
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
エントリーシート(ES)を企業ごとに毎回ゼロから作成するのは、時間も労力もかかるため効率的に就活を進めるうえで「使い回し」が気になる人は多いでしょう。
とはいえ、内容次第ではマイナス評価にもつながりかねません。
この記事では、ESの使い回しが許されるケースや避けるべきポイント、ばれるリスクや回避策まで、就活生に役立つ情報をわかりやすく解説していきます。
目次[目次を全て表示する]
【ES 使い回し】エントリシートは使い回してもいいのか?
ESを効率よく提出したいと考える就活生の中には、同じ内容を複数の企業に使い回すことを検討する人も少なくありません。
では、実際に使い回しても問題はないのでしょうか。
この見出しでは、使い回しの可否について「業界や企業の系統」「志望動機の扱い」などに分けて詳しく解説します。
企業の系統による
ESの使い回しは、企業や業界の系統が近い場合に限定すればある程度は可能です。
特に、同じ業界で似た社風やビジネスモデルを持つ企業であれば、自己PRやガクチカなどの内容を共通して活用できる場合があります。
ただし、どんなに内容が優れていても、企業ごとのミッションやビジョンへの共感、求める人物像へのマッチが伝わらなければ意味がありません。
単なる流用ではなく、企業ごとのエッセンスを加えることで、より熱意が伝わるESとなります。
志望動機は使い回さない!
ESの中でも「志望動機」は最も企業ごとに差が出る項目です。
この部分の使い回しは避けるべきです。
なぜなら、志望動機はその企業の業務内容・事業展開・社風・理念などに基づいて記述するものであり、少しのズレでも熱意が伝わりません。
企業ごとのリサーチをもとに具体的に書き分けることで、採用担当者に「この企業だからこそ応募した」という意図が明確になります。
志望動機こそ、あなたの本気度を伝える一番のチャンスです。
【ES 使い回し】エントリシートの使い回しはばれるのか?
ESを使い回して提出することが「企業にばれるのか」は、多くの就活生にとって気になるポイントです。
結論から言えば、使い回しは内容次第でばれる可能性があります。
特に企業への理解が浅かったり、志望業界とのつながりが薄かったりする場合は注意が必要です。
この見出しでは、ばれやすいESの特徴と、実際にばれた場合の影響について解説します。
使い回しがばれるエントリーシートの特徴
使い回しがばれるESにはいくつかの共通点があります。
企業研究が不足し、具体性に欠ける文章は「誰にでも出している内容」と見抜かれやすく、採用担当者の印象も悪くなります。
特に注意すべきは、企業に関する記述が薄い、志望動機が抽象的、業界との関連性がないといった点です。
ここではさらに、そうした特徴を持つESを細かく3つの観点から深掘りしていきます。
企業情報が不足しているES
企業名やサービス名など、応募先に特化した情報が不足しているESは、使い回しているとすぐに判断されやすいです。
たとえば「御社の企業理念に共感しました」のように抽象的な表現のみで具体的な社名・内容に触れていない場合、採用担当者に「本当にうちを調べているのか?」と疑問を持たれてしまいます。
ESは、企業に向けたラブレターのようなもの。
志望先ごとにリサーチを行い、その企業でなければならない理由を丁寧に書くことが大切です。
志望業界との関連性が薄いES
志望する業界に関する知識や興味・経験が示されていないESは、「なぜこの業界なのか」が伝わらず、説得力を欠いてしまいます。
たとえば、IT業界を志望しているのに、自己PRやエピソードが教育や医療などまったく別の分野に偏っていれば、違和感を持たれる可能性が高いです。
使い回す場合でも、業界に即した言葉選びやエピソードのアレンジを心がけ、納得感のあるESに仕上げることが重要です。
志望動機を使い回しているES
異なる企業に同じ志望動機をそのまま使っていると、すぐにばれてしまいます。
たとえ他業種でも同じ強みをアピールすることは可能ですが、それを企業の特徴や事業内容にどうつなげるかが鍵です。
たとえば「挑戦心を大切にしているから」と書くだけでなく、「貴社の新規事業に惹かれた」「若手に裁量がある社風に共感した」といったように企業の情報と結びつけることが必要です。
企業ごとのカスタマイズが志望動機の質を左右します。
エントリーシートの使い回しがばれると選考落ちるのか?
ESの使い回しがばれてしまった場合、選考に落ちる可能性は非常に高いです。
なぜなら、多くの企業は「志望度」や「企業理解の深さ」を重視しており、それらが伝わらないESは評価の対象にならないからです。
特に落選するケースで多いのは、志望企業の求める人物像とESの内容が一致していないパターンです。
どれほど優れた経歴や実績を持っていても、企業側が求める方向性とズレていれば選考は通過できません。
【ES 使い回し】他人のエントリーシートを使い回すことは?
自分でESを考える時間が足りない、あるいは書くのが苦手と感じる人の中には、他人のエントリーシートを流用したいと考えるケースもあります。
しかし、それは非常にリスクが高く、就活において大きなマイナスになりかねません。
この見出しでは、他人のESを使い回すことの危険性と、どのような問題が生じるのかについて解説します。
他人のエントリーシートは絶対に使わない
どれほど優秀な人のESであっても、他人の文章をそのまま使うのは絶対に避けるべきです。
なぜなら、ESはあくまで自分自身の経験や価値観、考え方を伝える場であり、他人の言葉では本来の魅力がまったく伝わらないからです。
たとえESを通過できたとしても、面接で深掘りされた際に答えられず信用を失う可能性があります。
他人のESはあくまで参考にとどめ、自分の言葉で表現する姿勢が、最終的に選考突破へとつながります。
他の設問項目との一貫性を失う
ESを構成する各設問の回答は、全体で一貫した人物像を形成する役割を持っています。
自己PRは自分で書いたけれど志望動機は誰かの文章を流用した、というように部分的に使い回すと、読んだ採用担当者に違和感を与えます。
一貫性がないESは「この人は自分を理解できていない」と判断されるリスクがあり、信頼性や説得力を大きく損なう結果になります。
ESは設問同士の整合性を意識して、すべて自分で構成することが大切です。
ESは突破しても面接で落ちてしまう
ESはあくまで面接への入り口にすぎません。
たとえ他人のESで通過できたとしても、面接ではその内容をもとに深掘りされるのが一般的です。
自分で書いていないESの内容を聞かれて答えられなかったり、話が噛み合わなかったりすると、不誠実な印象を与えてしまいます。
結果的に、せっかく突破したESも無意味になってしまうのです。
最初から自分の経験や価値観で書くことで、面接まで一貫して自分らしさを伝えることができます。
【ES 使い回し】エントリーシートを使い回すことで起こるリスク
ESを効率化しようと使い回しを安易に行うと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
ここでは、使い回しによって発生する代表的なリスクを紹介します。
特に、就活全体の改善点が見つけにくくなることは、大きなデメリットと言えるでしょう。
就職活動での改善点が見つけにくくなる
ESを使い回すことで毎回の提出に手間がかからなくなる一方で、選考結果のフィードバックから学ぶ機会が減ってしまいます。
毎回同じESを提出していると、どの部分が良くてどこが悪かったのかが曖昧になり、改善の余地を見つけにくくなります。
就活では、1社ごとの結果を次に活かしてブラッシュアップすることが重要です。
その機会を失わないためにも、使い回す際は提出後に振り返りを行うなど、学びを得られる工夫が必要です。
【ES 使い回し】上手なエントリーシートの使い回し方
すべての企業にゼロからESを書くのは現実的ではないため、上手に使い回すことは就活を効率化する上で有効な手段です。
この見出しでは、使い回しても問題のない部分や、活用時の注意点について紹介します。
自己PRの使い回しは大丈夫
自己PRは基本的に自分の強みや特性を示す内容であるため、企業ごとに大きく書き換える必要はありません。
もちろん業界によって強調すべきポイントに差はありますが、コアとなるエピソードや価値観は一貫していて問題ありません。
むしろ、一つの完成度の高い自己PRを持っておくことで、どの企業にも安定してアピールすることができます。
使い回す際は、必要に応じて企業の特性に合わせた一文を加える程度で十分です。
ガクチカも使い回して大丈夫
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)も、基本的には使い回しても問題ありません。
ただし、業界によって注目されるポイントが異なるため、強調部分や切り口は調整が必要です。
たとえば、飲食店のバイトリーダー経験を「リーダーシップ」としてアピールするのか、「対人スキル」としてアピールするのかは、業界ごとの人物像によって変えることができます。
一つのエピソードを複数の角度から使えるようにしておくと便利です。
業界や企業の求める人物像が近い場合
志望する企業や業界の求める人物像が近ければ、ESの使い回しはしやすくなります。
たとえば「挑戦心」や「協調性」を重視する業界であれば、それらを軸にした自己PRやガクチカは複数の企業で通用する可能性があります。
ただし、「同じ人物像だから」と油断せず、それぞれの企業の表現やキーワードに合わせて微調整することが、評価されるポイントとなります。
同じ設問の場合
設問の形式や内容がほぼ同じであれば、ESの内容を再利用しても問題ありません。
たとえば「あなたの強みを教えてください」「学生時代に力を入れたこと」などの定番設問は、共通テンプレートを持っておくと便利です。
とはいえ、表現や語尾、文量などを企業に合わせて調整することで、より自然で説得力のある文章に仕上がります。
【ES 使い回し】エントリーシートを使い回す際の注意点
ESを使い回す際には、注意すべきポイントを押さえておくことで評価の低下を防ぐことができます。
この見出しでは、使い回し時に意識すべき表現や構成のポイントを紹介します。
企業ごとに変える部分を明確にする
使い回しを前提とする場合でも、「固定部分」と「可変部分」を明確に区別しておくことが重要です。
たとえば、志望動機や企業名、企業特有のプロジェクト名などは企業ごとに書き換えるべき項目です。
テンプレートとして使える文章を事前に準備し、企業に合わせて該当箇所だけを編集することで、手間を減らしつつ精度の高いESを提出できます。
抽象的な表現は使わないこと
「御社の理念に共感した」「やりがいを感じられる仕事」など、曖昧で汎用的な表現は避けるようにしましょう。
使い回しが疑われるだけでなく、熱意が伝わりにくくなります。
具体的な企業名・事業内容・経験エピソードを盛り込むことで、説得力とオリジナリティを両立させることができます。
固定部分を決める
ESの中で使い回しても問題のない「自己PR」や「ガクチカ」などは、完成度の高い定型文を一つ持っておくことが効果的です。
どの企業にも提出できるような文章をあらかじめ用意し、それを基に企業ごとにアレンジを加えることで、作成効率が格段に上がります。
文字数には気をつけること
企業によってESの文字数制限は異なるため、使い回す際には必ず文字数に合わせた調整が必要です。
内容がよくても、規定文字数をオーバーしたり極端に短かったりすると、読まれる前に落とされてしまうリスクがあります。
文字数に応じた複数パターンを用意しておくと安心です。
誤字や脱字には必ず注意すること
使い回しをする際にありがちなのが、企業名や担当部署、事業名の誤記です。
チェックを怠ると「他社の名前が書かれている」といった致命的なミスにつながります。
使い回す際こそ、最終確認を丁寧に行うことが重要です。
【ES 使い回し】完成度の高いエントリーシートを作成するためには
使い回しの精度を高めるためには、ESそのものの完成度を高めることが不可欠です。
ここでは、自分らしさを的確に伝えるために行うべき準備や構成方法について解説します。
完成度の高いESを用意しておけば、使い回しの際も微調整のみで済み、効率的に対応できます。
書く前に自己分析と企業研究を徹底的に行う
使い回しを想定していても、最初に取り組むべきは自己分析と企業研究です。
自己分析を通じて自分の強みや価値観、アピールしたい経験を明確にし、それを基に複数の企業に応用可能な文章を作成します。
また、企業研究を通じて「求める人物像」や「共通点のある価値観」を理解することで、より精度の高いESの骨格が出来上がります。
土台を固めることで、どの企業にも対応できる使い回し用の型を持つことが可能になります。
企業の求める人物像を意識する
同じ自己PRやガクチカでも、企業によって響くポイントは異なります。
そのため、企業が求める人物像を事前に把握しておくことが重要です。
たとえば「チャレンジ精神」を重視する企業には行動力や決断力を、「協調性」を重視する企業にはチームでの役割やコミュニケーション力を強調すると効果的です。
あらかじめ想定しておくことで、ESの一部を差し替えるだけで印象が大きく変わります。
PREP法やSTAR法を活用して構成を整える
読み手に伝わりやすい文章構成を意識することで、評価されるESに仕上がります。
PREP法(Point→Reason→Example→Point)やSTAR法(Situation→Task→Action→Result)は、論理的に内容を展開できるテンプレートです。
使い回しを前提とした文章でも、これらの構成を活用すれば、どの企業でも違和感のない、説得力ある文章になります。
構成を固定化することで修正もしやすくなります。
PREP法とは、面接やエントリーシートなどで説得力のある文章や話し方をするためのフレームワークの一つです。
PREPは「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(再主張)」の頭文字を取ったもので、簡潔に論理的な構成で伝えることができます。
まず最初に結論から述べることで、聞き手や読み手に伝えたいことを明確に示します。
次に、その理由を説明することで納得感を高めます。
さらに、具体的なエピソードや事例を加えることで信頼性が増し、印象に残りやすくなります。
最後にもう一度結論を繰り返すことで、メッセージを強調し、相手に伝えたい内容が確実に届きます。
PREP法を意識することで、話の流れが整い、相手にわかりやすく伝える力が身につくため、就活のあらゆる場面で活用することができます。
STAR法とは、エントリーシートや面接でのエピソードを論理的に伝えるためのフレームワークです。
Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の順で構成され、経験をわかりやすく整理して伝えることができます。
たとえば「アルバイトで売上向上に貢献した」という話でも、背景や自分の役割、実際の行動、そして成果までを具体的に述べることで、説得力のあるアピールになります。
STAR法は、採用担当者が「なぜその行動をしたのか」「どう成果に結びついたのか」を理解しやすくするため、評価されやすい文章構成として多くの企業で活用されています。
エピソードに一貫性を持たせることで、自己PRやガクチカの完成度を高めることができます。
添削を依頼する
自分だけで完成度を高めるのは限界があります。
そのため、信頼できる第三者にESの添削を依頼するのが効果的です。
大学のキャリアセンターや就活サービス、OB・OG、さらにはAIツールを活用することで、文章の流れや論理性、誤字脱字のチェックを客観的に受けられます。
添削されたフィードバックをもとに改善すれば、使い回しにも対応できる高品質なESを作成できます。
【ES 使い回し】効率よくESを作成するには
エントリー数が増えるにつれて、効率よくESを仕上げる必要が高まります。
近年ではAIツールの活用が進み、自分の思考を整理したり、下書きを生成したりするのに役立っています。
この見出しでは、代表的なAIツールの特徴と使い方を紹介します。
ChatGPT
ChatGPTは、自然な対話形式で文章作成や添削のサポートができるAIツールです。
ESの構成を提案したり、文章の言い回しを改善したり、PREP法に沿った自己PRを作成することも可能です。
おすすめポイントは、対話を通じて自分の考えを深められる点や、短時間で複数パターンの草案を得られる点です。
ただし、生成された文章はそのまま提出せず、必ず自分の言葉で書き直すことが重要です。
Gemini
GeminiはGoogleが提供するAIツールで、情報整理や企業分析にも優れています。
自分の強みと企業の特徴を掛け合わせて、効果的なESの構成を提案してくれる点が特徴です。
また、リサーチ力が強いため、志望動機を補強する素材集めにも活用できます。
注意点としては、情報の取捨選択が必要なため、ユーザー自身が内容の正確性をチェックする姿勢が求められます。
ES Maker
ES Makerは就活生向けに特化したツールで、自己PRやガクチカをテンプレートベースで生成してくれるのが特長です。
自分の入力したエピソードに応じて、PREP法やSTAR法の構成で自動生成されるため、文章構成が苦手な人にとって非常に有用です。
おすすめポイントは、テンプレートの精度が高く、複数パターンの出力が可能な点です。
注意点として、内容が定型的になりすぎないように、自分の表現を加える工夫が必要です。
BLITZCAREER
BLITZCAREERは、AIによる診断と文章生成機能を備えた就活サポートツールです。
自己分析からES作成まで一貫して支援してくれるのが特徴で、志望業界に合わせたカスタマイズ機能もあります。
おすすめポイントは、エピソードの言語化支援や、過去の提出データの管理機能など、長期的に活用できる点です。
注意点は、診断結果に頼りすぎず、自分の経験と照らし合わせて活用する必要があることです。
【ES 使い回し】エントリーシートが完成したら面接対策をしよう!
ESを通過した後に待ち構えるのが面接です。
ESを使い回した場合でも、その内容を自分の言葉でしっかり説明できることが求められます。
特に面接では、ESに書いたエピソードや志望動機が深掘りされるため、再確認と練習が重要です。
面接練習を通して、自分の考えを論理的に伝える力を磨きましょう。
ESとの一貫性を保ちながら、自然体で話せるようにしておくことが、最終的な内定獲得の鍵となります。
まとめ
エントリーシートの使い回しは、就職活動を効率化する手段として一定の効果を発揮します。
しかし、やみくもな使い回しは逆効果にもなりかねません。
自己分析や企業研究をもとに高品質なベースを作成し、企業ごとに必要な調整を加えることが大切です。
さらに、AIツールを活用することで作成効率を高め、内容の質も担保できます。
ESを通過した後の面接対策まで意識することで、使い回しを成功戦略へと変えることができるでしょう。