
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
看護学生にとって志望動機は非常に重要です。
しかし、どうやって書けばいいかわからなかったりそもそも自分が書いた志望動機で本当に合格するのか不安な人も多いでしょう。
そんな看護学生に向けて、志望動機の書き方や重要な項目、また例文もいくつか紹介します。
この記事を通して看護学生ならではの志望動機をしっかり書けるようにしましょう。
【看護学生の志望動機】そもそもなぜ重要なのか
看護学生の就職活動において、志望動機は合否を左右することもある重要な要素です。
多くの応募者の中から、採用担当者は「なぜ当院を選んだのか」「ここでどのような看護をしたいのか」という、あなたの熱意や考えを知りたいと考えています。
看護学生の志望動機は、あなたが持つ看護への情熱や価値観、将来性を伝えるための大切な手段です。
また、病院の理念や特徴を理解し、自身がどのように貢献できるかを具体的に示すことで、看護学生として働くうえでのミスマッチを防ぐ意味合いもあります。
【看護学生の志望動機】採用担当者がみているポイント
採用担当者は、志望動機を通して単なるスキルだけでなく、あなたの「本気度」や「看護学生としての人となり」、そして「当院で活躍できるか」を見極めようとしています。
熱意や個性が伝わるかが鍵です。
志望度
「志望度」とは、あなたがどれだけ「この病院で働きたい」と強く思っているか、その熱意の度合いです。
採用担当者は、「数ある病院の中からなぜ当院を選んだのか」を最も知りたがっています。
志望動機の中に病院の理念や特徴、力を入れている看護分野などを具体的に挙げ、自分の学びたいことや将来の目標と結びつけて説明しましょう。
「家から近い」といった理由だけでなく、看護学生だからこそ分かるその病院ならではの魅力に触れることが重要です。
具体的な理由を示すことで、あなたの本気度が伝わり、高く評価されます。
人柄や価値観
看護学生の志望動機においては、あなたの考え方や大切にしていること、つまり「人柄や価値観」を伝えるものでもあります。
看護師は人と深く関わる仕事であり、チーム医療の一員として働くため、協調性や責任感、患者さんに寄り添う姿勢などが求められます。
看護学生時代の経験や実習で感じたこと、困難を乗り越えたエピソードなどを具体的に盛り込み、あなたの誠実さや学び続ける意欲を示しましょう。
あなたがどのような看護観を持ち、仕事に対してどう向き合おうとしているのかが伝わることで、看護師の活躍イメージに繋がります。
マッチしているかどうか
採用担当者は、あなたが病院の理念や方針、求める看護師像に「マッチしているかどうか」を慎重に見ています。
どれほど優秀な看護学生でも、病院の文化や目指す方向性と合わなければ、早期離職に繋がる可能性があるからです。
病院説明会やインターンシップ、ウェブサイトなどで得た情報をもとに、共感する点や自分の強みを活かせる点を具体的に述べましょう。
「貴院の患者さんファーストという理念に共感し、自身のホスピタリティを活かして貢献したい」のように、自分の言葉で具体的に繋げることが大切です。
【看護学生の志望動機】考える前にやるべきこと
説得力のある看護師の志望動機は、しっかりとした準備の上に成り立ちます。
まずは自己分析で自分を知り、経験を棚卸しし、志望先の情報を集めることから始めましょう。
強みや弱点を把握する自己分析
まずは「自己分析」を行い、自分自身の強みや弱点、価値観を客観的に把握することが大切です。
看護師に求められる素質(コミュニケーション能力、責任感、向上心など)と照らし合わせ、自分の得意なこと、苦手なこと、何にやりがいを感じるかを深く掘り下げてみましょう。
弱みは、それをどう克服しようとしているか、成長の意欲とセットで捉えることがポイントです。
これにより、志望動機や面接で「自分はどのような看護師になりたいか」「どう貢献できるか」を具体的に語るための土台ができます。
実習や学校生活を振り返る
自己分析と並行して、これまでの看護学生としての実習や学校生活での経験を具体的に振り返りましょう。
印象に残っている患者さんとの関わり、チームで目標を達成した経験、困難を乗り越えた場面、興味を持った講義や研究などを思い出します。
それぞれの経験から「何を学び、何を感じたか」「なぜそう思ったのか」を深く考えることで、看護学生の価値観や強みの裏付けとなるエピソードが見つかります。
これらの具体的なエピソードは、志望動機に説得力と看護学生らしさをもたらす重要な材料となります。
志望する施設の理解を深める
自分自身と看護学生としての経験理解に加え、志望する病院や施設について深く知る「企業研究(施設研究)」も欠かせません。
その施設の理念や基本方針、看護部の特徴、力を入れている分野、求める人物像などを徹底的に調べましょう。
公式ウェブサイトやパンフレットはもちろん、可能であれば病院説明会やインターンシップに参加し、実際に働く人の話を聞くことも有効です。
施設の特色を理解することで、「なぜここで働きたいのか」という問いに、具体的で熱意ある答えを用意でき、志望動機の説得力が増します。
【看護学生の志望動機】魅力的な構成
読みやすく、熱意が伝わる志望動機には効果的な「型」があります。
まず結論を明確に伝え、具体的な理由や経験で裏付け、最後に入職後の貢献意欲を示す構成が基本です。
結論
志望動機は、まず「結論」から書き始めるのが基本です。
「なぜこの病院(施設)で働きたいのか」という最も伝えたい核心を明確に述べましょう。
結論を最初に示すことで、採用担当者は話の要点をすぐに掴むことができ、内容の理解が深まります。
「貴院の〇〇という理念に共感し、△△の分野で貢献したいと考え志望します」など、施設名と理由を簡潔に示します。
この書き出しが、あなたの熱意と志望度の高さを印象付ける第一歩となります。
理由・エピソード
結論で述べた志望理由について、具体的な「理由」とそれを裏付ける「エピソード」を続けて説明します。
なぜそのように考えるに至ったのか、あなたの経験や価値観を交えて語ることで、志望動機の説得力が増し、あなたの人柄も伝わります。
看護実習での学びや、患者さんとの印象的な関わり、困難を乗り越えた経験などを具体的に記述しましょう。
その経験が、なぜこの病院で働きたいという気持ちに繋がったのか、病院の特徴と関連付けながら説明することが重要です。
将来ビジョン
志望動機の締めくくりとして、入職後に「どのように活躍・貢献したいか」という「将来ビジョン」を述べます。
これにより、採用担当者はあなたが意欲を持って仕事に取り組み、長期的に成長してくれる人材かどうかを判断します。
これまでの経験や自己分析で明確になった自分の強みを活かし、この病院でどのような看護師を目指したいのか、具体的に伝えましょう。
病院の理念や目標達成に、自分がどのように貢献できるかを具体的に示すことで、入職への強い意欲と将来性をアピールできます。
【看護学生の志望動機】避けたほうがいい内容
志望動機で熱意を伝えるためには、避けるべき内容もあります。
福利厚生への過度な言及や、抽象的・汎用的な表現は、かえって意欲を疑われる可能性があるため注意しましょう。
福利厚生について
給与や休日、寮の有無といった福利厚生は、働く上で大切な要素ですが、志望動機の中心に据えるのは避けましょう。
待遇面ばかりを強調すると、「仕事内容や看護そのものよりも、条件面を優先している」という印象を与えかねません。
採用担当者が知りたいのは、あなたの看護に対する熱意や、病院でどのように貢献したいかという意欲です。
福利厚生への関心を示すこと自体が悪いわけではありませんが、志望動機では、仕事への前向きな姿勢や専門職としての目標をアピールすることを優先しましょう。
抽象的な内容
「地域医療に貢献したい」「患者様に寄り添いたい」といった抽象的な言葉だけでは、熱意や個性は伝わりにくいです。
具体的な根拠がないと、ありきたりな印象を与え、本気度が低いと受け取られかねません。
なぜそう思うのか、具体的な経験や学びを交えて説明することが重要です。
例えば「地域医療」なら、「貴院の〇〇な取り組みに、△△の経験を活かして貢献したい」のように具体化しましょう。
どこにでも当てはまる内容ではないか
志望動機を読んだ採用担当者が「これは他の病院にも言えることだな」と感じる内容は、志望度が低いと判断される可能性があります。
病院ならではの特徴に触れていないと、十分な施設研究をしていない、あるいは第一志望ではないのでは?と疑われかねません。
なぜ「この病院」なのか、独自の理念や取り組み、看護方針などを挙げ、自分の経験や考えと結びつけることが重要です。
「ここでしかできないこと」を示すことで、本気度が伝わります。
【看護学生の志望動機】例文5選
ここでは、自己分析や施設理解を反映した志望動機の例文を5パターン紹介します。
構成や表現を参考に、あなた自身の言葉で作成してみましょう。
実際の病院名などは伏せていますが、実際に作成するときは志望先に当てはめて書くことをおすすめします。
①チーム医療についての例文
例文
貴院の多職種連携によるチーム医療に強く惹かれ、志望いたしました。
リハビリ科での実習の際、医師やリハビリスタッフの方々と看護師が密に連携し、患者さん一人ひとりに最適なケアを提供されている姿に感銘を受けました。
情報共有カンファレンスにも参加させていただき、多様な視点から患者さんを理解しようとする姿勢に、理想のチーム医療を見ました。
私も、多様な専門職の方々と積極的にコミュニケーションを取り、互いの専門性を尊重しながら、患者さん中心のケアを実践できる看護師になりたいと考えています。
一日も早く貴院の一員としてチームに貢献し、患者さんの早期回復とQOL向上に尽力したいです。
②高齢者看護についての例文
例文
貴院が注力されている認知症ケアと、地域包括ケアシステムにおける積極的な役割に共感し、志望いたしました。
祖母の介護経験を通して、高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることの難しさと、それを支える看護の重要性を痛感しました。
貴院の認知症サポートチームの活動や、地域の多機関と連携した切れ目のない支援体制について伺い、ここで専門性を深めたいと強く感じています。
高齢者看護の知識と技術を習得し、患者さんとご家族が安心して療養生活を送れるよう、温かい看護を提供できる専門職として成長していきたいです。
③教育制度についての例文
例文
貴院の充実した新人教育プログラムと、段階的なキャリアラダー制度に魅力を感じ、志望いたしました。
説明会で伺った、プリセプターシップ制度による丁寧な指導体制や、院内研修・学会参加支援など、着実に知識・技術を習得し、専門性を高めていける環境に大変惹かれています。
基礎を固めた上で、将来的には緩和ケアの分野にも挑戦したいと考えており、貴院ならば目標を実現できると確信しています。
積極的に学び続け、質の高い看護を提供することで、貴院の医療に貢献したいです。
④社風についての例文
例文
貴院看護部が掲げる「患者さん一人ひとりの背景や価値観を尊重した、個別性のある看護」という理念に深く共感し、志望いたしました。
実習において、病気だけでなく、その方の生活や人生観まで含めて理解しようと努めることの大切さを学びました。
貴院のウェブサイトで、患者さんの意思決定支援やアドバンス・ケア・プランニングに積極的に取り組まれていることを知り、私が目指す看護が実践できる場所だと感じています。
対話力を磨き、患者さんの思いに寄り添いながら、その人らしい生き方を支えられる看護師を目指したいです。
⑤急性期医療についての例文
例文
急性期医療に力を入れ、地域の中核病院として災害拠点病院の役割も担われている貴院で、高度な看護実践能力を身につけたいと考え、志望いたしました。
救急外来での実習を通し、迅速な判断力と的確なアセスメント能力、そして緊迫した状況下での冷静な対応が求められる急性期看護に強い関心を持ちました。
また、近年頻発する自然災害に対し、看護師として貢献したいという思いもあります。
貴院で急性期看護のスキルを磨き、将来的には災害支援ナースとしても活動できる知識と経験を積み、地域住民の安全・安心に貢献したいです。
【看護学生の志望動機】より好印象な志望動機にするために
志望動機が完成したら、提出前にもう一工夫するとより魅力的な志望動機になります。
第三者のチェックや音読を通して推敲することで、より伝わりやすく、好印象な内容に仕上げましょう。
添削してもらう
書き上げた志望動機は、キャリアセンターの職員や先生、先輩など第三者に読んでもらい、客観的な意見をもらうことをお勧めします。
自分では気づきにくい表現の癖、論理の矛盾、誤字脱字などを指摘してもらえるため、内容の質を大きく向上させられます。
意図や熱意が伝わるか、具体的なアドバイスをもらいましょう。
もらった意見を元に推敲を重ねることで、完成度が高まります。
添削についての記事は以下も参考にしてみてください。
声に出して読んでみる
志望動機を書き終えたら、一度、声に出して読んでみることも有効方法です。
黙読しているだけでは気づきにくい、文章のリズムの悪さや読みにくい箇所、不自然な言い回しなどを発見しやすくなります。
また、誤字脱字や接続詞の使い方の誤りなど、細かなミスにも気づきやすくなり、文章全体の完成度を高めるのに役立ちます。
スムーズで自然な流れの文章は、読み手である採用担当者にとっても理解しやすく、丁寧な準備がされているという好印象を与えます。
【看護学生の志望動機】書けたら最終チェック
素晴らしい看護学生の志望動機が完成したら、いよいよ提出です。
その前に、誤字脱字、文字数、内容の正確性について、最後の志望動機念入りチェックを行いましょう。
誤字脱字
どんなに内容が良くても、誤字脱字があると志望動機全体の印象を大きく損ないます。
「注意力が散漫」「仕事も雑そう」といったマイナスイメージを与え、基本的な注意力を疑われかねません。
PCのチェック機能だけでなく、印刷して見直す、時間を置く、可能なら他の人にも読んでもらうなど、複数方法で確認しましょう。
看護学生としてケアレスミスで評価を落とさないよう、提出直前の確認は念入りに行いましょう。
文字数調整
志望動機には文字数制限がある場合がほとんどです。
指定文字数を守ることは、指示理解力を示す基本です。
大幅な超過はルール違反、極端な不足は意欲不足と見なされかねません。
指定範囲(通常8割以上)を目安に調整しましょう。
志望動機の文字数が足りなければ看護学生のエピソードや将来展望を具体化し、多すぎる場合は冗長な表現や重複を削り、最も伝えたい要点に絞るなどして調整しましょう。
虚偽がないか
看護学生の志望動機の内容に、事実と異なることや、過度な脚色、つまり「虚偽」があっては絶対にいけません。
面接で深掘りされた際に矛盾が生じたり、後々発覚したりすれば、信頼を失い、内定取り消し等に繋がる可能性もあります。
自分を良く見せたい気持ちは分かりますが、等身大の自分で正直にアピールすることが何よりも大切です。
看護師は命に関わる責任ある仕事です。
誠実さと信頼性が基本であることを忘れずに、正直に作成しましょう。
まとめ
看護学生の志望動機はいかがでしたか。
構成やポイントを中心に例文も紹介しました。
就職活動を進めるうえで必要不可欠な志望動機。
より魅力的な志望動機を作成して選考に通過していきましょう。
就活コンサルタント木下より
あなたの個性と熱意を伝え、他の看護学生との違いを示す絶好の機会と捉え、しっかりと準備しましょう。