IT業界のエンジニアはきつい?きついと言われる理由と向いている人について

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

IT業界への就職に興味があるが、「ITエンジニアはきつい」と言われているから迷ってしまうという人もいるでしょう。

しかし、IT業界のエンジニアがなぜきついのかということはよくわからないものです。

そこで今回は、なぜIT業界のエンジニアがきついと言われているのかということについて詳しく紹介します。

同時に、IT業界に向いている人や魅力についても紹介しますので、 ぜひ最後までご覧ください。

【IT業界はきつい】ITエンジニアはきついのか

結論から紹介しますと、ITエンジニアはきついし大変です。

リモートワークかつ高収入で仕事をしているように思われますが、場所によっては休みや給料が少ないこともあります。

特に、未経験からIT業界に就職されますと、周りのエンジニアについていけないようなことも起こります。

しかし、IT業界はきついことだけではなく、魅力やメリットも多いです。

そのため、しっかりと業界の特徴や働き方を知ることで、新卒でも失敗しないIT就職をすることができます。

【IT業界はきつい】何がきついのか

それでは、IT業界がきつい理由は何かということですが、大きく2つに分かれます。

未経験だからこそ感じる負担と、IT業界全体で見た問題点です。

特に、これから新卒でIT業界への就職を目指す人は、自分がIT業界に向いてるのかをよく考える必要があります。

メリット・デメリットを把握したうえで、就職先をどうするのかを決めるようにしましょう。

未経験者の場合

まずは、未経験者の場合です。

未経験者がIT業界に就職してきついと感じる理由は、「労働時間と勉強時間」「向き不向き」にあります。

そのため、IT業界への就職を目指す際は、新卒の労働時間や勉強時間について調べておくと良いです。

また、向き不向きについても友人に相談したり、性格診断を利用するのも良いでしょう。

労働時間と勉強時間

ITエンジニアになりますと、最初は特に覚えることがたくさんありますので、勉強時間が必要になります。

特に未経験からの就職ですと、周りのエンジニアについていけず、仕事が時間内に終わらないということもあります。

もちろん、研修によってプログラミングやITエンジニアとしての基礎を身に付けることはできます。

しかし、ある程度できる前提の研修ですと、結局カリキュラムについていくだけで精いっぱいとなります。

知識を蓄えるために業務外で勉強したり残業をすることになりますと、せっかくIT業界へ就職してもきついと感じます。

そのため、完全に未経験からのIT就職ですと、本当に業務内容についていけるのかを考えておく必要があります。

向き不向きがある

次に向き不向きの問題です。

たとえば、ITエンジニアになりますと、1日中座ってデスクワークをするというのはよくあります。

一見楽そうに思えますが、毎日パソコンを見続けるというのは、人によっては合わない人も出てくるでしょう。

また、リモートワークも理想的に感じるかもしれませんが、人と全く合わないというのは苦痛なものです。

人と話すのは得意でも、テキストによるコミュニケーションが苦手ということもあります。

特に、細かい作業が苦手な人や、自分で問題を考えるのが苦手な人は向いていない可能性が高いです。

論理的に物事を考えるのが苦手であったり、細々とした作業が苦手ですと、つらいと感じることも出てきます。

学校の数学でも向き不向きがあり、勉強してもうまくいかない人もいれば、すぐにできるようになる人もいます。

どのような仕事にも向き不向きは必ずあり、向いていない仕事を続けるのは、誰でも辛いものです。

IT業界が自分に合っているのかはよく考えるようにしましょう。

全体で見た場合

次に、IT業界全体で見た場合の問題点についてです。

就職先の場所や業態で問題となることも変わりますが、特に気にするべき点について、6つ紹介します。

IT業界への就職を考える以上、頭に入れておいて損することはありません。

就職してからでは遅いので、どのようなことに注意すべきかを確認していきましょう。

人手不足

まずは人手不足が挙げられます。

最近はIT業界が人気ですので人が多いように感じるかもしれませんが、実際は大変な人手不足が起きています。

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査 調査報告書」によると、IT人材不足は年々増加すると予測されています。

2030年には最大で約79万人の不足が見込まれており、 最低でも約16万人もの不足が考えられています。

IT業界全体の人手不足が生じるということは、1つの会社に焦点を当てても同じことが言えます。

つまり、1人あたりの業務量が多くなり、結果的に残業や休日の減少に繋がります。

その分給料が上がることは考えられますが、業務外での仕事や期日が迫った仕事はつらいと感じる原因となるでしょう。

収入が低い

収入が低くなる可能性があることも問題の1つです。

IT業界と聞くと収入が高いことをイメージするかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

まず、年功序列の問題があります。

日本にはまだまだ年功序列の会社が多いため、スキルがあっても収入が増えないということがあります。

また、業界の構造的な問題もあります。

IT業界の特徴として、1つの案件を元請けから下請けへ、下請けからさらに下へと流れていきます。

案件を発注するような企業や、元請けの企業なら良いですが、下請けになりますと案件費が徐々に下がっていきます。

会社としての利益が少なくなるということは、それだけ従業員に支払われる給料も少なくなるということです。

そのため、同じIT業界に勤めているのに、勤め先の立場によって収入に大きな影響を及ぼすことが考えられます。

技術差がある

案件の質の問題で、会社が扱っている案件によって取り組むことが変わるため、技術がつく人もいれば、そうでない人もいます。

例えば、下請けの案件になりますと、仕事内容がバグの修正や点検など、誰でもできるような内容となることがあります。

また、仕事内容が限られえていたりと、いつまで経っても仕事の全体像が見えてこないことも考えられるでしょう。

環境の影響で、頑張って努力しているのに、一向に給料やスキルが上がらないという悪循環に陥ることは良くあります。

自分のやりたい仕事はできず、雑務や点検のような仕事ばかりで評価されないと、仕事がつらいと感じても不思議ではありません。

常駐先

ITエンジニアで想像するのが、自社でのアプリ開発ということは良くありますが、決して自社開発だけではありません。

まず、IT業界には自社開発・受託開発・常駐(SES)という3つのケースに分かれています。

常駐の場合ですと、常駐先によってはブラックということもあり、想像していたような環境ではないことが考えられます。

また、派遣社員のように扱われたりと、待遇面でも不満が生じることもあるでしょう。

一方で、常駐ですと様々な案件に携わることができ、大変ではありますが、その分成長スピードが速くなるということがあります。

つまり、自社開発・受託開発・常駐という大きな括りで判断するのは良くありません。

それぞれに長所や短所がありますので、自分の優先順位と照らし合わせながら、企業単位で判断していきましょう。

勉強

IT業界の特徴として、成長スピードが速く、変化が激しいです。

数年前に主流だった技術やテクニックが全く使えなくなるということは珍しくなく、常に知識のアップデートが求められます。

つまり、IT業界の成長に合わせて、個人でも勉強し知識を身に付けていく必要があるということです。

勉強会に参加したり、業種問わず、積極的に交流することも必要になるでしょう。

一通りできるようになったからと油断していると、全く役に立たない存在になります。

常に勉強するのが苦手な人にとっては、IT業界は辛いと感じる可能性があります。

年齢

最後は年齢による問題です。

新卒で入社したような若い時は全く問題ありませんが、30代、40代となりますと、注意力や判断力が鈍るものです。

最初はスキルだけで成果を挙げることもできますが、次第にディレクションやマネジメントの領域に進まなければいけません。

いつまでもスキルだけで仕事をすることはできませんので、年を取っているとIT業界が辛いと感じることもあるでしょう。

つまり、新卒のような若い人でも、年を重ねた時にどうなるのかということは考えておくべき内容です。

【IT業界はきつい】IT業界に向いている人

それでは、IT業界に向いているのはどのような人でしょうか。

ITエンジニアから想像されるのは、数学や論理的思考力ですが、それだけではありません。

思考力は学びながらでも身に付けることができますが、性格的に合わないということもあるでしょう。

そのため、ここでは性格的な部分に焦点を当てたうえで、3つに絞って紹介します。

勤勉な人

まずは勤勉な人です。

プログラミングをしたり、論理的に考える以上、才能がある方が有利になることはあります。

しかし、それ以上に重要なのは勤勉に学び、新しい技術を習得できるかということです。

先ほども紹介した通り、IT業界は変化が激しく、新しい技術やノウハウが次々に出てきます。

そのため、IT業界で働く人は積極的に勉強し、変化する技術に対応する能力が求められます。

また、能力が多少低くても、勤勉に学ぶことができれば結果を出すこともできます。

IT業界に求められているのは、現時点でのスキルはもちろん、勤勉に学ぶ人かどうかということです。

学生時代に勤勉に学ぶことができていたという人は、IT業界に入っても優秀な成績を収められる可能性が高いです。

継続力がある人

継続力も必須というべき能力です。

未経験からのIT就職に不安な人も多いですが、継続して勉強することができれば問題ありません。

IT業界は専門性が高いスキルを扱うことが多いので、すぐにスキルを身に付けることは難しいです。

数か月必死に頑張ったのに、なかなか成果に結びつかず、自信がなくなるようなこともあるでしょう。

しかし、継続力があり、地道に努力することができれば、結果として希少性の高いスキルの獲得や大きな成果に結びつきます。

どれだけ優秀な人であれ、最初は誰もが苦戦するものです。

学校の受験や部活でも、最後まで継続して努力できた人が大きな結果を出せます。

受験でも、部活でも、これまでに人一倍継続した経験がある人は、IT業界に向いている可能性があります。

心配性な人

最後は心配性な人です。

プログラミングは、ちょっとした1つのミスのせいで、大きな問題に発展します。

そのため、大丈夫かなと1つ1つ丁寧に確認できる心配性な人は向いている可能性があります。

しかし、あまりにも心配性ですと、作業が遅く時間がかかり過ぎるという問題が起きます。

肝心なのは適度に注意を払うことですので、間違えないようにしましょう。

【IT業界はきつい】IT業界に必要なスキルは何か

それでは、IT業界に必要なスキルは何でしょうか。

新卒として入社する場合、いきなり実践的なスキルは求められないこともありますが、概要を理解しておくべきです。

IT業界へ入社したら必要となることですので、どのようなスキルが必要なのかを確認していきましょう。

IT業界に必要なスキルはたくさんありますが、ここでは3つに厳選してご紹介します。

ITの基礎知識

まずはITの基礎知識です。

ITに関する専門的な知識は仕事の中でしか身に付けられないものもありますが、基本的なことであれば独学でも可能です。

ITを学べるスクールや講座を利用してみるのも良いですし、資格に挑戦してみるのも良いでしょう。

IT系の資格で特におすすめなのが、ITパスポートです。

ITパスポートは国家資格であり、資格を取得することで、ITに関する基礎的な知識があることを証明できます。

仮にIT業界に就職しなかったとしても役に立つことがありますので、学生の間に取っておくと良いでしょう。

コミュニケーション能力

次に必要なスキルはコミュニケーション能力です。

ITエンジニアはコミュニケーション能力が必要ないように思われがちですが、そのようなことはありません。

会社で仕事をする以上、自社でも常駐でも複数人で仕事をするのが基本となります。

周りの人たちと協力しながら開発しますので、仕事の進捗の確認など、最低限のコミュニケーションは取れるようにしておきましょう。

マネジメント能力

最後はマネジメント能力です。

いきなりマネジメント能力が問われることは少ないですが、少しずつ身に付けていくべき能力です。

特に業界歴が長くなりますと、必然的にマネジメントするべき立場になりますが、その時に能力がなければ力を発揮できません。

マネジメントの能力があればその分チャンスを得ることができますので、最初は数人でも良いので経験を積むと良いでしょう。

【IT業界はきつい】IT企業の選び方

IT業界への就職を目指す際、就職先の企業の選び方が重要になります。

適当に就職先を決めてしまうと、こんなはずじゃなかったと後悔する可能性が高まります。

新卒の選択は後のキャリアにも影響を及ぼしますので、本当に自分に合っているのかなど、よく考えて選ぶ必要があります。

就職先を間違えてしまうときつい環境で働くことになりますので、IT業界の選び方について3つにまとめて紹介します。

スキルがつくか

1つ目はスキルがつくかどうかです。

同じIT業界でも、仕事内容から働き方、人間関係などすべて異なります。

その中で、どのような仕事に携われるのか、自分の理想的な仕事ができるのかは気にする必要があります。

大きな案件や責任のある仕事に携わらせてもらえないと、いつまで経っても成長することができません。

成長できる仕事は大変なこともありますが、その分自分のできることが増えますし、自信にも繋がります。

本当に役に立つスキルが身につくのか、市場価値の高いスキルなのかを調べるようにしましょう。

評価制度

次に評価制度です。

年功序列が当たり前の企業や、不適切な評価をする企業ですと、自分の頑張りや努力が評価されないことがあります。

本当は能力やスキルがあるのに評価されなかったり、注意されるような環境ですと、せっかくのスキルが台無しです。

しっかりと自分の成果や努力、仕事に対する取り組み方などを評価してくれる環境に行くようにしましょう。

人数だけではない

人数だけではない、つまり、会社の認知度や規模だけで判断するのは危険です。

大きく有名な会社ですと、福利厚生や教育制度が整っていることが多いでしょう。

しかし、小さくて人数が少ない会社だから良くないということはありません。

人数が少なくても、1つのプロジェクトをまとめて担当できることもありますし、より上流の仕事ができることもあります。

質の高い仕事に携わることができれば、その分成長し、最終的なスキルアップや給料アップの恩恵を受けられます。

【IT業界はきつい】IT業界に文系未経験はいけるか

IT業界に文系未経験で就職しようとしている人もいるでしょう。

文系でITの経験がないと就職が難しいのは確かですが、必ずしも無理ではありません。

文系の方でITエンジニアになる人はいますし、IT業界に関係のない仕事からIT業界に転職する人もいます。

つまり、文系だからとか未経験だからという理由だけでIT業界を諦めてしまうと、その瞬間自分の可能性を無くすことになります。

文系でも未経験でもITエンジニアになることはできますので、まずは行動し、チャレンジしてみると良いでしょう。

勉強は必須

ただし、勉強することは必須です。

経験がなく、勉強もしないとなると、誰も雇いたいとは思わないでしょう。

文系でも、未経験でも、能力がなくても成長する可能性はありますが、勉強しなければ成長しません。

文系なら、未経験なら、なおさら勉強するべきです。

プログラミングの勉強は独学だけでなく、講座やスクールもあるわけですので、できる限りの勉強はしましょう。

また、勉強して経験することで本当に自分がITエンジニアに向いているのかを知ることができます。

勉強し、成長することを大切にしましょう。

【IT業界はきつい】IT業界の魅力は何か

それでは、IT業界へ就職する魅力は何でしょうか。

文系や未経験の状態からでもITエンジニアを目指す理由はどこにあるのでしょうか。

IT業界はきついと言われることもありますが、それを上回るほどの魅力があるのも事実です。

ここでは、IT業界の魅力やポイントについて4つ紹介します。

将来性がある

1つ目は、何と言っても将来性があることです。

最近は、私たちの身近なものでもIT化が次々に起きています。

少し前までは手動で行っていたレジが無人になり、会員登録はQRコード、現金はキャッシュレス化になっています。

つまり、どのような仕事や業界でもITとの関連性はあり、逆に関連性のない仕事はなくなっていきます。

ITは私たちの生活には不可欠なものであり、IT化は今後ますます加速しますので、それに伴い需要も拡大していきます。

将来性のある仕事に就くというのは、キャリア選択において優先すべき条件でしょう。

働き方

次は働き方です。

ITエンジニアになりますと、働き方の自由度が増します。

最初からフルリモートは難しいですが、数年の実務経験を積めばリモートワークもしやすくなります。

独立してフリーランスエンジニアとして働くこともできますし、カフェでゆったりと働くのも現実的です。

IT系の職業以外ですと、リモートワークというのはどうしても難しいですが、IT業界ならよくあることです。

働き方の自由度が高く、ワークライフバランスを保ちやすいこともIT業界の魅力です。

キャリア

次はキャリアについてです。

IT業界でスキルを身に付けますと、様々なキャリア選択ができるようになります。

マネジメントのスキルを身に付けてプログラムマネージャーとして全体を統括することもできます。

また、エンジニアとしてのプロフェッショナルを目指すのも良いでしょう。

その他にも、起業・独立・副業などIT業界以外では難しい選択肢も視野に入れることができます。

価値があり、市場価値の高いスキルを身に付けるからこそ、キャリアに幅ができるのはITエンジニアの大きな魅力です。

手に職

最後は手に職を付けられることです。

今の時期、1つの会社に依存しすぎますと、万が一倒産したり会社を辞めなければいけない時に困ってしまいます。

しかし、ITエンジニアのような手に職を付けられる仕事ですと、もしものときに対応しやすくなります。

他の企業への転職も容易になりますし、副業で収入をアップさせることもできます。

このようなことができるのは、スキルを身に付けて手に職を持っている人だけとなります。

手に職があることで安定的に働くことができ、お金に困らない生活に繋がります。

まとめ

IT業界はきついこともありますし、エンジニアになったとしても思うような仕事ができないこともあります。

しかし、IT業界への強い意志があったり、しっかりと努力できる人なら理想的な働き方や生活ができるようになるでしょう。

IT業界は将来性があり、収入面でも待遇面でも魅力的なことがたくさんあります。

絶対にうまくいくということはありませんが、継続して粘り強く学ぶことができれば、きっと良い選択になるはずです。

数年後に後悔しないためにも、覚悟を持ってチャレンジしてみましょう。

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