
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
面接では必ずといっていいほど、学生時代に頑張っていたこと・注力していたことを聞かれます。
それは、今まで経験したことを活かせているのか、また、人柄やスペックはどのようなものなのかを把握するためです。
今回は「理系が評価される」という部分に照準を合わせ、ガクチカの書き方や、例文などもご紹介します。
注意すべき点などもあわせて説明していますので、作成する際にはぜひ参考にしてください。
理系の強みを最大限にアピールできるようなガクチカを目指しましょう。
・理系が評価される研究活動のガクチカを書く方法
・面接官がガクチカから知りたいこと
・研究活動をガクチカに使うメリット
・研究活動のガクチカの構成
・理系が評価される研究活動のガクチカを書く方法について知りたい人
・面接官がガクチカから知りたいことを知りたい人
・研究活動をガクチカに使うメリットについて知りたい人
・研究活動のガクチカの構成について知りたい人
【ガクチカで研究】学生時代に力を入れたこと
「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」を指します。
主に最後に通った教育機関での経験が重視されるため、大学生は大学時代、専門学生は専門学校時代、高校卒業後すぐに就職する場合は高校時代の活動がガクチカとなります。
特に大学生にとっては、高校時代の活動を強調することは避けるべきで、大学での取り組みをアピールするべきです。
コロナ禍で特筆すべき活動が少ない場合でも、その中での工夫や小さな成果は重要であり、それをどう前向きにアピールできるかが鍵となります。
ガクチカにおいて「強い」や「弱い」という概念はあまり意味がなく、どのようにその経験を語るかが重要です。
成果や結果よりも、その過程での挑戦、行動、学びを詳細に説明することが求められます。
たとえば、単に「3ヶ月アメリカに留学した」と伝えるのでは不十分です。
「何を目的に留学したのか、その目的を達成するためにどのような困難に直面し、それをどのように克服したか、どのような価値ある学びを得たか」を明確に書く事が大切です。
こうする事で、自分がどのような思考や行動をする人物かを効果的に示す事ができ、企業の採用担当も結果ではなく過程の学びを評価しているので好印象を与える事が出来ます。
【ガクチカで研究】選考時の評価ポイント
面接官が学生時代に力を入れたことについて必ずと言っていいほど質問してくるのはなぜなのでしょうか。
その理由は大きく分けて3つあり、それぞれの要点を押さえておくことでより面接官が求めている答えを回答することができます。
就活において面接官に良い印象を与えることは非常に重要なポイントともいえるので、下記の3点をそれぞれ一緒に確認していきましょう。
- 就活生の強みを把握したい
- 就活生の人柄を知りたい
- 成長の過程を知りたい
就活生の強みを把握したい
まず面接官が学生時代に力を入れたことを聞いてくる理由の1つとして、その学生の強みが何なのかを知りたいということが挙げられます。
強みを知ることで、その強みを自社で活かすことができるか、つまり自社とマッチするかどうかを知りたいのです。
強みが希望する会社と全くマッチしていない場合、「就職しても活躍できないかもしれない」という印象を与えるだけでなく「そもそも企業の研究をしていない」とみなされる可能性もあります。
必ず、自分の強み・学生時代に力を入れたことの中でも、可能な限り企業とマッチする内容を含めて紹介することを心がけましょう。
就活生の人柄を知りたい
企業が学生時代に力を入れたことを聞いてくる理由の1つに、人柄を知るためということもあります。
人柄を知ることで自社の雰囲気になじめるか、どこの配属が良いかなどを見極めているのです。
いくら企業とはいえ、採用担当も人間です。
企業の雰囲気に合っている人材を採用したい、そして可能ならば自分と波長が合いそうな人材を採用したいと考えているはずです。
長く働くにあたって、多少のスキルの差はあまり関係ありません。
TOEICの点数が5点程度違うだけで、合否に影響はありません。
長く、協調性を持って、自社でやりがいを持ち、チームになじんで働いてくれる人材を企業は欲しがるので、人柄を知ろうとしているのです。
成長の過程を知りたい
学生時代に力を入れたことを通じて、どのように成長したかも企業は知りたがっています。
困難があった時にどう対応するか、ストレス耐性を見ているということも理由の1つであり、どのような困難を乗り越えたかは非常に知りたいことでしょう。
特にアルバイトやサークルなどで問題が発生した際に、どのように工夫し、乗り越えたかについて経験がある人は絶対に述べるようにしましょう。
学生時代に力を入れたことだけを紹介するだけでなく、それを通してどのように成長したのかについて積極的に自分から述べることを大切にしましょう。
【ガクチカで研究】テーマが研究の時のメリット
ここまで、そもそもガクチカとは何かを解説しました。
研究活動をガクチカに使うことは理系の武器になるだけではなく様々なメリットがあります。
以下で研究活動をガクチカに使うメリットについて解説します。
メリットは以下の6つです。
ガクチカに反映させやすい
成果に関わらず過程を詳しく話しやすい
面接で話を広げやすい
志望動機に繋げることもできる
研究の内容を評価されることもある
スケジュール管理力などもアピールできる
ガクチカに反映させやすい
メリットの1つ目は「ガクチカに反映させやすい」ということです。
後述する研究活動を題材にしたガクチカの構成には「結論・動機・目標・課題・行動・結果・学び」の要素が必要になります。
アルバイトやサークルのガクチカではこれらの要素の1つ以上は不鮮明になりがちです。
しかし、研究活動では全ての要素が明確になっています。
例えば動機は研究背景、目標は解明したいこと、といった様に研究をガクチカに対応させやすいのです。
成果にかかわらず過程を詳しく話しやすい
研究をガクチカに選ぶことは、成果にかかわらず話しやすいというメリットもあります。
というのも、ガクチカは過程で得たこと・考えたことなどが重要で、大事なのは成果ではなく過程だからです。
研究は成果に至るまでの期間がより長期にわたるため、その過程ではさまざまなことがあります。
そのため過程で得たこと・考えたことは、比較的話しやすいのです。
一方でアルバイトやサークル活動などの定番ネタは、研究と比べると成果に至るまでの期間が短い傾向にあります。
そのためエピソードから何らかのことをアピールしようとしても、なかなか思いつかないということがしばしばあります。
しかし研究では、長い過程のなかでさまざまなことを考えますし、新たに気づかされることも多いです。
成果にかかわらず話せる分、「わかりやすい成功体験がない…」と困っている人にもおすすめです。
面接で話を広げやすい
2つ目のメリットは「面接で話を広げやすい」ことです。
ガクチカの鉄板はサークルとアルバイトです。
サークルやアルバイトといったありきたりなガクチカと比較して、研究活動は個人でテーマが異なるため、面接官の関心を惹き、話を広げやすい傾向があります。
面接官から研究内容について、純粋な疑問を投げられることもあります。
しかし、面接官がピッタリその分野の専門的な知識を持っていることは少なく、普段から研究していることを話すだけなので受け答えは比較的簡単です。
志望動機に繋げることができる
3つ目のメリットは「志望動機に繋げることができる」ことです。
自分の専門分野や近い分野の研究職を志望している人のメリットになります。
ガクチカで研究活動を取り上げることで「大学で研究したことを生かしたい」という志望動機に説得力を持たせることができます。
具体的には、志望動機で「〇〇分野を大学で研究しているため、学んだことを生かせる御社の研究職を志望しています」と述べ、ガクチカでは研究活動を取り上げるといった流れになります。
研究の内容を評価されることもある
理系の場合は、ややガクチカにおいて特殊な性質があります。
それは研究の「内容自体を評価されることがある」ということです。
企業は基本的にガクチカを通してどのようなスキルや考え方を身につけたか、工夫をしたかについて見ています。
しかし、理系の場合は研究の内容や企業の活動内容と関連している場合、研究内容自体が評価されることもあります。
研究をしていく上で、身につけた自分の強みや研究を通して学んだことを関連付けて話すことができれば、面接官の印象に残りやすくなるでしょう。
よって、理系の方はガクチカの過程を詳しく話す、特に研究について話すことがより重要であると言えます。
スケジュール管理力などもアピールできる
研究活動をガクチカとして活用する大きなメリットは、単に専門知識や技術だけでなく、スケジュール管理力や優先順位の設定能力など、多様なスキルをアピールできる点です。
理系学生は、研究室での実験や論文執筆に加え、アルバイトや授業、就職活動といった複数のタスクを同時にこなす必要があります。
このように多忙な中で効率的に時間を管理し、締切を守りながら質の高い成果を出すことは、どんな職場でも求められる重要な能力です。
【ガクチカで研究】構成
ガクチカを効果的に伝えるためには、構成を意識して整理することが重要です。
基本的な流れとしては、まず「結論」を述べ、どのような取り組みをしたのかを明確にします。
次に、「動機」を説明し、その活動を始めた理由や背景を伝えます。
その後、「課題や困難」に触れ、どのような壁に直面したのかを具体的に示します。
その課題をどのように克服したのかを「行動」として詳しく説明し、自身の取り組みを明確にします。
最後に「学び」を述べ、経験を通じて得た成長や今後に活かしたいことをまとめます。
この構成を意識することで、論理的かつわかりやすい文章になり、特に、課題や困難を具体的に描写することで、行動の説得力が増し、成長の過程を伝えやすくなります。
【ガクチカで研究】研究を取り上げる際に伝えるべき内容
ガクチカで研究を取り入れる際は、伝えるべき要素をあらかじめ整理しておく必要があります。
せっかくガクチカとして頑張ってきたことを伝えても、大事な要素が欠けていれば、アピールとして物足りなくなってしまいます。
ガクチカに研究を選ぶ際は、主に以下の内容を盛り込みましょう。
- 研究内容の選定理由
- 工夫点
- 苦労した経験
- 成果や結果
- 学んだこと
研究内容の選定理由
ガクチカに研究を取り入れるときは、ただ研究内容と研究過程のなかで学んだことなどを述べるだけでなく、研究内容の選定理由に触れるようにしましょう。
前述のとおり、研究内容には、応募者の興味関心が色濃く反映される傾向にあります。
そのため興味を持った理由を明確に伝えておけば、採用担当者は自分自身の興味関心を把握しやすくなります。
その結果、興味関心から自社への適性を判断してもらうきっかけになることもあります。
「なんとなく選んだだけ」という人でも、その研究に興味を持ったきっかけは何かしらあるはずです。
- 子どもの頃に興味を持った分野に似ていた
- 自分の知らない分野に挑戦してみたかった
- 先輩のプレゼンされて魅力を感じ、関心を持った
などきっかけはさまざまあるでしょう。
自分自身の人柄も含めた興味関心が出る部分なので、研究内容の選定理由は、ガクチカのなかで明確に示すようにしましょう。
工夫点
ガクチカのなかで研究を取り上げるときは、研究過程における工夫点をわかりやすく伝えましょう。
ガクチカでは、類似している自己PRと比較すると、過程が特に重視される傾向です。
過程ではやり遂げるためにさまざま工夫を凝らしたり、自分なりに対策したりしたことがあるはずです。
そのことを明確に示せば、工夫におけるアイデア力や行動力などを評価してもらえる可能性があります。
また、なぜその工夫が良いと思ったのか、理由を付け加えることも大事です。
そこで論理的思考力や問題解決能力、積極性などがわかるため、理由は重要なポイントといえます。
「工夫はしたけれど、なんとなく思いついただけなので特に理由はない」というときでも、一度理由はよく考えてみてください。
自分なりに思考して良いと思った根拠やきっかけが見えてくるはずなので、そういった考え方・価値観をガクチカでの評価につなげましょう。
苦労した経験を入れる
研究をガクチカで使用する際には、特に「苦労した経験」を盛り込むことが重要です。
研究には多くの試行錯誤がつきものであり、その過程で直面した困難や挫折を具体的に描写することで、忍耐力や問題解決能力をアピールできます。
たとえば、実験が何度も失敗し、データが思うように得られなかった場合、その原因を探り改善策を講じたエピソードを紹介すると良いでしょう。
これにより、困難に直面しても諦めずに取り組む姿勢が強調され、企業にとって魅力的な人材としてアピールできます。
成果/結果
研究をガクチカとして取り上げる際には、特に成果や結果を明確に伝えることが重要です。
しかし、研究では必ずしも望ましい結果が出ない事も多くあるので、もしあれば伝える位の意識で問題ありません。
成果が具体的に示せる場合はその内容を詳細に説明し、どのような問題に対してどんな解決策を見つけたのか、またその過程でどのような工夫を行ったかを強調すると効果的です。
たとえ目立った成果が得られなかったとしても、どのような課題があり、それにどう対処したかを伝えることで、研究の価値を強調することができます。
学んだこと
ガクチカに研究を取り入れてアピールするときは、ガクチカを通じて学んだこと・気づかされたことなどをしっかり伝えましょう。
ガクチカでは成果を出したこと・成功したことが重要なわけではなく、努力・工夫する過程で何を学んだのかが重要だからです。
そしてガクチカを通じて学んだことは、最終的に今後どう活かしていくのか、入社後に貢献できることも含めながら伝えると良いでしょう。
研究の過程では、実際に多くのことを学ぶはずです。
そのためガクチカに研究を選ぶときは、アピールしやすい成果を選ぶのではなく、とにかく過程を深掘りすることが大切です。
研究を進める過程では、実際に大変なこともさまざまあるものです。
そんな困難や壁に直面すれば、誰もがさまざまなことを考えるため、そこには学びもあります。
その学びこそがガクチカの最終的なポイントとしてアピールすべき要素のため、過程から何を学んだのかはしっかり洗い出すようにしましょう。
【ガクチカで研究】書く際に注意すること
理系のガクチカは、興味や関心をもたれやすいですが、書き方を間違えてしまうと評価されにくくなってしまいます。
せっかくの貴重な研究経験を伝えきれないと、自分のもっている強みや学びなどを活かすことができません。
そのようなもったいない失敗をしないためにも、作成時の注意点についてしっかりと確認しておきましょう。
理系に限らず、ガクチカを作成する際に重要なことは、まず「何をどう伝えるか」ということです。
研究の内容を細かく説明するのではなく、研究から得た経験を今後の社会生活にどうつなげていくのか、ということを伝えるようにしてください。
「どのような研究をなんのためにどう行ってきたのか」をわかりやすく言葉にできるように心がけましょう。
専門でない人も理解できるようにする
「相手が専門の人とは限らない」という点に注意し、専門用語を使いすぎないことにも気をつけてください。
理系の研究は、専門知識がなければ理解するのは難しく、相手に伝わりにくいというのが欠点です。
専門用語を多用してしまうと、より伝わりにくくなってしまいます。
また、専門分野ではない相手に対してあまりにも専門的なものを書いてしまうと、相手のことを考えない人と評価されてしまうかもしれません。
自身がその分野を知ったときのことを思い出し、専門知識がなくても伝わるような説明を心がけるとよいでしょう。
ただし、研究職を志望する場合には別途研究概要が必要だったり、研究について専門的な視点での質問をされたりすることが多いです。
企業の求めているものに対し、柔軟に対応するようにしてください。
研究内容よりも「経験」や「学び」を重視する
ガクチカでは、研究内容そのものよりも、どのような困難があり、それをどのように乗り越え、何を学んだのかを伝えることが重要です。
単に研究の技術的な詳細を述べるのではなく、研究過程で直面した課題と、それに対する自分の試行錯誤や工夫を中心に書くことで、より魅力的なエピソードになります。
例えば、「データが思うように取れず試行錯誤したが、仮説を見直すことで改善できた」という書き方は、問題解決能力をアピールできる良い例です。
一方、「○○の方程式を用いて△△を計算した」という書き方では、単なる作業の説明になってしまい、評価されにくくなります。
読んだ人が「この人はどのような思考プロセスを持っているのか」「どのような努力をしているのか」を理解できるように意識することが大切です。
企業との関連性を意識する
ガクチカを作成する際には、研究内容そのものよりも、研究を通じて得たスキルや経験をどう仕事に活かせるのかを意識することが大切です。
特に、「論理的思考力」「分析力」「継続力」など、企業が求める能力と関連づけて伝えることで、説得力が増します。
例えば、データ分析を中心とした研究を行った場合、「膨大なデータを整理し、必要な情報を抽出する力が身についた」と伝えることで、企業の業務に直結するスキルを示せます。
また、チームで研究を進めた経験がある場合は、「周囲と協力しながら課題解決に取り組む力を培った」と説明することで、協調性やリーダーシップをアピールできます。
このように、研究を通じて得たスキルを企業でどのように活かせるかを意識して書くことが重要です。
研究が就職後にどう活きるかを意識する
ガクチカを書く際には、単に「研究を頑張った」というだけでなく、「この経験が仕事にどう活かせるか」を明確にすることが大切です。
企業が重視するのは、研究で培ったスキルや考え方が、入社後の業務にどのように役立つのかという点です。
例えば、エンジニア職を志望する場合は、「実験の仮説を立て、データを分析しながら改善策を考える力は、開発業務でも活かせる」といった書き方が効果的です。
営業職を志望する場合でも、「研究で培った論理的な分析力を活かし、顧客の課題を正確に把握し、解決策を提案できる」と伝えれば、研究経験が仕事につながることをアピールできます。
自分の研究経験がどのように仕事に結びつくのかを考えながら書くことがポイントです。
企業ごとに書き方を変える
研究をテーマにしたガクチカを書く際には、応募する企業の職種や業界に合わせて、伝える内容を調整しましょう。
例えば、研究開発職やエンジニア職を志望する場合は、研究の詳細や専門的なスキルについて詳しく述べる方が効果的です。
一方、営業職やマーケティング職を志望する場合は、研究を通じて得た「論理的思考力」や「課題解決力」などのスキルを中心に伝えるとよいでしょう。
企業によって求める能力は異なるため、応募先の業務内容をしっかり調べた上で、それに適した書き方をすることが大切です。
また、面接では「研究と業務の関連性」を具体的に説明できるように準備しておくことで、より説得力のあるアピールができます。
研究以外のテーマでも書いておく
ガクチカで理系の研究をテーマに書く際には、他のテーマも準備しておくことが重要です。
多くの場合、エントリーシートには「研究から学んだこと」や「研究内容」を別に記載する項目があり、ガクチカで同じ内容を書くのは避けた方が良いです。
また、研究を始めたばかりで結果が出ていない場合もあるため、アルバイトや学業など、他の頑張ったことをテーマにしたガクチカを用意しておくと、より幅広く自分をアピールすることができます。
【ガクチカで研究】評価される理系向けガクチカ
成果や実績がすべてではないとご紹介したとおり、評価につながる要素というのはもちろん研究以外にもあります。
それは、研究のプロセスや、研究活動以外での生活経験・人間関係などです。
これらを踏まえたうえで、今までに培ってきた論理的思考などもアピールできると、面接官に人柄や能力も伝えられ、より評価の高いものとなります。
余すことなく自らの力を伝えられるように、学生生活のなかで経験してきたさまざまなことを振り返ってみましょう。
- 結果よりもプロセスを大事にしたガクチカ
- 研究内容そのもの以外のエピソードを用いたガクチカ
結果よりもプロセスを大事にしたガクチカ
研究というのは、一筋縄ではいかないことばかりでしょう。
結果を出すまで失敗を繰り返し、その都度さまざまな試行錯誤をし、少しずつ結果に近づいていきます。
問題を解決する力や、困難や課題をどう乗り越えたのかというのは、社会に出てからも非常に重要で必要不可欠となる部分です。
どのような姿勢で取り組んでいたのか、また、どのような経験を得られたのか、という部分に重点を置くようにしてください。
何度も試行錯誤してきた経験というのは、とてもよいアピールポイントとなります。
たとえ研究の結果が芳しいものではなくても問題ありません。
研究を通して何を得たのか、そして、その経験を社会人としてどう活かすかというのを明確に伝えるようにしましょう。
研究内容そのもの以外のエピソードを用いたガクチカ
研究室での経験や人間関係も、ガクチカとしてアピールできるポイントの1つです。
教授や同期などの周りの学生、研究で携わった外部機関など、研究室には多くの人が関わっています。
周囲と協力して取り組んだことは、些細なことであっても決して無駄ではありません。
教授や先輩に手伝ってもらい課題を達成した、研究や論文のことで後輩に指導したなど、自らの行動を振り返り、そのなかで成長を感じたものはなかったか考えてみましょう。
大人数でのコミュニケーションに弱みがある場合でも、誰かと協力して研究や課題を成し遂げたことなどは評価につながります。
研究室の人間関係なども含め、研究以外で経験してきたことをガクチカにまとめましょう。
ESや面接にて、ガクチカとは別に「周囲を巻き込み取り組んだ経験」を求められることも多々あるため、その場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
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【ガクチカで研究】理系ガクチカの例文8選
では、実際に例文を見てみましょう。
今回は賞を獲得した場合、成果が得られたときを例にしたサンプルをご紹介します。
ガクチカは「結論→動機→目標→課題→行動と結果→学び」の順に沿って作成するとわかりやすい文章となります。
フォーマットではないので、すべての要素を必ず文章にする必要はありません。
評価されやすくなる点・注意すべき点に気をつけて上記の構成を盛り込むと、より伝わりやすいガクチカとなるでしょう。
どんな文章にすればいいかわからない、という際には以下の例文を参考にしてください。
例文1:研究で成果を出した
私が大学でもっとも力を入れていたことは研究です。
小さいころから、気になったものはとことん調べる性格だったため、大学に入ってからは研究に没頭していました。課題となる研究テーマは○○という物質に関するもので、将来的に医療へと貢献できる研究です。
しかし、私の専攻している分野ではないので知識がなく、最初はどのように研究を行えばよいかわからない状態でしたが、成果を出すべく諦めずに継続しました。私はまず知識を増やすため、さまざまな書籍を探したり、学部の異なる学生や教授に聞いたりなどして、まずその分野の理解を深めました。
その結果、専攻している分野でも応用できる知識が増えたので、あらゆる角度から物事を検証することができるようになったのです。知識を吸収するための努力をおこたることなく、継続するという経験ができたのは、私にとって大きな強みとなっています。
例文2:学会発表で賞をもらった
私は、いかに物事を分析し、わかりやすく伝えられるかに重点を置いています。
専門分野以外の人にも自らのアイデアを理解してもらい、さまざまな意見に対し倫理的な説明をすることが、研究活動において重要だと考えているからです。そこで私は、共同研究での会議や学会発表の際に、ひと目でわかるような資料作成や、わかりやすい発表をすることにこだわり、資料を事前にしっかりと作り込んで発表の練習もしてきました。
その結果、学会発表では3回受賞することができました。伝わりやすい説明の手順や言葉の使い方、そして明確な資料を作成する能力が身につき、結果に結びつけることができたのも自信につながっています。私はこの経験で、取り組む姿勢や考える力の重要性を学びました。
例文3:課題解決力をアピール
学生時代、私は〇〇の研究に没頭していました。
特に注力していたテーマは〇〇で、その中で研究成果を得るための従来の手法を使用していましたが、期待したような成果が出ず、行き詰まっていました。しかし、諦めず、課題の根本的な原因を解明すべくさまざまな角度からの分析を行いました。
その結果、新しい研究方法の必要性に気づき、自らその方法を開発しました。この新たな手法を用いたところ、研究は大きく前進し、顕著な成果を挙げることができました。
この経験は、私がどんな困難な課題に直面しても原因をしっかりと分析し、柔軟な思考で問題を解決する力を持っているという自信になりました。研究を通じて学んだ課題解決力は、将来の業務においても非常に役立つと自負しております。貴社での業務を通じてこの能力を存分に活かし、困難な課題に立ち向かい解決していくことで、チームやプロジェクトの成功に貢献したいと考えております。
例文4:協調をアピール
学生時代、私は〇〇に関する研究に専念していました。
特に注力していたのは従来の方法では実現が難しかった〇〇の技術開発です。この課題に取り組む中で、1人で解決するのは難しいと早い段階で気づき、研究室の仲間たちに協力を仰ぎました。そこで研究室のメンバー全員から意見を聞き、それぞれの専門知識や視点を尊重することで、さまざまな意見や提案が生まれました。意見を参考に研究内容を見直すとともに、メンバーの強みを最大限に活かすための役割分担を工夫することで新しい研究方法の開発に成功しました。
この経験は、私がどんな課題に直面しても、協調性を持ってチームの力を最大限に活用することで最良の解決策を見つけ出すことができるということを証明しています。貴社に入社した暁には、業務においてもこの協調性を活かし、チームとしての成功に貢献していきたいと考えております。
例文5:継続力をアピール
私は大学で〇〇に関する研究を行っています。
まず基礎を学んだ後、長い時間をかけて実験を繰り返し、技術の開発を目指しました。しかし、期待する成果が得られない日々が続きました。簡単には成功しないことは分かっていましたが、何度も挫折感を感じることもありました。しかし、私は諦めませんでした。まず問題の根本原因を解明するために研究のアプローチを詳細に分析し、研究室の仲間たちと協力しながら意見を交換し、共同での新しい方法を試みました。
その結果、大幅に性能を向上させることができ、実験は大成功となりました。この経験を通じて、目標に対して継続的な努力を続けることの重要性を実感しております。貴社に入社した暁には、この継続力を最大限に活かし、チームとともに長期的な視点での成功を追求していきたいと考えております。
例文6:仮説検証力をアピール
私の大学時代の重点は〇〇というテーマでの研究にありました。
私は大学で〇〇に関する研究を行っています。この分野に対する強い興味から、特定の現象や仮説に関する深い理解を目指し、新たな知見を得ることを目標に掲げました。研究の初期段階では、仮説構築にあたって、不明点が多いのが問題でした。所属していたゼミの教授ですらあまり知見が無いとのことでした。そこで私は先行研究を徹底的に調査し、文献の充実を図りました。また、ゼミの教授の協力を仰ぎ、その分野に詳しい他大学の教授を紹介していただき、直接伺って質問をするなどの対策も併せて行いました。
これにより自分の立てた仮説に基づいて研究を進め、最終的には分野に対する理解を深めることができました。この経験から、仮説を構築し、検証する能力の発展の重要性を深く理解しました。私はこの研究を通して身につけた仮説を検証する能力を活かして、貴社の研究においても貢献できると確信しています。
例文7:研究途中のガクチカ
私は学生時代、エネルギー効率の向上に関する研究に力を入れました。
しかし、システムの設計やシミュレーションには膨大な時間とデータが必要であり、一人で処理できる範囲には限りがありました。そこで、研究室内で共同研究者を募り、データの収集とシミュレーションを分担する体制を整えました。
その結果、5人のメンバーで1年間にわたりデータを収集・解析し、風力発電システムのエネルギー効率を約20%向上させるための新たな設計指針を提案することができました。
社会に出てからも、この経験を活かして、チームを巻き込み、効率的にプロジェクトを推進し、企業の成長に貢献していきたいと考えています。
例文7:研究途中のガクチカ
私は学生時代、エネルギー効率の向上に関する研究に力を入れました。
しかし、システムの設計やシミュレーションには膨大な時間とデータが必要であり、一人で処理できる範囲には限りがありました。そこで、研究室内で共同研究者を募り、データの収集とシミュレーションを分担する体制を整えました。
その結果、5人のメンバーで1年間にわたりデータを収集・解析し、風力発電システムのエネルギー効率を約20%向上させるための新たな設計指針を提案することができました。
社会に出てからも、この経験を活かして、チームを巻き込み、効率的にプロジェクトを推進し、企業の成長に貢献していきたいと考えています。
例文8:研究室活動のガクチカ
私は学生時代、ゼミでの研究に最も力を注ぎました。
研究テーマは「食品ロス削減と消費者行動の関連性」です。食品ロスが社会問題として取り上げられることが増えてきたことが、私がこのテーマに興味を持ったきっかけでした。
研究を進める中で特に苦労したのは、私の所属するゼミにこのテーマに関する事例がほとんどなかったことです。どのようなアプローチが最も効果的かが不明だったため、実際に消費者へのアンケートを実施し、買い物時の意識や行動パターンを調査することから始めました。
この経験から、自ら考え、試行錯誤しながら研究を進める力を培うことができたと感じています。
入社後も、前例のない業務や課題に対しても、粘り強く取り組み、解決策を見出す力を活かしていきたいと考えています。
【ガクチカで研究】理系ガクチカのNG例文4選
ガクチカは書き方を間違えると、せっかくの経験が十分に伝わらないこともあります。
特に理系のガクチカでは、専門用語の使い方や成果の強調の仕方に注意が必要です。
ここでは、避けるべきNG例文を紹介しながら、どのような書き方が適切ではないかを具体的に解説します。
自分の経験をより魅力的に伝えるための参考にしてください。
専門用語を多用する
私は大学で、機械学習を応用した最適化手法について研究を行いました。
データ処理にはPCAを採用し、回帰分析とクラスタリングを組み合わせた手法を試し、その結果、従来のアルゴリズムと比較して、平均精度が5%向上しました。
特に、データのノイズ除去と外れ値の影響を最小限に抑えるために、異なる前処理手法を比較しながら調整を行いました。
その結果、特定の前処理方法を導入することで、精度が大幅に向上することが確認できました。
この研究を通じて、データ分析の手法を深く理解するとともに、最適なアルゴリズムの選定が重要であることを学び、実験結果を基に論文を執筆し、学会で発表する機会も得ました。
また、チームメンバーとの議論を通じて、異なる視点からのアプローチが問題解決に有効であることを実感しました。
今後は、この知識を活かして、より高度なデータ解析技術の開発に取り組みたいと考えています。
将来的には、データ活用の分野で企業に貢献できるよう、実践的なスキルをさらに磨いていきたいです。
研究成果だけアピール
私は大学で、〇〇に関する研究を行い、多くのデータを収集し分析しました。
実験を重ねた結果、仮説と一致するデータが得られ、研究の方向性が正しいことを確認できました。
最終的に得られた結果を基に、論文を執筆し、学会で発表しました。
この研究は、今後の発展につながる可能性があり、業界においても一定の価値を持つと考えています。
データ収集の段階では、さまざまな手法を試し、最も効率的な方法を模索しました。
また、誤差の影響を最小限に抑えるために、複数の解析手法を組み合わせるなどの工夫をしました。
研究の過程では、予想とは異なるデータが得られることもあり、その原因を突き止めるために何度も実験を繰り返しました。
この研究を通じて、分析手法を学ぶだけでなく、論理的にデータを整理し、結論を導く力を養うことができました。
今後も研究の経験を活かし、より実用的な課題解決に取り組んでいきたいと考えています。
成果が出なかったことをネガティブに書く
私は〇〇に関する研究を行い、実験を繰り返しましたが、想定していた結果は得られませんでした。
データのばらつきが大きく、仮説通りの傾向を示すことができず、試行錯誤の連続でした。
途中で研究の方針を変更し、別のアプローチを試しましたが、大きな成果にはつながりませんでした。
計画通りに進めることができず、焦りや不安を感じることも多かったです。
しかし、その過程で仮説の再検討を行い、研究の進め方について新たな視点を得ることができました。
データの収集方法や解析手法を変更することで、少しずつ新たな知見を得ることができた点は収穫でした。
また、結果が出ない中でも、記録を整理し、次の研究につなげることの重要性を学びました。
今後は研究だけでなく、問題解決能力を磨くために、多様な分野の知識を身につけることを意識していきます。
個人プレーを強調しすぎる
私は大学で〇〇の研究を行い、データ収集から分析、報告書の作成までを一貫して担当しました。
すべての作業を自分の手で進めることで、研究の全体像を把握し、効率的な進め方を学ぶことができました。
他の人に頼らず、自分の力で最後までやり遂げたことに達成感を感じています。
特に、データ解析の過程では、細かいミスを防ぐために、徹底的に確認作業を行い、論文作成においても、独自の視点を盛り込み、論理的な構成を意識してまとめました。
その結果、研究の一連の流れを深く理解し、計画的に物事を進める力を養うことができました。
研究は一人で進めるものではなく、他者との意見交換や協力が重要であるという意見も理解はしていますが、その分意見が分散してしまうなどのデメリットも存在します。
入社後は個人でできる業務は最大限他人に頼らずに成果をだしたいと考えています。
【ガクチカで研究】学部卒と院卒の違い
就職活動において、学部卒と院卒では企業からの期待や評価の基準が異なります。
特に理系の院卒は、専門性の高い知識やスキルを活かし、即戦力としての活躍が求められることが多いです。
ここでは、学部卒と院卒の違いについて、それぞれのポイントを詳しく解説します。
即戦力として求められる
大学院卒の学生は、専門分野に関する高度な知識や研究経験を持っているため、企業からは即戦力としての活躍が期待されます。
特に理系職では、大学院で培った研究スキルや実験手法を業務に応用できることが求められるため、学部卒と比べて即戦力採用の傾向が強いです。
一方で、学部卒は基本的にポテンシャル採用とされ、入社後の研修や実務経験を通じて成長することを前提としています。
そのため、院卒は就職活動において、自分の研究テーマが業務にどのように役立つのかを具体的に説明することが重要です。
企業の求めるスキルと自身の専門性がどのように一致しているのかを示すことで、より高い評価を得ることができます。
より高い技術力が求められる
大学院卒の学生は、学部生よりも高い技術力や専門知識を持っていることが前提とされています。
特に理系の場合、大学院進学は珍しくないため、同じ院卒同士での競争が激しくなります。
そのため、他の院卒との差別化を図るためにも、研究内容の深掘りや応用力のアピールが重要です。
例えば、単なる研究結果の説明ではなく、研究を通じて得た「問題解決能力」や「データ分析力」をどのように企業で活かせるのかを明確に伝えることが求められます。
また、企業が求めるスキルを事前に把握し、それに合わせたアピールを行うことで、より魅力的な候補者として評価されやすくなります。
入社後のビジョンも明確に
院卒は学部卒と比べて、入社後にどのように貢献できるのかをより具体的に示すことが求められます。
これは、大学院での研究を通じて専門的な知識を身につけているため、企業側も即戦力としての活躍を期待するためです。
そのため、「これまでどのような研究を行い、それをどのように業務に活かせるのか」を明確に説明できるように準備することが重要です。
例えば、「データ解析の経験を活かし、業務の効率化に貢献したい」「研究で培った課題解決力を活かし、新規技術の開発に携わりたい」といった具体的なビジョンを持つことで、企業からの評価が高まります。
また、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを示すことで、成長意欲のある人物として印象付けることができます。
研究以外の強みを持っておこう
大学院卒の学生は、専門知識や研究経験だけでなく、それ以外の強みも持つことが重要です。
単に研究業績を強調するだけではなく、幅広い経験を通じて培ったスキルや視点をアピールすることで、より魅力的な人材として評価されます。
例えば、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、チームでの協働経験なども重要なポイントになります。
企業は、研究だけでなく、実際の業務で活かせる総合的なスキルを求めているため、研究室でのグループ活動や、インターンシップ、学会発表などの経験を効果的に伝えることが有効です。
これにより、「専門知識+αのスキルを持った人材」として企業にアピールでき、選考を有利に進めることができます。
【ガクチカで研究】具体的な研究内容のガクチカ一覧
ここまで、ガクチカにおいて研究内容をアピールする際の書き方について詳しく紹介してきました。
ここでは具体的な研究内容をガクチカとして扱っている例を詳しく紹介していきます。
自分の研究結果と照らし合わせて、ガクチカ作成の参考にしてみてください。
・パワーエレクトロニクス
・有機化学
・制御工学
・情報科学
・自動車工学
・ナノテクノロジー
・ロボット工学
・電気回路
・材料力学
・物理学
記事のまとめ
ここまで、理系向けのガクチカについてご紹介しました。
理系ならではの、強みを活かしたガクチカの作成方法がわかったのではないでしょうか。
何をアピールポイントにすればいいのか、どのような文章を書けばいいのか、迷うことはたくさんあります。
しかし要点をしっかりと押さえ、人柄や研究で培った問題解決の力などがわかるエピソードを選べば、評価されるガクチカとなります。
どうすれば相手にわかりやすく伝わるのかということを忘れずに、魅力的なガクチカを作成してみましょう。