【新卒向け】面接での敬語の使い方はこれで確認!よくあるミスからポイントまで徹底解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

「敬語って普段あまり使わないから、面接で正しく使えるか不安だな…」そんな悩みを抱える就活生の皆さん。

この記事では、面接における敬語の重要性から、具体的な使い方、よくある間違いまで、あなたの疑問や不安を解消するために、網羅的に解説していきます。

面接は、あなたの第一印象を決定づける大切な場。

正しい敬語は、あなたの知性や誠実さを伝え、面接官に好印象を与えるための強力な武器になります。

この記事を読めば、面接での敬語の基本はもちろん、一歩進んだ言葉遣いまで理解でき、自信を持って面接に臨めるようになるはずです。

【面接敬語】「敬語」は面接における欠かせないマナー

なぜ面接で敬語がそれほど重要なのでしょうか。

それは、敬語が相手への敬意を示すコミュニケーションの基本であり、社会人としての常識と見なされるからです。

特に新卒採用の面接では、学生が社会に出る準備ができているか、ビジネスマナーをどの程度理解しているかという点も評価の対象となります。

正しい敬語を使うことで、面接官に「この学生はTPOをわきまえられる、しっかりとした人物だ」という良い印象を与えられます。

逆に、不適切な言葉遣いは、意図せずとも「配慮が足りない」「常識がない」といったマイナスな印象を与えかねません。

【面接敬語】敬語の三つの種類を抑えよう

敬語には大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の三種類があります。

これらの違いをしっかり理解し、使い分けることが、正しい敬語への第一歩です。

それぞれの敬語が「誰の行為」に対して使われるのかを意識すると、より分かりやすくなります。

尊敬語

尊敬語は、相手(この場合は面接官やその会社の人など)や、話に出てくる第三者の行為・状態・持ち物などについて、その人を敬う気持ちを表す言葉です。

相手を立てることで敬意を示します。

例えば、面接官が何かを「言う」場合には「おっしゃる」、会社に「行く」場合には「いらっしゃる」や「おいでになる」といった表現を使います。

謙譲語

謙譲語は、自分(や自分の身内、自分の会社など)の行為・状態などをへりくだって表現することで、間接的に相手を高め、敬意を示す言葉です。

自分がへりくだることで、相対的に相手を立てるイメージですね。

例えば、自分が面接官に何かを「言う」場合には「申す」や「申し上げる」、相手の会社に「行く」場合には「伺う」や「参る」という言葉を使います。

丁寧語

丁寧語は、言葉遣いを丁寧にし、相手に敬意を表す、最も基本的な敬語です

日常会話でもよく使われる「です」「ます」「ございます」などがこれにあたります。

尊敬語や謙譲語と組み合わせて使うことも多く、会話全体の印象を柔らかく、丁寧にする役割があります。

【面接敬語】面接で使用頻度が大きい敬語

面接では、特定の場面でよく使われる敬語フレーズがあります。

これらを覚えておくと、スムーズなコミュニケーションに繋がります。

例えば、受付では「恐れ入ります、本日〇時に面接のお約束をいただいております、〇〇大学の〇〇と申します。

人事部の〇〇様にお取次ぎいただけますでしょうか」のように、訪問の意図と氏名を丁寧に伝えます。

入室時には「失礼いたします」と言ってから入室し、面接官に促されたら「よろしくお願いいたします」と挨拶します。

面接中は、相手の話を聞く際には「はい、さようでございますか」「おっしゃる通りです」と相槌を打ち、質問をする際には「恐れ入ります、一点質問させていただいてもよろしいでしょうか」と許可を求めるのがマナーです。

感謝を伝える「ありがとうございます」、何かを理解した際の「承知いたしました」、企業を指す「御社」なども頻出します。

退室時も「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。失礼いたします」と感謝を述べてから退出しましょう。

【面接敬語】面接でよく間違える敬語20選

敬語は難しいと感じる方も多く、つい間違った使い方をしてしまうことがあります。

ここでは、面接で特に注意したい、よくある敬語の間違いを20個ピックアップしました。

正しい使い方を覚えて、自信を持って面接に臨みましょう。

×「了解しました」 → ○「承知いたしました」「かしこまりました」
「了解」は目上の方に使うのは避けるべき言葉です。
×「参考になりました」 → ○「大変勉強になりました」
「参考」も目上の方に使うと、上から評価しているような印象を与えかねません。
×「~のほう」(例:資料のほう) → ○「~につきましては」「~は」(例:資料につきましては)
「~のほう」は言葉を曖昧にするため、ビジネスシーンでは避けましょう。
×「拝見させていただきました」 → ○「拝見いたしました」
「拝見する」自体が謙譲語なので、「させていただく」をつけると二重敬語になります。
×「おっしゃられる」 → ○「おっしゃる」
「おっしゃる」が尊敬語なので、「られる」をつけると二重敬語です。
×「ご覧になられましたか」 → ○「ご覧になりましたか」
「ご覧になる」が尊敬語。「られました」は過剰な敬語です。
×「〇〇様はおられますか」 → ○「〇〇様はいらっしゃいますか」
「おる」は謙譲語なので、相手の存在を表す尊敬語「いらっしゃる」を使います。
×「どちらにいたしますか?」(相手に選んでもらう時) → ○「どちらになさいますか?」
相手の行動には尊敬語「なさる」を使います。「いたす」は謙譲語です。
×「どうぞ座ってください」 → ○「どうぞお掛けください」
「座る」の尊敬語は「お掛けになる」です。
×「ご苦労様です」 → ○「お疲れ様です」(ただし面接官には使わない)
「ご苦労様」は目下の人に使う言葉。面接官には面接終了時に「ありがとうございました」と伝えましょう。
×「すみません」(感謝・謝罪の場面で多用) → ○感謝:「ありがとうございます」、謝罪:「申し訳ございません」
場面に応じて使い分けましょう。
×「なるほどですね」 → ○「左様でございますか」「おっしゃる通りでございます」
「なるほど」は相槌としてくだけた印象を与えがちです。
×「~とか」「~みたいな」 → ○断定的な表現を心がける
曖昧な表現は自信がないように聞こえます。
×「ヤバい」「すごい」(くだけた言葉) → ○「素晴らしい」「大変感銘を受けました」
TPOに合わせた言葉を選びましょう。
×「頑張ります」 → ○「精一杯努めさせていただきます」「貢献できるよう尽力いたします」
意気込みをより具体的に、丁寧に伝えましょう。
×「~でよろしかったでしょうか」 → ○「~でよろしいでしょうか」
現在のことを確認するのに過去形を使う必要はありません(「バイト敬語」の一種)。
×「私的には~」 → ○「私としましては~」「私の考えといたしましては~」
「~的には」はくだけた印象です。
×「お名前を頂戴できますか」 → ○「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
名前は「もらう」ものではなく「聞く」ものです。
×「社長様」 → ○「社長」
役職名自体が敬称なので、「様」は不要です。「〇〇社長」のように名前とセットで使うか、単に「社長」と呼びます。
×「資料をお持ちしました」(自分が持参したことを伝える時) → ○「資料を持参いたしました」「資料をお持ちいたしました」
「持参いたしました」がより丁寧です。「お持ちいたしました」は、相手に渡す前提で使うことが多いです。

【面接敬語】「私」「父」「母」はどう伝えるべき?

面接では、自己紹介や学生時代の経験を話す中で、自分自身や家族について言及する場面があります。

その際の正しい呼称を覚えておきましょう。

自分について話す際

面接というフォーマルな場では、自分自身のことを指す一人称は「わたくし」を使うのが最も丁寧で適切です。

「わたし」でも間違いではありませんが、「わたくし」の方がより改まった印象を与え、真摯な態度を示すことができます。

学生時代によく使う「僕」や、くだけた印象のある「自分」といった表現は、面接の場にはふさわしくありませんので避けましょう。

初めは少し言い慣れないかもしれませんが、「わたくしは、大学で〇〇を専攻しておりました」のように、意識して使うことで自然と口に出るようになります。

細かな点ですが、こうした言葉遣いが面接官に与える印象を左右することもあります。

自分の家族について話す際

面接官など社外の人に対して、自分の家族について話す場合は、謙譲表現を用います。

これは、自分の身内を下げることで、相手への敬意を示す日本特有の文化に基づいています。

具体的には、父は「ちち」、母は「はは」と呼びます。

同様に、祖父は「そふ」、祖母は「そぼ」、兄は「あに」、姉は「あね」、弟は「おとうと」、妹は「いもうと」となります。

配偶者がいる場合は、夫は「おっと」、妻は「つま」です。

例えば、「父は長年、技術職として勤めており、その姿を見てものづくりへの関心を深めました」「母から、幼い頃の貴社のコマーシャルが印象的だったと伺いました」のように使います。

日常会話で使う「お父さん」「お母さん」といった呼び方は、面接の場では使わないように注意しましょう。

相手の家族について話す際

面接中に面接官の家族について言及する機会は多くありませんが、もし話題に出た場合や、エントリーシートの家族構成欄などで相手の家族に触れる際には、尊敬語を使います。

例えば、相手の父親は「お父様(おとうさま)」、母親は「お母様(おかあさま)」と呼びます。

同様に、祖父は「お祖父様(おじいさま)」、祖母は「お祖母様(おばあさま)」、夫は「ご主人様(ごしゅじんさま)」、妻は「奥様(おくさま)」、子供は「お子様(おこさま)」となります。

一般的なビジネスマナーとして、相手の身内に対しては敬意を払った言葉遣いを心がけましょう。

例えば、「面接官のお父様も同じ業界でいらっしゃるとお聞きし、大変恐縮です」といった具合です。

ただし、自分から積極的に相手の家族の話題を出すのは控えましょう。

【面接敬語】御社・貴社の使い分け

就職活動で必ずと言っていいほど登場するのが、応募先の企業を指す「御社(おんしゃ)」と「貴社(きしゃ)」という言葉です。

この二つは明確な使い分けのルールがあり、間違えると「基本的なビジネスマナーを知らない」と判断されかねないので、しっかりと押さえておきましょう。

簡単に言うと、「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉です。

つまり、面接や電話のように直接会話をする場面では「御社」を使います。

一方、エントリーシートや履歴書、お礼状、メールといった文書では「貴社」を用います。

覚え方としては、「記者(きしゃ)は貴社(きしゃ)の記事を書く」と覚えると、書き言葉が「貴社」だと連想しやすいかもしれません。

万が一、面接中に「貴社」と言ってしまっても、慌てずに「失礼いたしました、御社では~」と自然に言い換えれば大丈夫です。

ちなみに、自分の会社を指す「弊社(へいしゃ)」は入社後に使う言葉なので、就活中は使いません。

【面接敬語】面接で敬語を使うときの3つのポイント

正しい敬語を選ぶだけでなく、話し方にも気を配ることで、より良い印象を与えることができます。

ここでは、面接で敬語を使う際に意識したい3つのポイントをご紹介します。

1. 語尾は丁寧語の「です」「ます」を使用

まず基本中の基本として、会話の語尾は丁寧語の「です」「ます」で統一しましょう。

「~だ」「~である」といった断定的な言い切りや、「~っす」のようなくだけた表現は、面接の場には不適切です。

意識していないと、つい普段の話し方が出てしまうこともあるので注意が必要です。

例えば、「私の強みはコミュニケーション能力です」「学生時代は、サークル活動に力を入れておりました」のように、ハキハキと、かつ丁寧に話すことを心がけてください。

語尾を丁寧にするだけで、相手に与える印象は格段に良くなります。

また、言葉と言葉の間が不自然に途切れたり、「~で、えっと、それで~」のように語尾が曖昧になったりしないよう、一文一文をしっかりと完結させることも大切です。

2. フィラーワードを使用しないようにする

「フィラーワード」とは、「えーっと」「あのー」「えー、そのー」「なんか」といった、話の合間を埋めるために無意識に使ってしまう言葉のことです。

これらを多用すると、話が聞き取りにくくなるだけでなく、自信がないように見えたり、準備不足だという印象を与えてしまったりする可能性があります。

緊張するとつい出てしまいがちですが、意識することで減らすことができます。

対策としては、少し間があいても構わないので、頭の中で次に話すことを整理してから話し始めること、結論から話すことを意識することなどが挙げられます。

模擬面接を重ねて、自分がどのようなフィラーワードを使いがちか把握し、意識して減らす練習をするのも効果的です。

木下恵利

キャリアアドバイザー

緊張すると早口になったり、フィラーワードが増えたりしがちです。そんな時は、一度深呼吸をして、少しゆっくりとしたペースで話すことを心がけてみてください。落ち着いて話すことで、フィラーワードも自然と減り、相手にも内容が伝わりやすくなりますよ。

3. 指示代名詞の使用を避ける

指示代名詞である「あれ」「それ」「これ」「どれ」などを多用すると、話の内容が曖昧になり、相手に正確に伝わりにくくなることがあります。

また、丁寧さに欠ける印象を与えてしまう可能性もあります。

例えば、「それについては、先ほどもお話ししましたが~」と言うよりも、「〇〇の件につきましては、先ほどもお話ししましたが~」と具体的な名詞に置き換えることで、話が明確になり、相手も理解しやすくなります。

特に、複数の話題が出ている場面や、少し前の話題に言及する際には注意が必要です。

「あれが良かったと思います」ではなく、「〇〇様からご説明いただいた△△の取り組みが、特に素晴らしいと感じました」のように、具体的に何を指しているのかを明確に伝えるように心がけましょう。

【面接敬語】面接時は二重敬語に注意しよう

敬語を丁寧に使おうとするあまり、かえって不自然な表現になってしまうのが「二重敬語」です。

二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語(例えば尊敬語を二重に使うなど)を重ねて使ってしまうことを指します。

過剰な敬語は回りくどく、聞き取りにくいだけでなく、正しい敬語を知らないという印象を与えてしまう可能性もあります。

例えば、「言う」の尊敬語は「おっしゃる」ですが、これにさらに尊敬の助動詞「れる」をつけて「おっしゃられる」としてしまうのが代表的な二重敬語です。

丁寧さを意識するあまり、つい使ってしまいがちなので注意しましょう。

シンプルで正しい敬語を使うことが、相手にとって最も聞きやすく、好印象に繋がります。

二重敬語の例

具体的にどのような表現が二重敬語にあたるのか、よくある例と正しい言い換えを見ていきましょう。

これらを意識するだけで、より自然で洗練された敬語を使えるようになります。

  • ×「おっしゃられる」 → ○「おっしゃる」
  • 解説:「おっしゃる」(尊敬語)+「れる」(尊敬の助動詞)
  • ×「拝見させていただく」 → ○「拝見します」「拝見いたします」
  • 解説:「拝見する」(謙譲語)+「させていただく」(謙譲表現)。「させていただく」は相手の許可を得て行う場合に使いますが、単に「見る」という行為を謙譲語で表現する場合は「拝見します」で十分です。
  • ×「お越しになられる」 → ○「お越しになる」「いらっしゃる」
  • 解説:「お越しになる」(尊敬語)+「れる」(尊敬の助動詞)
  • ×「お伺いさせていただきます」 → ○「伺います」
  • 解説:「伺う」(謙譲語)+「させていただく」(謙譲表現)。「伺います」で十分丁寧な表現です。
  • ×「ご拝読ください」 → ○「お読みください」「ご覧ください」
  • 解説:「拝読する」は自分が読む場合の謙譲語なので、相手に読んでもらう際に「ご拝読」とするのは誤りです。
  • ×「社長が参られました」 → ○「社長がいらっしゃいました」「社長がお見えになりました」
  • 解説:「参る」は謙譲語なので、尊敬すべき社長の動作には使いません。
  • ×「謙遜させていただきます」 → ○「謙遜いたします」
  • 解説:「謙遜する」という行為に「させていただく」は通常不要です。

     

Q&A:二重敬語かどうか自信がないときはどうすればいいですか?

木下恵利

キャリアアドバイザー

A. 不安な場合は、よりシンプルな敬語表現を選ぶのが無難です。例えば、「おっしゃる」と「おっしゃられる」で迷ったら、「おっしゃる」を選びましょう。また、尊敬語の基本形「お(ご)~になる」や謙譲語の基本形「お(ご)~する(いたす)」を意識すると、二重敬語を避けやすくなります。

おわりに

ここまで、面接における敬語の重要性から種類、具体的な使い方、注意点まで詳しく解説してきました。

敬語は、一朝一夕に完璧にマスターできるものではありません。

しかし、今回お伝えしたポイントを意識し、日頃から少しずつ練習を重ねることで、必ず上達します。

面接対策を進める中で、敬語の他にも不安なことや分からないことがたくさん出てくるかもしれません。

でも、大丈夫です。

一つひとつ丁寧に準備をすれば、自信を持って本番に臨めます。

この記事で学んだ敬語の知識が、あなたの面接対策の一助となり、少しでも不安を解消できれば幸いです。

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