
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
エントリーシートでは、「ですます調」「である調」のどちらを使用しても大丈夫です。
語尾の違いだけで選考が不利になってしまうということはありません。
ただ、どちらの語尾を使用するかで読み手に与える印象には若干の違いが生じます。
採用担当者に対して自分はどのように思われたいのかということを念頭に語尾を選ぶといいでしょう。
また、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どんなメリットやデメリットがあるかはここで詳しく説明しているので、ぜひ目を通してください。
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エントリーシートを作成する上で適切な語尾とは?
エントリーシートを作成する際には、文章の内容だけでなく、語尾の使い方にも注意を払うことが大切です。
同じ内容であっても、語尾の違いによって文章全体の印象が大きく変わるため、適切な文体を選ぶことで、伝えたいことがより明確に伝わります。
ここでは、エントリーシートで使われる「ですます調」と「である調」の違いについて解説し、それぞれの特徴や適切な使い方について詳しく説明します。
ですます調とは?
「ですます調」は敬体とも呼ばれ、文章の語尾が「です」「ます」で終わる文体を指します。
この文体は、柔らかく丁寧な印象を与えるため、ビジネス文書や教科書、公式な説明文などで多く使用されます。
エントリーシートにおいても、採用担当者に対して丁寧な印象を与えることができるため、一般的には「ですます調」がおすすめです。
例えば、「私は大学時代にゼミ活動に力を入れていました。その中でリーダーを務め、メンバーをまとめる役割を担いました。」というように、親しみやすく、分かりやすい文章になります。
また、「ですます調」を用いることで、自然な流れで自分の考えを伝えやすくなるため、面接時の受け答えとも一貫性を持たせることができます。
ただし、「ですます調」を使う場合、冗長になりやすい点には注意が必要です。
である調とは?
「である調」は常体とも呼ばれ、文章の語尾が「だ」「である」となる文体です。
この文体は、断定的で力強い印象を与えるため、新聞記事や研究論文、報告書などでよく使われます。
エントリーシートにおいても、論理的で説得力のある文章を作成する際に有効です。
例えば、「私は大学時代にゼミ活動に力を入れた。その中でリーダーを務め、メンバーの意見をまとめながらプロジェクトを進めた。」というように、明確に言い切ることで、強い意志や論理的な思考を伝えることができます。
また、「である調」を用いることで、簡潔で締まりのある文章になり、論理的な印象を強めることができます。
ただ、「である調」は硬い印象を与えるため、場合によっては堅苦しくなりすぎることもあるので注意してください。
ですます調・である調のどちらを使っても問題はない
結論として、エントリーシートの語尾は「ですます調」「である調」のどちらを使っても問題はありません。
しかし、それぞれの文体によって与える印象が異なるため、目的に応じて適切に使い分けることが重要です。
一般的には、「ですます調」を使用することで、柔らかく丁寧な印象を与えることができるため、採用担当者が読みやすく、親しみやすい文章になります。
一方で、「である調」を用いることで、論理的で力強い印象を持たせることができるため、明確に意志を伝えたい場合に有効です。
ただし、どちらの文体を選ぶにせよ、エントリーシート全体で統一することが重要です。
文中で「ですます調」と「である調」が混在すると、読み手に違和感を与える原因となるため、一貫性を持たせることを意識しましょう。
【エントリシートで適切な語尾は?】ですます調を使うメリット
エントリーシートを書く際には、文章の内容だけでなく、語尾の使い方にも気を配ることが重要です。
特に、「ですます調」と「である調」では、文章全体の印象が大きく異なるため、企業の採用担当者に伝わりやすい文体を選ぶことが求められます。
結論として、エントリーシートでは「ですます調」を使用することで、読みやすさや誠実さを伝えやすくなります。
ここでは、「ですます調」を使うメリットについて、具体的に解説します。
丁寧な印象を与えられる
先程も少し触れましたが、「ですます調」は読み手への敬意を示す敬体ということもあって相手に丁寧で礼儀正しい印象を与えることができるのが大きなメリットです。
また、真面目さや誠実さといった個性をアピールするためにも使えます。
エントリーシートは目上の人物である採用担当者に読んでもらうために書くわけですから、礼儀正しい印象を与えることはプラスになってもマイナスになることはないでしょう。
どちらを使ったらいいか迷ってしまったときには、取り敢えず「ですます調」を選んでおけば無難です。
ただし、「ですます調」では敬語を使用する機会も増えます。
普段敬語を使い慣れていないと間違った言葉遣いをしてしまう可能性もあるので、間違いがないかしっかり確認するようにしましょう。
読みやすい文章になる
「ですます調」は、日常生活やビジネスシーンで一般的に使われる文体であり、企業の採用担当者を含め、多くの人が読み慣れています。
そのため、エントリーシートにおいても「ですます調」を使用することで、違和感のない自然な文章になり、スムーズに読んでもらえる可能性が高くなります。
特に、採用担当者は短期間で何百枚ものエントリーシートを読む必要があるため、読みやすい文章であることは重要です。
分かりにくい文章や、硬すぎる表現が多い文章は、最後までしっかり読まれないこともあり得ます。
「ですます調」を用いることで、親しみやすく、流れるように読める文章になるため、担当者の印象に残りやすくなるというメリットがあります。
一緒に働くイメージを持ちやすい
エントリーシートは、単なる応募書類ではなく、「この人が入社したらどのように働くのか」を企業に伝えるための重要なツールです。
そのため、エントリーシートの文体も、入社後の振る舞いを想像させるものになっていることが望ましいです。
実際に企業へ入社した後は、社内外の多くの人と敬語でやり取りをすることになります。
そのため、エントリーシートの文章が「ですます調」で書かれていると、「この人はビジネスマナーをわきまえた社会人になれそうだ」という印象を与えることができます。
また、敬語を使い慣れていることが伝わるため、入社後のコミュニケーションに不安を感じさせないというメリットもあります。
一方で、「である調」は、論理的で力強い印象を与える一方で、やや硬い印象になりがちです。
【エントリシートで適切な語尾は?】ですます調を使うデメリット
エントリーシートでは、丁寧で読みやすい文章を書くことが求められるため、多くの就活生が「ですます調」を採用します。
しかし、「ですます調」にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットもあります。
単調な文章になりやすいことや、敬語表現の間違いによるマイナス評価のリスクなど、気をつけるべきポイントを理解し、適切な表現を意識することが大切です。
ここでは、「ですます調」を使う際のデメリットについて詳しく解説します。
語尾に文字数がかかる
「ですます調」を使用することのデメリットの一つは、「である調」比べて文章が長くなりやすいことです。
「私の長所は◯◯です」と「私の長所は◯◯だ」という文章だけでも1文字分長くなります。
エントリーシートの記入欄には文字制限が設けられていることが多いため、少しでも多くのことをアピールしたい場合には文字数が多いことはマイナスに働きます。
単調な文章になりやすい
「ですます調」は、敬意を表しながら分かりやすい文章を作るのに適していますが、使い方によっては単調で退屈な印象を与えてしまうことがあります。
特に、語尾が「~です」「~ます」の繰り返しになると、リズムが単調になり、読み手に飽きられやすくなります。
例えば、「私は大学時代にゼミ活動に力を入れていました。
その中でリーダーを務めました。
メンバーと協力しながら課題に取り組みました。」のように、すべての文が同じ調子で終わってしまうと、文章全体に抑揚がなくなり、伝わりにくくなります。
このような単調さを防ぐためには、体言止め、提案文、疑問文、倒置法など語尾のバリエーションを増やすことで、「ですます調」でも飽きのこない文章を作ることが可能になります。
敬語表現を間違う恐れがある
「ですます調」を使うと、文章全体が丁寧で読みやすくなりますが、敬語表現を誤ると逆効果になる可能性があります。
特に、二重敬語や尊敬語・謙譲語の誤用には注意が必要です。
例えば、以下のような間違いは避けるようにしましょう。
1. 二重敬語の例
✖「ご覧になられる」
〇「ご覧になる」
2. 尊敬語・謙譲語の混同
✖「社長が私を訪問されました。」
〇「社長が私のもとを訪ねてくださいました。」
3. 不自然な敬語表現
✖「私は貴社において働かせていただきたいです。」
〇「私は貴社で働きたいと考えております。」
尊敬語・謙譲語の使い分けが難しい場合は、「ですます調」をベースにしながら、無理に敬語を多用しすぎないシンプルな表現を心がけると良いでしょう。
【エントリシートで適切な語尾は?】である調を使うメリット
エントリーシートの文章構成を考える際に、「ですます調」と「である調」のどちらを使用するかは、文章の印象や伝え方に大きな影響を与えます。
特に、「である調」は簡潔で力強い印象を持たせることができるため、特定の状況では有効な選択肢となります。
ここでは、「である調」を使うメリットについて詳しく解説します。
説得力が増す
あえて「である調」を使うメリットの一つは、読み手である採用担当者に力強さやインパクトを与えることができるという点です。
論文やニュースで使われることからも分かるように、「である調」では語尾が断言する形になるため文章に強い意志を込めることができます。
同じ内容でも「ですます調」に比べて強い説得力をもたせることができるでしょう。
もう一つのメリットは「ですます調」のデメリットのところでも説明したように文章の文字数を節約できるという点です。
自己PRや志望動機になどを記入する時に限られた文字数の中で少しでも多くの情報を詰め込みたいならば「である調」を使うという選択肢もあります。
目的に応じて適宜切り替えるようにするといいでしょう。
字数制限に対して多くの内容を書ける
エントリーシートでは、限られた文字数の中で自分の強みや経験をできるだけ効果的に伝えることが求められます。
このとき、「である調」を使うことで、無駄な文字を省きながら、簡潔で情報量の多い文章を作成することが可能になります。
例えば、「ですます調」では「私はこの経験を通じて、リーダーシップの大切さを学んだと思います。」と書くところを、
「である調」では「この経験を通じて、リーダーシップの大切さを学んだと考える。」と書くことができます。
このように、語尾を短縮することで、少ない文字数で同じ内容を伝えることができるため、字数制限が厳しい場合に有効です。
さらに、「ですます調」では、文章全体がやや冗長になりやすい傾向がありますが、「である調」を用いることで、論理的かつ端的な表現が可能になります。
【エントリシートで適切な語尾は?】である調を使うデメリット
「である調」は、論理的で端的な表現が可能な文体である一方で、使い方によってはネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
特に、柔軟性や協調性を重視する企業では、「である調」の使用が堅苦しい印象を与え、応募者の人柄が伝わりにくくなる可能性があります。
ここでは、「である調」を使う際のデメリットについて詳しく解説します。
謙虚さが見えづらい
「である調」は強い表現であるだけに、相手に対して尊大な印象を抱かせてしまうことがあります。
それでも文章に十分な説得力があれば相手を納得させることができるでしょうが、主観的になりやすいので薄っぺらい内容で何の根拠もなく断言していると「上から目線で偉そうだ」、「謙虚さがない」と思われてしまうかもしれません。
また、「である調」は普段の生活の中であまり接することがなく、なじみのない文体です。
あえて言えば、学術論文や一昔前の文学作品などで目にすることがあるくらいで、どうしても堅苦しい印象は拭えません。
本人は和やかで人懐っこい性格でも、語尾からとっつきにくい印象を与えてしまうこともあるでしょう。
堅い印象を与えてしまう可能性がある
「である調」は、淡々と事実を述べるような表現になりやすく、場合によっては冷たい印象を与えてしまうことがあります。
例えば、「私はこの経験を通じて、リーダーシップの重要性を学んだである。」といった表現は、簡潔で論理的ではあるものの、ビジネスの場面ではやや機械的に感じられます。
これに対し、「ですます調」を使うと、「私はこの経験を通じて、リーダーシップの重要性を学びました。」となり、より親しみやすく、自然な文章になります。
特に、企業の採用担当者はエントリーシートを通じて応募者の人柄や価値観を判断するため、過度に硬い表現は避けたほうがよい場合もあります。
例えば、営業職や接客業など、人と接する機会が多い職種では、「である調」よりも「ですます調」のほうが適していると考えられます。
【エントリシートで適切な語尾は?】注意するポイント
ここまでは「ですます調」「である調」それぞれのメリット・デメリットを見てきましたが、両方に共通する注意点というものもあります。
非常に基本的なポイントですが、ついうっかりしがちなポイントでもあるので必ずチェックしましょう。
語尾は必ず統一する
既に説明した通り、エントリーシートに記入する文章の語尾は「ですます調」でも「である調」でも問題はありません。
それぞれのメリット・デメリットを考慮して、より効果的と思われる方を選ぶようにするといいでしょう。
ただし、一つの文章の中で「ですます調」と「である調」を混在させてしまうのはNGです。
語尾は必ずどちらか一方に統一するようにしましょう。
両方の語尾が混在していると非常に読みづらく、内容が頭に入りづらくなってしまいます。
応募してくる学生が多い大手企業の採用担当者は毎日数えきれないほどの履歴書やエントリーシートに目を通しているので、内容が分かりにくいものをもう一度読み返してくれるとは限りません。
一度読んだだけで内容を理解してもらうためにも語尾は統一したほうがいいでしょう。
間違った敬語の使い方には注意する
エントリーシートでは、文章の内容だけでなく、敬語の使い方にも十分に注意することが大切です。
敬語の誤用は、社会人としての基本的なマナーが身についていないと判断され、評価が下がる原因になる可能性があります。
特に、尊敬語と謙譲語の使い分け、二重敬語の回避、そしてビジネスの場にふさわしい表現を意識することが求められます。
例えば、「拝見させていただきました」や「ご覧になられる」という表現は二重敬語にあたるため、正しくは「拝見しました」や「ご覧になりました」とするべきです。
また、「貴社に応募させていただきます」と書くと、へりくだりすぎた印象を与えてしまうため、「貴社に応募いたします」と簡潔に表現するのが適切です。
以下では就活生が間違いやすい敬語表現を一覧にしていますので是非参考にしてみてください。
失礼な言表現 | 正しい表現 | ワンポイント解説 |
---|---|---|
ご苦労さまです | お疲れさまです | 「ご苦労さま」は目下の人に対して用いる言葉 |
了解しました | 承知しました・かしこまりました | 「了解しました」は敬意のないフランクな表現 |
おっしゃられる通りだと思います | おっしゃる通りだと思います | おっしゃるだけで尊敬語なので、「られる」をつけると二重敬語になる。同様に、おっしゃられました、ではなく、おっしゃいました、が正しい表現 |
いつもお世話様です | いつもお世話になっております | 「いつもお世話様です」は目上の人に用いるべきではない表現 |
おわかりいただけたでしょうか | ご理解いただけたでしょうか | わかりましたか、という意味になり、目上の人に使うには失礼な表現 |
大変参考になりました | 大変勉強になりました | 「参考」という言葉が、自分の考えを決める際の足しにするといった表現のため失礼にあたる |
すいません | ありがとうございます・申し訳ございません | 「すいません」は「すみません」の口語として定着したため、目上の人に用いるには失礼な表現 |
わが社 | 弊社・当社 | 外向けに使ってしまうと偉そうな印象を与える |
【エントリシートで適切な語尾は?】迷ったら敬語の「ですます調」を使おう!
エントリーシートを書く際に、「ですます調」と「である調」のどちらを使うべきか迷うことがあるかもしれません。
結論として、どちらを使っても問題はありませんが、迷った場合は「ですます調」を選ぶのがおすすめです。
「ですます調」は敬語表現であり、丁寧で読みやすい文章になるため、採用担当者に対して誠実な印象を与えることができます。
また、エントリーシートは企業の担当者が短時間で多くの応募者のものを読むため、読みやすさも評価のポイントになります。
「ですます調」を使用することで、自然な文章になり、無理なく伝えたい内容を届けることができます。
一方で、「である調」は簡潔で力強い表現が可能ですが、やや硬い印象を与えることがあり、場合によってはそっけなく感じられることもあります。
まとめ
「ですます調」「である調」の二つの語尾について、その特徴を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
エントリーシートに記入する文章の語尾で迷ってしまった時は、それぞれの語尾のもつメリット・デメリットを考慮した上で「この文章で担当者にどのような印象を与えたいのか」ということを考えて選ぶといいでしょう。
そして、何よりも重要なのは語尾の選択ではなく、書かれている文章の内容であるということを忘れてはいけません。