐことができました。
ようやく従来より燃費性能に優れた車の設計にこぎつけたのです。
この経験を活かし、御社に入社して、どんな難しい課題や困難に直面しても、あきらめることなく知識を研鑽して頑張りたいと思います。
人に頼ることで成し遂げた経験を使った例文
私が学生時代に力を入れたことは、大型機械を設計する知識を習得することです。
再生可能エネルギーへのシフトが求められる中、流体力学の知識や技術が使える水力発電に興味を持ち、水車を用いた小水力発電装置の設計をしたいと考えました。
そのためには水の流れの挙動に関する損失を解析することが必要です。
コンピュータを用いることで、水車の羽根車の流路を一括して乱流解析という手法で、計算ができるのですが、用いるモデルによって結果に大きな差が生じて、計算結果が実験値と大きく異なる問題に直面しました。
自分一人の能力では限界があると感じ、ゼミの先輩や教授のサポートを得ることにしたのです。
すると、回転羽根車の流れの測定精度を著しく向上できたとともに、解析のやり方を習得することができました。
もし、自分一人で成し遂げようとしていれば、途中で挫折するか、性能が悪く、実用化は到底できないような設計しかできなかったと思います。
人の力を借りることで設計が完遂できただけでなく、そのための知識と解析技術を磨くことができ、その後の設計にも活かせるようになりました。
この経験をもとに、御社に入社しても、自分の力だけでできると思わず、チームで互いの能力を集めて安全で高性能な機械の開発に取り組みたいです。
【流体力学を学んだことを活かそう!】まとめ
流体力学を学んだことを活かしたガクチカを作成するために、アピールしたい強みとしては「計画を立て、実行する力がある」「大型機械を設計する知識がある」「単調な計算などを正確に成し遂げることができる」がおすすめポイントです。
ガクチカを作成するうえでは、「専門用語を使いすぎない」「研究内容を話すだけにならない」「過程を大事に、結果に偏った話し方をしない」「エピソードを主体的に話す」に注意しましょう。
エピソードとしては「たくさんの知識を吸収しなければいけなかったこと」「とにかく設計ができるようになるまで数をこなしたこと」「人に頼ることで成し遂げたこと」を選ぶと効果的です。