HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【理系学生に大人気】はじめに
化粧品の製造と販売を行う企業として知名度の高いコーセーは、誰もが知るようなロングセラーだけではなく新商品の開発にも積極的に取り組んできました。
近年では国内の販売のみならず、世界に通用するブランド力を強化してグローバル化が進められています。
これから海外市場に進出する企業とあって、特に理系の大学生から就職先として注目されているポイントはどこにあるのか、人気の理由とともにこれからの事業展開を確認しておきましょう。
【理系学生に大人気】コーセーはなぜ人気
日常的に商品を使っていない、または化粧品を使っていない男性であってもコーセーのブランド認知度は高いといえるでしょう。
有名な女性タレントが起用された広告を見かけたり、わざわざ百貨店の化粧品売り場に行ったりしなくても、ブランド名が目に飛び込んでくるはずです。
それがコーセーの商品だと知らなかったとしても、繁華街のドラッグストアでは大々的に売り出されているところを見たことがあるかもしれません。
そうした知名度の高さやブランド力は、これから就職先を探そうとしている学生に人気が高い理由の1つでしょう。
ネームバリューがある
就活中の学生が注目するのは安定した業績とともに、社会的な知名度やネームバリューかもしれません。
実際にいくつかの企業から内定をもらえたときに、どちらを選ぼうかと悩んだ末にネームバリューを決め手にすることもあるでしょう。
さらに化粧品のように身近な商品の開発に携わることになるなら、有名なブランドを選びたいという思いもあるはずです。
ネームバリューがある大手企業ならば化粧品開発の分野も幅広く、美容クリームからスキンケア商品まで多方面に活躍の場を広げられます。
このように、身近で知名度の高い商品の開発に携われることと、基礎的な研究とともに最新の技術が学べることも理系の学生から人気が高い理由といえるでしょう。
化学・化粧品メーカーのなかでもトップの業績
戦後間もなくの創業以来、コーセーは業界内でもトップクラスの業績を誇り続けてきました。
近年では新商品の開発や販売により業績が好調で、新たな工場を稼働させるなどさらなる生産能力の向上に取り組んでいます。
アメリカやヨーロッパなどで商品を販売するほか、知名度を向上させるためにコンセプトショップをオープンさせるなど、グローバル化は留まることを知りません。
一方で、香港への海外初進出以来、アジア市場における売り上げも大きく伸ばしてきました。
これからはアジア各国での販売のみならず、生産ネットワークを拡大させるなどの準備や環境なども整っています。
グローバル化の志向がますます高まるなかで、これからの事業展開からは目が離せません。
【理系学生に大人気】コーセーの倍率
コーセーでは職種ごとに採用枠があり、一般的な総合職の場合には、選考の際に文系と理系で分けた採用はしていません。
マーケティング系の総合職と、研究所に勤務する研究開発総合職はジョブローテーションで人材育成が行われるからです。
そのため、大学時代の専攻によって不利になることはないものの、採用人数に対して100倍もの応募がある人気企業です。
難関を突破するためには知名度やネームバリューだけで判断をしないで、企業の情報収集とともに志望動機などを明確にしておく必要があるでしょう。
理系総合職(研究・開発)
文系総合職に対して、研究や商品の開発に携わる理系総合職は、理学部や工学部など理系で学ぶ学生が採用の対象です。
学生時代に培った基礎的な知識を実践的な技術開発に活かせるわけですが、いわゆる就職の難易度はやや高いかもしれません。
倍率はおよそ30倍ともいわれているほどの狭き門で、研究への関心が高くてもなかなか簡単に内定を取ることはできないでしょう。
一方で、難関といえる通常の採用枠とは別に、学校推薦の制度を利用することも可能です。
学生時代の研究成果などを評価してもらえる制度ですから、活用できるかどうかは自らが所属する研究室の教官に確認してみるとよいでしょう。
学校推薦がもらえるようであれば、志望する企業に一歩でも近づけるかもしれません。
文系総合職(マーケティング系)
採用人数の100倍ほども応募が集まるコーセーは、学生に人気がある企業のなかでも就職するのは最難関といえるでしょう。
大手企業ではあるものの、採用人数は50名ほどであり、あまり多いとはいえません。
エントリーシートを提出したあとは集団面接があり、適性検査を受けてからグループディスカッションへと進みます。
最終選考に進むまでには三段階の選考を経なければならず、自己アピールなど十分な対策を練らなければなりません。
そのうえで、最終選考の役員面接においては、化粧品を魅力的にプレゼンテーションするために準備をする必要があります。
企業について深く学んでおくとともに、発売されている商品について基本的な知識だけは頭に入れておいたほうがいいでしょう。
【理系学生に大人気】理系はどのように働いている?
メーカーや企業などによるものの、理系学部の出身だからといって研究や開発職だけが配属先となるとは限りません。
専攻した分野において、学んだ知識を専門的な研究所において発揮することもできますし、研究職に就かずに総合職として働くことも珍しいことではありません。
理系においては学校推薦や教授からの推薦や紹介など、文系と比べて就職に有利な制度があるものの、門戸は広く開かれているため、理系出身であっても適性を見極めて職種を選ぶとよいでしょう。
研究開発職
理系からマーケティングなど文系総合職に進むケースがあるものの、もっとも活躍できる職といえるのが研究開発です。
一般的には化粧品メーカーとしての認知度が高いかもしれませんが、コーセーは化学メーカーとして応用研究を日夜行っています。
スキンケア商品に携わる研究だけを見ても、使い心地のよさや効果の追求だけではなく安全性を高めなければなりません。
そこでは製剤開発など医療や医薬品の分野に近い研究なども行われますし、最先端の技術だけではなく化学的な進歩に寄与する役割も担わなければなりません。
また、ヘアケア商品やファンデーションなどの化粧品の開発に携わるうえでは、香りによる心理効果や皮膚科学など研究する分野は多岐にわたっているのです。
総合職
一般的に文系の領域ともいわれる総合職ですが、応募条件には文系と理系の区分がないため理系でも活躍することができます。
学生時代に学んだ専門的な知識を活かしつつ、顧客に対して商品の説明をしたり、提案したりできるセールスエンジニアとしての役割を期待されることもあるでしょう。
一方で、理系と文系の差を強く意識するのは、新卒で就職活動をするときくらいかもしれません。
専門性の高さが問われる研究職などは、理系出身者に採用が限られるものの、総合職において理系が敬遠されることなどほとんどありません。
加えて、もし転職することになった場合、出身学部を気にされることもないでしょう。
まずは専攻にとらわれることなく、自分の適性をしっかりと見極めておきましょう。
【理系学生に大人気】コーセーの今後は?
アジアなど世界へ市場を拡大するとともに、企業として環境問題に対する取り組みにも積極的です。
売れ残ってしまった商品を値下げして、シーズンを過ぎても廃棄せず購入できるようにしている活動もその一環です。
また、商品に使われているプラスチック容器の回収を実施したりするなど、サステナビリティを推進する活動も行っています。
事業を成長させていくとともに、持続可能な社会の実現との両立をはかっていることも大きな特徴としてあげられるでしょう。
同族経営の継続
グローバル企業として営業利益を伸ばしているコーセーは、同族経営として成長し続けていることでも知られています。
同族経営の強みは決定権の多くが社長らの一族にあることで、大胆で思い切った改革ができることです。
なおかつ、代々受け継がれてきた経営手法には一貫性があり、管理体制も整っており、ルールがしっかりと整備されてきました。
同族経営というとネガティブなイメージをもたれがちですが、日本においては比較的長寿で歴史ある企業が少なくありません。
コーセーにおいても例外ではなく、ファミリーカンパニーとしての利点をとらえた経営で業績が好調です。
これまでの取引先との長期にわたる強い関係性を構築してきた強みもあり、今後も安定した経営が続いていくと予想されます。
アジア市場の開拓
アジアに進出してからというもの、より営業利益を増幅しており、売上シェアも伸ばし続けています。
今後もアジア市場を開拓していくことが予想されるなか、急激に利益が下落するなどのリスクはあまり考えられません。
また、アジアの新興国への展開など新たな市場開拓も見込まれるなど、海外における販路は大きく拡大されていくでしょう。
インバウンドの需要に頼りきらなかったことも、ここへきて功を奏しているといえるのではないでしょうか。
短期的な急成長よりも長期的に持続する可能性を重視する経営姿勢が、将来に安定を望む就活生から注目を集めている理由なのかもしれません。
いずれにしても業績が好調のうちは、就職先としての人気がおとろえることはなく、難関企業としての座は当面のあいだ揺らぐことはなさそうです。
【理系学生に大人気】まとめ
同族経営ならではの長期的な戦略による堅実な成長と、これからのアジア市場の開拓を見据えたグローバルな戦略はコーセーにおける大きな特徴です。
人気となる新商品だけではなく長く愛され続けるロングセラーなど、バランスよくヒット商品を生み出していることも好印象につながっているといえるでしょう。
特に理系の学生にとっては、化粧品メーカーおよび化学メーカーとして最先端の研究に携われることが大きな魅力に感じられているのでしょう。