HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
この記事では、理系学生が取るべき三大資格とその理由について説明します。
理系でこれから就活をはじめる学生のなかには、資格を取得しておこうと考えている人もいるでしょう。
しかし、就活に有利になる資格はどのようなものなのかわからない人も多いかもしれません。
また、資格を取得することは就活で本当に有利になるのでしょうか。
そこで、この記事では資格を取得することのメリットについてまとめます。
ぜひこの記事を参考に三大資格を取得し、ご自身の就職活動の役に立ててみてください。
【理系学生が取るべき三大資格】資格取得は就職に有利?
そもそも、資格を取得することは就職に有利なのでしょうか。
世間では、資格があっても就職に役立つわけではないといわれることもあります。
しかし、資格取得は就職に有利に働くことが多いでしょう。
ここではその代表的な理由を2つ紹介します。
資格を取得しておくと、業界に対する熱意を示す際に有効です。
また、最終的に採用の決め手になることもあるので、取得しておいたほうがよいでしょう。
これらを考慮すると、エントリーがはじまるまでに資格を持っておくと効果的です。
その業界に対する熱意を伝えることができる
資格を取得していることは自分の能力の証明だけでなく、業界に対する熱意をアピールすることにつながります。
なぜなら、資格を取得するためにその業界の知識をきちんと勉強したことの証明になるからです。
一般的に理系の資格を取得するためにはある程度の勉強が必要になります。
資格により異なりますが、この記事で紹介する資格においては50~200時間程度の勉強が必要です。
したがって、資格を持っていることは知識を習得する能力があることの証明になります。
勉強を進めていくなかでは、複雑で難解に感じる箇所がでてくるでしょう。
それでもあきらめずに勉強を続けるためには、業界に対する熱意が必要になります。
きちんと資格を取得して就活にのぞめば、意欲が口だけのものでないことを示す材料になるでしょう。
採用の決め手になる可能性がある
資格を取得しておくと、最終的に採用の決め手になる可能性があります。
選考を通過していくと、どうしても自分と似た評価の就活生がでてくるからです。
能力や経歴、人柄などで差別化できない場合、甲乙つけがたい状況になることもありうるでしょう。
そんなとき、資格を取得している就活生は能力・熱意的にプラス評価を受けられ、採用される可能性が高くなります。
もちろん学生時代に力を入れたことや、強み・弱みのアピールが大事なことはいうまでもありません。
しかし、資格というわかりやすい実績は、判断の難しい紙一重のところで効いてくることがあります。
はじめるのに遅すぎるということはないので、選考がはじまってからでも取得を検討しておきましょう。
【理系学生が取るべき三大資格】資格取得のメリット
資格を取得しておくと、就活で比較的有利に働くことがわかっていただけたかと思います。
しかし、社会人になってからでも取得できる資格を、学生のうちにとっておく必要はあるのでしょうか。
そこで次は、選考で有利になる以外の資格を取得することのメリットを3つ紹介します。
時間がある学生のうちに資格を取得しておくことで仕事に専念でき、昇格につながることもあるでしょう。
また、資格勉強を通じて、自分の業界や職種に対する適正がわかることもメリットです。
入社後仕事に専念できる
まず、学生のうちに資格を取得しておくと入社後、仕事に専念できることは大きなメリットでしょう。
入社したあとは研修があったり、配属があったりと忙しく、資格取得に費やす時間が限られているからです。
ときには業務時間だけでは仕事が終わらず、業務時間を超過して仕事する必要があるかもしれません。
場合によっては仕事がない休日を1日使って、資格試験を受けに行くこともかなりエネルギーを使います。
したがって、時間がある大学生のうちに取れる資格を取っておけば、入社後焦ることは少ないでしょう。
加えて、業務内容など日々新しいことを覚えなくてはいけないなか、資格勉強をするのはかなりの負担です。
学生の精神的にも余裕があるなかで勉強したほうが知識も定着しやすくなるでしょう。
資格取得が昇進につながる場合がある
資格を取得しておくと昇進につながる場合があることもメリットでしょう。
IT系のなかには、昇進するために特定の資格を取得していなければいけないといった条件が課せられている企業も多いからです。
もしも試験で不合格となり資格が取得できなければ、同期よりも出世が遅れてしまうかもしれません。
そのような状況で資格勉強をして試験を受けることは大きなプレッシャーにつながるでしょう。
もしも業務が忙しくなり、勉強する時間が確保できなければ負担にもなってしまいます。
仮に試験に間に合わず資格を取得できなかったとしても、学生のうちに資格勉強をしておくことは、そのあとの人生において役に立ちます。
内定をもらったら昇格要件の資格があるか確認して、勉強をはじめておくとよいでしょう。
自分の適性がわかる
大学生のうちに資格勉強をすることで、自分の適性がわかることもメリットといえます。
業務で用いる知識に多少触れることで、その業界や職種に向いているのかがわかるからです。
多くの学生は、学生時代の経験や自己分析などから自分にあっている仕事を選びます。
しかし、大学と職場では環境が異なるので、現時点での強みが活かせるとは限りません。
たとえ適性があったとしても、仕事に対するモチベーションがない場合も考えられます。
そこで、資格勉強を通して知識に触れることで、自分の仕事の適性を把握できるでしょう。
また、資格勉強が継続して続けられるかどうかで、仕事に対するモチベーションもわかります。
このため、業界に関する資格がある場合は、多少でも勉強してみることがおすすめです。
【理系学生が取るべき三大資格】理系学生におすすめな三大資格を紹介
それでは、理系学生におすすめの資格を3つ紹介していきます。
今回紹介する資格は、「ITパスポート」「基本情報技術者」「危険物取扱者乙種4類」です。
これらの資格はそれぞれおすすめできる人や、難易度が違います。
やはり資格を取るのならば、はたしてそれが役に立つのかも気になるかと思います。
そこで、おすすめの理由と難易度・取得時間についても紹介するので、参考にしてみてください。
一通り確認して、「これなら取れるかも」という資格があれば、ぜひ挑戦してみるとよいでしょう。
ITパスポート
まず、IT系の資格を取りたい人におすすめの資格は、「ITパスポート」です。
IT業界未経験の人に向けて作られた国家資格であり、ITに関する基本的知識を問われます。
ITパスポートは、情報処理に関する試験である「情報処理技術者試験」のなかでも最も簡単な資格です。
「基本情報技術者」のように業務で使えるかどうかよりも、知識が身についているかどうかの資格となっています。
したがってIT系資格の登竜門とみなされることが多く、文系出身者でも取得可能な人気資格といえるでしょう。
おすすめの理由
ITパスポートが取得資格としておすすめできる点は、難易度がそこまで高くないわりに、どの業界でも評価されやすいというところです。
近年はIT技術の発達が目覚ましく、今まではアナログだった業界にもIT技術が導入されるようになりました。
とくに経理や人事、総務といった文系職種でも、データ処理のために高度なソフトウェアが使われるようになってきています。
そのため、ITパスポートが取得資格として履歴書に書いてあるとIT系の知識があることの証明となり、評価されやすくなるでしょう。
一方で、ITパスポートは現役のエンジニアならば「知っていて当然」と思われる知識がほとんどになっています。
したがって、IT系職種の就活においてはあまり役に立たないこともあるので、注意が必要です。
難易度と取得に必要な時間
そんなITパスポートですが、難易度は情報系の資格のなかでは入門的なレベルといえます。
分野は経営全般のストラテジ系、IT管理のマネジメント系、IT技術のテクノロジ系の3つです。
テクノロジ系については、情報系学部の学生ならば日頃から触れている知識も多いでしょう。
また、試験形式は4つの選択肢から一つを選ぶ形式のため、厳密な計算は必要ありません。
しかし、ストラテジ系やマネジメント系は大学では学ばない知識も多いため、勉強が必要になります。
文系出身者などはテクノロジ系も含めてゼロから勉強が必要ですが、平均的な必要な勉強時間は100時間程度です。
まずは参考書などで概要をつかんでから、過去問題に取り組むようにしましょう。
基本情報技術者
「ITパスポート」を取得している人や、ITエンジニアを目指す人におすすめの資格が「基本情報技術者」です。
基本情報技術者試験という国家試験に合格すると、この資格が取得できます。
入門的資格であるITパスポートと比べるとカバーする範囲が広く、IT関連の知識全般を問われるといえるでしょう。
とくにプログラミングやコンピュータに関する知識など、より実務に必要とされる分野が多くなっています。
試験は午前と午後に分かれて1日実施され、合格率は受験時期にもよるものの25%程度です。
おすすめの理由
「基本情報技術者」が取得資格としておすすめの理由は、即戦力として働ける証明になり、就職や転職で有利になるからです。
即戦力の証明になる理由の一つとしては、年間で10万人前後が受験し、情報系の資格のなかでも世間的に有名であることが挙げられます。
したがって、基本情報技術者を取得しておくと、IT系において一定の知識を持っている証明になるでしょう。
とくにIT系では、新入社員に基本情報技術者の資格取得を求める企業も多くなってきています。
昇格要件に含まれている場合もあるので、必要な場合は早めに勉強しておくとよいでしょう。
また、ITパスポートより実務的な内容が多いので、取得しておけばITパスポートよりも即戦力で働ける証明になります。
このため、履歴書などに書いてアピールすれば、新卒就活だけでなく転職でも有利になるでしょう。
難易度と取得期間
人気資格である基本情報技術者ですが、合格率は20〜30%程度と難易度はそれなりに高いといえます。
近年、試験方式が変わってから合格率は40%程度に上がっていますが、それでもきちんとした準備は欠かせません。
とくにITパスポートと比べて分量が増えているのは、IT技術に関する知識であるテクノロジ系の分野です。
基礎理論からシステム開発技術まで、幅広くカバーする必要があるので、ある程度の勉強が必要になります。
必要な勉強時間は背景知識によって変わりますが、平均的に200時間程度といわれています。
また、試験は午前と午後に分かれていて、出題される問題や形式が大きく変わることも特徴です。
とくに午後試験はアルゴリズムやプログラミングが出題されるので、慣れておきましょう。
なお、試験内容は2023年4月以降に変更となる予定です。
危険物取扱者乙種4類
IT系への就職を考えていない人には、「危険物取扱者乙種4類」の資格もおすすめです。
これは「乙4」と呼ばれ、ガソリンなどの危険物を大量に扱うような仕事に就く際、必要な資格です。
危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種3種類があり、取り扱える危険物や受験資格などが違います。
このうち乙種資格は、第1類〜第6類までの特定の危険物に対して取り扱える資格です。
なお、第4類にはガソリンや灯油など、日常でよく使われる引火性液体が含まれています。
おすすめの理由
「危険物取扱者乙種4類」がおすすめの理由は、扱う危険物の範囲・内容的に実務で役立ちやすいからです。
引火性液体が使われる現場に、何も知らない人間を放り込むことは危険に思われるでしょう。
そのため、入社したての社員には研修が必要となり、時間的にもコストがかかってしまいます。
しかし危険物取扱者の資格を持っていれば、ある程度の取り扱いを知っていることの証明になります。
したがって、即戦力として見られやすく、就活だけでなくアルバイトの面接でも有利になるでしょう。
また、職場によっては危険物取扱者を必ず配置することが義務付けられていることもあります。
とくに化学メーカーやガソリンスタンドなどでは、資格保有者が現場にいなくてはいけないので重宝されるでしょう。
難易度と取得期間
そんな危険物取扱者乙種4類の合格率は30〜40%で、決して簡単な資格ではないように思えます。
しかしこれは乙種4類が人気資格であり、意識が低い受験者も含めて多くの人が受験していることが一つの要因です。
したがって、第4類だけが他の類と比べて格段に難しいわけではないといえるでしょう。
ただし、試験は危険物に関する法令や物理化学、火災予防と消化方法など3つの科目で構成され、それぞれ6割以上を獲得する必要があります。
すべての内容を網羅して取りこぼしなく学習しておかなければ合格は難しいでしょう。
必要な勉強時間は40〜60時間と、他の資格と比較すれば少ないほうです。
市販の参考書に加えて過去問に繰り返し取り組み、合格点を越えられるように対策しておきましょう。
【理系学生が取るべき三大資格】理系学生は英語資格を取得するべき?
ここまで、理系学生におすすめの三大資格を紹介してきました。
しかし、グローバル化が進んでいる今の時代は、理系学生でも当然のように英語力が求められます。
理系学問でのスキルで差別化ができないときは、英語力も含めて評価されるようになってきているからです。
IT技術が発達した昨今では、大学・大学院での研究内容も非常に高度化してきています。
ESや面接などの短い時間ではどうしてもアピールしきれず、面接官も実績の優劣を判断しかねることがあります。
そのため、英語力が証明されるような試験を受験し、それなりのスコアを持っておくとよいでしょう。
TOEICであれば700点台後半以上あれば一般的な企業からは評価されやすくなるので、目安にしてみてください。
おわりに
この記事では、理系学生が就活に向けて取るべき三大資格を紹介しました。
おすすめの資格は、「ITパスポート」「基本情報技術者」「危険物取扱者乙種4類」の3つです。
資格を持っておくと業界に対する熱意を伝えられ、採用の決め手になることもあります。
また、早いうちに自分の適性を把握でき、入社してからも仕事に専念できることもメリットです。
しかし、役立つ資格には難易度が高く、ある程度の勉強時間が必要なものもあります。
この記事を参考にして資格を取得し、就活を有利に進めましょう。