HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
「身近な何かを変えたエピソード」は、就職活動において重要な質問の一つです。
企業がこのエピソードを聞く意図は、主体性や行動力、周囲への影響力を知るためです。
しかし、どんなエピソードを選び、どのように書くべきか迷うことも多いでしょう。
そこで本記事では、「身近な何かを変えたエピソード」の違いや構成方法、エピソードの探し方、注意点について徹底解説し、具体的な例文や効果的な書き方のポイントをお伝えします。
【身近な何かを変えたエピソード】ガクチカとの違い
ガクチカでは、主に自身の努力や成長過程が評価されます。
自分がどのように目標を設定し、困難を乗り越え、最終的に何を達成したのかを中心に述べます。
一方、「身近な何かを変えたエピソード」は、自分の行動が周囲や環境に与えた影響が重視されます。
この質問では、他者を巻き込んで課題を解決した経験や環境を改善した取り組みが評価されます。
たとえば、サークル活動で新しい運営方法を提案し、実行した結果、運営が効率化したエピソードは後者に該当します。
両者を区別する際には、自分の行動が「自分自身を変えた」か「周囲や環境を変えた」かという視点で考えることが有効です。
このようにエピソードを整理することで、採用担当者に明確な印象を与えることができます。
【身近な何かを変えたエピソード】企業が聞く意図
企業が「身近な何かを変えたエピソード」を聞く背景には、求める人材像を確認したいという意図があります。
以下では、その具体的な意図を解説します。
主体性や行動力を確認するため
企業は、自ら課題を発見し、主体的に解決に向けて動ける人材を求めています。
「身近な何かを変えたエピソード」を聞くことで、就活生が具体的にどのような問題に気づき、どのような行動を起こしたかを確認したいのです。
たとえば、サークル活動で非効率な運営方法に気づき、タスク分担やスケジュール管理の仕組みを導入して成果を上げた経験などは高く評価されます。
この質問への答えでは、行動に至る経緯、行動の内容、そしてその結果を明確に伝えることが大切です。
企業は、このようなエピソードから、採用後にその人物がどのように組織に貢献できるかをイメージします。
周囲への影響力を図るため
仕事は個人プレーではなく、チームでの協働が求められる場面が多くあります。
そのため、企業は「他者を巻き込む力」や「影響力」を重視しています。
「身近な何かを変えたエピソード」を通じて、就活生が周囲にどのような影響を与えたのか、また、他者の協力をどのように得たのかを知りたいのです。
たとえば、アルバイト先で新人の教育に取り組み、先輩や店長と協力してマニュアルを改善し、チーム全体の業務効率を向上させた経験などは好例です。
この質問では、単なる成果だけでなく、他者との関わり方や周囲の反応を具体的に述べることが重要です。
これにより、就活生の影響力やチームへの貢献度をアピールすることができます。
【身近な何かを変えたエピソード】エピソードの探し方
エピソードを見つけるための具体的な手順を以下で解説します。
これに従えば、印象的なエピソードをスムーズに見つけることができるので、是非参考にしてみてください。
STEP1:テーマを絞る
まず、エピソードを探すためにはテーマを決めることが大切です。
テーマには学校生活、アルバイト、サークル活動、趣味、家庭生活などがあります。
たとえば、学校生活をテーマにする場合、ゼミの研究活動やクラスメイトとの協力プロジェクトが考えられます。
アルバイトなら、接客の工夫や業務改善の提案が該当します。
テーマを絞ることで、過去の経験を具体的に思い出しやすくなります。
また、選んだテーマが企業の求める人物像に合致するかを意識することも重要です。
テーマを明確にすることで、エピソード全体の説得力が高まります。
STEP2:身近な問題や課題を思い出す
テーマが決まったら、その中で直面した課題や問題を振り返りましょう。
問題や課題は、エピソードにおいて行動のきっかけとなる重要な要素です。
たとえば、サークル活動で「メンバー間の連絡が滞り、イベント準備が進まない」という課題に気づいた経験や、アルバイト先で「業務手順が分かりにくい」という問題に対処した経験が考えられます。
課題を具体的に思い出すことで、自分の行動やその成果を明確に説明する準備が整います。
また、課題の選び方次第でエピソードの魅力が大きく変わるため、インパクトのある課題を選ぶことが重要です。
STEP3:自分の行動を具体的に思い出す
課題を見つけた後は、それに対して自分がどのような行動を取ったのかを振り返ります。
具体的な行動がエピソードの説得力を高めるため、このステップは非常に重要です。
たとえば、「アルバイト先の接客マニュアルが曖昧だったため、新人スタッフと一緒に分かりやすいマニュアルを作成した」というように、具体的なアクションを詳しく記載します。
この際、どのように問題を解決したか、誰を巻き込んでどのように協力を得たかなど、行動の背景も併せて説明すると効果的です。
STEP4:小さな変化にも目を向ける
大きな成果がなくても、小さな変化を見逃さないことが重要です。
例えば、クラスで話し合いが苦手な同級生に積極的に声をかけ、意見を引き出すことで、チーム全体の雰囲気が改善した経験などでもいいでしょう。
このようなエピソードは、他者を気遣う力や影響力をアピールするのに役立ちます。
さらに、小さな行動が徐々に大きな結果につながるケースも多いため、そのプロセスを具体的に述べることが説得力を高めるポイントです。
STEP5:成果や変化を考える
成果や変化を考えることは、エピソードを印象的に伝えるための鍵です。
例えば、サークル活動での取り組みが参加率向上につながったことや、アルバイト先での提案が売上増加や業務効率化に貢献したことなどがあります。
特に、数値や具体的な成果がある場合は、それを積極的にアピールしましょう。
また成果を整理する際は、自分がどのようにしてその成果を達成したのかを詳細に記載し、それが企業にどのように活かせるのかを述べることが重要です。
STEP6:他人の視点を活用する
自分一人でエピソードを見つけることが難しい場合、他人の視点を活用するのも有効な方法です。
友人や家族、アルバイト先の同僚など、自分の行動をよく知る人に意見を求めてみましょう。
自分では「特別なことではない」と思っていた行動が、他人から見ると「素晴らしい成果」や「印象的な行動」として捉えられる場合があります。
エピソードの整理や内容の肉付けを行う際にも、他者の意見を参考にすることで、より説得力のある自己PRに仕上げることができるのでおすすめです。
【身近な何かを変えたエピソード】エピソードの構成
自己PRやエントリーシートで「身近な何かを変えたエピソード」を書く際には、エピソードの構成をしっかり整えることが重要です。
具体的にどのような背景があり、どのような行動を取った結果としてどんな変化が生まれたのかを整理することで、採用担当者に分かりやすく伝わる文章を作成することができます。
また、その経験を通じて得られた学びや成長をしっかりと伝えることで、より印象的なエピソードに仕上げることができます。
以下に具体的な構成のポイントを解説します。
エピソードの概要と背景
エピソードを書く際には、まずその概要と背景を説明することが重要です。
読者にとって「なぜその行動を取ったのか」「どのような状況だったのか」が分かるように設定を明確にしましょう。
たとえば、学校の行事で参加者が減少していた問題に対してアプローチしたケースや、アルバイト先で業務効率が悪かった状況などを記載します。
この段階で状況を詳細に描写することで、読者がそのエピソードに入り込みやすくなります。
また、自分がその状況をどのように認識し、何を感じたのかを具体的に述べることで、エピソード全体に一貫性を持たせることができます。
たとえば「文化祭の参加者数が例年の半分以下に落ち込んでいたため、解決策を模索する必要がありました」といった具合です。
自分の具体的な行動
次に、自分が取った具体的な行動を記載します。
行動は、なるべく5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)に基づいて詳しく説明しましょう。
たとえば、「アンケートを実施して参加者が減少した理由を分析した」「新しいプロモーション方法を考案しSNSで発信した」など、自分が率先して行動した内容を具体的に述べると説得力が増します。
また、他者を巻き込んだ場合には、どのように協力を得たのか、どんな役割分担を行ったのかを明記することもポイントです。
たとえば、「メンバーと話し合い、宣伝チームと運営チームに分かれて作業を効率化しました」などの記載が効果的です。
結果・変化
自分の行動がどのような結果や変化をもたらしたのかを具体的に説明します。
結果が目に見える形で表れている場合は、数値や具体的な成果を盛り込むと説得力が高まります。
たとえば、「SNSキャンペーンの効果で、前年の参加者数を20%上回る結果を達成しました」や、「アンケート結果をもとに改善策を実施したことで、お客様からのクレームが50%減少しました」などです。
また、直接的な成果だけでなく、周囲の反応や評価も記載すると、エピソードに厚みが出ます。
「参加者から『来年も参加したい』との声が多く寄せられました」といった具体例を挙げると良いでしょう。
そこで得られた学び
最後に、その経験から得られた学びや、それを今後どのように活かしていきたいかを記載します。
この部分は、単なる振り返りではなく、自己成長や自分の価値観の変化をアピールする場として活用してください。
たとえば、「問題解決には多角的な視点が重要であると学びました。
この経験を活かし、貴社での業務でも柔軟な対応を心がけたいと考えています」といった形で、自分の成長を入社後の活躍に結びつけると説得力が増します。
また、「相手の立場を理解し、意見を反映することの重要性を知りました。これを活かして、より良いチームワークを構築したいです」など、今後のビジョンと絡めて述べることも効果的です。
【身近な何かを変えたエピソード】ESで書く際の注意点
エントリーシートで「身近な何かを変えたエピソード」を記載する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。
この質問では、自分の行動力や影響力が問われるため、単にエピソードを並べるのではなく、選び方や書き方を工夫することで効果的にアピールできます。
以下では、具体的な注意点を解説します。
主体性を示す
「身近な何かを変えたエピソード」を記載する際には、主体性をアピールすることが重要です。
採用担当者は、自発的に問題を発見し、解決に向けて行動を起こせる人物を求めています。
そのため、他人の指示を受けて動いただけのエピソードではなく、自分が気づき、行動した内容を選ぶ必要があります。
たとえば、アルバイト先で業務改善を提案した経験や、サークル活動で企画を一新したエピソードなどいいでしょう。
また、主体性を示す際には、自分の行動の理由や意図を具体的に説明することで説得力が高まります。
「誰かに頼まれたから行動した」のではなく、「自ら問題を見つけ解決に向けて主体的に行動した」という視点を大切にしてください。
嘘を書かない
エピソードの内容に嘘や誇張を含めないことも重要です。
実際には経験していないエピソードや過剰に美化した内容を書くと、面接で深掘りされた際に矛盾が生じ、信頼を損なうリスクがあります。
たとえば「実績を大幅に改善した」と記載した場合、その根拠や具体的な成果を求められることが多いため、実際の事実をもとに書くことが基本です。
特に、採用担当者は多くの応募者を見てきているため、嘘や誇張が見抜かれる可能性が高いです。
そのため、地味なエピソードでも構いませんが、真実に基づいて書き、具体的な数字やエピソードの背景を補足することで、説得力のある自己PRを作成しましょう。
志望企業との関連性を意識する
エピソードを選ぶ際には、志望企業が求める人物像やスキルと関連性がある内容を選ぶことが大切です。
たとえば、チームワークを重視する企業であれば、仲間と協力して問題を解決したエピソードが適しています。
一方で、個人の分析力や行動力を評価する企業であれば、単独で問題解決に挑んだ経験が効果的です。
このように、いくつかの候補から選ぶ際には、企業が重視する能力や価値観を理解した上で、自分のエピソードを関連づけて記載しましょう。
また、企業の求める人物像を調べる際には、企業のウェブサイトや採用ページに掲載されている理念や事例を参考にすると良いです。
このようなアプローチを取ることで、より説得力のある自己PRが完成します。
【身近な何かを変えたエピソード】OK例文
ここからは「身近な何かを変えたエピソードは?」という質問に対する、具体的な回答例文を紹介します。
それぞれ異なる状況や経験に基づいており、自分の経験に当てはめて考えるヒントになるはずなので是非参考にしてみてください。
サークル活動
私は大学のサークルで運営責任者を務めた際、活動が単調化し参加者のモチベーションが低下している状況に直面しました。
この問題を解決するため、まずメンバー全員から意見を集め、どのような活動を望んでいるのかを把握しました。
その結果、新しい企画の必要性が浮き彫りになったため、全員が積極的に参加できるイベントを提案しました。
具体的には、テーマに沿ったワークショップや交流を深めるコンテストなどを導入しました。
その際、役割分担を明確化し、進捗状況を定期的に確認する体制を整えることで、スムーズな準備を進めました。
その結果、イベント当日は多くのメンバーが楽しみながら活動に取り組み、参加率も大幅に向上しました。
この経験を通じて、問題を解決するためには現状を分析し、適切な行動を取ることの重要性を学びました。
入社後も、この経験を活かして組織の課題解決に貢献したいと考えています。
アルバイト
私は大学時代、飲食店でホールスタッフとして働いていました。
その際、お客様からの注文ミスが頻発し、クレームが増えている状況に気付きました。
原因を探るため、他のスタッフと意見交換を行い、注文伝票の記載方法に問題があることを突き止めました。
そこで、私は注文時に確認を徹底する新しいルールを提案し、伝票の記載フォーマットも改良しました。
また、全員が統一した方法で接客できるよう、新人スタッフ向けの簡単なマニュアルを作成しました。
その結果、ミスが減少し、お客様からのクレームもほとんどなくなり、さらに、常連のお客様から「ここは安心して食事ができる」との声をいただけるようになりました。
この経験を通じて、問題解決には協力と工夫が不可欠であると学びました。
今後は、この経験を活かして顧客満足度の向上に貢献していきたいです。
部活動
私は高校時代、バレーボール部のキャプテンを務めていました。
当時、チーム内で意見の対立があり、練習の進行がスムーズにいかないという問題が発生していました。
この状況を打破するため、まずメンバー全員の意見をじっくり聞き、共通の目標を再設定しました。
その上で、練習メニューを改善し、全員が納得できる形で進行できる体制を整えました。
たとえば、技術練習とチームプレイをバランスよく組み合わせたスケジュールを作成しました。
さらに、対話を重視し、意見交換の場を定期的に設けることで、チーム内の雰囲気を改善しました。
その結果、大会では見事に優勝することができ、チーム全体で喜びを分かち合うことができました。
この経験から、リーダーシップにおいては対話と調整が重要であると実感しました。
貴社でも、こうしたスキルを活かしてチームの成長に貢献したいと考えています。
ボランティア活動
大学時代、私は地域の清掃活動を主催するボランティア団体に所属していました。
ある時、参加者が減少していることに気付き、活動内容の見直しが必要だと感じました。
そこで、私は新しい試みとして「楽しみながら清掃活動ができるイベント」を企画しました。
具体的には、活動後に簡単な交流会を設け、参加者同士が親睦を深められるようにしました。
また、SNSを活用してイベントの魅力を発信し、新しい参加者を募る取り組みを行いました。
その結果、参加者が大幅に増加し、地域住民からも「地域全体が明るくなった」と感謝の声をいただくことができました。
この経験を通じて、周囲の協力を得るためには、自ら行動を起こすことの大切さを学びました。
入社後も、この行動力を発揮し、組織や社会に貢献していきたいと考えています。
長期インターンシップ
大学3年生の時、私は長期インターンシップでマーケティング業務を担当しました。
最初の頃、クライアント向けの資料作成において、デザインが不統一で分かりにくいというフィードバックを受けました。
この課題を解決するため、私は社内でデザインの統一基準を作成することを提案しました。
さらに、他部署とも連携し、効率的に資料を作成できるテンプレートを作成しました。
その際、定期的なミーティングを実施し、進捗を共有しながら改善案を反映させていきました。
その結果、資料作成のスピードが向上し、クライアントからの評価も大幅に上がりました。
この経験を通じて、課題解決には協力と行動力が不可欠であることを学びました。
貴社でも、この経験を活かし、業務の効率化と顧客満足度の向上に貢献していきたいと考えています。
まとめ
「身近な何かを変えたエピソード」は、自分の主体性や影響力を具体的にアピールする重要なテーマです。
そもそも「どのエピソードを選べばよいかわからない」と感じた際は、この記事のステップや例文を参考に、自分の経験を整理してみてください。
ポイントは、主体性や行動力を強調し、周囲や環境に与えた影響を明確に示すことです。
さらに、志望する企業の求める人物像に合わせてエピソードを選び、関連性を意識して構成することで、説得力のある文章に仕上がります。