HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
これから本格的に就職活動に挑もうとしている学生は、これまで見聞きしたことがない専門用語のようなものに出くわして戸惑うことがあるかもしれません。
おおよその意味が掴めるESやGDならまだしも、「cbt」となると混乱してしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、そんなcbtの概要から対策法まで詳しく解説していきます。
今後の就活に向けて準備しておきたい、知識を身に付けたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。
【cbtのwebテストってなに?】cbtのwebテストとは?
cbtとは「Computer Based Testing」の略であり、おおよそ想像がつくようにコンピュータを利用して受ける試験のことです。
対比されるものとしてpbtがありますが、こちらは「Paper Based Testing」の略、つまり大学入試などで経験した紙の解答用紙を用いるものと言えばイメージしやすいかもしれません。
cbtでは、マークシートを提出するのではなく、専用の会場などでwebを通じて問題を解いていきます。
出題される内容は、実施する企業が考えているのではなく、試験運営を専門とする会社が作っている場合がほとんどです。
なかでも人気なのはCBTS社で、採用試験以外にも資格や能力検定など幅広く採用されています。
【cbtのwebテストってなに?】特徴
続いて、cbtを導入することによるメリットを見ていきましょう。
まず、試験を開催する側としては、問題用紙を印刷するコストが削減できるうえに、保管・配送にかかる手間を大幅に減らせます。
また試験当日においても、それぞれの席を回って問題用紙を配布し、回答後に回収するといった人員の用意も必要ありません。
そして、テストを受ける就活生にも多くのメリットがあります。
マークシートであれば結果が出るまである程度の期間を要しますが、コンピュータなら比較的早く結果を知ることができます。
また、テストセンターは全国に多く点在しているため、受験する側にとっては好きなときに受けられるというのも嬉しいポイントです。
試験のためにわざわざ遠出するといった必要もなく、時間的にも経済的にもロスが生じません。
【cbtのwebテストってなに?】出題内容
採用試験において、これからさらにcbtを実施する企業が増えると予想されています。
すでに志望する企業を絞っていれば、適性検査でcbtが実施されることを把握している学生がいるかもしれません。
ここからは、実際にどのような問題が出題されるのか、いくつかある分野の中から3つをピックアップして解説していきます。
具体的な解き方についても触れて説明していきますので、cbtの対策を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
言語問題
言語問題は、中学生・高校生レベルの国語にあたります。
言語分野は20分以内に解答しなくてはならず、深く読み込む力よりも瞬発力が求められることも少なくありません。
よく出題されるのは二語の関係について問う問題です。
たとえば教師・学校という二語の関係を考えて、医師に対してはどれが当てはまるのか、決められた選択肢の中から選ぶといった具合です。
また、語句の意味について問う問題や、簡単な短い文章に空欄があり、そこに当てはめる適切なフレーズを選ぶという空欄補充の問題も多く見られます。
いずれも特別な知識や専門性が問われるものではなく、対策をしていなくても比較的解けてしまうものも多いのですが、先ほど述べたように時間制限があることに注意が必要です。
非言語問題
言語問題と合わせて30~40分程度の制限時間が設けられているのが、数学にあたる非言語問題です。
数学といっても、一流大学に通う生徒が解くような難問に向かうといった堅苦しいものではありません。
たとえば少々複雑なトーナメントのイラストとともに、AさんはBさんに勝った、AさんはCさんと対戦していないなどといった条件が書かれていて、「優勝した可能性がある組み合わせはどれ?」といった問題が出題されます。
難解な数式が並ぶ問題はほとんどないため、多少数学が苦手な方でも問題なく解けるでしょう。
しかし、図表を読み取るなど柔軟な思考力が求められるため、実際にテストを受けてみると簡単には解けないという印象を抱くかもしれません。
英語問題
基本的には、先ほどご紹介した言語と非言語問題によって構成されますが、外資系企業など現場で語学力が必要な場合、英語問題が出題されることも珍しくありません。
しかし、こちらも非言語問題と同様、ひとつの長文をじっくり読み解くというよりも、英語で書かれた短い文に意味が近い単語を選ぶといったコンパクトな設問が多いです。
レベルもそこまで高いものではなく、TOEICで高得点を取っていなければ太刀打ちできないというものでもありません。
高校までに習ったことを復習すれば回答できる問題がほとんどですが、なかには文法上の誤りを見抜かなければならないといった難しい問題も見られます。
英語問題が出題されるとわかっていれば、動詞の活用といった基本の内容をおさらいしておくと良いでしょう。
【cbtのwebテストってなに?】難易度について
ここまでで、出題されるのは国語に該当する言語問題と数学にあたる非言語問題、場合によっては英語問題が出題されることがわかりました。
それぞれの項目で見てきたように、長時間じっくり考えて答えを出すのではなく、短い設問に素早く回答することが求められます。
ここで気になるのは、果たしてどれくらいの難易度なのかということではないでしょうか。
問題のレベルは設問によってそれぞれ異なり、したがって一概には言えないものの、言語と非言語については中学校や高校レベルでそれほど高度なものではありません。
英語問題についても、高校~大学受験程度のレベルで、そこを突破してきた学生であればそこまで心配することはないと言えるでしょう。
【cbtのwebテストってなに?】注意点
企業研究を重ねていく中で、適性検査にcbtのwebテストがあると知り、どんなテストなのかわからず身構えてしまっていた学生も、中学や高校レベルだとわかって少し安心できたかもしれません。
しかし、マークシートなど紙による試験しか受けてこなかったという方も多いのではないでしょうか。
ここからは、cbtにおける注意点を具体的にひとつずつ確認していきます。
もっとも、解答用紙が紙からパソコン上の画面に変わるだけではあるものの、大した違いはないだろうと油断していると思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。
これまでに経験した入試とは少し異なる場面も多いので、本番で慌てることがないよう、以下で紹介する注意点を頭に入れておくようにしてください。
パソコン操作に注意
多くの場合、申し込みをした際、あるいは受験の前にデモ動画が用意されており、これを見ることで回答方法などテストの詳細が把握できます。
しかし、動画であらかじめ出題画面を確認できたとしても、パソコンに不慣れなら操作にばかり気を取られ、問題を解くのに集中できません。
鉛筆やペンがマウスに変わるだけとはいえ、基本的な操作についてはあらかじめしっかり身に付けておきましょう。
しかし、回答は選択肢から正しいと思うものをクリックするだけで、日常的にパソコンを操作していればそこまで難しいものではありません。
仮にブラインドタッチができなくても、回答するのに時間がかかってしまい不利になるようなことはほとんどないでしょう。
問題用紙への書き込みができない
パソコンを操作しながら回答するうえで、紙によるものとの違いを痛感するのは「問題用紙への書き込みができない」という点かもしれません。
特に非言語問題の場合、たとえば複数のサイコロを同時に振って特定の数字を上回る確率を問う問題や、与えられた条件の原価と定価から利益を算出するような問題が出題されます。
これらを解く際に、紙とペンを使って足し算や引き算ができないことに戸惑ってしまう方も少なくありません。
小学生のころからずっと慣れ親しんだやり方を崩さなければならず、少なからず暗算能力を高めておかなければなりません。
しかし、実際の出題においては先述のように複雑な計算が求められるわけではなく、あらかじめ対策として過去の問題を解くなどしておけば、すぐに慣れて不安なく本番に挑めるはずです。
問題用紙の持ち帰りができない
紙とパソコンによる違いはもうひとつあります。
そもそも、画面に表示される問題を解くため、用紙を持ち帰るようなことはできません。
大学入試の際には、問題を解きながら用紙に自分の回答を書き込み、それをもとに自己採点をする方が大半です。
ところが、cbtのwebテストではこのようなことができず、自分が何点取れたかをたしかめようにも記憶に頼るしかありません。
自信がある試験であれば問題ありませんが、手ごたえがなかったと自覚するような試験であれば、なおさら点数がわからずモヤモヤした気持ちになってしまうこともあるでしょう。
もしうまくいかなかったとしても、精神的な負担がかからないよう、上手に気持ちを切り替えることも大切です。
【cbtのwebテストってなに?】見極め方について
対策としては、過去によく出されていた問題を数多く解くのが有効ですが、webテストは一種類のみではありません。
会社によって出題される内容が大きく異なることはないものの、志望する企業がどこのものを採用しているのかを知れば、効率良く対策できるに違いありません。
あらかじめ情報収集ができていれば良いのですが、必ずうまくいくとは限らないでしょう。
そこで有効となるのが、URLによってどこのサービスなのかを見極めるという方法で、これによってどんなwebテストなのか把握することができます。
あるいは企業から送られてきたURLに注目することで、どのような形式かを知らされていなくても、「www.gate.web-cbt」となっていればcbtによるwebテストであることが一目瞭然です。
まとめ
今回ご紹介した内容をチェックしたことで、cbtの内容を詳しく知らなかったという学生も、まったく知らなかったという学生も理解が深まったことでしょう。
まだ業界や企業を絞り込めていなかったとしても、そういったテストがあるのだと知っておけば、いざというときに慌てることもありません。
もし志望先が決まっていて、さらにcbtが実施されていることを把握しているなら、過去の問題に目を通すことから取り組んでみてはいかがでしょうか。