博士人材データベースってなに?出来ることや併せて使いたいサービスを紹介

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

「博士人材データベースってなに?」 「博士人材データベースを利用することでなにが出来るの?」 「博士人材データベースと組み合わせて利用出来るサービスにはどんなものがある?」 このように、博士人材データベースについて詳しく知りたいという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、博士人材データベースの特徴や博士人材データベースで出来ることなどを紹介しています。本記事を読むことで、博士人材データベースがどのようなものなのか把握することが出来るでしょう。

また、博士人材データベースと併せて活用したサービスについても紹介するため、活用方法についても参考に出来ます。

博士人材データベースについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

博士人材データベースとは

博士人材データベース(JGRAD)とは、社会での博士人材がどのように活躍しているのかを把握するために整備が進められている情報基盤プラットフォームです。

博士人材の社会での活躍を推進するために、文部科学省直轄の国立試験研究機関である「科学技術・学術政策研究所(NISTEP)」が博士人材のキャリア情報などを集めて管理を行っています。

登録されている情報は統計的に分析が行われ、キャリアパスに関するデータとして大学院や人材育成に関連した政策を形成する場に提供されています。

博士人材データベースで出来ること

博士人材データベースは博士人材の情報を集約しているだけでなく、博士人材が社会で活躍するためのさまざまな機能が備わっています。自身の情報を登録する博士人材にとっても、博士人材データベースの利用はメリットがあると言えるでしょう。

ここでは博士人材データベースで出来ることについて解説していくため、ぜひ参考にしてみてください。

自分の研究分野に合った求人情報の検索

博士人材データベースでは、登録されている博士人材の専門分野に合った求人情報が検索出来るようになっています。

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営している「JREC-IN Portal」と連携し、最新の求人公募情報を登録者の博士人材データベースの画面上に配信しています。

そのため、博士人材データベースに情報を登録しておくことで仕事探しにも活用出来るでしょう。

データベースで収集したデータの分析結果などの閲覧

科学技術・学術政策研究所では、登録されている博士人材のキャリア情報を統計的に分析しています。また、博士課程修了後のキャリアパスに関するデータとして、博士人材データベースで実施されている意識調査の結果と併せて提供しています。

そのため、博士人材データベースにキャリア情報を登録することで、データの分析結果を閲覧することが可能でしょう。分析結果や報告書を閲覧することで、他の博士課程修了者のキャリア動向なども把握することが出来るでしょう。

博士課程を修了した人のロールモデルや活躍に関する情報の閲覧

博士人材データベースでは、博士課程修了者のロールモデルや社会での活躍に関する情報も提供しています。そのため、博士課程を修了した後のキャリアイメージの参考にすることが出来るでしょう。

博士人材データベースとあわせて活用したいサービス

博士人材データベースは研究者人材のコミュニケーションサービスである「researchmap」や国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する「JREC-IN Portal」と連携して利用することが出来ます。

ここでは博士人材データベースと併せて活用したいサービスを紹介していくため、ぜひ他のサービスを連携して博士人材データベースを利用してみてはいかがでしょうか。

researchmap

researchmapとは、研究人材が双方向でのコミュニケーションをとることが出来るデータベース型研究者総覧です。researchmapには国内外で研究活動を行っている研究者や博士課程の学生が登録しています。

researchmapでは自身の業績の管理や発信を行うことが出来るため、論文や講演、書籍などの研究成果を登録して研究活動に利用することが可能です。

researchmapと後述するJREC-IN Portalを連携することで、researchmapの登録情報をもとに履歴書などを作成出来るといったメリットもあります。

JREC-IN Portal

JREC-IN Portalとは、研究人材のためのキャリア支援ポータルサイトです。研究職を志望している求職者情報と研究機関の求人情報などをデータベース化しており、求職者と研究機関のマッチングを行えるようにしています。

また、JREC-IN Portalの画面上で研究機関の求人情報を検索することが可能です。博士人材データベースとJREC-IN Portalとを連携することにより、博士人材データベースの画面に求人情報に配信出来るようにしています。

博士人材データベースと関連する博士人材追跡調査とは

博士人材追跡調査とは、博士課程修了者を対象に科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が実施している調査です。博士課程での経験や就業状況、研究や生活状況などを継続的に把握するという目的で実施されています。

ここでは博士人材データベースと関連する博士人材追跡調査について解説していくため、どのような調査なのか参考にしてみてください。

出典:博士人材追跡調査-第4次報告書-|文部科学省 科学技術・学術政策研究所第 1 調査研究グループ 参照:https://www.nistep.go.jp/jdpro/

調査の実施概要

博士人材追跡調査は、国立や私立に関係なく、社会人や留学生などを含めたすべての博士課程修了者を対象とした調査です。博士人材追跡調査では大学に協力を依頼し、大学から調査対象となる博士課程修了者へ回答依頼のメールを送信しています。

対象者はメールに記載されている回答用のWebサイトのURLからログインを行い、解答を行うことになります。なお、回答は個人が特定できないようになっており、回答内容が大学に知られることもありません。

調査の目的

日本では毎年多くの人材が博士課程を修了していますが、他の先進国と比較して博士課程修了者の就職先が限られているという問題があります。博士人材追跡調査はこのような問題を解決するため、現在の状況を把握するという目的で実施されている調査です。

博士課程追跡調査では個人が特定できないように博士課程での経験や就業情報などがデータベース化されているため、これから博士課程に進もうかどうか迷っている人も博士課程修了後のキャリア形成の参考にすることが出来ます。

調査からわかることの例

博士人材追跡調査を見ることで、実際に博士課程を修了した人の博士課程取得後のキャリアについて知ることがで出来ます。また、他にも博士課程で必要となる経済的な負担なども知ることが出来るため、進路を検討している人にとっては有効な情報となるでしょう。

ここでは最後に、博士人材追跡調査からわかることの例を紹介していきます。

博士課程でかかる経済的な負担

博士人材追跡調査によって、博士課程在籍時の借入金の状況を知ることが出来ます。4次報告での博士課程修了時の全体における借入金は、借入金なしが70%ほどとなっていました。

しかし課程学生に絞ると35%ほどが借入金を利用していることから、経済的な負担は大きいと言えるでしょう。

博士号の取得状況

博士人材追跡調査では、分野別の博士号の取得状況について把握することが出来ます。博士人材追跡調査の4次報告によると、博士号は博士課程修了から時間が経過するほど取得率が高くなる傾向がありました。

また、専攻によっても取得状況に差があり、理系や工学の場合は取得率が高いですが、人文や社会などの分野は取得率が低い傾向があります。

博士の大学等への就業状況

博士人材追跡調査では、博士課程修了者の大学などへの就業状況について把握することが出来ます。4次報告によると、博士課程修了者全体ではポスドクが20%ほど、助教が25%ほどとなっていました。

しかし専攻によっても違いがあり、理学の場合はポスドクが46%ほどと大きな割合を占めています。

博士の卒業後の進路の状況

博士人材追跡調査では、博士課程修了者の卒業後の進路について把握することが出来ます。4次報告によると、博士課程修了後の就職先としては大学など半数以上を占めています。

また、次いで民間企業が27%ほど、公的研究機関が8%ほど、非営利団体が7%ほどとなっていました。

博士人材データベースを活用してキャリアプランをたてよう

博士人材データベースとは、博士人材の社会での活躍推進を目的にキャリア情報を収集しているデータベースです。

ぜひ本記事で紹介した博士人材データベースで出来ることや博士人材追跡調査の内容などを参考に、博士課程修了後のキャリアプランの構築を行ってみてはいかがでしょうか。

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