食品業界の志望動機はどうやって書く?志望動機の構成や例文を紹介!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

希望の会社は見つかったものの、「志望動機って具体的にどうやって書いたらいいんだろう」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

志望動機というものは、自己分析や企業研究などを行ったうえで作るものであり、時間をかけて取り組む必要があります。

今回は、「食品業界」に焦点を当てて、実際に志望動機を書くための基本的な知識や流れ、ポイントなどを解説していきます。

また、志望動機の作成に役立つ例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

【食品業界の志望動機】食品業界の動向

まずは、近年の食品業界の動向を押さえておきましょう。

現状を知ることは、その業界に自分が入ることでどんなことができるかを考えるきっかけとなります。

特に、新型コロナウイルスの影響が大きかったこの数年の動きは、必ず押さえておきましょう。

新型コロナの影響

世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの影響は、食品業界にも多大な影響を与えました。

特に2020年は、家で過ごす時間が増えたことによる「巣ごもり需要」が拡大し、即席麺や食パン、各種調味料など家庭向け商品の需要が大きく伸びました。

一方で、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの影響によって、外食産業は大きな打撃を受けることになります。

2021年を迎えると、この「巣ごもり需要」は一定の落ち着きを見せ、従来水準に近い傾向となりました。

そのほかにも、デリバリーサービスの拡大や、冷凍食品の品質向上なども見逃せないポイントです。

このように、食品業界の状況は刻一刻と変化しており、今後の予測が難しいと言われています。

売上高ランキング

食品業界は、上場している企業だけでも120社を超える巨大な市場で、さまざまな企業がひしめき合っています。

そんな中で2021〜2022年の企業売上のランキングを見てみると、1位が日本ハム、2位が味の素、3位が山崎製パンとなっています。

日本ハムは食肉系、味の素は調味料や冷凍食品などをメインに販売している企業です。

また明治HDは、明治製菓と明治乳業が統合して発足した持ち株会社で、乳業と菓子を中心に展開しています。

今後も激しい競争になることが予想されており、ランキングの変動にも注目が集まっています。

【食品業界の志望動機】食品業界における今後の課題

食品業界は、私たちの生活に非常に密接な関係にあり、需要が極端に落ちることはないと言われています。

しかし、今後より成長していくことを目指すために、各企業共通の課題を掲げ、それらを解決するべくさまざまな取り組みを行っています。

ここからは、業界全体として抱えている乗り越えるべき課題のうち、大きな2つのポイントを見ていきましょう。

企業研究をする際、この課題をどう解決しようとしているかという点を見ると、自身の志望動機に深みが増します。

市場の縮小

日本の人口は現在も依然減少を続けており、それによって必然的に食品市場も縮小しています。

また、少子高齢化が進んでいることも国民一人あたりの消費量を減らす結果となり、市場減少の傾向の一助になっていくというのは想像に難くないことでしょう。

また、国内市場の減少に際して、各企業は海外進出をどう果たしていくかということが課題のひとつになっています。

そのため、各企業はそれぞれの戦略で海外市場の開拓を進めるべくさまざまな取り組みを進めています。

あなたがもし優れた言語能力を有している場合、こういった課題解決に適任の人材だと言えるでしょう。

また、多様な価値観に触れており、人に比べて広い視野を持っていることも武器になります。

原価高騰

現在、ウクライナ情勢などのあおりもあり、円安の影響で深刻な原価高騰が起きています。

ほとんどの原料を輸入に頼っている日本企業としては、円安による製造コストの増大にどう対応するかということが非常に重大な課題になっています。

特に小麦や大豆、とうもろこしなどといった用途の多い品目が高騰しており、さまざまな対策をした結果、それでもなお値上げに踏み切らざる得ないというのが現状です。

円安による影響は想像以上に急速に進んでおり、決して無視できない状況です。

このような「想定外」の事態を正確に分析、予測し、柔軟に対応していくことができる企業が生き残っていくと言われています。

勤める人も同様に、危機管理能力やリスクヘッジ能力に長けている方が有利と言えるでしょう。

【食品業界の志望動機】食品業界の主な職種

一口に、食品業界で働くといってもその職種はさまざまあります。

職種によって求められる能力が若干異なるので、自分はどの職種を志望するのかあらかじめ考えておきましょう。

ここからは、食品業界における主な職種4つについて解説していきます。

各職種のほかの業界との違いも触れていきますので、「どんな職種があるのかわからない」「やりたい職種は決まっているけれど業界を悩んでいる」という方はぜひ参考にしてみてください。

研究開発

多くの人に役立つ新商品を生み出していくのが研究開発の仕事です。

食品業界の研究開発は、担当する業務によって大きく分けて3つの分野に分けられます。

1つ目は製品開発を行う「研究職」、2つ目は商品の実際に採用する製法を検討し、試作品を作っていく「商品開発」、3つ目は製造ラインの拡大や工程の改善などの製造過程に関わり改善を行う「生産技術職」です。

専門知識や資格が必要となる場合もあるため、自身が興味がある分野に関してはしっかり情報を集め、必要な技能がある場合は事前に勉強しておきましょう。

基本的に、食に対する興味や好奇心なども非常に必要な職種でもあるので、普段からアンテナを張っておき、興味があるものを見つけたら試してみるクセをつけておくと良いでしょう。

生産・品質管理

企業活動において、「作る」と「売る」の間に立ってさまざまなマネジメントを行うのが「生産・品質管理」の仕事です。

生産管理とは、製品を製造している工場と、販売を担当している営業との間に立ち、新しいシステムを導入するなどしてプロジェクト全体をマネジメントするという役割を果たします。

また品質管理は、高品質な商品を消費者に届けるためにさまざまな努力を重ねます。

これは、企業における非常に重要なファクターである「信頼」や「ブランド」を担う重要な取り組みです。

特に食品は、品質や安全性などにおいて消費者が反応しやすい傾向にあるため、品質管理の仕事の責任は大きく、やりがいを感じられる職種ということもできるでしょう。

マーケティング

マーケティングは、まず市場調査を行い、そこから消費者のニーズを見つけ出すところから始まります。

発見したニーズに対し、マッチした商品を開発するだけではなく、広報やデータ分析など幅広い業務を行います。

「誰に向けて、何を作るか」という部分にフォーカスしなければならないため、流行や情勢を読む能力が必要と言えるでしょう。

特に、近年は食の好みの細分化が進んでいます。

より詳細な分析が必要なことに加え、マーケティングは今後の売上を左右する大事な役目を持っており、そこに妥協は許されません。

営業

食品業界の営業は、基本的にはBtoBで行い、メーカーの商品を小売店に営業する、商社やメーカーの商品を卸売業者へ販売するなどの業務が中心となります。

また、営業は単に「商品を売る」ということだけに留まらず、実際に顧客から市場ニーズを吸い上げて新しい需要を発見したり、競合他社の情報を取得し企業にフィードバックしたりするという役割を担います。

新規開拓・営業ルート問わず、いずれも密な人間関係の構築が必要であり、人間同士をつなぐ力やコミュニケーション力に長けた方に向いている職種と言えるでしょう。

【食品業界の志望動機】志望動機のどこを見られる?

ここまで、食品業界の全体像と主な職種について解説しました。

まずは「自分がやるとしたらどの職種がいいのか」という曖昧な視点でも構わないので、それぞれの職種に興味を持ってみましょう。

そこから自己分析や企業分析を重ねて「理解」を深め、具体的な志望動機を作っていくとスムーズです。

以下では、就活において重要な意味を持つ「志望動機」を、採用側はどのような点に着目しているのかということについて詳しく解説していきます。

志望度の高さ

志望度の高さとは、他の業界や企業ではなく「なぜ他でもない“ここ”で働きたいのか」ということを指します。

どういった動機で志望するようになったのかや、企業研究がしっかりできているかなどから判断されることが多く、特に同業他社やライバル企業との「違い」をしっかり押さえて志望動機を書くことが望ましいでしょう。

いずれにせよ、丁寧な自己分析と企業研究が必要であり、これらを曖昧にした状態で書いてしまうのはNGだと言われています。

人柄

採用活動において人柄は非常に重要な要素です。

「人間」が集まって活動する企業という集団において、人柄が社員や社風とマッチングするかどうかは、モチベーションや労働効率にも影響を与え、早期離職のリスクも発生してしまいます。

この人と一緒に働きたい、という一見シンプルな要素も、採用においては大切になってくるということは押さえておきましょう。

就活生も、OB・OG訪問やインターンなどを通じてその企業の持つ雰囲気を掴んでおくことをおすすめします。

企業適性

前項の人柄も大事な項目ですが、やりたいと思っている仕事内容や基本として持っている価値観など、さまざまな角度から「この企業に適正があるか」ということを判断します。

この適正が低いと、入社後にモチベーションを失い早期退職してしまうといった残念な結果になりかねません。

これは、本人はもちろん企業側にとっても大きな損失と言えます。

自分の適性と企業の風土が合っているかどうか、企業研究をしっかりと行い、綿密な自己分析をしておくことが重要となります。

【食品業界の志望動機】志望動機の構成

志望動機において、「採用側はどんなことを意識しているのかはわかったけど、実際にどう書いたらいいのかがわからない」という方も多いのではないでしょうか。

基本的には、結論→根拠→展望という構成で書いていくのがおすすめです。

ここからは、各セクションでどういったことを意識して書いていくかについて解説していきます。

最初はうまくかけなくても構いませんので、ぜひ以下の解説を参考にしながら実際に書く練習をしてみてください。

結論

志望動機を書く際は、必ず結論を書くようにしましょう。

このとき、結論の中にはなるべく自身の「就活の軸」を入れるよう意識してください。

どのような基準で企業選びをしているのかが端的にわかるよう、端的に書くことがポイントです。

結論からスタートし、それを補完するように根拠や展望へと展開していくことで、説得力のある志望動機を書くことができます。

しっかりとした軸を用意できるよう、しっかり自己分析も進めておきましょう。

根拠

根拠の部分は、なぜ「結論」のセクションで記載した軸や価値観を形成した背景を、学生時代のエピソードなどを引用しながら作っていきます。

企業は根拠の部分もチェックしており、ここが具体的で「結論」の部分ときちんと論理が通ったものになっているかどうかは、採用者の評価を大きく変える要素となります。

またエピソードも、自身の価値観や課題解決のプロセスが明確になっているかどうか確認が必要です。

どのようなことに意味を感じるかなど、採用側が知りたいと思っている情報につながるエピソードに仕上げましょう。

展望

展望の項目では、「自身が入社した後、どのように企業に貢献できると考えているか」を採用者側に伝えることが重要です。

ここでは、企業がどういう人材を求めているかや、課題に対してどう向き合っているのかの理解度も測られます。

もし企業研究が十分にできていることを伝えることができた場合、志望度の高さもアピールできるでしょう。

ただし展望というのは、「会社に自分が何をしてもらうか」ではなく、「自分が会社で何をできるのか」という意味だということを忘れないようにしましょう。

【食品業界の志望動機】志望動機のポイント

志望動機の基本構成を理解した後は、今度は実際に書くときにどういった考え方をもとにして取り組むのかを押さえましょう。

志望動機が書けたとしても、以下に解説するような思考やポイントを押さえていないと、採用担当者の心には残りません。

また、ほかの企業でも通用するような志望動機の場合、「志望度が低い」と見なされてしまうかもしれません。

周りのライバルと差をつけるためにも、じっくり考えながら取り組むようにしましょう。

「なぜ」をベースに考える

実際に自分自身も手に取ったことのある商品を作っている企業に応募する場合、「企業のどの商品に魅力を感じたか」という部分に考え方が偏ってしまう傾向があります。

しかし、志望動機を通じて企業側が知りたいことというのは「なぜ興味を持ったのか」ということです。

このなぜその商品に興味を持ったのかというところを入り口に、「どうしてそこが魅力的と感じたのか」など「なぜ」を重ねていくことで、自分自身の考えを深めていけるようになります。

企業の独自性に言及する

応募する企業の独自性をしっかりと把握し、そこに言及することも重要です。

一口に食品業界の企業といっても、実際に取り扱う商品や強みを持っている部分はそれぞれ異なります。

もしほかの企業、特にライバル企業と被るような内容になってしまうと、採用者に「企業研究が甘い」とマイナスな印象を与えることになります。

企業のホームページをチェックすることはもちろん、OB訪問なども併せて行い、自分の志望動機に必然性と説得力を持たせるようにしましょう。

【食品業界の志望動機】食品業界で求められる人物像

ここまで、食品業界に興味があるという方に向けて、どのようなことを意識して志望動機を書くかという点について、大事な項目に分けながら解説しました。

しかし、そもそも「本当に食品業界に自分が向いているかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは、食品業界ではどんな人物像が求められているのかという点について解説していきます。

以下の内容をチェックし、自分が食品業界に適正があるのかどうか一度考えてみてください。

食品に興味がある人

非常に基本の要素であり、当たり前のように感じられるかも知れませんが、食品そのものに興味があるということはとても重要です。

食品業界に勤める場合、消費者の目線に立って考えるクセが必須であり、消費者のニーズを探りながら商品を開発できる人材は重宝されると言えるでしょう。

これは、食品業界のどの職種にも通じることで、基本である「自社の製品を知る」ということにもつながります。

食品の栄養面や特徴など、普段からよく見ておくと良いでしょう。

安全性に対して責任感がある人

ほかの業界に比べ、食品を扱う企業の安全意識は特に高く、信用はブランドイメージに直結します。

1つのミスから重大な損害へと発展するケースもあるため、安全性に対する責任感や意識は特に重視されるポイントとなります。

「ちょっとしたこと」であっても見逃さずに、万全を期すことができるかどうか、自分の性格を一度確認しておくと良いでしょう。

特に製造ラインでは、機材や人員における衛生管理について徹底するような意識ができるかなど、細かな配慮が必要です。

誠実な人

安全性を重視するという項目とも共通する部分がありますが、食品業界は隠蔽や偽装というものに対して非常に厳しい業界でもあります。

「信用」や「安心」という部分に消費者が価値を感じている特性上、それを揺るがすような要素は排除しなければなりません。

そのため、仕事に関するルールだけを守る人ではなく、生活全般において「誠実である」方を求めています。

友達との約束を守る、提出物の期限を守るなど、普段から意識しておくことが重要といえます。

【食品業界の志望動機】志望動機の例文

「実際に書いてみるとどうなるのか見てみたい」という方に向けて、志望動機の例文を2つご用意しました。

いずれも、構成は結論→根拠→展望となっており、比較的アレンジしやすい内容に仕上がっていますので、志望動機の作成に悩んだ際は参考にしてみてください。

また、「採用者はどのように感じるか」という視点を持って読んでみてください。

自分の目線ではなく、他人の目線で捉えることで、より面接官の心に残る志望動機を作れるようになるでしょう。

品質管理部門の志望動機の例文

私が貴社を志望する理由は、誰もが「安全性について疑いを持つことなく安心して口にすることができる食品」を提供したいという気持ちがあるからです。

学生時代、私はある食品を口にした際、食中毒で非常に苦しんだことがありました。

そのときに感じた苦しみと恐怖がトラウマとなり、その食品を長い間口にすることができなくなるほどの体験をしたことをきっかけに、食品を選ぶときには安全性というものを特に重視するようになりました。

大学では食品衛生について主に学び、その経験と知識を活かして、特に安全性を重視している貴社の品質管理部門で活躍できるよう努めていきます。

そして、安全性について不安を持たずに食べることができる食品を消費者に提供できるよう、日々の業務に取り組んでいきたいと考えています。

研究開発部門の志望動機の例文

私が貴社を志望する理由は、手軽に栄養満点な食事が食べられる生活を実現したいと考えているからです。

大学進学をきっかけに一人暮らしを始めた私は、忙しさを理由にファーストフードばかりに頼った食生活を続けていました。

その際、栄養が偏り体調を崩してしまい、熱心に取り組んでいたすべての活動がストップしてしまうこととなってしまいました。

この経験から、食事を疎かにすることはダメなことだと改めて気づき、このときに自分の価値観が変化したことを覚えています。

大学では、栄養学や食事を通じた健康実現について研究を行っています。

この経験を活かし、冷凍食品を主力とする貴社で、仕事や学業で忙しく自炊をする暇がないような生活をしている人にこそ必要な、手軽にバランス良く栄養が取れる冷凍食品を開発したいと考えています。

おわりに

食品業界は、私たちの生活に密接に関わっており、非常にやりがいのある仕事が多いです。

まずは自己分析を進め、自分がどういった価値観を持っているのかを見つめながら、志望動機を書いてみましょう。

何度も書き直しながら、この記事を参考にブラッシュアップしていくことで、面接官に刺さる志望動機を書けるようになるはずです。

時間がかかってしまうかもしれませんが、諦めずにトライし、納得のいくものを作るようにしてください。

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