化学メーカーの仕事内容とは?就職状況・主要企業12選も併せて紹介

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はじめに

「化学メーカーは聞いたことがある企業が多いけど、どのような仕事内容か分からない」 「化学メーカーに就職したいけど、どのような就職状況なのだろう」 「化学メーカーに転職したいが、今より年収は上がるのか」 化学メーカーには名の知れた大手企業が多くありますが、どのような環境でどのような仕事をしているのかは詳しく知らないという人も少なくないでしょう。

本記事では、化学メーカーの仕事内容や就職状況について紹介します。また、化学メーカーの主要企業についても紹介していきます。

この記事を読むことで、化学メーカーの仕事や就職状況などについて理解が深まり、化学メーカーへの就職を具体的に考えられるようになるでしょう。

化学メーカーに就職することを考えている人や興味のある人は選び方の基準にもなると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

化学メーカーとは?

化学メーカーとは、電化製品や自動車、日用品などの中間財を作る会社です。中間財とは、その製品が完成するまでの中間で使用されるもののことを指します。

私たちが普段手にしたり目にしたりするあらゆるものの製造過程に関わることができるのが、化学メーカーの魅力だと言えるでしょう。

化学メーカーの種類

一般的に化学メーカーの製品は、基礎原料の取得→各部品の製造→消費者や企業への販売という流れで作られます。その流れの中のどの部分を担うのかで、化学メーカーは総合科学メーカー・誘導品メーカー・電子材料メーカーの大きく3つの種類に分類されます。

ここでは、この3つについて紹介していきます。

総合化学メーカー

総合化学メーカーでは、基礎原料の取得から各部品の開発、販売まで一連の作業を全て自社で行います。そのため高い技術が必要であり、長い歴史の中でその技術を培ってきた有名企業も多いのが特徴です。

誘導品メーカー

誘導品メーカーは、各部品の製造を担います。つまり、基礎原料から成る中間材を製造するのです。

ある分野に特化した中間財を製造している企業が多く、専門性の高い技術を持っているのが特徴です。

電子材料メーカー

電子材料とは、スマートフォンに搭載されているような半導体や、パソコンのディスプレイなど電子機器の材料を指します。電子材料メーカーはその名の通り、この電子材料に特化した製造を担います。製造した電子材料は電子機器を作る企業へ向けて販売されます。

化学メーカーの主な仕事内容

化学メーカーと聞くと、製品の研究や製造のみを行なっているようなイメージを抱く人もいるでしょう。しかし、実際は研究や製造だけでなく、営業や事務などの仕事も化学メーカーにおいて重要な役割を担っています。

ここでは、化学メーカーの仕事内容について解説します。もし化学メーカーの仕事に興味を持っている方は、志望動機を考える際に仕事内容もしっかりと参考にしましょう。

研究開発

研究開発は、新しい製品を作ったり既存の製品の改良をしたりするために、研究や実験をする仕事です。化学メーカーという名前からイメージしやすい仕事内容だと言えるでしょう。

人々が日常で使う製品や社会貢献につながる製品を自ら作っているという実感がしやすく、非常にやりがいを感じる瞬間がありそうです。

製造・生産技術開発

研究開発が製品を開発する仕事ならば、製造・生産技術開発は製品を作るための技術を開発する仕事です。効率良く製品を量産する技術やコストを抑えた生産技術を開発する必要があるため、企業の利益に大きく関わります。

化学系や機械系の高い専門性が必要になる仕事でもあります。

品質管理

品質管理では、完成した製品の品質のチェックを行います。製造は機械に任せておけば良いわけではなく、製品に傷がついていたり質が損なわれていたりしないか、人の目で確認する必要があるのです。

製品の品質はそのまま企業の信用につながります。品質管理は企業を守るためにも重要な仕事だと言えるでしょう。

営業

化学メーカーでは、製品を製造して販売するという一連の流れを担う企業も多いため、営業も必要不可欠です。基本的には、自社の製品を材料として商品を作る企業を相手に販売の営業をします。

もちろん営業する上で化学メーカーならではの専門的な知識は必要ですが、製品を売り込みするという点では他の職種の営業と変わりません。

事務

化学メーカーにおいて、事務も重要な役割を担っています。事務職員が書類作成やデータ入力などのデスクワーク、電話対応等さまざまな業務を引き受けることで、他の職種の人がスムーズに仕事をすることができるからです。

営業同様らもちろんその企業の製品について専門的な知識を学ぶ必要はありますが、担う仕事の種類は他の職種における事務と同じようなものであることが多いようです。

文系からでも化学メーカーへの就職は目指せる?

化学メーカーは理系が入りやすい、化学系の学科でないと就職が難しい、というようなイメージを持ちがちですが、文系でも化学メーカへの就職を目指すことができます。

化学メーカーでは、研究や開発だけでなく営業や事務の仕事も重要な役割を果たしており、書類の作成など文系だからこそ力を発揮できる仕事もあるのです。

もちろん営業や事務の仕事も、その企業が製造・販売する製品に応じた化学用語等専門的な知識が必要なので、それらは積極的に学ぶことでカバーする必要があります。

化学メーカーの就職状況

年収や福利厚生、労働環境は働く際に大事なポイントであるにも関わらず、化学メーカーのそれらはなかなかイメージしづらいという人もいるでしょう。そのイメージを払拭することで、化学メーカーへの就職が狙い目だと感じる方もいるかもしれません。

ここでは、化学メーカーの就職状況について解説します。

平均年収

化学メーカーの平均年収はおよそ660万円と言われ、これは一般的に見て高い水準だと言えるでしょう。その中でも高い企業では、年収1000万円を超えるとされています。

化学メーカーは高い技術や専門性が求められることが多い仕事であるため、年収が高いのも頷けます。企業が求める人材も専門性が高い人であることが多いため、就職偏差値は高めで、倒産の危険度は低めだと言えるでしょう。

福利厚生

各就活サイトの口コミを見てみると、化学メーカーの福利厚生は優良でしっかりしているところが多いという印象です。通勤手当、住宅手当、家賃補助など一般的な福利厚生はもちろん、育休や産休が取りやすく家庭と仕事の両立がしやすい制度が整っているという声もあります。

化学メーカーは、海外の企業を相手に営業したり世界中の企業とその技術を競ったりする大手化学メーカーも多いため、福利厚生の充実度も進んでいると言えるでしょう。中小企業の化学メーカーも相当数あるため、詳細は各社HPを確認するようにしましょう。

労働環境

化学メーカーにはさまざまな職種があるため、勤務時間も多様です。一般的な会社員の勤務時間である9時ごろから18時ごろまでの勤務の社員もいれば、工場勤務でありシフト制だという社員もいるでしょう。

また、フレックスタイム制やテレワークなど、働き方も多様化している企業が多く見られるようになっています。

将来性

電化製品や自動車、日用品など、化学メーカーが携わる製品等の市場規模は大きく、需要が今後急激になくなることはなかなか考えづらいです。そのため、化学メーカーの将来性は高いと言えるでしょう。

また、既存の化学メーカーは高い専門性や独自の技術を持っており、新たな企業が参入してくるにはかなりの技術や時間が必要です。つまり、既存の企業が他の企業にとって代わられることは多くないのです。このことからも化学メーカーは将来性のある仕事だと言えるでしょう。

化学メーカーの主要企業12選

化学メーカーは、日々最先端の技術を扱う世界です。そのような世界の中でも主要企業と言われる企業は、社員のスキルもモチベーションも高く、会社自体の労働環境も整っていると言えるでしょう。

ここでは、それらの中から日本の化学メーカー企業について一覧にして解説します。

1:株式会社三菱ケミカルホールディングス

株式会社三菱ケミカルホールディングスは、地球温暖化や資源の枯渇などの社会問題を解決するために貢献すべき領域を定めて事業を行なっています。

開発しているものの具体例としては、二酸化炭素排出の少ない電気自動車の普及のためのリチウムイオン電池材料や、食糧の供給不安解消のための高機能包装材などが挙げられます。

他にもデジタル技術や医療などさまざまな分野において開発を行なっており、社会貢献度が高い仕事に関われるところがこの企業の魅力だと言えるでしょう。

東京都の本社をはじめ、北海道や愛知県の名古屋市、大阪府に拠点を持っている有機化学メーカーです。工場は横浜市鶴見区や三重県四日市など、工業地域として有名な場所にも点在しています。

2:住友化学株式会社

住友化学株式会社は、エッセンシャルケミカルズ部門やエネルギー・機能材料部門などさまざまな部門に分かれ、暮らしを豊かにするための化学商品の研究開発を行なっている企業です。

東京都日本橋、大阪、名古屋、福岡に拠点がある他、千葉やつくば、兵庫県に研究所があります。

文系でも事務系社員として活躍することも可能で、事務系社員は組織の頭脳として企画や営業、広報など重要な仕事も任されます。

3:旭化成株式会社

旭化成株式会社は、マテリアル領域、住宅領域、ヘルスケア領域の3つの事業領域があり、約100年にもわたって多様かつグローバルに事業を展開してきた歴史ある企業です。

また、特定の分野で圧倒的な需要を持ち活躍している企業として、2020年にはニッチトップ企業にも選出されました。その事業展開の広さやニッチ分野での活躍を理由に、業績が安定していて安心して働くことができるという企業内部からの口コミも聞かれます。

東京都に本社を持ち、製造拠点は川崎市、三重県の鈴鹿市、滋賀県の守山市、岡山県の水島地域にあります。

出典:2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」選定企業一覧|経済産業省 参照:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/gnt100/pdf/2020_gnt100_company_list.pdf

4:三井化学株式会社

三井化学株式会社は、ライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICTソリューション、ベーシック&グリーンマテリアルズの4つの事業を行なっており、積極的に海外展開を進めている企業です。

特にライフ&ヘルスケア事業において製造しているメガネレンズの材料や不織布は、日本国内にとどまらず世界中に提供されています。

海外展開が進んでいるだけあり、海外駐在員が多かったり外国籍の社員が多数いたりするのも企業の特徴です。普段からグローバルな雰囲気を肌で感じられる企業だと言えるでしょう。

愛知県や大阪府に工場があり、また、千葉県の市原市に大規模な市原工場総務グループがあります。

5:東レ株式会社

東レ株式会社は、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーといった技術を武器に、繊維事業、機能化成品事業、炭素繊維複合材料事業、環境・エンジニアリング事業、ライフサイエンスなどの事業を行なっています。

国内唯一の総合繊維メーカーであり、その高品質な製品は自動車、土木建築、生活資材等さまざまな用途で展開されています。

東京と大阪に本社がある他に、名古屋支店、北陸支店、九州支店、東北支店、中国・四国支店を有しています。

東レ株式会社は人材育成制度が整っており、事務系新入社員の向上配属制度や、海外研修制度などの特徴的な制度が行われています。これらの制度を通して、営業力や生産力、技術開発力などさまざまな力を鍛え、世界で活躍する人材を育成しています。

6:花王株式会社

花王株式会社は、ハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティケア、ライフケア、化粧品の4つの事業を展開しています。

スキンケア製品やヘアケア製品、サニタリー製品など、私たちの生活により密接に関わる製品に携わっている企業であり、有名ブランドの商品を展開しているという強みがあります。

東京都中央区に本社があり、他にすみだ事業場、大阪事業場、小田原事業場を有しています。

7:ライオン株式会社

ライオン株式会社は、オーラルケア事業、ビューティケア事業、薬品事業、ファブリックケア事業、リビングケア事業、ウェルネス・ダイレクト事業、海外事業、化学品事業、特販事業、ペット事業、歯科材事業、業務用洗浄事業と多くの事業を展開しています。

生活の中で毎日使用するような商品に携わっている事業が多いことが特徴です。

取り扱っている製品の特色から研究活動も特徴的で、基盤技術研究では口腔に関する技術や香料に関する技術の研究が行われています。製品開発研究、生産技術研究、グローバル研究などその他の研究活動も積極的に展開されており、新たな領域にも研究の幅を広げています。

変化を恐れずに先進的なチャレンジを行なっている企業だと言えるでしょう。

8:昭和電工株式会社

昭和電工株式会社は、半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルなどの無機化学工業製品の製造を行なっています。

既存の技術にとどまらず新技術を生み出しており、常に消費者のニーズに最適な製品を提供しているところが企業の強みだと言えるでしょう。

新技術の1つとして、例えばアルミック缶が挙げられます。アルミック缶はハイバイリア性と易開封性、加飾性を両立した食品容器で、プラスチック削減などの課題解決に貢献しています。このことから、社会貢献に積極的な企業でもあることが分かります。

本社は東京にあり、生産拠点は山口県や埼玉県、滋賀県など各所に点在しています。

9:株式会社トクヤマ

株式会社トクヤマは、化学製品部門、電子材料部門、セメント部門、ライフサイエンス部門、環境事業部門に分かれて展開しています。

化学製品部門では創業の事業であるソーダ灰を扱っており、ソーダ灰をガラスや洗剤などの原料として使用している国内唯一のメーカーとして、その品質の高さを強みとしています。

山口に主力生産拠点の徳山製造所がある他、東京本部、鹿島、つくば、その他全国各地に6つの営業拠点を有しています。

10:富士フイルムホールディングス株式会社

富士フイルムホールディングス株式会社は、フィルムカメラを始めとする写真や画像・映像に携わっているというイメージが強いかもしれませんが、他にもヘルスケアやマテリアルズ、ビジネスイノベーションという事業領域でも活動しています。

写真を通じて磨いた独自の技術で作られた製品を提供しているという特徴のある企業です。例えば、内視鏡システムやデジタルX線画像診断システムなどのメディカルシステムがそのような技術で製造されたものとして挙げられます。また医薬品関連分野でもその技術が使われています。

事業所や研究所を含め、神奈川県に位置しているところが多い企業です。

11:日東電工株式会社

日東電工株式会社は、自動車・他輸送機器、住宅・住宅設備、社会インフラ、素材、家電、電子機器、ディスプレイ、電子デバイス、医療、包装材料、消費財・社会関連などさまざまな分野において製品を提供しています。

企業の製品の例として挙げられる熱はく離シートは、加熱するだけで簡単に剥がすことのできる粘着シートであり、電子部品の製造過程で大きく貢献している製品です。

このように、特定の領域で需要があるニッチ市場において、独自の技術を生かしていく戦略が日東電工株式会社の強みです。

12:信越化学工業株式会社

信越化学工業株式会社は、生活環境基盤材料事業、電子材料事業、機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業に分かれて事業を展開しています。

全ての研究開発拠点が向上敷地内に置かれているという特徴から、製造部門や研究部門など各部門が緊密に連携して、工場で実践的に研究を行うことができる点が企業の強みです。

また、3年以内の離職率が非常に低く、若手が働きやすい環境であると言えるでしょう。

本社は東京にありますが、工場は新潟県の直江津工場、福井県の武生工場などに存在します。

化学メーカーへの就職を検討してみよう

化学メーカーの仕事内容、主要企業について詳しく紹介しました。化学メーカーは長い歴史の中で培ってきた技術や専門性故に、給与や福利厚生が安定した企業が多いと言えます。

研究や開発など、化学メーカーは理系が就職に有利な印象が強いでしょう。しかし、実際は資格などが必要でない営業職や事務職など、文系でも活躍可能な職種もあります。

研究や開発に携わりたい人はもちろん、化学の製品について学び活躍する意欲のある人は、文系理系問わずぜひ化学メーカーへの就職を検討してみてください。

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