
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「理系大学の工学部って何を学ぶ学部なの?」
「工学部以外にも理学部や理工学部もあるけど、どんな違いがあるの?」
「どういった資格取得ができる?」
理系学部への進学を考えている人の中には工学部に興味があるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では工学部で学ぶ内容や取得できる資格だけでなく、工学部で選べる専門の学科についても紹介しています。工学部と似ている名前の理学部や理工学部の特徴や取得できる資格なども知っていると選択肢の幅が広がるでしょう。
また、工学部にはどのような人が向いているのかを紹介しているため、将来の進学先や就職へのイメージを掴むことができるでしょう。
この記事を読むことで、工学部や他の理系学部について理解を深め、自分の学びたいことがどういった分野なのかを考えてみましょう。
【理系】理系大学の工学部ってどんな学部?
工学部は理系学部の中でも特に実用性が重視される学びの場です。
数学や物理、化学といった基礎科学の知識を土台に、それらを社会の課題解決につなげていくことを目的としています。
私たちが日常で使っているスマートフォンや自動車、都市のインフラなどは、すべて工学の成果によって成り立っています。
また、AIやロボットといった最先端技術の発展、さらには環境問題やエネルギー問題などの地球規模の課題解決にも工学的なアプローチが欠かせません。
工学部は未来を形作る重要な学部であり、技術の進歩と社会の発展を支える役割を果たしています。
工学部で学ぶことの目的とは
工学部で学ぶことの最大の目的は、社会の課題を解決するための技術を創り出すことにあります。
数学や物理、化学といった理論的な知識を基盤に、それを応用して新しい製品や仕組みを生み出すことが求められます。
スマートフォンやパソコン、自動車や飛行機といった身近な製品はもちろん、道路や橋、発電所といったインフラも工学の成果です。
工学部では、基礎知識の理解だけでなく、それを実際の社会にどう役立てるかを考える訓練が重視されます。
設計や開発を通じて問題を発見し、解決策を導き出す経験は、学問にとどまらず将来のキャリアにも直結します。
また、医療機器や再生可能エネルギーといった分野でも、工学の知識は新しい価値を生み出しています。
工学部の役割とは
工学部の役割は、単にものを作ることにとどまらず、社会や世界が直面する課題を解決することにあります。
現代はAI、ロボット、IoTなどの技術が急速に進化しており、これらを研究し実用化していく中心的な役割を担うのが工学部です。
例えば、自動運転やスマートシティの実現には工学的な知識と技術が不可欠です。
また、地球規模の問題にも工学部は深く関わっています。
環境問題やエネルギー問題に対して、省エネ技術の開発や再生可能エネルギーの活用、二酸化炭素削減に向けた取り組みなどが進められています。
工学部は、社会をより便利で豊かにするだけでなく、持続可能な未来を築くための重要な役割を果たしています。
学生は専門知識を学ぶと同時に、実験やプロジェクトを通じて現実の課題に向き合う力を養います。
その結果、工学部は技術者や研究者を育てるだけでなく、社会全体の発展に欠かせない存在となっています。
理系大学の学部の種類
理系大学と一口に言っても大学によって、いくつもの学部があります。理系の学部は自然科学系統に属しており、数学や化学、物理学、生物学などについて学ぶ学部です。
主な理系学部には理学部や工学部、理工学部の他にも、医学部や歯学部、農学部などがあります。この記事ではモノづくりや自然科学について学ぶ工学部や理学部、理工学部について詳しく紹介します。
理学部
理学部は自然界の謎を解き明かすことを目的とした学部です。
数学や物理、化学、生物学といった基礎科学を深く掘り下げ、新しい理論の構築や未知の現象の発見を目指します。
その学びはすぐに社会に応用されるものではなく、純粋に真理を追究する姿勢が特徴です。
しかし、そこで培われる探究心や論理的思考力は、後に応用科学や新しい技術の基盤となり、社会の発展に大きく貢献します。
また、実験や観察を通じて得られるデータを正しく分析する力も身につくため、学術研究だけでなく幅広い分野で活躍できます。
理学部での学びは、地道で粘り強い姿勢を育てると同時に、世界の成り立ちを理解する知的好奇心を満たす学びでもあります。
理工学部
理工学部は理学部と工学部の両方の特徴を持ち、基礎研究と応用技術の両面を学べる学部です。
数学や物理といった理学的な知識を深めつつ、それを使って社会に役立つ技術や製品を生み出す方法を探ります。
大学によっては理学部と工学部を統合した位置づけとなっており、幅広い分野を横断的に学習できます。
そのため、基礎理論の探求に加えて、情報工学や材料工学、環境工学など、現代社会に直結する分野への応用力も育ちます。
理工学部での学びは、純粋な理学的興味を持ちながらも、現実の課題解決に役立てたい学生に適しています。
研究と実用の両方を意識することで、柔軟な視野を持つ人材として活躍できる点が大きな強みです。
工学部
工学部は社会に役立つものづくりに特化した学部です。
数学や物理などの基礎知識を活かし、機械、電気、建築、化学、情報といった幅広い分野で新しい技術や製品を開発します。
身近な家電やスマートフォンから、自動車や飛行機といった輸送機器、橋や道路といったインフラに至るまで、工学の知識は私たちの生活の基盤を支えています。
学部での学びは、理論を学ぶだけでなく実験や実習を通じて、現実の課題に挑戦する実践力を養うのが特徴です。
さらに、社会が抱えるエネルギー問題や環境問題といった大きな課題に対しても、工学的なアプローチを通じて解決策を探ります。
工学部は、理論と実践を結びつけ、未来を形作る人材を育てる重要な役割を担っています。
【理系】工学部の学習内容
工学部はモノづくりの知識と技術を学ぶ学部ですが、さらに専門的な技術を学べる学科に分かれています。
自動車や家電などの機械やその設計について学ぶ機械系学科、情報通信技術や半導体技術など電気について学ぶ電気系学科、建物の設計や建物に関する設備などについて学ぶ建築系学科、人工知能や自動運転などのITについて学ぶIT系学科などが主流です。
その他にも自動車などの輸送機器系や遺伝子工学などの生物系、目的にあわせた複合的な学科もあります。
機械工学
機械工学は、自動車、ロボット、航空機など多種多様な機械を対象とする学問です。
基盤となるのは材料力学、熱力学、流体力学、機械力学という四つの力学で、これらを応用して設計や開発を行います。
例えば、自動車のエンジン開発では熱力学を用いて効率を高め、航空機設計では流体力学を駆使して空気抵抗を減らします。
また、ロボット開発では機械力学や制御工学が重要な役割を果たします。
学びを通じて得られるのは、複雑な仕組みを理解し、それを形にする実践的な力です。
機械工学は産業のあらゆる分野と関わりがあり、新しい技術革新を支える重要な分野です。
その知識は製造業やエネルギー、医療機器の開発など幅広い場面で活かされます。
電気・電子工学
電気・電子工学は、電気や電子、電波といった目に見えないエネルギーを扱う学問です。
スマートフォンや家電製品、発電所や送電システムなど、現代社会に欠かせない分野を支えています。
電気回路や半導体デバイス、通信システムといった技術を学ぶことで、エネルギーを効率的に使い、情報を正しく伝える仕組みを理解します。
また、再生可能エネルギーや次世代通信技術の発展など、未来の社会をつくる研究テーマにも直結します。
電子工学はITやAIの基盤技術とも密接に関わっており、ソフトウェアとハードウェアの両面を理解する力が必要です。
学んだ知識は、電力会社や通信企業、家電メーカーなど幅広い分野で活用され、生活をより便利で持続可能なものにするための基盤となっています。
建築学
建築学は、人々の暮らしを支える建物や都市空間を対象とした学問です。
住宅や商業施設、公共建築物などの設計だけでなく、街全体の都市計画や景観づくりにも関わります。
学びの内容は多岐にわたり、構造計算による安全性の確保、環境工学による快適性の追求、デザインによる美しさの創出などが含まれます。
また、施工管理や建築法規も重要な学習内容であり、実際の建設現場に対応できる力を育てます。
建築学は芸術的な感性と理工学的な知識を組み合わせる点が特徴であり、機能性と美しさを両立させた空間づくりを目指します。
学んだ知識は、設計事務所やゼネコン、官公庁などで活かされ、社会にとって欠かせない基盤を築く役割を果たしています。
情報工学
情報工学は、コンピューターや情報技術を中心に学ぶ分野です。
プログラミングやアルゴリズムの設計、AIやデータサイエンスの活用など、情報を処理し活用する技術を体系的に学びます。
現代社会では、スマートフォンのアプリ開発やネットワークシステム、セキュリティ対策など、情報工学が活躍する場は非常に広いです。
また、膨大なデータを分析するビッグデータ解析や、機械学習を応用した新しいサービスの開発なども注目分野です。
情報工学を学ぶことで、社会のIT基盤を支える力を養い、さまざまな業界で必要とされる人材へ成長できます。
その応用範囲は広く、金融、医療、教育など多様な分野にまで広がっています。
情報社会を根底から支える重要な分野と言えるでしょう。
応用化学
応用化学は、化学の知識を使って社会に役立つ製品や素材を生み出す分野です。
学ぶ内容は基礎的な有機化学や無機化学から、材料化学、電池やエネルギー変換技術まで幅広く、理論と実験を通じて理解を深めます。
応用化学の成果は化粧品や医薬品、食品、合成素材など、私たちの生活に直結しています。
また、再生可能エネルギーや環境浄化といった地球規模の課題解決にも貢献しています。
学びの過程では物質の性質を理解し、必要に応じて改良する力が身につくため、研究開発や製造業の現場で強く求められます。
応用化学は、科学的探究心と社会貢献の両方を満たす学問であり、新しい価値を創り出す力を育む分野といえます。
生物工学
生物工学は、生物が持つ機能を工学的に活用して新しい技術や製品を開発する学問です。
遺伝子工学や細胞工学の知識を基盤に、医薬品の開発やバイオ燃料の研究、環境浄化技術の実用化など幅広い応用が行われています。
人間の健康を支える分野や地球環境を守る取り組みに直結しているため、社会的意義が大きい学問でもあります。
実験や研究を通じて、分子レベルから生物の働きを理解し、それを新しい技術につなげていきます。
近年では、再生医療や合成生物学など新しい領域も注目されており、未来の産業を支える可能性を秘めています。
生物工学での学びは、生命の仕組みを応用しながら、持続可能な社会を実現するための技術を探求することにあります。
経営工学
経営工学は、企業や組織の課題を数理的な手法やデータ分析を用いて解決する学問です。
生産管理や品質管理、在庫管理、マーケティングなど、ビジネスを効率的に進めるための仕組みを学びます。
理系的な思考で経営を分析し、改善策を導き出すのが特徴です。
たとえば、生産ラインの効率を高めるシステム設計や、品質を維持しながらコストを下げる手法など、実際の現場で役立つ知識を学ぶことができます。
さらに、データサイエンスやAIを活用した経営分析も重要な分野となっています。
経営工学で身につけたスキルは、製造業にとどまらずサービス業やIT業界など幅広い分野で必要とされます。
科学的なアプローチで経営を最適化する力は、現代社会でますます求められる能力です。
【理系】理学部の学習内容
理学部は、高校で学んだ数学や理科についてさらに深く学び、自然の仕組みを理論的に解明し、証明する学部です。
学科には宇宙や素粒子などについて学ぶ物理学科、生命の多様性や進化などについて学ぶ生物学科、代数・幾何などを学ぶ数学科、その他にも化学科や地質学科などがあります。
【理系】理学部の学習内容
理学部は自然界の根本的な仕組みを解き明かすことを目的とした学部です。
数学、物理学、化学、生物学、地球科学といった分野を幅広く学び、人類がまだ理解していない現象に挑みます。
その学びはすぐに製品や技術に直結するものではありませんが、新しい理論や知見を生み出すことで、将来の応用や社会の発展を支える土台になります。
理学部で培われるのは、事実を深く探求する姿勢と論理的に考える力です。
これらは研究の世界だけでなく、幅広い分野で応用できる強みとなり、学生を成長させる学びの基盤になります。
以下では代表的な学習分野を紹介していきます。
数学
数学は理学部の中でも基盤となる学問であり、論理的な思考力や問題解決力を養うことを目的としています。
内容は代数学、幾何学、解析学といった純粋数学の分野から、統計学や計算機科学のように応用を意識した分野まで多岐にわたります。
純粋数学では抽象的な概念を扱い、理論の一貫性や美しさを追求します。
一方で応用分野では、データ解析やコンピュータシミュレーションなど、社会のさまざまな課題解決に役立つ知識を学びます。
数学を学ぶ過程で重要なのは、答えを出すことよりも、論理を積み重ねて考えるプロセスです。
この力は研究だけでなく、金融や情報処理、政策立案など多様な分野で必要とされます。
理学部で数学を深く学ぶことは、未知の問題に挑み、道筋を立てて解決に導く力を磨くことにつながります。
物理学
物理学は自然界の根本的な法則を解き明かす学問です。
力学、電磁気学、熱力学、量子力学といった分野を通じて、物質やエネルギーの仕組みを探ります。
日常的な現象から宇宙規模の出来事まで、物理学の対象は非常に広いのが特徴です。
例えば、りんごが落ちる現象を説明する重力の法則や、電気が流れる仕組みを解明する電磁気学は、現代社会の技術発展に欠かせません。
また、量子力学や相対性理論といった先端分野は、半導体や通信技術、さらには宇宙研究にまで応用されています。
物理学を学ぶことは、未知の世界を理解しようとする探究心を育てると同時に、データを正しく読み解き理論を組み立てる力を養うことでもあります。
理学部での物理学の学びは、将来の科学技術の発展を支える大切な基礎となります。
化学
化学は物質の性質や構造、反応を原子や分子のレベルで探る学問です。
有機化学、無機化学、物理化学、生化学といった多様な分野があり、扱う対象や方法も幅広いのが特徴です。
化学では、実験を通じて物質の性質を調べ、その結果をもとに新しい理論や応用技術を生み出していきます。
薬の開発、エネルギーの生成、新素材の発見など、化学の知識は社会に直接役立つ場面が多いです。
しかし、理学部での学びは応用よりも基礎的な原理の理解に重点が置かれています。
物質の構造や反応の仕組みを深く理解することで、新しい研究や産業につながる発想が生まれます。
化学を学ぶ過程では、観察力、分析力、そして論理的に考える力を自然と養うことができます。
それは研究者としてだけでなく、多様なキャリアで活かせる力となります。
生物学
生物学は生命現象を解き明かすことを目的とする学問です。
細胞や遺伝子といったミクロな仕組みから、生態系のバランスといったマクロな世界まで、研究対象は非常に広いです。
分子生物学では生命の最小単位である分子の働きを探り、遺伝学では遺伝情報の伝わり方を調べます。
また、生態学では環境と生物の関わりを考察し、地球規模の課題に向き合います。
理学部での生物学の学びは、単なる知識の暗記ではなく、観察や実験を通じて生命の仕組みを理解しようとする姿勢を育てます。
生命科学は医療やバイオテクノロジーなど社会に直結する分野とも深く関わっていますが、理学部では基礎を徹底的に探求することが特徴です。
生物学を学ぶことで、生命の神秘を科学的に理解すると同時に、将来の応用につながる視点を得ることができます。
地球科学・地学
地球科学・地学は、地球という惑星を対象に、その成り立ちや歴史、自然現象を研究する学問です。
地質学では地層や岩石を調べ、地球の歴史や環境の変化を解明します。
地球物理学では地震や火山活動の仕組みを探り、防災や減災に役立つ知識を提供します。
また、気象学では天気や気候を理解し、気候変動や異常気象への対応にもつながります。
地球科学は、地球規模の課題を考える上で欠かせない学問であり、資源の探査や環境問題の解決にも直結します。
理学部で学ぶ地球科学は、地球を総合的に理解する力を育てるとともに、実際のフィールドワークや観測を通じて実践的な力も身につけます。
地球の過去を知り未来を予測するこの学問は、人々の持続可能な生活に大きな役割を果たしています。
【理系】理学部・理工学部・工学部の違いとは
理系学部には理学部、理工学部、工学部がありますが、それぞれ目的や学ぶ内容に違いがあります。
理学部は自然科学の真理を追究する学問、工学部は知識を応用して社会に役立つ技術を開発する学問、理工学部はその両方を組み合わせた学びが特徴です。
一見すると違いが明確なように思えますが、実際の就職先やキャリアの幅には共通点も多くあります。
目的の違い
理学部の目的は、自然界の仕組みを明らかにすることにあります。
誰も知らない法則や現象を探し出し、科学の基盤を広げていくことが中心です。
数学や物理、化学、生物といった分野を深く掘り下げ、真理を求める学びを大切にします。
工学部は理学の知識を応用し、社会に役立つ技術や製品を生み出すことを目的とします。
自動車や建物、ITシステムなど、生活や産業に直結する分野で成果を形にします。
ものづくりやシステム構築を通じて社会課題の解決に貢献することが大きな役割です。
理工学部はその両方を組み合わせ、理学的な探求と工学的な応用を横断的に学びます。
基礎理論を学ぶと同時に、それを現実の課題にどう生かせるかを意識しながら研究する姿勢が重視されます。
このように、それぞれの学部の目的は異なるものの、すべてが社会の発展を支える大切な役割を果たしています。
研究内容の違い
理学部では、純粋な学問を深く掘り下げることが中心となります。
数学の定理を証明したり、物理法則を探究したり、化学反応の仕組みを解明したりと、研究の多くは理論に基づいて進められます。
成果は論文や学会で発表され、知識の共有や新しい発見につながります。
工学部では、機械や電気、情報、建築といった実用的な分野に特化します。
研究内容は製品の設計や生産方法の改良、システムの構築など、社会のニーズに直結するものが多いです。
実験やプロジェクトを通じて、実際に役立つ形に仕上げることが求められます。
理工学部は理学と工学の研究室を併せ持ち、学生は基礎と応用の両方に触れることができます。
基礎的な探求を重ねつつ、それを応用した研究テーマに取り組めるのが特徴です。
将来のキャリアの違い
理学部出身者は、研究職や教育職に進む人が多い傾向にあります。
大学や研究機関での研究、学校や塾での教育、公務員としての職務などが代表的です。
純粋に学問を追求した経験を活かし、専門性をもとに社会に貢献します。
工学部の卒業生は、研究開発職やエンジニア、技術者として働く人が多いです。
自動車、電機、建設、ITといった産業の最前線で技術を生み出し、課題解決に取り組む道が開かれています。
工学の学びは即戦力として企業で求められることが多く、安定したキャリア形成につながります。
理工学部は両方の知識を持つため、幅広い業界に進むことが可能です。
基礎研究に携わる人もいれば、工学分野で技術開発を行う人もいます。
学んだ内容を柔軟に応用できるため、就職の選択肢が広く、多様なキャリア形成が可能です。
就職先の違いは実は少ない
理学部、理工学部、工学部といった違いがあっても、実際の就職先には大きな差がないことも多いです。
理系学部は大きく数学、物理、化学、生物、地学の五つの分野に分かれ、それぞれの専門を深める点では共通しています。
理学部は純粋な探求を重視し、工学部や理工学部は応用に重点を置きますが、どちらも研究や技術に基づいた職種に進むことが多いです。
ただし、工学部や理工学部には建築や機械、電気電子、情報、経営工学といった学科があります。
これらは理学部にはなく、ものづくりや技術開発に直結する分野であるため、専門性を活かして企業に就職する人が多いです。
この点がキャリア形成における違いとして最も大きな要素になります。
総じて、どの学部に所属しても専門性を磨けば研究開発や技術職への道は開かれています。
【理系】各学部に進学するべき人の特徴
理系の進路を考える際、多くの学生が理学部、理工学部、工学部のいずれを選ぶかで迷います。
それぞれ学ぶ内容や将来のキャリアに特徴があり、自分の性格や関心に合った学部を選ぶことが大切です。
純粋な探求心を満たしたい人、幅広く学びたい人、ものづくりに関わりたい人など、向いている人の特徴を知ることで、自分に合った進路を見つけやすくなります。
理学部に進学するべき人とは
理学部に向いているのは、自然界の仕組みを深く理解したいという強い探究心を持つ人です。
物事の原理や法則を追い求め、新しい発見をしたいという姿勢が大切になります。
数学や物理、化学、生物といった基礎科学に強い興味を持ち、理論を掘り下げることに喜びを感じられる人には最適です。
また、将来的に研究職や教育職に進みたい人にも向いています。
研究職では未知の現象を解明し、教育職ではその知識を次世代に伝える役割を担えます。
理学部での学びはすぐに実用化につながらないこともありますが、社会の発展に必要な基盤を築くという意義が大きく、自ら問いを立てて答えを探す姿勢を大切にできる人に適しています。
理工学部に進学するべき人とは
理工学部に向いているのは、理学の基礎的な探求と工学の応用の両方に関心を持つ人です。
自然の仕組みを理解するだけでなく、その知識を社会の課題解決に活かしたいという気持ちがある人に適しています。
理工学部では幅広い分野を横断的に学べるため、進路を早い段階で絞り込めない人や、多様な選択肢を残しておきたい人におすすめです。
卒業後の進路も研究職や技術職に限らず、コンサルティングやITなど幅広い業界に広がっています。
このため、興味の幅が広く柔軟に学びたい人、将来のキャリアの可能性を広げたい人に理工学部は向いています。
学ぶ中で基礎と応用の両方を身につけられる点が大きな特徴です。
工学部に進学するべき人とは
数学や物理といった基礎を土台に、自動車、建築、電気、情報など、具体的に役立つ製品や仕組みを作ることに魅力を感じる人が向いています。
工学部では実際の生活や産業に直結する研究や開発を行うため、学んだことをすぐに社会で活かしたいと考える人に最適です。
また、研究職よりも実践的な技術者やエンジニアとして働きたい人にもぴったりです。
企業での研究開発や設計、生産管理など活躍の場が多く、安定したキャリア形成が期待できます。
社会課題を技術で解決するという意欲を持ち、具体的に役立つ成果を残したい人に工学部は合っています。
【理系】各学部の就職先
理学部、理工学部、工学部は学ぶ内容や目的に違いがありますが、その特徴は就職先にも大きく影響します。
理学部は研究や教育、公務員といった専門性を活かす道が多く、理工学部は幅広い業界へ進む柔軟さが強みです。
工学部は学んだ分野に直結した製造業や建設業、IT企業などで活躍する人が多いのが特徴です。
ここでは、それぞれの学部が持つ就職先の傾向について解説します。
理学部の就職先
理学部は自然科学の真理を追究する学問であるため、就職先も専門的な知識を活かせる分野が多くなります。
数学や物理学系では、金融業界の数理分析を担うクオンツや、IT企業でデータサイエンティストとして活躍する道があります。
また、中学や高校で数学や物理を教える教員として教育現場に進む人もいます。
生物学や化学系では、製薬メーカーや化学メーカーで研究開発に携わるほか、食品メーカーで品質管理を担当する人もいます。
さらに、公務員として科学捜査官や研究機関の技術職に進む例も見られます。
地球科学や地学系では、地質調査会社や気象関連の職に進む人が多く、気象予報士や環境コンサルタント、公務員として国土交通省などで働く人もいます。
理工学部の就職先
理工学部は理学と工学の両方を学べるため、就職先の幅広さが最大の特徴です。
基礎研究を行う理学系の研究室に所属すれば、大学院に進学して研究職を目指したり、教育機関や公的研究機関に進んだりする道があります。
一方、工学寄りの分野を選べば、メーカーやIT企業での技術職に直結するキャリアを歩むことも可能です。
例えば、応用化学の研究室に進んだ場合は、化学メーカーや医薬品メーカーの研究開発職に進むケースが多くなります。
また、情報系の研究室に進めば、システムエンジニアやソフトウェア開発といったIT企業での仕事に就く人が増えます。
理工学部はこのように、進路を柔軟に変えられる点が大きな強みです。
理学的な探求心と工学的な実践力を兼ね備えることで、幅広い業界での活躍が期待できます。
工学部の就職先
工学部は学んだ分野に直結する企業や職種に進むことが多く、専門性を活かして社会で活躍する人が多いのが特徴です。
機械工学や電気電子系では、自動車、航空機、重工業メーカーでの設計や開発、家電メーカーでの製品開発といった分野が代表的です。
最先端の機械や電気製品を開発する現場は、工学部で培った知識を直接活かせる職場です。
建築系では、建設会社で施工管理を担当したり、設計事務所で建築士として設計を行ったりする道があります。
また、不動産業界で都市開発や再開発プロジェクトに関わる人もいます。
情報系では、システムエンジニアやソフトウェア開発、データ分析などIT分野での就職が中心です。
さらに、応用化学や生物工学系では、化粧品や医薬品メーカーでの研究開発、化学メーカーでの技術開発に進む人も多くいます。
理系大学の工学部に進学しよう!
私たちの生活を便利にしてくれるたくさんのモノの仕組みや作り方を学ぶ工学部には様々な専門学科があり、モノづくりをあらゆる面から学ぶことができます。
機械や自動車、構造物などあらゆる場面で工学の知識が必要となります。機械系学科や電気系学科など、専門的な学科で学び、それぞれの専門性からよりよいものを作るための知識や技術を学ぶ学部と言えるでしょう。
モノづくりをしたい、モノの仕組みを知りたいという人は理系大学の工学部に進学しましょう。