【理系も資格を取ろう】はじめに
世のなかにはさまざまな資格があります。
硬筆書写検定のように就職活動や社会人として働くうえで直接的には有利にならない資格や、日商簿記検定のように実践的なスキルとして活用できるもの、建築士のような国家資格まで、その種類は数えきれないほどです。
自分の目指す道にあった資格を取得することで就職活動はより有利になります。
何より勉強して身につけた知識や技術は一生ものの財産になります。
今回は、理系大学生にこそおすすめしたい資格についてご紹介しましょう。
【理系も資格を取ろう】鬼に金棒=理系に資格
長引く新型コロナウイルスの影響で、現在は第二の就職氷河期といわれています。
2020年度、2021年度と、満足に講義を受けられない状況が続いています。
そんななかで連続して新卒内定の取り消しも相次ぎ、将来に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
もともと理系大学生は文系学生に比べて就職率が高く、有利だといわれています。
しかし、先の見通しの立たない今だからこそ、あらためて資格取得を目指してみるのもいいかもしれません。
もともと就職に有利な理系大学生だからこそ、資格を取ることによってさらに自身の能力をアピールできます。
就職活動は、いかに自分自身をアピールできるかで勝敗が決まります。
自分の能力を示すツールとして、資格をもっておくことは大切なのです。
【理系も資格を取ろう】どんな資格がいいの?
一口に資格と言っても、民間資格から国家資格、公的資格までさまざまです。
簡単な講義を受けるだけで取得できる資格から、難しい試験を受けることでようやく身につく資格まで、その難易度もピンからキリまであります。
どんな資格をもっていれば、より就職活動や社会人生活を送るうえで有利になるのかわからないという方も多いはずです。
目指している就職先にまったく関係のない資格は、無駄にはならないとしてもあまり効果はありません。
将来を見据えた資格の取得をする必要があるのです。
就活全般に役立つ資格
どうせ取得するのであれば、できる限り就職に強い資格を取りたいものです。
しかし、「就職に強い」といっても、自分が目指している職業にできる限りあった資格が必要となります。
たとえば、将来化学工業関連の研究施設で働きたいと考えている方が、介護福祉士の資格をもっていてもあまり強みにはなりません。
同様に、学芸員になりたいと考えている方が看護師免許を取る必要もありません。
どんな職場に就くにしても有利になる資格というものもあるのです。
TOEIC
TOEICとは、国際コミュニケーション英語能力テストのことです。
テスト結果は合格や不合格といった形式ではなく、スコアで表示されるという特徴があります。
TOEICの最高得点は990点とされており、そのうちどれだけスコアを獲得できたかで自身の能力がどの程度かを示すことができます。
世界160カ国で実施されているテストなので、世界基準のテストとして活用されているのです。
また、知識や教養としての英語ではなく、日常生活や仕事を通じてのやり取りに活かせる、実践的な英語によるコミュニケーション能力を測定するテスト内容となっています。
現代では国際化社会としてどの分野においても少なからず英語力が必要な部分は存在します。
そのため、好成績を残せれば就職で有利になるのです。
ITパスポート
ITパスポートとは、通称Iパスと呼ばれる資格のことです。
ITパスポートはITに関連する資格のなかでももっとも基礎的な試験になります。
経済産業省が認めている国家資格ですので、IT関連の企業に就職したいと考えているのであれば取得しておいて損はありません。
また、IT関連の仕事に興味がない方にもITパスポートはおすすめの資格だといえます。
なぜかというと、現代の日本では日常生活でも至るところにIT技術が使用されています。
仕事の面でも、職種や業種を問わずあらゆる分野に関わっているのがIT技術です。
そのため、ITに関する基礎的な知識を証明してくれるITパスポートの資格を取得していることにより、文系・理系を問わず、さまざまな職種へのアピールポイントとなります。
MOS
MOSとは、マイクロソフトオフィススペシャリストの略称です。
ExcelやWordなどの、Microsoft Office製品に関するスキルを証明できる資格となっています。
現在ではさまざまな業種でパソコンの使用が当たり前となってきています。
実際の現場でExcelやWordといったMicrosoft Officeの製品を使用するケースも多いため、これらのソフトを問題なく使えるかどうかはとても重要です。
パソコンの使用頻度が高くなればなるほど、ExcelやWordに触ったことがあるという程度ではなく、関数を組めるか、適切な書式で書類を作成できるかといった能力が求められます。
そのため、MOSの資格取得のために勉強したことをそのまま実践でも活かせるため、就職に強い資格なのです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT業界で働きたいと考えているのであればもっていて損はない定番の国家資格です。
先に紹介したITパスポートとどう違うのかわからない方もいるかもしれません。
簡単に解説すると、ITパスポートは職場でITに携わることがあるという程度の一般的な社会人も対象としています。
試験内容はITに関するごく基本的な知識に留まります。
そのため、さまざまな業界に幅広く応用できる応用できる資格といえるでしょう。
これに対し基本技術者試験は、システムエンジニアやプログラマーといったプロとしてIT業界で働く方に向けた資格となっています。
出題範囲は似通っていますので、IT業界に興味がない方でも取得できる資格ではありますが、より踏み込んだ問題が出題されます。
専門性の高い資格
ここまではあらゆる業種に幅広く活用できる資格を紹介してきました。
しかし、将来はこの職業に就職したいという希望がはっきりとしているのであれば、その職業にあった資格を取得することも就職活動をするうえで大きな力になります。
理系大学生は卒業後、専門的な職業に就職するケースがほとんどです。
そのため、それぞれの就職先に活かせる資格をうまく見極めて取得することが大切になります。
ここからは、より専門的な内容の資格についてご紹介します。
乙種第4類危険物取扱者
乙種第4類危険物取扱者とは、さまざまな種類がある危険物取扱者という資格のなかでも、引火性液体を取り扱うことができる資格です。
第4種とは、ガソリンや軽油、重油、灯油など、身近な石油類が含まれます。
火災につながる危険性も非常に高いため、危険物取扱者試験のなかでも特に需要の高い分野となっています。
この資格を取得することで、第4類の製造や貯蔵、管理、活用に携わる業種に就くことが可能です。
たとえば、ガソリンスタンドに就職すれば昇進や昇給といった面で有利になります。
また、タンクローリーのドライバーになるためにも必要なのがこの資格です。
このほか、石油会社や化学系メーカーなどに就職する際にも、この資格を保有していることで採用されやすくなるケースがあります。
技術士
技術士とは、科学技術に関する専門知識と専門的な応用能力、豊富な実務経験があってはじめて認定される国家資格です。
試験は一次試験と二次試験に分かれており、二次試験に合格し、登録することでようやく技術士としての資格が与えられます。
また一次試験に合格した場合、もしくは指定大学において日本技術者教育認定機構が認定する課程を修了した場合は、技術士補として名乗れる登録制の資格も存在します。
技術士になるためには一次試験通過後もしくは指定大学での認定課程を修了したあと、実務経験を積む必要があるのです。
技術士になると建設や機械、化学、情報工学などさまざまな分野での研究職や技術職に携わることが可能です。
卒業後も研究を続けたいと考えている場合、技術士を目指してみるという道もあります。
ほかにも多様な専門的資格がある
理系大学生が取得しておくことで強みになる資格は、数えきれないほどあります。
希望する職種や業種によって、取得を推奨されている資格はさまざまです。
ときには就職後に資格の取得を求められる企業や、もっていることで資格手当などの優遇を受けられる資格も存在します。
そのため、自分の進みたい進路が決まっているのであれば、どんな資格が強みになるかを調べて挑戦してみることがおすすめです。
専門的な資格は取得が難しいこともありますが、その分就職活動で活用できるものばかりです。
就職を希望している企業から求められる資格があるのであれば、まずは挑戦して損はありません。
なかには入社時は不問とされていても、就職後に取得を求められる資格もありますのでリサーチしておくことをおすすめします。
【理系も資格を取ろう】まとめ
文系に比べ、就職に強い理系大学生とはいえ、昨今の就職難を考えれば少しでも就職に有利な資格を保有しておきたいところです。
資格は一度取得してしまえば、転職を考えた際にも自分の力になってくれます。
また、取得していることで昇給の条件になっているケースや、資格手当がつくなど優遇されるケースもあるのです。
学生時代であれば社会人に比べて資格の勉強に費やせる時間も豊富で、周囲に質問をする機会にも恵まれています。
このチャンスに、興味のある資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。