理系の文系就職は後悔するもの?メリット・デメリットも詳しく紹介

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「理系の文系就職って増えてるけど、後悔しないかな?」 「理系だけど、理系就職か文系就職か悩むなあ」 「文系就職はもったいないって言われたけど、どうしよう」 理系を専攻している学生の中には、文系就職について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、理系学生の文系就職についてのメリット、デメリットから、選考に進んだ際のポイントまで詳しく解説しています。

この記事を読むことで、文系就職について知ることができ、理系就職だけではない広い視野で就職活動に挑めるでしょう。

これから進路を考える大学3年生の方や、就職活動に向けて準備中の方、さらには文系就職について知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

理系の文系就職は有利なもの?

理系学生の就職先として、研究職や技術職を思い浮かべる方は多いでしょうが、近年では営業職や企画職などの文系職で活躍するケースも増えています。

では、就職活動において理系の文系就職は有利になるのでしょうか。理系職に限らず、多様な職種に興味がある方は参考にしてみてください。

そもそも理系就職と文系就職とは

理系就職とは、学生時代に専攻した分野に関係する業界で、研究や開発などの職種に就くことを指します。

理系は大学で専門性の高い知識を学ぶため、専門職の就職に強いと言われています。また、大学によっては推薦応募枠が設置されている場合もあるでしょう。

一方、文系就職とは、一般的に営業職や企画職、人事などのバックオフィス、広報、クリエイティブ職など、文系学生の多くが就職する幅広い職種を指します。

理系就職と文系就職の進め方の違い

就職の進め方については、理系であっても文系であっても大きな違いはありません。公募形式の場合、会社説明会への出席やエントリーシートの提出、面接を経て内定を獲得するのが一般的な流れです。

しかし、推薦の場合は、大学から企業に推薦してもらう形になるため、文系就職とは進め方が異なります。合格率も公募形式と比べて高い傾向にあり、理系就職における有利な点と言えるでしょう。

また、理系学生の4年次は実験など研究活動に追われるケースが多く、文系の学生に比べると就職活動に割ける時間が短くなります。

そのため、公募制で就職活動を進める場合は、勉学が忙しくなる前に業界研究や自己分析などの準備をしておくことをおすすめします。

理系・文系の就職率はほぼ同じ

就職率では、理系と文系に大きな差はありません。文部科学省の調査によると、令和3年3月時点で文系・理系別では、文系の就職率は96.0%(前年同期比1.8ポイント低下)、理系の就職率は95.9%(同2.6ポイント低下)となっています。

このことから、就職率においては、理系の方が文系よりも有利とは言えないことがわかるでしょう。

出典:令和2年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)|文部科学省 参照:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/11/1422624_00007.htm

理系学生の需要が高まっている

近年は、文系職の中でも理系学生の需要が高い傾向にあります。

これは、理系ならではのロジカルシンキングがマーケティングや企画職で活かせることが重視されているためです。

それに加え、ITやテクノロジー関連の急速な進化により、統計、分析などの能力がある人材を欲している企業が増えていることもその要因の一つでしょう。

さらに、業務の効率化を図るため、リモートワークの導入や表計算ソフトによるデータ管理などを行えるよう、パソコンを扱えるスキルが重視されている場合もあります。

理系学生が文系就職をして後悔はしないもの?

理系学生が文系就職することに対し、「もったいないな」と感じたり、後悔したりするのではないかと不安になる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、そんな不安を解消するポイントを紹介するため、ぜひチェックしてみてください。

意外と理系出身の就活生や社員がいる

文系職の中でも、大学時代は理系を専攻していたという社員はいます。一見、業務内容と専攻分野に関係が無さそうでも、仕事の中で活かせる経験を見つけられるでしょう。

そのため、理系出身の社員の人から話を聞いてみることは、就職活動を進める上で良いヒントになります。

また、文系就職を目指す理系出身の就活生と関わることで、情報交換もできるでしょう。社員座談会や就職活動のイベントなどに積極的に参加し、色々な人と話して視野を広げてみることをおすすめします。

研究はいい思い出になる

理系学生が文系就職した場合、学生時代に学んだ専門知識を活かせる機会は少ないでしょう。そのため、「研究の中で苦労して得た知識や経験を捨てることになる」と考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、研究に没頭できた学生時代は、人生経験や自分の中のいい思い出として残しておくことは可能です。時には、理系出身の人同士で話のネタとして盛り上がることもあるでしょう。4年間の努力を捨ててしまうというマイナスな考え方に陥る必要はありません。

理系としての経験をより活かせる

理系ならではの論理的な思考力や数字への強みは、文系職の中でも活かすことができます。例えば、営業職の場合、取引先に対して具体的な数値を使って説明できるのは大きな強みになります。

理系として培ってきた知識や経験を活かせる機会として、文系就職も一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

理系学生が文系就職する際のメリットとは

理系学生の文系就職は、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、文系就職する際のメリットについて見て行きます。

文系就職に興味があっても、迷っていて決めきれないという理系の方は、ぜひ参考にしてみてください。

論理的思考力が身につけられている

「論理的思考力」とは、物事を結論と根拠に分けて矛盾や飛躍がない筋道を立てる力です。

この考え方は、社会人にとって大切なスキルの一つと言えるでしょう。例えば、問題解決やプレゼンテーションにおいて論理的思考力が働かせられれば、相手に納得してもらえる説明ができます。

理系学生の場合、在学中の実験や専門的な勉強で論理的思考力が身についていることが多いため、文系職においても活用することが可能です。

専門性を活かせるケースもある

文系就職でも、自身の専門性を活かせるケースもあります。

営業職なら、専攻分野に関わりの深い製品であれば、より詳しく製品を紹介できるため、取引先から専門的な質問をされた時もうまく対応できるでしょう。

さらに、マーケティング職など、情報分析やビッグデータの活用が必要な職種もあり、こちらも専門性を活かせます。

他の就活生との差別化につながる

文系就職の場合、他の就活生はほとんど文系の学生です。理系であるという時点で他の就活生との差別化ができており、採用担当の印象に残るため有利になると言えるでしょう。

選考で文系就職を選んだ理由や、理系ならではの自分の強みをしっかりアピールすることで、好評価を得られます。

理系学生が文系就職する際のデメリットとは

理系学生が文系就職する際のメリットについて紹介してきましたが、デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

ここからは、文系就職の際に考えられるデメリットについて紹介するため、慎重に就職活動を進めて行きたい方はぜひチェックしてみてください。

専門性を直接活かせないケースもある

メリットにおいて、文系職でも専門性を活かせるケースがあるのは前述の通りです。しかし、企業や業界・職種によっては、大学で得た専門性を直接活かせないケースも存在します。

文系就職でも専門性を活かして働きたいという思いがある場合は、企業研究に力を入れ、入社後に感じるギャップが少なくなるように対策しておきましょう。

文系就職する理由を明確にしないと不利になる

理系学生の場合、あえて文系就職を選ぶ理由が説明できなければ、採用担当者にマイナスな印象を与えてしまう場合があります。

面接では、必ずと言っていいほど文系就職する理由を深掘りされるでしょう。

その際は、文系就職を選ぶ理由をしっかりと説明した上で、文系職でも活かせる論理的思考力や数値処理の強みについてアピールすると良いでしょう。

文系就職の情報が入ってきづらい

文系就職をする人は理系学生の中では少数派です。そのため、説明会やエントリーなどの情報が入ってきづらいというデメリットがあります。

学生課を利用したり、文系の友人に文系就職のことを相談したりなど、情報が入ってきやすい体制を整えましょう。

就活に割ける時間が少ない

一般的に、理系学生は3年〜4年次になると研究が忙しくなる傾向にあります。一方、同じ時期の文系学生には、就職活動の準備のためにインターンに参加したり、イベントに参加したりする時間があるという点で大きく異なります。

そのため、理系学生は準備の段階で時間が足りず、文系学生に比べて不利になってしまうという点がデメリットとなるでしょう。

また、就職活動が解禁された後でも、ゼミや論文の提出があり時間の確保が難しい場合もあります。

理系学生が文系就職を目指すためには、自分が就職活動に充てられる時間をあらかじめ把握し、無理のないスケジュールを組み立てることが大切と言えるでしょう。

社会経験が不足している

文系学生の中には、アルバイトやインターン、学生団体などに参加して社会経験を積んでいる人が多く見られます。

しかし、理系学生の場合は、研究や論文提出など、課外活動に時間を割くのが難しい場合が多いのではないでしょうか。

そのため、社会経験が不足していてビジネスモデルへの理解が乏しかったり、「学生時代に力を入れたこと」のエピソードが少なかったりするというデメリットも存在します。

しかし、「学生時代に力を入れたこと」として研究内容に言及することも可能です。文系学生が課外活動において得たものを話すのと同じように、実験や研究において得られた知見や能力を伝えることで、自身の強みをアピールしましょう。

理系学生の文系就職の壁とは

ここからは、選考が進むにつれて現れる「理系学生の文系就職の壁」について見て行きましょう。

少数派である理系の文系就職に壁はつきものです。どう乗り越えるべきか迷った際は、ぜひ参考にしてみてください。

研究内容がPRポイントにならない

文系職では専門性を必要としていないケースが多く、その場合、研究内容そのものはPRポイントになりません。理系就職では評価される研究成果や論文の実績でも、文系就職では役立てられないことを理解しておきましょう。

また、文系就職の場合、聞き手となる採用担当者が文系出身の場合もあるでしょう。そのため、わかりやすく研究内容を説明し、自分がどのくらい努力して何を得たのかを伝える必要があります。

専門性を活かせない

理系学生が学生時代に培った専門性は、あくまでも理系に特化したものです。そのため、文系就職の就職活動では活かせないことの方が多いでしょう。

理系就職の場合、就職希望先をメーカーに絞り、「化学系であれば繊維や化粧品系」「電気系であれば電子機器メーカー」といったように、専攻に合わせて企業を探すことが可能です。

しかし、文系就職の場合、自分の専攻を軸に業界や企業を選ぶことは難しいため、自由に選べる反面、軸を決めづらいということが起こります。

採用担当者に志望動機をはっきり伝えるため、自分の軸を定めて選考に挑むようにしましょう。

技術者に戻るのは難しい

一度文系就職してしまうと、技術者としてのキャリアを積むことができないため、技術者に戻るのは困難です。

その理由の一つとして、「一度離れてしまうと技術の進歩に追いつけなくなってしまう」ということが挙げられます。

技術者としてのキャリアを捨てて文系就職することに後悔はないか、よく考えてから選考に進むことをおすすめします。

理系学生が文系就職する際のポイント

ここからは、理系学生が文系就職する際のポイントについてお伝えします。ポイントを押さえることで選考も進めやすくなるでしょう。

すでに文系就職をすることを決めた人も参考にしてみてください。

文系就職する理由の明確化

理系学生が文系就職する際は、「理系でありながら、なぜ専門性を活かしにくい業界を選んだのか」について、明確に説明する必要があります。

理系で文系就職を選ぶ人は少数派のため、気になって質問する面接官は多いでしょう。どのような理由であっても、面接官を納得させられる内容であれば問題ありません。

ただし、理系就職が嫌だから、研究から離れたいからなど、ネガティブな理由は避けましょう。論理的思考力やデータ分析など、文系職でも通用する能力をアピールすることをおすすめします。

文系就職する仲間を見つける

有利に就職活動を進めるためには、仲間を見つけるのも一つの方法です。周りに文系就職する友人がいない場合は、インターンシップや説明会など就活生同士が交流できるイベントに参加することで、就活仲間を作れます。

文系学生には、OB・OG訪問など、文系就職に関する情報を得る機会がたくさんあります。その情報を共有してもらう環境を作り、就職活動を進めやすくしていきましょう。

研究内容を分かりやすく伝える

理系学生が文系就職する場合、面接で研究内容について聞かれることがあります。この質問は、純粋に研究内容について聞かれているのではなく、専門的な内容を分かりやすく伝えられるかどうかをチェックしたいという意図があります。

社会人にとって、相手に合わせて分かりやすく伝えられるスキルは、どんな業界や職種であっても必要なものです。あらかじめ話す内容をまとめ、友人や家族に聞いてもらうことで対策しましょう。

理系学生の文系就職におすすめの業界

理系学生が文系就職する際、どんな業界が合っているのでしょうか。ここでは、理系学生の文系就職におすすめの業界を紹介します。

就職活動にあたって視野を広げたい方、志望する業界が絞れず悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。

金融業界

金融業界は、「銀行」「証券会社」「保険会社」などの企業が含まれる、代表的な文系業界です。金融業界の仕事は数値に関わるものが多く、取引履歴などビッグデータを活用した業務もあるため、理系学生が持つスキルを活かしやすいと言えるでしょう。

特に、資産運用を代行するアセットマネジメント系の職種では、数値処理能力が必要になるため、理系出身者が多く活躍しています。

その他、保険商品を開発するアクチュアリーなど、金融業界には理系出身者に適した職種がいくつかあるため、調べてみることをおすすめします。

メーカー

理系学生は、メーカーで技術営業や企画職、セールスエンジニアとして活躍することが可能です。自身の専攻していた分野に関係する製品を扱うメーカーであれば、学生時代に得た知識を活かして働けるでしょう。

また、専攻と違う分野のメーカーであっても、理系学生は専門性の高い知識を扱えるという強みがあります。そのため、商談やプレゼンで活躍できる人材として評価されることが期待できるでしょう。

医療・医薬品業界

医療・医薬品業界の文系職で活躍する理系出身者もいます。製薬会社の営業職であるMR(医薬情報担当者)はその一例で、薬学部や生物、化学系の学部出身者が多く活躍しています。

MRの仕事では、医療機関や薬局に対して自社の医薬品を選んでもらうため、品質や安全性などの情報を扱う必要があるでしょう。

そのため、理系出身者で医療系の分野を学んでいた人であれば、入社前から専門知識を持っているため、活躍しやすい職種と言えるでしょう。

IT業界

IT業界も、理系学生の文系就職におすすめの業界の一つです。IT業界には多くの職種が存在しますが、どの職種でも数値を扱うことが多い業界のため、理系出身者との親和性は高いと言えます。

プログラミングに詳しい人であれば、その専門性を活かして技術者として働くことや、営業職としてその仕組みを相手に伝える役割を担うことも可能です。

IoTやAIなど、今後需要が高まるものに詳しい人や、興味がある人におすすめの業界です。

コンサルティング業界

コンサルティング業界でコンサルタントとして働くのも、理系学生におすすめの文系職です。コンサルタントの仕事では、顧客の問題解決策を導き出すことがゴールになります。

顧客の現状を分析した上で課題を洗い出す必要があるため、論理的思考力が必要です。

理系学生には、もともとこのような考え方が備わっているため、コンサルタントとして活躍しやすいと言えるでしょう。

文系就職を後悔しないように取り組もう

理系学生の文系就職について、さまざまなポイントから解説しました。理系学生が文系就職する場合に不利に働くケースは少なく、有利に就職活動を進めることが可能です。

しかし、デメリットで紹介したように、文系就職を選んだ理由をうまく伝えられなければ、採用担当にマイナスな印象を与えてしまう場合もあるため注意しましょう。

理系学生で就職先に悩んでいる方は、後悔しないよう、ぜひ文系就職も視野に入れて、自分の進みたい道を探してみてください。

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