
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
「周りの友達は続々と内定が決まっていくのに、自分はまだ…」
公務員を目指して頑張っている大学生のあなたは、今、そんな焦りや不安を感じているかもしれません。
特に市役所の面接は、対策が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、公務員採用のプロが、市役所面接で見られる可能性のある「落ちるフラグ」や「不合格サイン」を具体的に解説します。
単に不安を煽るのではなく、それらのフラグをどう回避し、面接を成功に導くための具体的な対策や心構えまで、しっかりとお伝えします。
この記事を読めば、面接への漠然とした不安が軽減され、「よし、面接練習を頑張ろう!」と前向きな気持ちになれるはずです。
市役所面接で落ちるフラグとは?
「もしかして、これって落ちるフラグ…?」面接中にふと感じる不安、ありますよね。
まず知っておいてほしいのは、「フラグ」はあくまで傾向であり、それが全てではないということです。
しかし、事前に知っておくことで対策が立てやすくなるのも事実。
ここでは、面接官の反応から見える可能性のある「落ちるフラグ」について解説します。
面接官の反応が冷たい
面接官の反応が想像していたよりも淡々としていたり、少し冷たく感じたりすると、「自分に興味がないのかな…」と不安になりますよね。
- 終始、目があまり合わない
- 表情が硬く、笑顔が見られない
- 相槌や頷きが少ない、または機械的
- こちらの話に対して、追加の質問がほとんどない
- 面接官の個性や役割: 圧迫面接とまではいかなくても、冷静に候補者を見極めようとするタイプの面接官もいます。
また、多くの受験者と面接しているため、疲れている可能性も。
- あなた自身の問題の可能性: もし話が一方的だったり、質問の意図とズレた回答をしていたりすると、面接官も反応に困ってしまうことがあります。
質問が深掘りされない
一生懸命に自己PRや志望動機を語っても、面接官からの質問が表面的なものに終始し、あまり深掘りされないと、「自分の話に興味を持ってもらえていないのでは?」と心配になるかもしれません。
- 用意してきた回答に対して「はい、分かりました」で終わってしまう
- エピソードについて「なぜそう思ったのか」「具体的にどう行動したのか」といった追求がない
- 一つの話題からすぐに次の質問に移ってしまう
- 興味を持たれていない可能性: 残念ながら、あなたの話が面接官の期待するレベルに達していなかったり、他の受験者と比較して魅力に欠ける内容だと判断されたりした場合、深掘りするまでもないと判断されることがあります。
- 既に評価済み・時間的制約: 逆に、あなたの話が非常に分かりやすく、既に十分な情報を得られたと面接官が判断した場合や、面接時間が限られているために、効率的に進めている可能性も考えられます。
- あなたの回答が不十分な場合: 具体性に欠ける回答や、誰にでも言えるような抽象的な話ばかりしていると、面接官もどこを深掘りして良いか分からなくなってしまいます。
手応えを感じられない場合は注意
面接官の反応が薄かったり、質問が深掘りされなかったりすると、総じて「手応えがない」と感じることがあります。
これは、あなたの話が面接官に響いていない、あるいは十分に伝わっていないサインかもしれません。
- 会話のキャッチボールが上手くいかない、一方的に話している感じがする
- 面接官が退屈そうにしている、時計を気にしているように見える
- 面接の雰囲気が盛り上がらず、淡々と終わってしまった
- 話は具体的か?: 抽象的な言葉だけでなく、具体的なエピソードを交えて話せていますか?
- 相手の反応を見ているか?: 面接官の表情や相槌を見ながら、話す内容や伝え方を調整できていますか?
- 熱意は伝わっているか?: 声のトーンや表情、話す内容から「この市役所で働きたい!」という強い気持ちが伝わっていますか?
手応えのなさは主観的な感覚も大きいため、気にしすぎは禁物です。
しかし、もし面接後に「何か違ったかも…」と感じたら、上記のポイントを振り返り、次の面接に活かしましょう。
市役所面接中に見られる不合格サイン
「落ちるフラグ」よりも、さらに直接的に合否に関わる可能性のある「不合格サイン」について見ていきましょう。
ただし、これらも絶対的なものではなく、あくまで一つの傾向として捉えてくださいね。
面接時間が短い
予定されていた面接時間よりも明らかに早く終わってしまった場合、「もう見限られたのかな…」と不安になるのは当然です。
- 予定では30分の面接が、15分程度で終了してしまった
- 他の受験者と比べて、明らかに自分の面接時間だけが短かった(もし知ることができれば)
- 早期の判断: 残念ながら、面接の初期段階で「採用基準に満たない」と判断されてしまった可能性があります。
特に、基本的なコミュニケーション能力や、市役所職員としての適性に疑問符がついた場合などです。
- 逆に優秀な場合(稀なケース): ごく稀に、非常に優秀で、短時間で面接官が「ぜひ採用したい」と判断する場合もあります。
しかし、これに期待するのは禁物です。
- 他の受験者との調整: その日の全体の面接スケジュールが押していて、調整のために短縮されることもあり得ます。
就活コンサルタント木下より

面接時間が短いと感じても、最後まで諦めずに、与えられた時間の中で最大限自分をアピールしましょう。
最後に「何か言い残したことはありますか?」と聞かれたら、簡潔かつ熱意を込めて、最も伝えたいことを話すチャンスです。
もし聞かれなくても、お礼を述べる際に一言添えるなど、できる限りのことはしましょう。
面接官がメモを取らない
あなたが話している間、面接官がほとんど、あるいは全くメモを取らないと、「自分の話は聞いてもらえていないのかな?」と不安になりますよね。
- 最初から最後まで、面接官の手元にペンやメモ帳がない、またはあっても使わない
- 面接の途中から、明らかにメモを取る手が止まってしまった
- 既に評価が固まった可能性: あなたの話を聞く中で、面接官の中で合否の判断がある程度固まってしまい、それ以上メモを取る必要がないと判断されたのかもしれません。
これは、良い方向にも悪い方向にも考えられます。
- 話に集中している: メモを取るよりも、あなたの目を見て話を聞くことに集中している面接官もいます。
特に、人物重視の面接では、書類に書かれていない人柄や熱意を直接感じ取ろうとします。
- 他の評価方法: 複数の面接官がいる場合、役割分担して記録しているケースや、ICレコーダーなどで録音している場合もあります。
【Q&A】
Q. 面接官がずっとパソコンに何か入力していました。
これもメモを取っていないのと同じでしょうか?
A. パソコンに入力している場合は、むしろ積極的にあなたの情報を記録している可能性が高いです。
評価シートや申し送り事項などをデジタルで管理している市役所も増えています。
ただし、あなたから視線を外しすぎている場合は、少し不安に感じるかもしれませんね。
その場合でも、気にせず自分の話に集中しましょう。
市役所面接で落ちるフラグを回避するための対策
ここまで「落ちるフラグ」や「不合格サイン」について見てきましたが、大切なのはこれらを理解した上で、しっかりと対策を講じることです。
ここからは、面接を突破するために具体的に何をすべきかを見ていきましょう。
試験内容を理解する
市役所の面接対策の基本は、まず「何が問われるのか」「どんな人物が求められているのか」という試験内容を深く理解することです。
- 募集要項の熟読: 求める人物像、試験科目、配点などを徹底的に確認します。
- 自治体の情報収集:
- 公式ウェブサイト:総合計画、重点施策、市長のメッセージ、組織図などをチェック。
- 広報誌、議会だより:地域が抱える課題や、それに対する取り組みを把握。
- 説明会への参加:直接職員の方から話を聞き、疑問点を解消するチャンス。
- 過去の質問例の分析: OB・OG訪問やインターネット、就職支援課などで過去にどのような質問が出されたかを調べ、傾向を掴みます。
【陥りがちな間違い】
「安定しているから」「地元だから」といった漠然とした理由だけで受験してしまうと、試験内容への理解が浅くなりがちです。
その自治体が「どんな課題」を抱え、「どんな未来」を目指しているのかを自分なりに落とし込むことが重要です。
専門知識を深める
ここで言う「専門知識」とは、大学で学んだ学問だけを指すのではありません。
市役所の仕事に関連する幅広い知識や情報を指します。
- 地方自治の仕組み: 地方自治法、地方分権、二元代表制など、基本的な仕組みを理解する。
- 地域課題への関心: 少子高齢化、地域活性化、防災、福祉など、その自治体が直面している具体的な課題について、自分なりの考えを持つ。
- 志望する職種に関する知識: 例えば事務職なら行政運営全般、技術職ならそれぞれの専門分野に関する基本的な知識や最新動向など。
- 時事問題: 社会全体の動きや、国・他の自治体の取り組みにもアンテナを張っておく。
- 新聞(特に地方版)、ニュースサイトを読む。
- 関連書籍や自治体が発行している資料を読む。
- 自治体のイベントやボランティアに参加して、現場の声を聴く。
知識をひけらかすのではなく、「その知識を活かして、市民のためにどのように貢献できるか」という視点で語れるように準備しましょう。
模擬面接の活用法
知識をインプットするだけでなく、それを効果的にアウトプットする練習が不可欠です。
模擬面接は、そのための最も有効な手段の一つです。
-
- 相手を選ぶ:
- 大学のキャリアセンターの職員: 客観的で的確なアドバイスが期待できます。
多くの学生を見ているので、比較の中での自分の立ち位置も把握しやすいです。
- 信頼できる友人や家族: リラックスして話せる反面、甘い評価になりがちなので、厳しめのフィードバックをお願いしましょう。
- 公務員試験の予備校講師やOB・OG: より専門的な視点からのアドバイスがもらえます。
- 回数を重ねるだけでなく「質」を重視:
- フィードバックを必ずもらう: 良かった点、改善すべき点を具体的に指摘してもらいましょう。
- 改善点を意識して練習: もらったアドバイスを元に、次の模擬面接までに修正します。
- 動画で撮影する:
- 自分の話し方、表情、視線、姿勢などを客観的に見ることができます。
思った以上に猫背だったり、早口だったりすることに気づくかもしれません。
- 様々なパターンの質問を想定する:
- 定番の質問だけでなく、変化球の質問や圧迫気味の質問も経験しておくと、本番での対応力が上がります。
【Q&A】
Q. 模擬面接で緊張しすぎて、頭が真っ白になってしまいます。どうすればいいですか?
A. 緊張するのは当たり前!むしろ、本番でなくて良かったと捉えましょう。
まずは場数を踏むことが大切です。
深呼吸をする、話す内容を事前に紙に書き出して整理しておく、完璧を求めすぎない、といったことを意識してみてください。
模擬面接は失敗するためにある、くらいの気持ちで臨みましょう。
市役所面接で面接官が重視するポイント
面接官は、あなたのどこを見て合否を判断しているのでしょうか?彼らが重視するポイントを理解すれば、おのずと対策の方向性が見えてきます。
明確な志望動機があるか
「なぜ公務員なのか?」「なぜこの市役所なのか?」この2つの問いに、具体的かつ説得力のある答えを用意できるかが、合否を分ける大きなポイントです。
- 本気度・熱意: 本当にこの市役所で働きたいと思っているか。
その熱意が伝わるか。
- 自治体への理解度: その市役所の特徴、課題、取り組みをどれだけ理解しているか。
- 貢献意欲: 自分の能力や経験を活かして、どのように市役所に貢献したいと考えているか。
- 自己分析との整合性: あなたの価値観や強みが、なぜ市役所の仕事やその自治体の理念と合致するのか。
【NGな志望動機の例】
- 「安定しているから」「福利厚生が充実しているから」(それだけではNG)
- 「親や先生に勧められたから」(主体性がないと見なされる可能性)
- どこの自治体にも当てはまるような抽象的な内容(「地域社会に貢献したい」だけでは弱い)
就活コンサルタント木下より

「他の自治体や民間企業ではなく、なぜこの市役所なのか?」という問いに、自分の言葉でしっかりと答えられるように準備しましょう。
そのためには、徹底した企業研究ならぬ「自治体研究」が不可欠です。
その自治体ならではの魅力や課題を見つけ出し、それに対して自分がどう貢献できるかを具体的に語れるようにしましょう。
あなたの経験や学びと、その自治体のニーズを結びつけるストーリーを構築することが鍵です。
自己PRが具体的であるか
「あなたの強みは何ですか?」という質問は、自己PRの定番です。
しかし、単に「コミュニケーション能力が高いです」「真面目です」と答えるだけでは、面接官には響きません。
- 具体性・再現性: その強みが発揮された具体的なエピソードがあるか。
その強みが市役所の仕事でどのように活かせるかイメージできるか。
- 客観性: 単なる自己評価ではなく、周囲からの評価や客観的な事実に基づいているか。
- 市役所の仕事への適性: その強みが、市役所職員として求められる資質と合致しているか。
- 自己分析の深さ: 自分のことをどれだけ客観的に理解し、それを言語化できているか。
- STAR法を活用する:
- Situation(状況): どんな状況で?
- Task(課題): どんな課題や目標があったか?
- Action(行動): それに対して、あなたは具体的にどう行動したか?
- Result(結果): その結果、どうなったか?(何を学んだか、どう成長したか)
- 数字や客観的な事実を盛り込む: 「多くの人と協力した」ではなく「5人のチームで、〇〇という目標を達成した」など。
- 失敗談や困難を乗り越えた経験も有効: どのように課題を克服し、そこから何を学んだかを語ることで、人間的な深みや成長力をアピールできます。
自己PRは、あなたの「取扱説明書」のようなものです。
面接官に「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえるように、魅力的な自己PRを作成しましょう。
市役所面接で成功するための心構え
どんなに準備をしても、面接本番で実力を発揮できなければ意味がありません。
最後に、市役所面接を成功に導くための心構えについてお伝えします。
ポジティブな思考
面接は「試験される場」と考えると、どうしても緊張してしまいます。
そうではなく、「自分という人間を知ってもらうチャンス」「面接官と相互理解を深める場」と捉えてみましょう。
- 「落ちたらどうしよう」ではなく「どうすれば伝わるか」を考える。
- 周りと比較しない。
就職活動は自分のペースで進めることが大切です。
「早く内定が欲しい」という焦りは、面接でのパフォーマンスにも影響しかねません。
- 完璧を目指さない。
多少言葉に詰まったり、うまく答えられなかったりしても、それで全てが終わりではありません。
誠実な態度で、最後まで諦めない姿勢が重要です。
- 面接を楽しもうとする気持ちを持つ。
面接官とのコミュニケーションを楽しむくらいの余裕が持てると、自然と良い表情や話し方になります。
リラックスする方法
適度な緊張感は集中力を高めますが、過度な緊張はパフォーマンスを低下させてしまいます。
自分なりのリラックス方法を見つけておきましょう。
- 深呼吸: 面接前や、緊張してきたと感じた時に、ゆっくりと深い呼吸を数回繰り返す。
- 軽いストレッチ: 肩を回したり、首をゆっくり伸ばしたりするだけでも、体の緊張が和らぎます。
- 好きな音楽を聴く: 面接会場へ向かう途中などに、気分が落ち着く音楽や、逆にテンションが上がる音楽を聴く。
- 早めに会場に到着する: 時間に余裕を持つことで、気持ちにも余裕が生まれます。
会場の雰囲気に慣れる時間も作れます。
- 成功体験を思い出す: これまでの努力や、何かを成し遂げた経験を思い出し、自信につなげる。
- お守りやラッキーアイテムを持つ: 心の支えになるものがあれば、持参するのも良いでしょう。
【大切なこと】
「緊張してはいけない」と思うと、余計に緊張してしまうものです。
「緊張するのは当たり前」「緊張しても大丈夫」と受け入れることが、リラックスへの第一歩です。
自分に合った方法で、少しでも平常心に近い状態で面接に臨めるようにしましょう。
まとめ:落ちるフラグを理解して対策を立てよう
今回は、市役所面接における「落ちるフラグ」や「不合格サイン」、そしてそれらを回避し、面接を成功させるための対策や心構えについて詳しく解説しました。
市役所の面接は、あなたの熱意や人柄を直接アピールできる絶好の機会です。
この記事で紹介した「落ちるフラグ」は、あくまであなたの準備や振る舞いを見直すための「気づき」のきっかけとして捉えてください。
周りが就活を終えていく中で焦る気持ちも分かりますが、大切なのはあなた自身のペースで、一つ一つの選考に丁寧に向き合うことです。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、自信を持って面接に臨むための一助となれば幸いです。
就活コンサルタント木下より
面接官の反応が薄くても、すぐに「ダメだ」と諦める必要はありません。
大切なのは、最後まで誠意を持って、はっきりと自分の言葉で伝えようと努力することです。
また、相手の反応を見ながら、話すペースや内容を調整する意識も持ちましょう。
「少し声のトーンを上げてみよう」「結論から話すようにしよう」など、その場でできる工夫もあります。